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不思議な体育館  作者: アナ
1/3

1日目

みなさんは知っているだろうか?


‘’夢‘’というのは魔物であるということを…

これは、私が小学生の時に3日連続で見た不思議な夢の話である。



1日目


 もう、10年以上前の話なのでその日何を経験し、どんな事を思ったのかは忘れてしまった。

ただ、平日だったので学校に行ったことは覚えているし、月曜日ではなかったことも何故か記憶している。

まぁ、忘れてしまっているということは特別な事があったわけではないのだろう…。


 その頃の私(小学校低学年)の就寝時間はとても早かった。

遅くても夜の9時か9時半。早ければ8時ぐらいだったと思う。 


 多分だが、私はいつものように眠りについた。


 しばらくして夢は始まった。

長方体の広い空間

壁に沿って備え付けられた木製の長椅子

私はそこに座っていた。

床の一部はコンクリート。その他の部分は短い草、でも、芝生のように整えられているわけではない、自然の地面だった

壁は木の板と鉄製の太い柱の隙間から木の枝やつる植物が生えていた

上を見上げるととても眩しい…

天井らしい天井は見当たらない

鉄製のパイプと丸太、つる植物が複雑に絡み合っている

そこから射し込む太陽の光…

壁や天井の隙間から風も吹き込んでいた。

暖かくて心地いい…

森の中を歩い歩いて、少し疲れた頃に突然現れた丘の上のような…

それは、眠っているはずの夢の中で眠ってしまいそうなほどだった。


そこにその頃の私よりも小さな子ども達が駆け寄って来た。

私はそこでようやく気づいた。

この空間に20人以上の人がいた事を…

杖を隣に置いて寝ているおじいちゃんから、元気に遊び回っている子ども達までと年齢層は幅広く、みんな思い思いに過ごしていた。

「遊ぼ!」

私は誘われ、遊び始めた。

縄跳びをしたり

鬼ごっこをしたり

踊ったり

絵を書いたり

シャボン玉をしたり


現実の世界では楽しく遊んでいても、時に嫌なことがあったり、ケンカになってしまうこともある。

それが、ある意味では現実世界の面白味なのかも知れないが

ツラいのも

苦しいのも

悲しいのも

私は好きではない。

でも、この世界にはそんなマイナスの感情は無かった。

私の心に現れることは無かった。


私達はやわらかい太陽のスポットライトを浴びながら夢中になって遊んだ。


 ふと、私はある事に気づいた。

1つは、壁に掛っている時計の不思議な動き。通常の時計よりもあきらかに秒針がゆっくりと動いてた。

もう1つは、私を見つめる少女。少女といっても、その頃の私よりは年上だったが…

少女は黒いマント着ていて、離れたところからただずっと私を見てくる。

私はどうしてもその少女が気になってしまうのだった。


しかし、私は遊び続けた。


楽しかったから


いつしか、ゆっくり動く時計の事は気にならなくなっていた。

時間を忘れ、ずっとここで遊んでいたい、そう思った。


楽しく遊んでいても、ゆっくりと流れる時間…

賑やかなのに、私も大声で笑っているのに、静かな時間…


そんな時が流れていく…


チク

タク

チク

タク

チク

タク

チク


タク


チク



タク…





鬼ごっこをしている時だった。

鬼役の子に捕まりそうになり逃げようとした瞬間、私は転んだ。


痛い。


そう思ったのは一瞬だけ。

その瞬間、夢は終わってしまったのである。




 目が覚めた私はそれまで感じたことのない不思議な気持に陥っていた。

これから楽しい事が起きるのではないかというワクワク感

恐ろしささえ、面白いと思う気持ち

初めての世界で生きた嬉しさ

森の中で昼寝をしていた時のような気持ち良さ

それら全てが混ざり合い、私の胸を高鳴らせていた。


 私は夢で見た長方形体広い不思議な空間を『不思議な体育館』と名付けた。

その頃の私にとって、長方体の広い空間と言えば体育館しか思いつかなかったからだろう。


 私はこの日、布団を出てからも学校に行ってからも不思議な体育館の夢を思い出していた。

周りの同級生たちが楽しそうにしている横で私は窓から外を眺めながら『不思議な体育館』が頭の中で広がる。

そして、もう一度、同じ夢を見たいと思うようになった。


しかし、同じ夢を見ることが難しいことぐらい、その頃の私もわかっていた。 






はずだった…

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