前門のアルデバラン、後門のホテイ
「いざ、参る! 正義の鉄槌W!」
鎧の手甲を巨大にして堅牢さ、攻撃性をプラスしたようなものが宙に浮いて俺たちを襲う。早さはそうでもないため避けるのは難しくないが衝撃で飛んでくる床やら壁の破片が痛い。
「なんとか避けれるな? テトラとロアンは後方支援、俺とライチで攻めこむぞ!」
「「「はい!」」」
陣形を整え戦闘開始、未だ沈黙しているアルデバランは気にしつつ……
「イフリート! ウンディーネ! 俺に力を!!」
『『主の意のままに』』
今まで素晴らしき神の恩寵では一体しか憑依させることができなかったが、経験値の蓄積かなんかで同時にできるようになった。同時に憑依させればこんなこともできる。まずは霧を前方に散布して……
「むっ、湿度が上がった?」
「ライチ、できる限りの火を放て!」
「うぃっす」
「俺たちもだ! イフリート! 圧縮火炎!」
「霧……炎……まさか!」
「その通りだ! |八方塞がり大っ爆っ破っ!!」
本来水は炎を消す存在、と思われがちだがこのケース、すなわち「水素爆発」においては水が油のように火力を上げる。言わば昨日の敵は今日の友状態になる。ホテイは吹っ飛んだ……とは思わない。
「イフリート、森で主を倒す。ウンディーネ、カフィアを撃破……うん、どちらも中級レベルを凌駕する……か」
爆炎の中から手帳を見ながら出てきたホテイはほぼ無傷、しかも冷静に分析してやがる。
「これが無敵の鎧、正義の装甲だ。もっとも、中級レベル同士を掛け合わせたところで私にダメージを与えるには及ばない!」
「……ふっ、だろうなぁ! いけっ!」
「しゃらぁあい!!」
爆風に紛れてホテイの死角に入ったライチの一撃、正義の装甲があるはずだがホテイの脇腹に結構深く入ったらしい。
「くっ、子供に一撃貰ってしまうとは……この者は……ん? 中級以上に名前がない?」
「何だ? 中級以上しか情報がないのか?」
情報戦だと厳しいところだったが、ライチとロアンはまだ中級ライセンスを持っていない。つまりこっち側の半分も情報がないことになる。これは突破口に使える。
「無名の、しかも子供に切られるなんて……あっちの世界から新たに来た転移者か、いやしかしエビスが五人目では……」
「正義ちゃんよ、ぼちぼちえぇかのぉ?」
「準備できてしまいましたか……分かりました」
「ふぉっふぉっふぉ、腕が鳴るのぉ」
座っていた壁際からゆらりと立ち上がり、剣を向けてくるアルデバラン。勇者一行の一人ってことは実力は間違いないものがある上にホテイも居る。上級以上を二人同時は勝ち目が薄そうだ。となれば……
「ライチ!」
「うっす」
ホテイを切りつけたまま臨戦態勢を保持していたライチを呼び寄せる。
「二人同時に相手するのは分が悪い、あいつ等を分離させて二対一にする。手負いのホテイなら俺で何とかできるかもしれん。お前はアルデバランを頼む」
「一人でっすか」
「そっちにはテトラを付ける」
主に中、遠距離攻撃を得意とするホテイと剣技を使うとすれば近距離を得意とするであろうアルデバラン。どちらも一級品の実力であるとすれば分離させるのが得策だろうと考えた。それとからまだライチよりも俺の方が強いと仮定して後衛と前衛のバランスをとる組み合わせにした。
「もし倒せなくてもこっちを片付けたら助けに行くから耐えろよ」
「その必要はないっす。むしろ先生が耐えるべきっすね」
「言うねぇ」
ライチの減らず口に反論したいところだがホテイに食らわせた攻撃は一発。まだ力量互角というには足りない。確実に勝てるとは言い難く相打ち、あるいは……か。
「頼んだぞ」
「うぃっす」
「テトラはライチの、ロアンは俺のサポートに付いてくれ」
「「はい!」」
陣形を再び整えホテイ・アルデバランに対して臨戦態勢を取る。
「作戦は決まったか? 妨害することもできたが、そこは言わずもがなと言ったところか」
「あぁ、バッチリよ」
戦隊ヒーローの変身時に悪役が手を出さないように作戦会議中に手を出すのは野暮だと思ったらしい。であるとすれば自分たちが悪役であるという自覚があるのか?
「どんな手を使ってこようとも叩っ斬るのみ! ぬぅん!」
アルデバランが単身俺たちの陣営に踏み込んできて第二ラウンドの幕が切って落とされた。長期戦に持ち込むと、実は忘れかけていたギョクロとチユキがどうなっているのか心配になってくる。全て丸く収めるルートを確立しなければ……!!
ども!ロカクです!(・ω・)ノ
前回から二か月弱という間が開いてしまいましたが元気です!(゜∀゜)
さて、ここには何を書いていたかな……忘れましたww
次作では後書き・活動報告・ツイッターで書く内容考えなきゃなーと思ってるんですが……
要するに言いたいことはちゃんと計画立てて制作を進めたいなってことなんです!
んでは!また次回近いうちに!(=゜ω゜)ノ




