9話
公園
「ルシアちゃん!あすみはどうなってるの?まさか魔力切れで…」
「いえ、逆です。魔力がありすぎて自身では制御できなくなってるんです」
「それって…」
「水を飲みすぎると生物はどうなりますか?」
「そういうことか!」
「彼女は今魔力が溜まりすぎて苦しんでいるんです!」
「はは。せっかく生きる理由ができたのに…悪い事をした罰ですかね?」
「ルシアちゃん!なんとかならないの!」
「私は一応悪魔ですから魔力を奪うことはできます。ただこれだけの量は…」
「ルシアちゃん…」
「えい!このまま放置してても何も解決しません!吸い取れるだけの魔力は吸い取ります!」
「ルシア…」
凄い魔力の量だ…どれだけ持つかな
「ルシアちゃん!頑張って!」
「なんだか楽になってきました…」
「あすみの様子が!」
あと少し魔力を吸い取れれば!でも体が…
「ルシア、これ以上やったらあなたが…」
「馬鹿言わないでください!生きる理由見つけたんでしょ!」
「ルシア…」
「あと少しです!ラストスパートです!」
やった!ここまで魔力を吸い取ればもう!
「はぁはぁ…ここまで魔力を吸い取れば大丈夫ですかね?」
「凄いよ!ルシアちゃん!」
「ルシア、ありがとうございます。九死に一生を得ました」
「あすみさんが助かって良かったでs…うがぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!!!!!」
「ルシアちゃんの様子が!」
やっぱり、私程度の力じゃ無理だったかな…
「ルシアちゃん!しっかりして」
「…」
喋れない?!体も動かせない?!どうしよう?!
「嘘…嘘だよね?!」
「…なんか言ってよ!返事してよ!」
「嘘?!私を助けたからルシアは…!」
あすみさん思いつめないで!
「…」
「私が魔力を負担したらルシアちゃん、助かるかな?」
そんな事をしたらクローバーが!ダメ!あすみさん!止めて!
「クローバー!ダメです!そんなことをしたら!」
「うるさい!何か解決策でもあるのか!」
「クローバーが犠牲になってまでルシアは生きる事は望んでいません!」
体を動かせない…なんとかして口だけでも…あれ?なんだか意識が…
夢の中
「…あれ?私は…そうだ!クローバーを止めないと!もしクローバーが私の魔力を吸い取ったら大変な事に!」
「何も焦る必要は無いわ」
「あなたは?」
この声どっかで…
「姿を見せましょ。私よ」
「瑞葉さん?!」
「さん付けはやめてこれでも私、妹キャラだから」
「私も妹キャラです」
「そういうやり方できたか〜…とりあえずさん付けか敬語のどっちかをやめて。落ち着かないから」
「ではさん付けにします。なんと呼べばいいですか?」
「さん付け以外なら好きに呼びなさい。呼び捨てでいいわよ?」
「では瑞葉ちゃんと呼ばせていただきます!」
「それでいいわ。で本題なんだけど…」
「なんでしょう?」
「あなたバカね」
「な、なんですか!」
「普通自分の身を犠牲にしてでも誰かを助けようとする悪魔なんていないわよ?」
「う、うるさいですねぇ!悪魔は基本自由な存在なんです!私は魔界でも普通に暮らしていけるからいいんです!」
「あなたのような優しい悪魔は他にもいるの?」
「います!悪魔は自由ですから!」
「あなたは情が深すぎる…悪魔としては致命的な欠点よ」
「誰かを助けるのに種族は関係ありません!」
「ルシアのような人が親だったら私の人生も、いえ、なんでもないわ。あともう起きる時間よ」
「ちょっとまだ聞きたいことが!」
「じゃあね」
公園
「ん…」
「ルシアちゃん!」
「クローバー…もう大丈夫ですよ」
「良かった!助かって良かった!無茶ばっかりして…このバカ!」
「心配かけましたね。もう大丈夫ですよ」
「あの…大丈夫ですか?」
「はい!」
「なら良かったです。すみませんでした。迷惑をかけてしまって」
「あすみさん、後ろめたい感情、持ってますか?」
「はい。私はなにもできなかったから」
「なら代わりに保護施設の子供達に沢山優しくしてあげてください!」
「ルシア…あなたらしいですね。分かりました」
あすみさんならきっとやっていけるはず!
「あすみのやつ、行っちゃったね」
「クローバー、私が魔力を吸い取りすぎて気絶していた時、私の体にある魔力を吸い取ろうとしてましたよね?」
「えっと…それは…終わりよければすべてよしっていうじゃん?」
「それ前にも言いましたよね?後で私の家できっちり説教ですからね!」
「はい…シクシク」
投稿遅れてすみません。別の小説に力を入れてました。要件はTwitterにまでお願いします。誤字とかがあったら普通にいってください