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宮廷鍛冶師の幸せな日常 ~ブラックな職場を追放されたが、隣国で公爵令嬢に溺愛されながらホワイトな生活送ります~  作者: 木嶋隆太
第三章

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第41話



「ちょっと、このくらいで顔真っ赤にしておこちゃまね」

「お、おこちゃまとか関係ない……。変なこと質問しないで」

「変なことじゃないでしょ? いずれはぶち当たる問題じゃない」

「それなら、シーフィだってそう。兄さんとはどうなの?」

「は、はぁ?」


 アリシアからの反撃に、シーフィは僅かに赤面する。

 アリシアがにやりと笑い、追撃する。


「兄さん、朴念仁だからアピールしないと一生関係が進まないよ?」

「そ、それは……その……っ。今はいいでしょ!? 今は、あんたたちの話をしに来てるのよ!」


 無理やり話を打ち切って、シーフィはぷいっとそっぽを向いた。

 それから、シーフィはじっとこちらを見てくる。


「ねえ、フェイクはどうなのよ? アリシアとの関係、どこまで行きたいと思ってるのよ?」

「ど、どこまで行きたいって……何がですか」

「えー、それ言わせようとしてんの? ね、アリシア。どこまで行きたいのよ?」

「へ、変な聞き方しないで。……フェイクも無理に答えなくてもいいからね。うん、無理には」


 無理にはと言っているが、何やら伺うような視線だ。

 これ、答えろと言われているのと同義ではないだろうか。

 二人の視線から逃げるように外を見ると、レフィと目が合う。もちろん、彼女からもじーっと探るような目を向けられる。


 ここには俺の敵しかいないようだ。リガードさんがいれば助け舟を出してくれたかもしれないのに……っ、と思ったけど、あの人もたぶん敵に回るか……。

 俺は恥ずかしさこそあったが、答えないわけにはいかなかったので、仕方なく口を開いた。


「……そ、それはまあ、えーっと、許されるならどこまで、でもっていうか……」

「なるほど。だそうよ、アリシア」

「も、もう……フェイクのエッチ」


 エッチって。

 別に具体的なことは表現していなかったが、アリシアは頬を染めていた。


「まあでも良かったわ。変な奴じゃなくて。変な奴だったらぶん殴ろうかと思っていたのよね」


 危なかった。

 強気なシーフィさんの言葉に頬が引きつる。


「ていうか、リガードは相変わらずねぇ。しばらく会わない間に変わったかと思ったけど、相変わらず情けないっていうか」

「……兄さんは、まあ、そう」

「……魔剣のことも、大丈夫なのかしら? 何か、いい作戦が思いつきそうだとか言っていたけど……信用できるかどうか」

「リガードさん、何か作戦を考えているんですか?」

「そうみたいよ。今は作戦を詰めたいからって追い出されたのよね。あいつ、本当に作戦なんて思いついたのかしらね。本当はあたしを追い出したいだけなんじゃ……あ、あいつそんなにあたしのこと嫌いなの……?」


 不満そうにしていたシーフィさんはどんどんと落ち込んだ様子になっていく。

 最後には泣き出しそうなほどになってしまっていて、アリシアがため息をついていた。


「そんな顔するなら、兄さんにもっと本音をぶつければいいのに。好きなことアピールしないのが悪い」

「あ、アリシアみたいにはできないわよ! 恥ずかしい!」

「人を恥ずかしい呼ばわりしないで……っ」


 むぅっとアリシアがシーフィさんを睨む。


「ま、まあ二人とも落ち着いて。リガードさんなら、きっと良い作戦を思いついたに違いありませんよ。シーフィさんだって、リガードさんがなんだかんだ優秀なのは分かっていますよね?」

「……まあ、そうね。情けないことばっかり言うんだけど、本気だせば凄いし、まあ情けない顔も可愛く見えるし、別にあたしはいいんだけどね」

「……そ、そうですか」


 恥ずかしそうに惚気るシーフィさんに、俺はリガードさんの言っていたことを思いだす。

 リガードさん、シーフィさんの気持ちにまったく気づいていないんだな……。

 

「シーフィさんって、リガードさんのこと大好きなんですね」

「だ、大好きじゃないわよ! 勝手なこと言わないで……っ」

「い、いやだって、今だって好意駄々洩れだったじゃないですか」

「そ、そんなことないわっ。す、好きくらいよ……」

「立派に好きじゃないですか」


 しかし、シーフィさんんはそれを否定するように首を横に振っていた。

 その姿に苦笑する。

 シーフィさんが来た時は落ち込んでいるように見えたが、ひとまずは元気な様子で良かった。

 アリシアの表情も明るくなっていて、本当に良かった。



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