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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第一章

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22/202

第22話


 市が開かれる中央広場に到着した。

 今は、商人と思われる人が多くいる。まだお客さんは少ないようだ。


 皆が、自分の店を開くための準備をしていた。

 中央広場での販売スペースを確保するやり方は、簡単だった。


「入口にいる人にお金を渡せば、誰でもこのスペースでの売買が一日だけ出来るんだよ」


 俺についてきたアリシアにそう教えてもらった。

 ちなみに、アリシアは仮面をつけている。ゴーラル様が言っていた通り、公爵家が関係していると思われてはいけないからだ。


「これは市の日だけなのか?」

「うん。それ以外の日は勝手に売っちゃダメ。売りたい場合は店舗を持ってきちんと申請する必要がある」

「……なるほどな」


 ただ、いきなり店を構えて売り出すよりはこういった場所で知名度を上げていったほうがいい気もするな。

 最終的には、自分の店舗を構えて商品の売買を行いたいものだ。


 俺も許可証の購入を行うため、列へと並ぶ。まもなく、俺の番となった。

 入り口で一万ゴールドを支払い、本日限定の許可証をもらう。


 木札に魔力で文字が書かれていて、今日一日が終わったところで文字は消えるらしい。

 比較的早くに出てきたからか、何とかスペースを確保することは出来そうだ。


 俺は荷車を置き、それから旗を置いた。

 その旗の一部分に、俺が作った模様が入っている。

 ロングソードと槍が交差したような模様だ。昔、俺が宮廷に入る前はこの旗を使って鍛冶を行っていたものだ。


 自分の店の目印としておいておけば、少しは興味を集められるのではないかと思って旗を用意した。


 準備はそのくらいだった。

 周りの商人たちは分かりやすく商品を並べていき、見た目から楽しめるようになっていたがまだ俺にはそこまでの用意はなかった。


 出来ることといえば、荷車と一緒に持ってきた机の上にロングソードを並べるくらいだ。

 それも、五本のうちの一本だ。


「次からは、売り場についても考えたほうがいいかもな」

「うん、そうだね。次までまだ一週間あるし、ゆっくり考えよう」

「そうだな」


 鍛冶師としてある程度成果を上げる必要があるとはいえ、焦ることはない。

 市に一般の客が増えて来た。市に見に来る人は様々だ。

 

 一番多いのはやはり冒険者だった。しかし、冒険者に混ざるように貴族らしい人の姿もあった。観光客と思われるような人もいて、本当に様々だった。


 しかし、中々俺のところに人はこない。

 隣の商人は結構お客さんが来ているんだけど、俺のところは全くだった。


「あっ、お客さん冒険者?」


 俺は出来る限りの笑顔とともに彼へと声をかける。

 冒険者はちらと一瞥だけして去っていってしまう。

 ……うむ、難しい。アリシアも同じような感じで中々お客さんは来てくれなかった。


 お昼になったところで、俺たちは軽く休憩していた。用意してもらったお弁当をつつきながら、アリシアとともに市を眺めていた。


「難しいね」

「そうだな。まあ、初めはこんなもんだろうな」


 昔だってそうだった。初めから賑わうなんてことは少ない。

 けど、しっかりとしたものを作ったという自覚はある。


 今回作ったロングソードの販売対象者であるD、Eランク冒険者の方が購入したら、満足できるロングソードを用意している。 

 あとは、最初のお客様が来てからだ。


 そうして時間は過ぎていく。

 その時だった。こちらに一人の少年がやってきた。

 年齢は俺たちよりもいくつか下に見える。


「あ、あの……ロングソード売っているんですか?」


 ……初めて、ロングソードに興味を持ってもらい、俺は椅子から立ち上がった。

1位目指して頑張ります!


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