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水質汚染とメヨツクド

「気になるのは鹿の話だけだな。もう埋葬したのか?」


 一通り話を聞いたがほとんど(たい)した話はなかった。


「ロッキーだよ! お葬式をしようにもみんないないし、警察もいないから現場はそのままなんだ。一応ビニールシートはかけてるんだけどね」


「案内してくれ、何か分かるかもしれんからな」


「ワオ! エビス君推理できちゃうの!?」


「ミステリー小説よく読むからな、ロアンも来いよ!」


「はい!」


 理由になってないか? それはさておき、このまま帰っても何の収穫も無かったことになる。ここはせめて次来るときには元の森に戻ってもらっておくことで損はないだろう。


          ◆◆◆


「えーっとこの辺に……あれ?」


「どうした?」


「ビニールシートしか残ってないんだけど……」


 湖のほとりでもぬけの殻となったビニールシートをこっちに見せてくるユグ。これはつまり死体が移動したってことか。


「誰かがその鹿の死体を持ち去ったなら可能性は低いが、動かしたんだとすればまだ近くにあるかもしれん。探すぞ!」


 三者三様に散らばって探し始めたが、何の音沙汰もないまま十数分経った。一旦集合して違う方向を探るか……


「お二人とも! ちょっと来てください!」


 と思っていたところロアンの呼び掛けが耳に届いた。


「これは……」


「この森に他の生物は?」


「僕が見回った限りいないはずだよ!」


「ということは……!!」


 確認したところ正しいらしいが、目の前にいるのは虫の息だが確かに息のある鹿である。


「ロッキィイイイイイイ!!」


 タックルせんばかりの勢いで鹿に抱きついていったユグ、しかし事は一刻を争う。


「一旦離れろ! ロアン、とりあえず応急処置を!」


「了解です!」


 ユグを引き剥がし、治療に入ったロアンの手元を後ろから覗き込む。手際よく進められた治療はものの数分で完了した。


「はい、とりあえず大丈夫です!」


「よかったぁ……ありがとうロアンちゃん!」


 一安心か、この鹿が目覚めるまでの時間を無駄にしないよう原因を考えていこう。


「ところで今回の件って自殺か? それとも他殺か?」


「僕は後者だと思うね、森の外から誰かが来てやったんじゃないかな?」


 あくまで森の住人を信じる方向らしい。確かに外傷はほぼなかったようだが……


「悪いが前者も捨てきれん。毒のようなものを自ら飲んだとすればあるいは……生物である以上いつ死にたくなってもおかしくない。それが賢い生物であればあるほどな」


「それはないよ! この森に居る以上みんな幸せだったんだ! 頻繁に見回りもしてたから分かるよ、誰一人悩みも孤独もなかったんだ!」


 そういえばこいつは重度の平和主義だった。だが平和主義ゆえに自分の所有地では何の問題も起きないと起きてはならないと暗示をかけている。

 しかし、その地の所有者であっても全ての住人の心を、むしろ何者の心をも知り得ないのかもしれない。


「あの……ちょっといいですか?」


「どうした?」


「今のお話、前者とも後者とも言えないんですがロッキーさんが仮死状態になったのは水が原因だったようなんです」


 さっきの治療の間にロアンは検査までしていたらしい。原因は水、となるとやはりこの湖の水に何かあると考えるのが妥当だろう。


「そうか、ロアンは引き続き鹿を見ててくれ。ユグは俺と来い、俺は水質調査をする。頼むぞグレイ!」


「ワフッ!」


 調査と言える代物ではないかもしれんが、何か害を及ぼすものであればどんなものか分かるはずだ。なにせ今俺の傍らに顕現したこいつは俺と違って優秀だ。

 数秒間辺りの臭いを嗅いだ後、グレイはこちらを振り返った。


「ワフワフッ!」


「何っ!?」


 グレイによると死に至る量ではないものの多量に有毒な「メヨツクド」という木の樹液が含まれているらしい。


「彼は何だって?」


「ん~まぁよく分からんらしいが……お前ん家ってどの辺だ?」


 この森の住人と意志疎通しているとすればユグは動物の言語が理解できるのかもしれないが、グレイの声は俺にしか作用しないようになっているためそれを利用して鎌をかけてやった。


「この森の奥だけど?」


 ビンゴだ! グレイはさっきこうも言っていた。「森の最奥に一人しか立ち入らない土地があり、そこで多くのメヨツクドが栽培されている」と。


「そうか……今回の件の犯人は……ユグ、お前だな?」


「えっ!? 何で僕が!?」


 あからさまに動揺しているようだが、もうシラを切らせる気はない。


「理由は三つ。一つ目はこの森の水源がこの湖だけだったこと。二つ目はお前の家の背後に大量のメヨツクドがあること。三つ目はお前が重度の平和主義だったことだっ!」


 水源については前来たときに俺の先生が言っていたし、人型であるユグならこの湖の水を飲まなくても街に買いに行くもしくはどこかに汲みにいくことで事足りる。

 メヨツクドの件は大量に採取しておいて森が寝静まった夜中に湖に放り込んだんだろう。

 平和主義は……何らかの理由で他の動物を森から遠ざける必要があったとしか言えんが……


「ふっ……ふふふっ……さすがエビス君だ! 一昔前に戦ったときから君には可能性を感じていたよ! まさか一度ならず二度までもしてやられるなんてね!」


「そりゃどーも」


 そこまで過大評価されていたとは……複雑だな。


「この前とある少女が来てね、近々この森も消え失せるだろうって言ってたんだ。そしてエビス君、君を消すことで悲劇を止められるかもしれないともね!」


「くっ……ロアン! 離れてろ!」


「は、はい!」


 あのボーイッシュガールが手を回してたってことか。あいつについては今度けりをつけるとして今は目の前の植物人間を制圧することに専念しよう。

どうも!ロカクです!

センター試験勢のみなさんお疲れ様でした!

入試はこれからになると思いますが頑張ってください!

さて、最近投稿時間がバラバラなんで統一しようかなーって感じの今日この頃です(*-ω-)

これから考えます!

では、次回もよろしくお願いしまーす!

(*`・ω・)ゞ

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