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不良天使と臆病悪魔  作者: ブルーハワイ
5/10

5話

夢の中

「クローバーのお姉さん…」

この人がクローバーのお姉さん?

「君には悪い事をしたね。私の早とちりでお姉さんを封印してしまって」

「あなたが姉さんを封印したクローバーの…」

「その反応は無理もないか。私を恨むなら恨んでもいい。やって許されない事をした。君の大切な姉を奪った上に妹がグレる原因を作った。許されようだなんて微塵も思っていない」

「私はあなたを恨む気はありません。ただ姉さんの封印の解き方を教えてくれませんか?」

「君は優しいな。もしかしたら…いやなんでもない。クローバーの封印の解き方を教えよう」

「ごくり」

「クローバーは月に封印した。月に天使を連れていけば封印を解くことができるよ」

「月?!月は悪魔の源ですよ?!」

「天使の力の源は太陽。月に入れば太陽の力を得る事はできない。悪魔も同じ太陽の光が力の源だと思ってたんだ…」

「そうゆう事だったんですか…そういえばクローバーが私のお姉さんを封印したやり方と全く同じやり方であなたを封印したって…まさかあなたは今、月にいるんですか?!」

「そうだけどそれがどうかしたの?」

「もうしばらく太陽の光を浴びてないんじゃないですか?」

「そ、それは…」

もし真実ならエルフィンさんは…

「答えてください!」

「はぁ…鋭いね。私はもう1年は太陽の力を浴びていない」

「相当、弱ってるんじゃないですか?」

「そこは優等生の意地ってやつで…」

「嘘をつかないでください!悪魔を1人封印するのにどれだけの力を使うと思ってるんですか?!クローバーの事ですからあなたをすぐに封印したはずです!封印される前に力を多く使いその後で太陽の力を得ることができない月に封印されたんですよね?」

「鋭いね。その通りだ。君の考えてる通り私には時間が無い」

「だったら何故助けを求めないんですか?」

「大切な家族を奪ったのに助けを求めるなんてそんな虫がよすぎる事は頼めない。それに天使がした封印は天使にしか解けないし悪魔がした封印は悪魔にしか解けない。私は天使に封印された。私をあれほど恨んでいるクローバーが助けてくれると思う?」

「私が説得します!私が説得して姉さんとあなたを助けてみせます!」

「そうか。だったら私は止めない。ただ最後に質問させて。どうして君は私を助けようと?」

「大切な人が失うって悲しいですよね?姉さんが封印された時、私はものすごく悲しかったです。クローバーには同じ苦しみを味わって欲しくないんです。今なら後戻りできます。妹と仲直りして欲しいんです。もしあなたが消滅したらクローバーは絶対後悔するから…」

「お人好しだね。でもそういう所、嫌いじゃないよ。頑張って!」

「はい!」

クローバーの家

「ルシアちゃん!」

クローバー…いつ言うべきだろうか…

「おはよう!」

「おはようございます…」

「どうしたの?ルシアちゃん?なんか元気ないけど」

「何でもありません!学校行きましょう」

学校

クローバーになんて言うべきだろうか?

「ちょっといいかしら?」

「は、はい!」

「私の名前は赤河みのり。あなたの事はさーやから聞いてるわ」

さーやって誰だろう?

「あ、あの…さーやって」

「風音ゆいの事よ」

「ゆい君の友達なんですね!」

「ゆい君って…まぁいいわ。それであなたにお願いがあるの」

「なんですか?」

「貴方の手を触らしてくれないかしら」

え?!どういうこと?

