表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エビス先生の異世界学校経営論  作者: ロカク
中級ライセンス試験編
49/69

O3・九火

『フィーベル選手大剣を一振り、衝撃波がギョクロ選手を襲うぅ!』


 中級冒険者ライセンス試験一戦目、ギョクロ対「三大尉」フィーベルは序盤、フィーベルがその細腕に似合わない大剣を引きずりギョクロが距離を取るというあまり面白くない展開だったがフィーベルの技ソニックウェイブがギョクロのマントをかすめ、ついに試合が動き出した。

 しかし、あのスピードで走ったところで距離が詰まらないことは分かっているだろうに何故フィーベルは初っ端から技を出さなかったのか……


「はぁぁぁあああ!」


「こっちからもいくし! フレイムパラソル!」


 またしても大剣を引きずり距離を詰めようとするフィーベルにギョクロはまだ暴発していたときに対オオグロ戦で使った放射上に火炎球が広がる技で応戦する。本当にあのときと同じ技かと思うほどに正確さと威力は桁違いだ。


 煙で見えづらいが直撃必至ダメージ不可避だろう。


「ふふっ」


「!?」


 ほぼノーダメージで微笑むフィーベル、自分の前に突き立てた大剣を壁にしたようだ。攻撃のみならず防御もできるとはな。ギョクロのやられた感には納得だ。


「あの子身のこなしがいいですね」


「そうだよなぁ」


「あ、いや! もちろんギョクロちゃんを応援してるんですよ!?」


 何も言っとらんが……テトラの言う通りあれは流石と言わざるを得ないか。再び距離を詰めようとするフィーベル、初期技は効かないと分かった今、ギョクロはどうする?


「……! ほっ!」


「そんなそよ風じゃ私は押し戻せないわ!」


 何か思い付いたらしいギョクロはフィーベルに対して扇子で風を送り始めた。強風なら分かるが……ん? 何か気持ち呼吸が楽になったような……?


「勝つ気がないならこれで終わりよ! チャージ02(ゼロニ)! ガイアヴァーテクス!」


 光を放ちながら身体の後ろから前に振り下ろされたフィーベルの大剣が地面にぶっ刺さったかと思うとギョクロに向けて石柱が突き上がった。

 

「ぐっ!」


 風を送り続けていたギョクロもここはかわしきれずもろに食らってしまった。万事休すか!?


「いったいっ!」


「そりゃそうよ、痛くしてるんだから。降参するなら今のうちよ!」


「……ふっ、それはこっちの台詞だし! 完成、オゾンホール!」


 オゾンホール? って地球を覆っているあれのことか? 何でそんな……待てよ、オゾンといえば酸素を濃くしたようなやつだよな? 空気に含まれてて助燃性があって……


「ギョクロちゃん、考えましたね!」


「あぁ、あいつはもう立派な赤魔術師だ」


 あの無意味に思えた送風はどうやら酸素及びオゾンを作り出していたらしい。


「まだまだぁ!」


「これで決めるし! 必殺! O3(オースリー)九火(キュウビ)!」


「チャージゼロさっ……きゃああああ!」


 炎というよりマグマというのが正しいような、その名の通り九尾を型どった巨大な塊が大剣一本で立ち向かおうとするフィーベルに襲いかかる。


食らえば重傷は避けられない一撃にSGFの面々が足に力を込める。


「あー多分大丈夫だ」


 ギョクロの力量はそこそこ知っているつもりだ。暴発癖を克服した時からほぼ弱点はなくなったといっていい。魔法の威力、コントロールともに今となってはかなりのレベルにある。


「あいつは俺の生徒だからな」


 マグマの塊が今にもフィーベルに振りかかろうかというとき、ギョクロの所作によってマグマの塊は動きを止めた。と同時にフィーベルは失神し、ギョクロも座り込む。勝負あったな。


『試合終了ー! フィーベル選手戦闘不能により中級ライセンス試験一人目の通過者はギョクロ選手だー!』


「ふー」


「エビスさん、よかったですね! みんなで迎えてあげた方がいいですよ! さ、行ってください!」


「そうだな、んじゃ頑張れよ!」


 まだテトラはSGFでの活動期間は短いし、馴染めてないだろうからとりあえず応援しておいた。特別席を後にして生徒たちのもとへ戻る。


「おーい! あれ、チユキは?」


「ギョクロちゃんを迎えにいきました!」


「そっか」


 試合が終わったときギョクロは魔力を使いきったのか座り込んでたもんなぁ、あの技を使われたら俺でもやられるかもなと考えているとチユキに肩を借りておぼつかない足取りのギョクロが戻ってきた。


「やりましたね!」


「先越されたなー」


 ライチが悔しそうではあるが試合の順番上しょうがない。


「マジで疲れたー! でもこれでみんなに恩返しできるし!」


 恩? 何のことだかなぁ、いつかの家庭訪問のことだとすればそれは当たり前のことをしたまでだ。意外と借りは返すタイプなんだな。でもまずは……


「お疲れさん!」


          ◆◆◆


 試合は進み五試合が終了、次はチユキの番で今はステージの整備が進められている。しっかし中級ライセンスを取りに来ているとは思えないハイレベルさでどれも目の離せない試合ばかりだったなぁ。


『お待たせしました! 続いて六戦目の対戦カードはFOAB学園チユキ選手対アルペジオ学園オクタ選手でーす!』


「ユキッチーがんばー」


「ファイトです!」


「えぇ!」


 ギョクロやロアンの声援を受けてステージに上がったチユキと相対するオクタ。チユキの装備は白を基調とした魔導師帽にマント、それから初見なら拍子抜けするであろう猫じゃらしである。対するオクタは……電子端末? 見たところ薄くて大きさは……B4くらいか? あれで一体どんな戦い方をするのか……


『準備はよろしいですね? それでは、レディー……ファイ!』


 ついに始まったチユキの試合。そういえば第一ラウンドであの虎は第一段階って言ってたっけか……次の段階では何を見せてくれるのか……

まいどどうも!ロカクです!

五月病なのか毎日調子の良い日がありません、というか年中調子の良い日なんてないんですけどねww

遊んでるときと寝てるときはいいんですけどね~w

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