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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第一章

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26/202

第26話


 どこの街の冒険者ギルドもそう変わらない。

 急所などを覆い隠す程度の軽装な冒険者もいれば、全身を鎧に身を包んだ冒険者など、様々な人たちで溢れていた。

 

 少し汗臭い、というか男臭い。

 アリシアは少し慣れなさそうな様子であったが、俺はそこまで気にならない。これも、冒険者ギルドでは当たり前の臭いだった。


 入って正面に受付があり、左手側に掲示板が設置されている。

 掲示板には依頼が張り出されている。依頼とは別にもう一つ掲示板が用意されており、そちらにはパーティーメンバーの募集などが書かれている。


 文字を読めない冒険者もいるためか、マークでの募集も見られる。人間の絵を描き、その横に数字などが書かれている。

 さすがにそのくらいの短いものだったら、冒険者をやる以上は覚えておく必要がある。


 掲示板の近くにはテーブルとイスが用意されており、そちらで作戦会議を行っている人やパーティーメンバーの募集をしている人たちがいた。

 世間話なども含めれば、ギルド内はうるさい、と感じる程度に声が飛び交っていた。


 二階は、食堂となっており冒険者ギルドに登録している人間が利用できるそうだ。

 パーティーメンバーの募集を掲示板に書き込み、でも行われているようだ。


 受付はいくつかに分かれていた。依頼の受注箇所、素材の売却箇所、そして新規冒険者登録箇所だ。

 俺は新規冒険者登録を行うため、その列へと並ぶ。

 幸いにも、人は全くいなかった。

 

 俺はすぐに新規冒険者登録を開始した。

 登録は難しくなく、すぐに終わった。

 名前と、登録歴があるかどうかだ。俺はすべて全くなかったので、一からの作製となった。


 ギルドカードを手渡され、それに魔力を込める。登録はこれで完了だ。


「初回発行は無料ですが、再発行にはお金がかかります。また、紛失した場合はすぐに報告してください」

「分かった」


 受付にこくりと頷き、俺はポケットにギルドカードをしまった。


「依頼を受ける場合はかならずギルドカードを持参してください」

「ああ」

「それでは以上になります。冒険者生活に幸あらん事を」


 それが定型の挨拶なのだろう。俺は受付に一礼を返し、待っていたアリシアの元へと向かう。

 見ると、アリシアが冒険者たちに絡まれていた。


「なあなあ、お嬢ちゃん? 冒険者?」

「違う」

「じゃあ、なんでここにいるんだよ? なあ、どうだ? 一緒に依頼受けないか?」

「私、待っている人がいるから」

「そんな奴よりもオレたちのほうが強いと思うぜ? だってオレたちCランク冒険者だぜ?」

「一緒に食事でもどうだ? 奢るぜ?」


 ……ナンパ、されているようだ。

 アリシアはフードで顔の半分ほどは隠していたが、それでも彼女の美貌は隠しきれなかったようだ。


 アリシアの頬が引きつっているのを見て、俺はすぐに助けに入った。


「すみません、用事が終わったので俺たちはこれで」


 そういって冒険者に礼を返しながら、アリシアの手を握って冒険者ギルドを離れた。

 冒険者たちがさらに何か言ってきたのだが、俺はほとんど無視するように歩いていくと、それ以上絡まれることはなかった。


 外に出たところで一息をついた。


「大丈夫か?」

「うん……その、ああやって声をかけられたことなかったから、ちょっと怖かった」


 ぎゅっとアリシアが手を握ってきた。ひんやりとした彼女の手は少し震えていた。

 彼女の笑顔が、怯えを隠すものだと分かり、俺は改めて握りしめた。


「悪かった。外で待ってもらっていた方が良かったよな」


 今も陰からこちらを見守っているだろうレフィがいるため、外で誰かに絡まれてもレフィに助けてもらえる可能性もあるだろう。


「大丈夫だよ。フェイクが来てくれるの見えたから」

「……そっか。とりあえず、だいたい市場調査は終わったし……遊びにでも行くか?」

「いいの?」

「せっかく外に来たんだし、どこかでお昼でも食べてから帰らないか?」

「うん」

 

 アリシアには付き合ってもらっただけだったしな。さすがに貴族のアリシアが満足できるほどの店に連れていくのは難しい気もするが。


1位目指して頑張ります!


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