「まぁ…いいですけど、何をするんですか」

「それはやった後に教えるわ」

「それだと意味が無い気が…まぁいいです。どうぞ」

「ありがとう。じゃあやるわよ。ふん!」

時間停止

え?!時が止まった

「ど、どういうことですか」

「貴方の潜在能力を引き出したのよ」

たしか前にもこんな事があったような…

「みのりさん、あなたは誰なんですか?」

こんな事人間のやることじゃない

「ただの普通の人間よ。あなたは時間の時止めが自由に行えるようになったわ」

「なんでそんなことを…」

「あなたがこの力をどのように使うか見たいのよ。これを人の為に使うか、それとも悪魔らしく私利私欲の為に使うか、気になるのよ」

「どのように使うかは分かりませんがこの力は人を害する目的では使いません」

「本当にそうかしらね。まぁさーやよりはいい使い方をすると信じてるわ」

「ゆい君ならもっといい事に使うと思いますよ?」

「ルシア、あなたは人を信じすぎよ。さーやを信用するのはやめなさい。危険だから」

「どういうことですか?」

「さあね。それより時間停止をそろそろ解除してくれない?」

「あ、はい」

時間停止解除

「私は次の授業の準備をするわ。ルシアも急ぎなさい」

「は、はい!」

時止め…これがあれば悪魔としての役割を…大切な人を失う苦しみを知ってるのにできるわけないよ

放課後

そう言えばクローバーになんて言えばいいんだろ…迷ってても仕方ないに遅かれ早かれ言うなら今言うべきなのかな

「ルシアちゃん!」

「クローバー…」

「朝から元気ないけど大丈夫?」

「クローバー、話したい事があるんです。いいですか?」

「何?いきなりどうしたの?」

「帰り道で話しましょう」

帰り道

「話ってなに?」

「エルフィン・テイラー。この名に聞き覚えはないですか?」

「その名前をどこで?!」

「エルフィンさんは姉さんと一緒に月に封印されています。昨日夢の中にエルフィンさんがでてきたんです」

「あいつ夢の中にまで…」

「エルフィンさんは姉さんを月に封印したと言いました。クローバーはエルフィンさんが姉さんを封印したのと同じやり方で封印した。これが正しければエルフィンも月に封印されていると推測する事ができます」

「月になんて行けるわけないだろ…」

「私の魔力を使えばクローバーを月に送る事ができます!残念ながら私は月へは行けませんが…」

「それって…」

「ただし私は悪魔としての力はかなり弱い方です。1人助ければ私の魔力切れでクローバーな地上に強制送還されます」

「それって…」

「エルフィンさんは言ってました。天使は太陽が力の源。月に封印されて1年近く光を浴びていないからいつ消滅してもおかしくないと。お願いします。エルフィンさんの姉の封印を解いてください」

「断る」

やっぱり。予想はついてたけど…

「そこをなんとか…」

「グレースを助けるなら協力はしてやるがエルフィン・テイラー、私の姉を助けるのなら私は協力しない。ルシアちゃんはグレースを助ける為に下界に降りてきたんでしょ?だったらグレースの事を優先すればいいじゃん」

「月は悪魔の源。悪魔が月に封印されても消滅する事はありません。でも天使にとって月に封印されるという事は太陽の力を得られないから死を意味するんです」

「そんなの知った事では無い!あんな奴私の姉ではない!」

「この分からず屋!もうクローバーの事なんて知りません!」

どうして家族を否定するの?!死んだら二度と会えないのに…

「ルシアちゃん!どこに!」

釣り場

はぁ…海はどこまでも広いなぁ。あんな事言っちゃったけどどうしよう

「悩みを持ったものは海が見れる釣り場に訪れるってさーやが言ってたわ」

「みのりさん?!」

「とても優しい悪魔が存在するとさーやに聞いたけど都市伝説じゃ無かったのね」

「…」

「悩みがあるなら相談しなさい。吐けば少しは楽になるわよ」

この人なら信用できそうな気がする…

「実は…」

会話中

「なるほどね。死にそうになっている姉を見殺しにしようとするクローバーに腹が立ってここまで来たと…」

「私はどうするべきなんでしょうか?」

「単純に悪魔として強くなればいいんじゃないの?あなたの潜在能力を引き出してあげたわよね?それで銀行強盗でもすればいいじゃない。なんなら海には沢山の死体があるわ。それを燃やせばちょっとは悪魔らしくなるんじゃないかしら」

「そんな事…できるわけないじゃないですか…そんな事したら姉さんが悲しみます」

「あなたならそう言うと思ったわ」

「だったらなぜ」

「悩んでんじゃないわよ」

「え?」

「悩んでる暇が動けと言ってるのよ。悪魔だけど他人の不幸を悲しめる優しさを持つあなたになら行動する事の大切さは分かるはずよ」

「みのりさん…」

「今日はあの堕天使と一緒じゃないんですね」

「あすみ?クローバーならいませんよ?!」

「あんたは?」

「私は天使を狩るもの、三上あすみです」

「私は…」

「あなたは名乗らなくて結構です。覚える気ないですから。ようがあるのはルシアですよ!」

急に襲いかかってきた!どういう事?!

