3話
ルシアの家
「ここまでくれば大丈夫だと思います!時間停止解除!」
「助かったよ。それよりルシアちゃん、この力は…」
「そういえばあの時間停止の力はなんだったんでしょうか?」
今は使う事ができない。でも使うと寿命が縮みそう…
「凄いよ!火事場の馬鹿力ってやつだね!」
「そんな事より怪我とかないですか?クローバー」
「大丈夫だけどルシアちゃん、なんか呼び捨てになってない?」
「あっ!すみません!テンパっててつい!」
「いいよ!いいよ!なんか心開いてくれたみたいで嬉しい」
「クローバー…」
「それはそうと変な事にまきこんじゃったね」
「いいですよ。それよりクローバーって天使だったんですか?」
「そうだよ」
あっさり認めた?!
「認めるんですね…」
意外と認めないと思ってた
「不良天使だけどね。親友の悪魔を自身の姉に封印されてね。復讐として自身の姉を封印した。あのハンターが言ってた事は全て真実さ。後もしあのハンターに出会ったら注意した方がいい。あいつ、私が1度ルシアちゃんの名前を口にしただけでルシアちゃんの事を覚えたから」
「わ、分かりました」
もしこれが真実なら姉さんを知ってるかも!
「あの…その親友の名前ってグレース・マークって名前では無かったですか?」
「苗字は知らなかったから分かんないけどグレースは合ってる!もしかしてルシアちゃんって悪魔?!」
やっぱり、こんな事ってあるんだ…
「はい。私はグレースの双子の妹です」
「ふーん。あのグレースの妹かぁ…ニヤニヤ」
なんだろう…クローバーの視線が怖い…
「私の姉は君の姉さんを封印した。その事に対しては怒ってないのかい?」
意外な事が聞かれた。どう答えればいいんだろ?
「それは…怒りより姉が封印された悲しみが大きいです」
「そうか。私は怒りかな。確かにグレースを封印された悲しいは大きいけどそれよりも私は姉への恨みが強かった。そうでなきゃ身内を封印しようだなんて思わない。悲しいの方が大きければ泣き崩れて動けなくなっていたはずさ。ルシアちゃんは身内を封印されたんだ。悲しいの方が大きいに決まっている。何も気に病む必要はないよ」
姉を封印した事への悲しみの気持ちが感じない…
「クローバーは自身の姉を封印した時にどんな風に思ったんですか?悲しい気待ちとか無かったんですか?」
「無かったし私は姉を助けたいとは思っていない。自業自得だ」
やっぱり家族を嫌っている。恨んでる気持ちは分かるし私もクローバーの姉は恨んでる。家族を大切にしないと絶対に後悔する!
「家族を大切にしてください!」
「ル、ルシアちゃん?!」
き、緊張する…でも言わないと!クローバーはこのままだと私と同じ悲しみを背負うことになる!
「恨んでる気持ちは分かります。私もクローバーのお姉さんにはクローバーとは違えど恨みの気持ちを持っています。でも私はクローバーのお姉さんの封印しようと思いません。クローバーのお姉さんを大切に思っている天使達の心を傷つけたくはありませんから…」
クローバー、分かってくれるかなぁ…
「私の姉は嫌われ者だ。あいつは優等生だが傲慢な態度で常に周りを見下していた。私が下界に降りたのは姉から離れるため。なのにあいつは下界にまでやってきてグレースを封印した。ようやく手に入れた幸せを壊されたんだ。恨む気持ちくらい分かるだろ?」
これは流石に厳しいかも…人の家庭事情に口出しするべきではないんだろうけど
「お姉さんはクローバーの事を愛さなかったんですか?」
「?!」
クローバーの表情が変わった
「愛する気持ちが無かったら下界にまでクローバーの事をおってこないと思いますよ?」
「これ以上言うな!!!!!!!!!!!」
クローバーがキレた?!怖い!
「ご、ごめん。怒り過ぎちゃった」
「いえ、こっちも家庭の事情に首を突っ込みすぎました」
「ルシアちゃん、やっぱりグレースにそっくりだね」
「え?」
「家族を大切にしないとキレたり悪魔らしくなかったりね」
悪魔らしくないか…特に気にした事はないかな
「外にはあすみがいるかも知れません。今日は泊まっていってください」
「お!いいの!じゃぁお言葉に甘えちゃおっかな」
夜ご飯
「ご飯出来ましたよ」
「鮭にお味噌汁にお米…意外と普通」
「意外ってどんなの想像してたんですか!」
「いや〜!グレースが料理が下手すぎるからてっきり殺人料理がでてくるのかと…」
「姉さんの料理を…災難ですね」
クローバー、姉さんの料理食べたんだね。ちょっと可哀想かも
「美味し〜い!ルシアちゃん、料理上手だね」
「ありがとうございます。お風呂先に入っててください。布団をひいときます」
「お願いね〜」
遠慮がない所は姉さんと似てるなぁ
就寝時間
どうしよう…怖くて寝れない
「ク、クローバー」
「どうしたの?」
「一緒に寝てくれませんか?怖いです!」
「ルシアちゃんって結構幼いのねw」
「う、うるさいですね!とりあえずもう寝る時間です!おやすみなさい」
「おやすみ。ルシアちゃん」
3話目です。突然ですがボクっ娘って可愛くないですか?(唐突)次回から新キャラ登場です
風音ゆい
ルシア、クローバーのクラスメイト。みのりとは親友。みのりからさーやという相性で呼ばれている。僕っ娘でややボーイッシュな性格。元はお嬢様で口調も女の子そのものだったが父が窃盗を繰り返し自分を養っていたこと、母が不倫を繰り返し母が父の悪い所を影で言っていたのを目の当たりにし更に自分が母の不倫でできた事を知り小学四年生の時に家を飛び出す事を決意した。2年間はなんとかして食いつないでいたがいずれは連れ戻されると感じ小学6年生の時に保護施設に入ると決意した。みのりと同様バイトができるようになった為今では一人暮らししている。理解力がある人でたまにボランティアで自分を育ててくれた保護施設で子供たちに勉強を教えている。これだけ見れば常識人に見えるがかなり凶悪な面も持ち合わせており海の底で見つけた死体を陸に持ってきて焼いたり自分の血や髪の毛を使って作ったチョコレートをプレゼントしようとしたりとサイコパスな面がある。海に向かって何か投げている様子も確認されている。みのり曰く「もしかしたら親はもう自分の手で殺しているかもしれない。さーやが見つけた死体の一部はミンチメーカーによってミンチにされて魚の餌にされているかもね」と超ホラーな事を言っている本人も「人の死体ほど処理が面倒なものはこの世にない」と言っている。親を殺したいと考えており父親に対しては「窃盗してでも利益が欲しいなら畜生界にでもいば〜?ぼくが殺して連れて行ってあげる!」、元母には「いくらカスでも生みの親だからせめてぼくが燃やして浄化してあげる!」と思っており更にゆいは腐った親を殺す行為を毒親から子供を解放する善行だと思っている。ゆいを保護していた保護施設の管理人からは「悪い奴では決してない」と評価を受けている
説明に出てきているみのりという人物は後に出てきます。次回もお楽しみに