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エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
中級ライセンス試験編
50/69

第二形態マジックフォルム!

 中級ライセンス試験、FOAB学園(うち)としては二人目となるチユキの試合が始まった。相手のオクタもチユキ同様近接戦闘タイプではないと見える。戦闘スタイルが見えない分油断は禁物だ。


「参ります! ……うぅ、か、カイザー!」


 第一ラウンドで出した必殺技……の第一段階だというカイザーこと白虎で先制しようってわけか。


「咆哮ですわ!」


「ガァッ!!」


 かなりの気迫でカイザーが吠えたことによりオクタを含めざわついていた会場全体を黙らせた。一瞬目を逸らしてしまったが相手を怯ませてからの二手目は……


「終わりですわ」


 瞬間移動さながら、一瞬のうちにオクタの背後に回り込んだカイザーが今まさに一撃入れようとしているところだった。もう終わりか……


「何ですの!?」


「でゅふふ、ぼきがこんな手でやられるわけないでしょーよ」


 案の定どこから出てきたのか黒い兵士にカイザーの一撃は止められてしまった。その兵士は色黒ではなく単純に黒い訳だが、長年の勘からするとあれは……黒魔術だ。


「くっ、ハウス!」


 カイザーを自陣に戻らせて状況を立て直す。うん、それでいい。


「でゅふ、そろそろぼきからもいっちゃおうかなぁ! 女の子に乱暴するのは気が引けるけどあの方が見てる前で醜態を晒す訳にも行かないしなぁ」


 その体型から出るに相応しいデブ声で何やらブツブツ言っているオクタ。ちょっと昔の俺に重なるところがあって……どことなく気味が悪い。


「じゃあいっくよぉ、スナイパーズ!」


 オクタが手元の電子端末をフリックするのと連動して今度は軍人が出現した。しかも四体とは……腐っても三大尉ということか。


「召喚戦の様相を呈してきましたね、こういう対戦って何が勝負を決めるんですか? やっぱりパワーですか?」


「そうだなぁ……パワーもそうだが一番は……センスだろうな」


 回復班であるテトラにしてみれば分からなくても当然か。力でごり押して勝てるときもある。が、力をセンスが上回るなんてこともよくある話で……おっ、動きそうだな。


「打てっ!」


「カイザー弾いて!」


 スナイパーズの一体、銃を持つ兵士がチユキに向けて一発放ったが、カイザーによってその弾丸は弾かれる。


「からの……間を詰めてタイガーファングですわ!」


「ガゥ!」


 今度は正面突破か……やはり今度は盾を持った兵士がカイザーの爪を止める。両者有効な攻撃はまだないな。


「でゅっふっふ、無駄さ! スナイパーズは役割別にぼきの魔力を振り分けたいわば分身、あの方に近づくための秘策!」


 一つの役割おきに専門家を作り使い分けることで高い水準が出せるわけか……で、あの方っていうのは黒魔術を使うやつなのだろうか?


「……見ていますか!? ツトム様!!」


 何っ!? あの実績のないことで有名なツトムを崇拝してたってことか!? 話を解釈して振り返るとSGF、観客を含め、周りの全員がツトムを注視していた。等の本人はというと……


「はぁ……」


 心当たりがあるらしい。


「ここだけの話、最近視線を感じることがよくあったんだけどどうせチユキが僕を見てるんだろうと思ってたんだよね」


「ツトムよ、お主がチユキちゃんを見ているときには視線はなかったのか?」


「あーそういうときは気配センサーオフってるからね、目に全神経集中させてるから」


 ホテイのかけたかまにまんまと引っ掛かったものの全く否定しようともしないツトム。心から否定してくれと願っていただけにこの様子を見ると同じ組織にいるのがすこぶる辛い。


「お兄様を尊敬してらっしゃるのですわね?」


「そうだよ! ぼきはツトム様を……って、今お兄様って言った? ……まさか!?」


 気づいてなかったのかよ。


「お兄様をボッコボコにする前の予行練習としてはピッタリですわ……」


 これが背筋が凍るってことか。こんなに恐いチユキは過去に見たことがない。第一ラウンドでSっ気は出ていたが……


「カイザー! 第二形態にチェンジですわ!」


「ガゥ!」


 ついにカイザーが進化するわけか、すでに強そうなカイザーがどう進化するのか……男心をくすぐるところだが……


「ニャー」


 はい? ちょっと待て、白い……猫? 明らかに見た目弱くなってるんだが? もうカイザーを使うのは諦めたのか?


「カイザー第二形態、マジックフォルムですわ!」


「でゅははは! もう魔力が尽きたのかな? そんなんじゃぼきの兵士たちには敵わないよ!」


 確かに俺もそう思う。が、何の考えもなしにあの強そうな第一形態からこの第二形態にするだろうか?


「その判断はこの技を見てからでも遅くなくってよ! ふっ!」


 そこそこの実力者であればチユキの魔力量及び濃さが跳ね上がって来ているのが分かるだろう。同時にカイザー自身も魔力を集中していく。ここで決める気なのか。


「いきますわよ~! ピュアホワイト(純白の)カルディア(心臓)!!」


 体を半身に、猫じゃらしを持った手をもう片方の手と交差したチユキとパワーを溜め続けていたカイザーの前に魔方陣が出現し、そこからまさに真っ白な破壊砲的なものが飛び出しオクタを強襲する。


「うわぁあ! 剣士ぃ! 狙撃手ぅ!」


 オクタ本人はなんとかかわしたようだが二体の兵士に命中、残りは救急箱を持っているところから見ると衛生兵? と盾を持つ兵士のみとなった。


「は、早く回復を!」


「あと4発ほど撃てますがまだ続けますの?」


 いつの間にか距離を詰めていたチユキが手に持っている「それ」をオクタに突きつけるがどうあがいても「それ」は猫じゃらしに他ならない。


「ぐぅ……降参だよぉ」


『試合しゅーうりょーう! 中級ライセンス試験第六戦勝者はチユキ選手でーす!』


 結構余裕目に勝ってしまった。いや、良いことではあるが相手のオクタが弱かったのか? それも否、作戦は悪くなかった。やはりチユキの力がジャンプアップしたと考えるのが正しいんだろう。

 魔法使い組はしっかり必殺技を駆使して突破していったが、次は最も一対一及び戦闘に不向きなロアン、果たして……

どうも!遅刻常習犯ロカクです!w

ついに50話となりました!(。・ω・)ノ

かといって別に何がどうなるって話ではありませんが、ここまで続けられるのは人生初のことなんです!

区切りの一話ですがまだまだ続きますゆえよろしかったらお付き合いくださいませ!

では、また次回!


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