「あなたを消せばクローバーの精神は壊れると判断しました。だから私はあなたを…」

「飛び蹴りよ。くたばれ!」

「くはぁ!」

「み、みのりさん!流石に飛び蹴りは…」

「天使を狩るもの、存在は知ってたけど単なる厨二病だと思ってたわ」

「いてて…」

「あら、手加減していたとはいえ耐えるとは」

「もう戦うのはやめてください…勝負はもうついてます」

「…分かりました。降参です」

「どうして天使なんか狩ってるの?」

「私は悪魔と人間のハーフです。父が悪魔でした。ある日父が天使に殺されましてね。天使を目の敵にしてるんですよ」

思ったより重い過去だった…

「なるほどね。分かったわ」

「みのりさn…」

「喋るの禁止!」

「んー!んー!」

え?!喋れない!どういうこと?!

「抵抗は無意味よ。あなたは喋れない。文句なら私の元ネタに言う事ね」

「ルシアに何を…あなたは一体…」

「ハンター…あすみだったかしら?」

「一体なんですか?私はあなたに危害を加えるつもりは…」

「呼吸禁止!」

「ん?!く、る…」

「んー!んー!(みのりさんやめてください!死んでしまいます)」

「これで命を奪われる苦しみを理解できたかしら?」

「わ、分かりました…もうやめて…息が…」

「呼吸禁止解除」

「はぁ!はぁ!」

「罪を犯した者に復讐するなら私は止めないわ。私の目の前に迫害を続けた者がきたら殺すと思うから。それを私に止める権利は私にはない。でも罪を犯した者の種族そのものまで恨むのはやめなさい。人が人を殺した時、地球上の全ての人を恨む事をどう思うかしら?」

「それは…」

「あなたはまだやり直せる。良ければ私が仕事を紹介するわ 」

「い、いいんですか」

「いいわよ。それよりルシアにかけた禁止を解かないとね。禁止解除」

「はぁ!何をするんですか!酷いです!プンプンですよ!」

「あなたって結構幼いわね。まぁいいわ。私はあすみに仕事を紹介してくるから」

保護施設

「親父、どうでしょうか?親父をここで働かせることはできますか?」

「まさかみのりの紹介とはねぇ。いいよ。ここで働くといい」

「ありがとうございます。ほら、あすみもお礼言いなさい!」

「あ、ありがとうございます!」

「あすみちゃんよろしくね。子供達の面倒は大変だろうけど頑張って」

「はい!」

「良かったわね。あすみ」

「みのりさん!ありがとうございます!助かりました!」

「そろそろ私は行くわ。親父、何か困った事があったら私を呼んでください。その時は手伝います」

「分かった。みのりも何か大変な事があれば何時でも相談していいからな」

「尾行?悪趣味ね」

「すみません。気になったもので…」

「私はここで育ったのよ。今ではアルバイトをして一人暮らししているけど時々子供達の面倒を見たり余った食べ物とかを差し入れしたりしてるわ」

「感謝してるんですね」

「あなたもこれで自分がやるべき事が分かったんじゃないかしら」

「はい!みのりさんを見て分かりました。もう私は悩みません!当たって砕けろです!」

「あなたみたいな優しい存在ならできるはず。期待してるよ。頑張って」

「ありがとうございます」

クローバーの家

緊張する…でもやらなきゃ!

「コンコン!クローバーいますか?」

みのりの元ネタ分かりましたか〜?しれっとメタ発言言ってましたね。パクリじゃありません。オマージュです!友人の提案で急遽追加されたあすみ。ここであのクソ薄いキャラ紹介を更新します

三上あすみ

悪魔と人間のハーフ。父が悪魔で母が人間。母親は自分より先に他界した。父が唯一のよりどころだったがその父が天使に殺されてからは天使を狩るものとしてハンターになった。みのりに仕事を教えて貰って以降は保護施設で働きハンターとしても足を洗っている。みのりに殺そうとしたのを問い詰められてから心が壊れかけるなど精神面がかなり脆弱してる

次回もお楽しみに〜

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