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エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
ロメスコ遠征編
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砂の国にアイドル

「ここがロメスコか」


 王城倉庫でローブと防弾チョッキを拝借して数分後、例によってオオグロを使って一瞬でロメスコにたどり着いた。にしても思ってたよりそんなに壊滅してる風でもないような……


「……人気(ひとけ)が無さすぎるな」


 ガイアアクアマリンほどのお宝がそこら辺に転がっているわけないことは承知の上、誰かに情報を聞き出そうと思ったのだが誰かがいない。となるとめぼしいところを手当たり次第ってことになるか。


「うーん……」


「あれ? エビちゃん?」


「ん? おぉ、何してんだ?」


 背後から話しかけてきたのはSGFが一人、不協和音自分可愛い系少女? のミサだった。アイドル声優がなぜこんなところに?


「私はドラマ撮影の下見! 初めてのドラマなんだけど結構主要な役でね、二人のガンマンが私を奪い合うの! 」


 それで砂漠か……今どきそんな一昔前の洋画みたいなドラマがあるんだなぁ……しかし一人で下見とは感心だな。


「エビちゃんはどうしてここに?」


「あぁ、ガイアアクアマリンをいただきにな」


「ふーん?」


 ガイアアクアマリンが何たるかは知らないか。んじゃあ変な噂が流れる前に退散するか。噂する人間もいないが。


「しばらくこの辺にいるのか?」


「うん! と思ったけど一緒に行っていいかな? ここ人がいなさすぎて不気味なんだよねー」


 確かに機械都市というだけあって機械と砂ばかりで不気味な気もする。俺も一人でガイアアクアマリンを奪取できるか定かではないし……


「一緒に行くか!」


「ありがと!」


 まずは宝物が納められているようなところを見つけたいもんだがこういう場合RPG(ロープレ)では……


「エビちゃん! そのお探しの物はどこにあるの?」


「まだ見当も付いてないってのが正直なところだ」


「そっか、水分持ってたらいいんだけどあんまり長居しても面白いことなさそうだからこんなときは高いところから探すのがセオリーだよ!」


 なるほど、一理ある。ただ歩いて平面的に探すより塔の上から見下ろしてみたりするとまた違った発見があるかもしれない。


「そんなわけでここなんかどうかな!?」


 偶然にも目の前にあったのは電波塔、階段もついているし上るには問題無さそうだ。上るには……な。


「……ちょっと見てきてくんねぇ?」


「なんでよ!? あ、もしかして高いとこ怖いとか?」


「うっ……怖いんじゃなくて苦手なんだよ」


 苦し紛れの訂正だった。


「ふっふっふー、まぁいいけどね! こうして一緒にいさせてもらってるわけだし!」


 不適な笑いをこぼしながらミサは階段の強度を確かめる。連れてきて良かったと言うべきか、弱みを握られるくらいならつれてこない方が良かったと言うべきか……


「うん! じゃあいってくるね!」


「気を付けてなー」


 何かあったら助けられるように一応低反発枕はいつでも出せるようにしとくか。


               ◆◆◆


「ただいまー」


「どうだった?」


「ここをまーっすぐ行ったところに洞窟……なのかな? 崖の下の方に穴が開いてて、そこが怪しいと思うんだよね! というかもはやそこしかないと思う!」


 砂が舞っていて遠くまで見えなかったこともあって遠距離の情報を選んだのは正解だったらしい。


 ミサの言う通りまっすぐ歩くこと数分、砂にまみれたシャッター商店街の最奥にたどり着いたところKEEPOUTの文字と簡素な看板によって行き止まりとなっていた。

 が、特に厳重と言う訳でもなく簡単に向こう側へ行けそうではある。


「これ無視していいよな?」


「いいでしょ、ここは壊滅都市なんだからそんなの無効無効!」


「だな!」


 後押しを受けて看板の横を通過する。看板を越えると建物はなく、砂嵐が強くなっていて視界を奪ってくる。


「ちょ、前が見えないんだけど!」


「なんだって? ……おふっ!」


 声も聞き取れないほどの砂嵐に耐えながらなんとか歩を進めていると何か硬い物ににぶつかった。


「なんだ……これ……鉄?」


「あ! エビちゃんあれ!」


 謎の鉄から横に目をやると洞窟の入り口が見える。早くこの砂礫から身を守りたいところだ。


 そして壁伝いに行くと洞窟内に入ることができ、砂嵐地獄から抜け出すことに成功した。


「ひとまず安心だねー」


「いや、これからだろ」


 お互いに砂をはらいながら一息つく。しっかしこの洞窟、規模の見当がつかない。魔力は温存してきたものの体力が大幅に削られているため何かしら身を守らなければならなくなったときの不安が残る。

 それはミサも同じだろうし、むしろ女子なんだから俺より消費してるだろうし、長期戦は避けたい。


「行くぞ!」


「待って! 何かガシャガシャ聞こえない?」


「……」


 耳をすましてみると確かにそんな音が、しかもこっちに向かってきている。何かしらの防衛システムが働いたとすればここに例の物がある可能性が高まった。


「確かに、何者かのお出ましだな」


 早速街との「違い」を見せてくるこの洞窟、この音の正体は何なのか。ここにガイアアクアマリンがあるということの暗喩でいいのか、まずはお手並み拝見といこうか。

どうもお久しぶりです!ロカクです!

またしばらく間が空いてしまいましたが……(´^ω^)

今年度も終わりということで、新しい生活の始まりという人もいらっしゃるでしょう。

最初は何かと大変なので頑張りすぎない程度に頑張っていきましょう!

では、また次回!

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