一限目後半・剣技~裏ツバキの正体~
末広最初の授業は「剣術」だが、ライチとツバキは刃物と相性が悪かった。そんな中授業を進める末広を尻目に、自分の中のもう一人の人格と話し合っているはずのツバキの様子がおかしい。一体どうしたというのか!?
「おい、どうした?」
「先生……これ、私の妹です」
「なにっ!?」
そっくりすぎて見分けはつかないぐらいだが、まさか妹が別人格として乗り移っていたとは……
「ちょっとこっち来いよ」
裏ツバキをその場に残して話を聞くためツバキを連れて外に出た。
「今、妹さんはどこにいるんだ?」
「家にいますけど数年前から植物状態なんです」
「なるほど、話せて嬉しくないのか?」
「嬉しいんですけど私人見知りで、妹と顔合わせて話すの久しぶりなんで黙ってたらあっちも気を遣ってか話しかけてきませんでした」
なんだよ姉妹間で人見知りって! ってかてっきり喧嘩別れして絶交状態なのかと思ったよ!
「俺が間取り持つから話してみたらどうだ? 何で自分の中にいるのか聞いてないだろ?」
「はい」
決心がついたようなので再び裏ツバキのもとへ戻った。
「えーっと、ツバキの妹さん……だよね? 名前は?」
「ツバキ……? あっ、お姉ちゃんを呼び捨てですか、痛い目見せますよ? スゥです」
「スゥ、そんな言い方しちゃだめだよ!」
なんか厳しくない? 当たりきつくない? 一応答えてくれてはいるけど最後だけでいいよね?
「悪いね、じゃあスゥは何で姉ちゃんの中にいるんだ?」
「私も呼び捨てですか。馴れ馴れしいですね、訴えますよ? 私以外にお姉ちゃんを守れる人はいないんで」
めんどくさいなこの娘! 理由はカッコいいけどね! でもかといって憑依できるかは別だろ!
「そうか……率直に言うけどもっとうまい具合に出てこれないか?」
「他人の指図は受けません」
そんな気がしてたよ、となると……
「スゥ、お願い」
「分かった!」
「私がこうしたら……」
最初っからそうしろよと思いつつ解決したようで良かった……のか? あのめんどくさい娘もずっといるってことだよな? 一人生徒が増えたと思えばいっか。
「集合!」
ちょっと離れて練習していたライチを呼んで今日のまとめをする。
「初回にしては収穫が多かったと思う! ライチは明日も登校して、家での練習はほどほどにな。ツバキは……妹さんと仲良くすること! 以上! 解散!」
早速生徒たちの難しいところが露見したわけだが、もう一人いることを忘れてはいけない。いきなり憂鬱ではあるが、これも教師としては当然の試練なのかもしれない。
どうも!ロカクです!
早いものでもう四話目ですね、もう少々授業が続きますがお付き合いください。
そういえばこの前東京に行ったのですが、一日でお腹一杯になりました。やはり地元がいいですね!
お家サイコー!ってなわけで次回もよろしくお願いします!