8話
夢の中
「わぁい!私お姉ちゃん大好き!私、将来はお姉ちゃんのお嫁さんになるんだ!」
「ありがとうね。瑞葉」
みのりさん?あれ?喋れない…
「お姉ちゃんからはずっと離れない!だって私はお姉ちゃんのお嫁さんだもん!」
みのりさんの妹かな?あれ?光が…
「どこ?!瑞葉はどこに行ったのよ?!」
「それなら山に捨てた。あんたみたいな忌み子に関わるなんてどうかしてるだろ。お前も捨てたいが知性が高すぎて戻ってくるから無理なんだ。お前がいなければ瑞葉は捨てられなかったんだよ」
なにこれ…酷すぎる!
「お前は絶対に許さない!瑞葉を、瑞葉を返せ!」
みのりさんが暴走してる!
「呼吸禁止!」
「うぐ!」
「お前には盛大に死んでもらう。私の禁止の力は何一つ証拠を残さない!」
「き、貴様!」
嘘…惨すぎるよ
「忌み子忌み子って…私があんたに危害を加えたかしら?」
「頼む!私が悪かった!だから…」
「お前は私を悪魔に変えた。恨むなら自分を恨みなさい」
「ク…ソ…が…」
「死んだわね」
???「お願い…助け…て」
この声は何?
???「会いたい…会いたいよ」
ルシアの家わ
「は?!」
なんだったのあの夢…みのりさんに妹いたんだ…
「山に行こう。あそこなら落ち着く気がする」
山
空気がおいしい。なのに心はちっとも晴れない
「ルシアちゃん、久しぶりだね」
「ゆい君?!」
「安心しろ。今は君を襲わない。僕は君がなにか悩みを持っていると思っている。どうかな?」
「ゆい君はみのりさんの事、どう思いますか?」
「あいつとは古い仲さ。いいやつだよ。時々自分を養ってくれた保護施設に差し入れしてるし」
「私もみのりさんはいい人だと思います。いい人なんですよ。いい印象が持たれないだけに」
「ルシアちゃん?」
「私はみのりさんが何か大きな悩みを抱えてると思うんです」
「そうか…でもあまり深堀はしない方がいい」
「どうしてですか?」
「大変な事になるよ」
「え?それってどういう…」
「あいつは保護施設で育った。どんな過去を持っててもおかしくない。君は僕の本性を知った時、どんな気持ちだった?」
「それは…」
「あいつのことを知りすぎると殺されるかもしれない。でも君はあいつに恩がある。やめないだろうね」
「はい!」
「そんなあっさりと…まぁいいや。僕はいくよ。じゃあね」
ゆい君、行っちゃった。なんだったんだろう?
「はぁ…姉さん、私どうすればいいんだろ?あれ?あそこに誰かいる?」
誰だろう?この人?こんな所に人なんて滅多にこないと思うんだけど
「…」
「大丈夫ですかー?」
「み…ず…を」
「水ですか?ペットボトルでいいならどうぞ!」
「み!水!」
きゅ!急に!
「はー!生き返った!」
「だ、大丈夫ですか?」
「助かったわ!ありがとう」
「どういたしまして」
「あなた優しいわね?貴方は天使?悪魔?それとも人間?」
「私は…」
「悪魔ね!」
嘘?!初見で見破られた?!
