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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第一章

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第45話



 イヴァスとウェザーを除いて、剣とナイフが二本ずつ売れた。

 質を抑えたものであり、新人冒険者の人が買っていった。

 合計8万ゴールドだ。イヴァスとウェザーのものと合わせ、午前の売り上げは18万ゴールドとなった。


 昼休憩をしながらも市で待っていると、行商人のリグがこちらへとやってきた。

 彼は以前と違い今日は一人の男を連れてきていた。奴隷、だろうか? 大柄な彼は首輪をつけていた。


「久しぶりだね、フェイク」

「お久しぶりです」

「フェイクの剣とナイフ、隣町で捌いてみたけどかなり評価良かったんだよ。ばっちり宣伝をしておいたからいつか、ここにも来るかもね」

「そうなんですか?」


 それは嬉しい限りだ。リグと関係を持てたのはここでの生活にかなりの好影響が出ることだろう。


「ああ、冒険者だけじゃなくて騎士も購入していってくれたよ。他の騎士に自慢するって話していたね」

「そうなんですね。騎士は国や領主から武器の支給などがあるんじゃなかったでしたっけ?」


 少なくとも俺が前にいた帝国レバナンドではそうだった。

 だからこそ、毎週のように大量の剣のエンチャントを行う必要があったわけだしな。


「そうはいってもね。一般に支給される武器はそれほど優秀ではないからね。やはり、ある程度の地位にいる人たちは自分の武器を持っているものなんだよ」

「なるほど」


 ……まあ、レバナンドでもそうだったな。


「というわけで、本日も購入していきたいんだよ。何本あるんだい?」


 今回もリグが来てくれるかもしれないと期待し、俺は高ランクの武器をメインに作っておいた。

 俺はそちらをリグに差し出した。


「こちらの品質の剣とナイフが合計10本になりますね」

「なるほど、買っていこうかな。いくらだい?」

「そうですね80万ゴールドほどでしょうか」

「……うーん、まとめて買ってあげるからもう少し安くならない? 70万ゴールド!」

「さすがにそれはちょっと。それでは、こちらの少し質を下げた剣とナイフもつけますので、76万ゴールドでどうでしょうか?」

「……よし! それでいいよ!」


 リグは笑みを浮かべる。俺は武器を納めた箱をリグのほうに差しだした。

 リグは隣にいた大柄の奴隷を見て、彼に荷物を持たせた。


「よし、ありがとね。次はちょっと遠出するから来週と再来週はちょっと来れないんだ」

「そうですか」


 それは残念だ。今のこの店で一番高く買ってくれるのはリグだからな。


「その代わり、再来週に弟子をここによこそうと思っているんだ」

「弟子、ですか?」

「ああ、そうだ。アルメっていう娘でね。彼女をちょっと試したいと思っていて……悪いけど、いくつかの品質の武器を置いておいてくれないかな? 全部買い取るからさ」

「承知しました」

「アルメが正しく武器の品質を見分けられるかどうか、試してやってよ」

「……分かりました」


 中々悪いことを考えるな。良い修行の場だと思って、その弟子のアルメという子は頑張ってほしいものだな。


「その日に用意してほしい商品なんだけど……この品質の剣を10本、ナイフを10本。それと、各品質の剣とナイフを一本ずつお願いできる?」


 イーレア魔鉱石で作れる最高品質の剣とナイフが10本ずつか。前に比べてなれたので、一日に五本くらいは作れるから問題はないだろう。


「承知しました。そちらご用意してお待ちしていますね」

「ああ、お願いね。こっちの奴隷の子も同行するから。もしもアルメが迷っているようだったら声をかけてくれないかな?」

「分かりました」


 こくりと大柄な男も俺の方を一瞥して頷いた。


「それで、合計いくらくらいになりそう?」

「それで、金額的には150万ゴールドほどになりますね?」

「うーん……130万で!」

「それはさすがに、145万」

「140万!」

「……145万で。そちらの弟子の方の訓練のお手伝いもするんですから」

「もう、仕方ないな。負けたよ。それじゃあ、それでお願い」

「はい、分かりました。ご用意して待っています」

「頼んだよー、それじゃあね!」


 ……これで、商品のほとんどが終わってしまったな。

 とはいえ、まだ陽が傾くまでは時間がある。もう少しここで商売を続けようか。




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