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メガフラワー攻略戦

「いやー実に良い経験値稼ぎになったなー」


「会合行かなくていいんですか?」


「集まって菓子食ってるだけらしいからいいんだよ! それより標的がお目見えだぞ!」


 あいつがわざわざこの森で必死に伝えようとしていたのを見ると大事なことのような気もするが……会いたくないやつもいるし、その席に俺がいなくても何とかなる。それより今は……


「思ったよりでっかいじゃん!?」


「『花』だと思ってたらでかいよなー、正直化け物だからな」


「まずは葉っぱを潰すんっすよね? 今日まだ何もしてないし、ツバキでもできるんじゃないっすか?」


「ナイフ使うときは私スゥだから、間違えないでよねガキんちょ!」


「お前もガキだろ!」


 いつの間にかツバキと入れ替わっていたスゥはライチと一触即発状態になっている。


「まぁまぁ、それじゃあ先に双葉を落としてここに戻って来たやつの言うことを一つ負けたやつが聞くっていうのはどうだ?」


「普通のサバイバルナイフ使ってるやつが相手になるんすかねぇ?」


「未熟な魔力剣なんて棒切れ振り回してるのと一緒でしょ」


「それもこれも結果を見れば一目瞭然! そんじゃいくぞ! よーい、スタート!」


 競うことによる成長は確か色々な実験で検証済みだったはずだ。さて、高みの見物といこう。


「サクッと終わらせる! 魔力剣・斬!」


 高音と共にライチは双葉の一枚とつばぜる形となった。そう、メガフラワーは葉っぱ自体がとにかく固いので茎に近い部分を狙う必要がある。そこに気づけるかどうか……


「クソッ、どうすれば……そうか!」


「ようやく気づいたようね! 葉柄を刈ればいいのよ!」


「そんなめんどくさいことしねーよ! 魔力剣・爆!」


「えっ!?」


 なるほどな。確かにスゥの方法が得策だが、その葉柄自体も一本の木のように太くて切るのは容易じゃない。ならば葉っぱの葉柄とは逆先端に力を加え、てこの力で折るということだろう。


「うぉりゃあああ!!」


 連続で爆発を加えるのは良いが、途中で止めると反動で吹っ飛ばされる……ということは頭にないらしいな。


「うぉぉおおお……」


「おまっ、そこでやめたら……」


 突如攻撃の手を止めたライチは案の定上空へと飛ばされた……が、思ったより飛んでない。


「とどめだ! 魔力剣・溶!」


「ギョクロ! 避けるぞ!」


「ほーい」


 こうして双葉の一枚は落とされた。最初からそう考えていたかは定かではないが、要するに一回飛んで着地するまでの重力を使って威力をあげたらしい。根っからの騎士志望だけあってセンスはあるようだな。


「一枚落ちたし、そろそろ静電気溜めといてもらえるか?」


「うぃーっす!」


 もう片方は……さすがにサバイバルナイフじゃきついよな。手助けしてやるか。


「ま、まだ終わってないんだから! このっ! このっ!」


「俺がやるから下りてこーい!」


「指図は受けないわっ!」


 強情だなぁ。観点はあってるんだが、なんせあの装備じゃ難しいだろう。早く帰りたいんだけどなぁ……


「負けられないのよ……きゃっ!」


「おいおい!」


 苦戦していたスゥが葉に包まれてしまった。時間かかりすぎたか!?


「今助ける! バリステッド……」


「魔力剣・腐!」


 腐らせて朽ち斬ったか、とか考えてる場合じゃないよな。


低反発枕(テンピュールピロー)!」


 硬い葉に包まれているとはいえ地面に叩きつけられるとかなり痛い。なんとかクッションを入れられたが、怪我はないだろうか?


「大丈夫か!?」


 俺が駆けつける前にライチが声をかけていた。スゥは何ともないようで普通に立っている……が、どことなく様子がおかしい気がする。


「どうした? 心なしか顔が赤いぞ?」


「何でもないれす!」


「ライチ、何かしたのか?」


「いや何も」


「そうか、大丈夫なら戻ってこいよ! 俺は仕上げをせにゃならんから先に戻る!」


 異常は無いようで何よりだ。あっちもそろそろ頃合いだろう。


「ギョクロ! どうだ?」


「いい感じ!」


「こっち向けんなよ」


 暴発もしてないようだし、いけそうだ。


「来るぞ!」


「オッケー!電光狐ライトニングフォックス!」


 その名の通り狐形の光がメガフラワーの花粉を迎え撃つ。といっても勝手に発光狐に花粉が吸い寄せられているだけだ。


「そろそろいいぞ!」


「りょ! ハウス!」


「もう花粉は要らねーよ! 収集(コレクション)!」


 こうしてこの図鑑的なものに入れておけば俺の意思で召喚することができて、今回と同じような依頼が来たときには手を煩わすことなく儲けられるわけだ。


「よーしよしよし良い子だね~、へくしゅ!」


「もはやその狐は花粉の塊だからな、そいつを袋に入れたら技解除な」


「はーいごめんねー、またヨロねー!」


 大きめの袋に狐を捕獲し、技を解いたら見事に花粉だけが残った。


「よし! あとはこれを届ければ任務完了だ! にしても今日は暴発しなかったんだな」


「あー、アドレナリン的なやつのせいじゃない?」


「『おかげ』な」


 そんなこんなで俺たちは森を引き返し、花粉を届けに行った。


「ただいま戻りましたー」


「おぉ! 無事採取できたんだね」


「えぇ、これがそのブツです」


「ありがとう! 報酬だけど、何かめぼしいものはあったかい?」


「いや……」


 結局役立ちそうなものは見当たらなかった。回復は魔法みたいなもんで医療はそんなに関係ないからなぁ。


「そうだ! もしかしたら持ってるかもしれないけどこれはどうだろう?」


「これは……?」


「これはだねぇ……」


 いろいろと説明を受け、半分押し付けられた粉と後日振り込まれる金の誓約書をもらって俺たちの実習は終わった。明日は学校開設して最初の休みということで少し羽を伸ばそうかと思う。

どうも!ロカクです!

ということで今回はボス戦でした!いきなり技出しすぎましたかね~、いや、想定内です!

さて、わかる人にはわかる恋の香り!恋愛描写得意じゃないんで分かりにくいかもしれないですけど……

そんなわけで今回はここまで!では、また次回!

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