「わ冗談よ…と言いたい所だけど反応を見る限り当たってるみたいね。ふふ」
「頭いいんですね」
「悪魔である事に変わりはないみたいね。私は赤河瑞葉よ。よろしくね」
赤河?!それってみのりさんの苗字。
「なに?そんなに驚いて」
「いえ!なんでもないです。私の名前はルシア・マークです。よろしくお願いします!」
「よろしくね。それにしてもあなた…」
「ど、どうしたんですか?」
「あなたの目には遠野物語の赤い河童が移ってる気がする…でも確信はできない。この気持ちはなんなのかしら?」
これがみのりさんの親族?見たのと全然違う
「ルシア、あなたがいなければ私は死んでいたわ。いつか恩を返す時が来るかもね」
「恩なんてそんな。命に優るものなんてないです」
「ふふ!気に入ったわ!いつか必ず私の物にするから。じゃあね」
「なんだったんだろう?家に帰るか」
ルシアの家
赤河瑞葉…みのりさんの妹なのかな
「保護施設ならなにか情報得られるかな…」
いや!ダメだ!忙しいだし…
「いっその事みのりさんに聞いてみようかな?」
それができたら苦労しないよ
「ルシアちゃーん!」
「ク、クローバー?!」
「あーけーてー! 」
「もう、連絡くらいしてください。いいですよ」
「ごめんごめん!」
クローバーはいつも元気だな
「そういえばルシアちゃんの隣に誰が引っ越してくるみたいな話を聞いたんだけどルシアちゃん知らない?」
「聞いてませんねぇ」
後で見に行ってみるか
「それはそうとルシアちゃん!月にはいけ…」
「行けません!」
「そんな〜!」
「行けますけどダメです!」
「そこを何とか!」
「つい先日行ったばっかりじゃないですか!2回連続はどのような事が起きるか分からないから時間を空けてるんです!」
「ルシアちゃん、時間停止できるでしょ!」
「それがどうかしたんですか?」
「私と一緒に時間を止めて再度月に行くまで待つというのは…」
「なに言ってるんですか!ダメです!」
「とほほ…」
「魔力をゆい君に分けて貰ったので私は大丈夫ですがクローバーが月に行くのは2度目です!何が起きるから分かりません!」
「随分揉めてるようね?」
「みのり?!」
「みのりさん?!どうして?!」
「あなた達2人に私を認識する事を禁止したのよ。だから気づかなかったのよ」
「怖!ルシアちゃんの家で何してるの?!」
「みのりさん、どこまで聞いてたんですか?」
「あなたの部屋にはずっと居たわ。あなた、なにか聞きたいことでもあるの?」
「それは…」
「言いたくないなら別にいいわ」
「ルシアちゃん、みのりのことを調べてたの?」
「はい…ちょっと 」
「どうせさーやにでも吹き込まれたのでしょ?深堀はしないわ。あとクローバー」
「何?」
「あすみが会いたいって。近くの公園に呼んどいたから会いに行ってくれないかしら?」
「いいよ」
「ありがとう。私は帰るわ」
「はい…」
「何をしに来たんだ?」
「クローバー…」
「それより月には…」
「行けません!ダメというものはダメです!」
「やっぱりグレースを救うのはまだ先になりそうか…チラ」
「ダメです!」
「ルシアちゃん…チラチラ」
うぅ…でもここはバシッと言わないと!
「そんなチラチラしてもダメです!クローバーが短期間の間に月に2回も行って何かあっても責任はとれません!」
「誘惑はできなかったか…」
「そういえば近くの公園にあすみさんが…」
「あのハンター、今どうなったんだ?もしかして?!」
「安心してください!あすみさんは今は保護施設で働いています」
「ルシアちゃんが言うなら本当だな!」
公園
「ここにあのハンターがくるの?」
「みのりさんは近くと言っていたので多分ここかと…」
「クローバー・テイラー…」
「あ、ハンターだ。私を呼び出して何しに来たの?」
「そ、それは…」
「私の命を狙っといて呼び出しですか〜?へー!ほー!ふーん!」
「ちょっとクローバー!」
「うぐ、グズ…うぇぇぇん!!!そんなつもりじゃ…」
「ちょっとイタズラが過ぎた!悪かったよ。ほら、もう気にしてないから!」
「クローバー!実は…」
30分後
「なるほどね。ありがとう。ルシアちゃん」
「あすみさんを早く慰めてください!」
「いやぁ…落ち着いた?」
「はい…」
「ちょっとイタズラが過ぎたよ。ごめんね」
「これ、差し上げます」
「なにこの指輪?」
「私はこれでも悪魔の血を持ってます。これを使えば月に行く事ができます」
「え?!本当!」
嘘?!月に行く道具?!すぐに没収しないと!
「クローバー!今すぐこの指輪を!」
「やったぁ!いいの?!これ貰っても!」
ダメだ。私の話を聞いてない!
「この指輪には月に30年くらい在住できるほどの魔力がこもってます」
「こんなの私に渡して大丈夫なの?ルシアちゃんは魔力が不足した時に倒れちゃったけど」
「はい。大丈夫です。あれ?おかしいな様子が…」
「あすみ?!あすみ?!」
「大丈夫ですか?!あすみさん?!」
「ルシアちゃん!あすみはどうなってるの?まさか魔力切れで…」
「いえ、逆です。魔力がありすぎて地震では制御できなくなってるんです」
あとがき
みのりの元ネタはありますが瑞葉に元ネタはございません。みのりの元ネタを言うのはタブーなので言いませんみのりの元ネタはありますが瑞葉に元ネタはございません。みのりの元ネタを言うのはタブーなので言いません。知りたいのであればTwitterにきてください
Twitter @amane_saki1110