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世界を滅亡させる者

 ~五月目初日~


 さて、準備も整ったところで人探しに出ようと思う。結局ライチだけヒントをもらいに来なかったが……まぁ、師匠とやらに教えてもらってるんだろうから楽しみにしておこう。


「まずはどうするか……」


 俺による世界滅亡の件について知っていることといえば先人が二人生きているかもしれないということただそれだけ。まずはどこにその先人たちがいるか調べる必要があるが……


「どうやって調べりゃいいんだ?」


 顔も名前も知らない人間を探せっていうのはなかなか厳しいんじゃなかろうか? だがしかし、そいつのせいで世界の半分が滅亡したとなればそこそこ話題になってるはずだ。となるとこの地で普通に生活してるやつが手っ取り早いか。


          ◆◆◆


「えっ、世界を滅亡させる人の話ですか!?」


「あぁ、聞いたことないか?」


 やっばりテトラに頼ることになるんだよな。他のSGFに聞くにも全員どこにいるか知らないしなぁ。


「うーん……あ! 知ってますよ! ニュースにもなってましたからね!」


「名前とか覚えてないか!?」


「えーっと……ちょっと待ってくださいね、たしか……」


 唸りながらも思い出そうとしてくれている。俺が自分で調べないばっかりに……すまんな。


「それってナバロのことじゃないかね?」


「それです! ナバロ・エストゥージャ!」


 所長の助け船によってテトラはフルネームで思い出したらしい。


「そいつが何処にいるか分かるか?」


「そうですねぇ……」


「ベアルネーズ国のグレイビー村に居るって話だよ」


 まさかとは思うがテトラはこの件についてあまり知らないらしい。少しも考える時間を与えない所長も所長だと思うが……


「ありがとうございます」


「エビスさんその人を探してどうするんです?」


「それは……」


 まずい、言っていいもんか分からずまだ誰にも俺がこの世界の人間ではないことを公表していない。いや、テトラになら言ってもいいか?


「実はな、俺は……」


(それ言っちゃったらこの世が終わっちゃいますよー)


 勢いよく振り返ってみたが誰もいない。今の声は一体……


「どうしたんですか?」


「いや、何でもない。とにかくそこに行ってみるわ」


「しょ、所長の許可が出れば付いていってあげなくもないですけど!?」


「今回はいいわ」


「そうです……かぁ」


 今回ばかりは俺の問題だし、さっきの声が本当なら俺が別の世界から来たことを誰かに、少からずテトラに言うとこの世が危ないらしい。誰かといると口を滑らせる危険性が高い、となるとそれこそ今回は連れていけない。


「グレイビー村ねぇ」


 地図によるとベアルネーズ国自体がここベシャメル国から結構遠い。交通手段を使えば行けなくはないが今月半ばにやることがあるためゆっくりもしていられない。最近分かったことでグレーホールは結界的なものを破ることはできるが長距離に向かない。この十数日をもっとも有効に使うためには……


          ◆◆◆


「よっ!」


「あのなぁエビスよ、俺は便利屋じゃねぇんだ。魔術印組んで自分で行けよ」


 ブラックホールを使わせてもらうためオオグロが飼われている城の一室へとやって来た。来て早々断られそうな雰囲気だがこいつは……


「まぁまぁ、友達じゃねぇか!」


「友達になった覚えはない! 俺に何のメリットがあるっていうんだ!」


「もし送ってくれるなら……セッティングしてやるぜ?」


「? ……まさか!?」


「そのまさかだ! 誰ととはあえて言わんが、悪いようにはしないつもりだ」


 オオグロがテトラに好意を寄せていることはかなり知れ渡っている。しかしそれがおもいっきり片想いであることもまた事実、平和的にコトをまとめるため俺は詳細を言わなかった。


「しょ、しょうがないなぁ! 決して下心なんかなく、友達のためだからここは協力してやろうかなぁ!」


 誰とは言ってないぞ? そこらへんのお婆ちゃんかもしれんぞ? いや、心優しいオオグロ君はそんなこと気にしないか! 友達のためだもんな! ちょろありがとう!


 そんなわけで快く引き受けてくれたオオグロによって俺は最速でグレイビー村にたどり着いた。


「この国に居るのか……すいませーん! そこのご婦人!」


「なんだい?」


 声をかけたのは良くも悪くも通りすがりの婆さん婆さんした婆さんで、ダミ声の上に腰は曲がっていた。


「ナバロという多分男を知りませんか?」


「……(あん)ちゃんその名前この国ではあまり大きい声で言わない方が身のためだのよ、私だったから良かったけどねぇ」


 忌み嫌われるような境遇なのだろうか? にしてもこの婆さんどうやら当たりらしい。


「知ってること教えてもらえませんか?」


「いいよ、付いといで」


 見ず知らずの俺にこんなに優しく……この世界に来てからこういう懐かしい形の優しさがなかっただけに余計身に染みる。そんなわけで付いていくとそこは占い館だった。薄暗い中に机を挟んで椅子が二脚向かい合っており、机の上には水晶が置かれている。


「そこ座りな」


「はい」


「早速だけどあの男はねぇ……」


 向かいの席に座って婆さんはゆっくりと話始めた。ナバロという男、一体何者なのかよく聞かせてもらうとしようか。

どうもロカクです!

今週も滞りなく投稿することができました!

さてさて新しい生活に徐々に慣れてくる頃かと思いますが体調だけは大事ですよ!

新生活でなくても多分一人暮らしの人は食が偏ると思うのでご注意ください!

では、また次回!

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