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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第一章

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52/202

第52話



 今日は市が開かれる。

 前回から二週間ぶりの市となる。

 というのも、レベルトの武器の対応をしていたこともあり、先週の市は行かなかった。


 頑張れば品物を用意することは出来たのだが、それではあまりにも働きすぎだとアリシアに言われてしまった。


 宮廷時代と比較すれば、別にどうってことはないのだがアリシアを心配させたくはなかったため、先週は多めに休みをとることにした。


 その結果が二週間ぶりの市となる。

 レベルトにもらったマジックボックスのおかげで、武器を多く運び込むことが出来た。

 レベルトから受け取ったマジックボックスは、試してみたが武器を三十個ほどしまうことが出来た。


 重さ、サイズによって多少前後するため、おおよそ三十程度というわけだ。


 今回は剣15本。ナイフ15本を用意している。どれも最高品質だ。

 こちらのほとんどが約束していた行商人の弟子であるアルメへの納品用だ。


 さらに、ちょっとだけ質を落とした剣を10本、ナイフを20本荷車で運んでいた。


 いつもの通り、市に到着した俺は、いつもの場所を確保して店の準備を始めた。


 市が本格的に始まり、人が集まりだしてくる。

 

「あれ、この店じゃないか?」


 と、冒険者たちが指をさしてきた。

 三人組の冒険者だ。


 こちらへとやってきた彼らは俺の商品を見てから、腰に差していた剣と見比べた。


「ああ、やっぱりそうだ! なあ、ここってフェイクの鍛冶屋で合ってるか?」

「はい、合っていますよ」

「そうかそうか! この前、行商人から剣を購入してさ。かなり質が良くて、こいつが欲しいって言っててな。見ていってもいいか?」

 

 行商人、リグのことだろう。

 俺のことをきちんと宣伝してくれていたようだ。そして、こうやってお店に訪れてくれるとはな。

 嬉しい限りだ。


「はい。構いませんよ。解体用にも使えるナイフもありますから、ご自由にご確認ください」


 俺がにこりと微笑み、剣とナイフを見せる。

 少しばかり装飾の違いはあるが、どれも見た目はほとんど変わらない。

 じっと三人組の冒険者たちは剣を眺め、


「この剣とナイフを売ってほしい」

「私は、ナイフだけほしいかな?」

「俺もナイフを追加でほしい、いくらだ?」


 三人がそれぞれ俺の武器を気に入ってくれたようだ。

 彼らにナイフと剣を販売していく。

 彼らだけで、合計20万ゴールドの支払いとなった。


 これでも、多少は多めに見たんだ。

 それからもぽつぽつと冒険者たちがやってきた。


 イヴァスたちの強さの秘密を知るために、とか。

 行商人から聞いた……というお客さんたちもいた。


 午前中だけで、用意していた武器が結構売れてしまったな。

 残っているのは剣とナイフが五本ずつだ。


 アイテムボックスに残っているのは、アルメへの納品用だけだな。


 ひとまず午前一杯商売を続けていたが、アルメは来ない。

 昼食として用意してもらっていた弁当を頂いてから午後の商売を始める。


 行商人風の男がやってきて、剣とナイフを二本ずつ購入していった。

 リグの関係者、とかではなさそうだ。


 それにしても、今日は客の入りが激しいな。


 嬉しくもあり、驚いてもいた。前に比べて明らかに訪れてくる人は増えているし、購入まではいかなくても見ていくお客さんが増えている。


 そんな風に周囲を眺めている時だった。

 きょろきょろと周囲を見渡す女性が歩いてきた。


 黒髪に赤い目をした女性だ。僅かに幼い顔たちこそしていたが、背はすらりと伸びている。……それに、胸が大きくつい視線が惹きつけられる。それは俺だけではなく、近くにいた冒険者と思われる男性も彼女に鼻の下を伸ばしていた。


 その姿を見て、俺は自分自身を律した。

 女性の隣には大柄な奴隷がいて、俺の方を指さしてきた。


 ……あれはリグの隣にいた奴隷だな。

 ということは、彼女が――


「もしかして、アルメさんですか?」


 問いかけると、アルメはこちらに気付き、にこっと微笑んだ。


「あっ、はい」


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