表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
中級ライセンス試験編
51/69

不公平な二次試験

『続いての対戦はFOAB学園ロアン選手対アルペジオ学園カイゼル選手でーす!』


 見事に勝利したチユキを労い戦いは後半戦、FOAB学園(うち)で最も攻撃力が低いロアンだがスゥとしてならそこそこだ。必殺技を考える際、回復に注力していたとすれば厳しいかもしれんが攻撃の方向も考えていたとすればあるいは……


「頑張ってくださいませ!」


「絶対勝てるし!」


「がんばれー」


「は、はい……」


 自信無さげか? まぁそりゃそうだろうな、今までほとんど前線で戦うこともなかったし、ましてや相手は人間だ。勝ったらラッキー負けてもお咎めなしとしよう。そもそも誰も咎めないが。


『無理にとは言いませんが巻いていただけると今日中に全ての試合を終えることができるよ! ……いまのはなかったことにして十三戦目、レディー……ファイ!』


 相手はカイゼルと言ったか、戦闘スタイルが読めない。表情はさることながら動作も今のところ無駄がなく全くの無である。


「スゥお願い!」


「はーい」


 知らない人から見れば一人二役、ひとりごとを言っているように見えるだろうが今確かにロアンはスゥに入れ替わった。なんか久々な気がする。


「私もだてに影薄くなってた訳じゃないわ! はっ!」


 ほぅ、瞬歩か。サバイバルナイフで超至近距離戦を仕掛けるスゥにとっては相手との距離を詰めるのは基本中の基本、足に力を集中し高速で動ける瞬歩はもってこいってわけだ。これで先制できれば……


「うっ!」


 今にも攻撃を仕掛けようかというところでスゥは足を抱えてうずくまった。出血しているようで心配なところではあるがカイゼルを見やると銃口から煙が立ち上っていた。つまるところカイゼルの武器は拳銃らしい。だがあの高速移動を捉えたってことかよ……末恐ろしいわ。


「……終わりだ」


 まだ追撃するつもりかよ! もう勝負は着い……ん? 今スゥがにやりと笑ったような……


ホーリーカウンター(神聖なる反撃)!」


「ちっ」


 発砲した側のカイゼルに向けて弾丸が飛び、顔やら四肢やらをかすめた。一見何もない空間で弾丸が奇妙に方向を360度変えたように思えるが見えるやつには見えていたであろうあの透明な壁、なるほど、防御を攻撃にする数少ない方法のひとつだな。


「まだまだこれからで……す……」


 口調が戻ってる? いや、それより逆転の兆しが見えてきたところで恐らく戻っていたロアンが倒れた。あの壁で魔力を使いきったってことか!?


「……」


 ロアンにカイゼルは歩み寄った。手を差しのべるつもりか? なかなかできたやつ……


「……先生のためにここで消えてもらう」


 ではなかった。改めてロアンに向けて銃口を向けるカイゼル、本当にもう勝負は着いた。だが止めようにもあのほぼゼロ距離ではSGFや俺の初速でも間に合いそうもない、まさに人質状態だ。とはいえ動かないわけにもいかねぇ!


「……さらばだ」


「させるかぁ!」


 ステージ上にいるはずのない人間の声が届いたとき銃口が地面に転がっていた。何であいつが俺より先に?


「……ふんっ」


『そ、そこまでー! 第十三戦目勝者はカイゼル選手でーす!』


「あ、お願いします」


 あいつが見守る中ロアンは担架で運ばれていった。


「ライチンよくやったじゃん!」


「ライチさんさすがですわ!」


 そう、ロアンを助けたのはライチだった。とはいえ俺より先に動くとは……解せぬ。


「お前よく反応できたなぁ」


「あーまぁ……危なそうだったんで本能的に……その……動いただけっすよ」


 なんか府に落ちないんだけどなぁ、カイゼルが手を差しのべた時点で「良い方向」を全部カットした? あのときすでに殺気に気づいていたのか?


          ◆◆◆


 日も暮れて残るは一戦を残すのみとなった。少し前にロアンの様子を見にいったところ特に問題はなく眠っているだけとのことだった。ちょっと安心したところで次はいよいよライチの番、どういう修行をしたのか全く分からないが……さぞやる気なんだろうなぁ……


「……zzz」


「おーい、出番だぞー」


「……はっ!?」


 間六戦もあった上に朝から待つばかりでまだ戦ってないのに疲れたらしいライチ、まぁ今回の注目である三大尉は全て出尽くしたわけでそこらの相手には負けるようなやつじゃないと思っている。


「しっかりしろよリーダー」


「ははは……ちょっと行ってくるっす」


 気を張りすぎてないのは良いことだが……


 相手はクロードセル学園? 聞いたことないがここまで残ってるってことは実力者だろうか。あっちもステージに上がってきてるな。


「エンジィー! 頑張んなさいよー!」


「うるせぇ! 当たり前だ!」


 仲が悪いんだろうか? それとも反抗期か? しかしあっちの保護者の声、どっかで聞いたことあるような……?


「「!?」」


 ステージの向こう側を見やるとどこかでみたような顔で、あちらもこちらを見て目を丸くしている。とはいえ名前が出てこない。


『いよいよ最終戦! FOAB学園ライチ選手対クロードセル学園エンジ選手だー!』


 とりあえずあの人のことは置いといてライチの成長を見届けるとしよう。しっかしなぁ……わりと親しかった気がするんだよなぁ……

どうもロカクです!

どうやら全国的には梅雨に入ってきていますがみなさん雨は好きですか?

私は晴れてるより雨の方が好きです!バスや電車は死ぬほど混みますけどね!w

さて、中級試験編後半に差し掛かってきています!ライチは勝てるのか!?

次回もよろしくお願いします!m(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