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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第一章

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第38話


「失礼します」


 俺はいつもの通りゴーラル様の元へと足を運ぶ。ゴーラル様は窓の外へと視線を向けていたが、俺に気付くとこちらに体を向けた。


「今日も市に行ってきたんだな」

「はい。本日は色々と売りまして、合計五十一万二千ゴールドの稼ぎでした」

「なんだと……?」


 ゴーラル様の目が見開かれた。

 ……まあ、先週と比較して一気に増えたからな。その反応も無理はないだろう。


「行商人のリグという方に気に入られたようで、その方がまとめて購入していってくださった結果ですね」

「なるほどな。行商人に気に入られたとなればこれからさらに売れるようになるかもしれないな」

「そうですね。これもすべてゴーラル様に鍛冶の環境を整えてもらったおかげです」

「……まあ、言っておくがまだまだだからな。まだまだ、認めるわけにはいかないからな」


 ゴーラル様がそう言ってじっとこちらを見てくる。

 売り上げが増えたとはいえ、貴族から見ればちっぽけなものだろうしな。

 ゴーラル様が求める鍛冶師は、もっと上の存在だろう。


「分かっております、これからも精進していきます」

「そうだな。……それと確認したいのだが、明日アリシアとともに冒険者活動をするというのは本当か?」

「正確に言えば、冒険者活動を我々がするのではなく武器の作製依頼を出してきた冒険者に同行するという形ですね。その方たちに適した武器を作りたいと思いまして」

「なるほどな。そのために同行するのか。必要なのか?」

「はい。冒険者たちはそれぞれ自分の戦い方にあった武器を求めています。実際に見て、体験して、作ってあげたいと考えております」

「……そこまで考えるのだな」

「少なくとも、私はそうしております」


 俺が答えるとゴーラル様がこくりと頷いた。


「一応護衛もつけるが、基本的に離れた場所からの観察となる。アリシアに何かあったら、タダでは済まさないぞ」

「……分かっております」


 威圧感がすさまじい。

 俺が頬を引きつらせていると、ゴーラル様が俺を見て来た。


「おまえは戦闘経験はどの程度あるんだ? まったく動けないというわけではないようだが」

「宮廷入りする前は自分で素材を集めて武器の作製を行っていました。ですので、低ランクの魔物であれば負けないと思います」


 ……魔物のランクなど気にして戦ったことはないが、少なくとも魔物相手に苦戦したことはない。


「ほぉ、それは頼もしいな。今度騎士と模擬戦でもさせようか」

「……もちろん、やれと言われれば受けますが」

「そうか。では、後で検討しておこうか」


 ……まあ、もしも実力が認められれば、鍛冶師以外の生き方も見つかるかもしれないからな。

 チャンスがある以上、俺は何でもするつもりだった。


「今日はもう休め。そしてアリシアを死ぬ気で守るんだ」

「……分かっています」


 俺だってアリシアに傷をつけるつもりはない。あれほどの子が傷つく瞬間は見たくない。

 一礼の後、ゴーラル様の部屋を後にし、俺は部屋に戻ってベッドで横になった。


 戦闘自体は久しぶりになるな。

 俺は、自分自身にエンチャントを施し、昔の戦っていた感覚を思い出していく。


 ……大丈夫そうだな。



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― 新着の感想 ―
[一言] >「……まあ、言っておくがまだまだだからな。まだまだ、認めるわけにはいかないからな」 娘が連れてきた人物の実力もわからずによくこれで鍛冶屋の家系と言えるなほんと というか毎回毎回これがほんと…
[気になる点] 自分自身にエンチャント、武器だけじゃ無く人にもできる設定なんですね。
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