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災厄もたらす来訪者

「これどうだ?」


「ちょっと可愛すぎますよ~」


「着てみろって!」


「無理です! きゃー! 助けてー!」


「おい、やめろ!」


 レディース服の店に入ったはいいがテトラはダメだ無理だと自分を卑下するばかりで一行に試着しようとしない。そろそろ本当に白い目で見られ始めたので店を出た。


「まさかこうも見事に仕返しが失敗するとは思わんかったわ」


「仕返しって……そもそも私の服をコーディネートしようなんて百年早いです!」


「そうか、何か買ってやろうと思ってたんだけどなぁ」


「服に関しては満足したんで……あっ、おやつの時間ですね!」


「分かった分かった、近くの喫茶店でも行くか」


「ありがとうございます!」


 なんともねだり上手だ。と分かってはいてもいつも何かと手伝ってもらってるしその上今日はお祝いらしい、断るという選択肢はないだろう。


「あんまり土地勘ないんだが確かこの辺に……グフッ!」


 ん? 口から何か……血か、何でこんな……横腹に短刀……? 一体誰が……


「エビスさん!? エビスさんどうしたんですか!?」


「テ……お……」


「何ですか!? しっかりしてくださいエビスさん!」


 意識が遠のく、黒く暗い何かに引きずり込まれるような……


          ◆◆◆


「ん……」


 ここは……病院? 電気は消されていてはっきり見えないがベッドと点滴で推測できた。そうだ! 確か俺は横腹を刺されて……


「お兄さんこんばんわ」


 俺以外にも誰かいたのか、だがこの聞き覚えのある声は……


「どうもー」


「おまっ……!」


「騒ぐとこの女が痛い目に遭うよ?」


 俺の傍らで眠っていたテトラが人質に取られた。本人は気づいていないようで起きない。


「……何の用だ」


「私が来たってことは分かるでしょ?」


 また俺をもとの世界に返そうって訳か。


「そろそろ帰って欲しいんだよねー、切に」


「何でそこまで俺をこの世界から退かせようとするんだ?」


「んー……教えちゃってもいいかな! この本! 闇業界のバイブルなんだけどね、この本にお兄さんのような人に関するちょっと厄介な記述があるんだよねー」


 前例があったということか?


「それで先人が言うには『五人目の来訪者が来たとき全ては無に帰る』ってこと、それからこの世界には昔もっとたくさんの国があったらしいんだけど来訪者が一人来る毎に国の数は約半分になったってさ」


「まさか……」


「そのまさかだね! お兄さんがその五人目だよ」


 この話、来訪者である俺自身がこの世界を潰すのかはたまた俺が来たことで何かが起こるのかそこが重要だ。前者だとすれば俺はそんなことしない。


「俺が元の世界に帰ればこの世界は救われるってことだよな?」


「それもわからないんだよねー今まで帰った人なんて知らないし、そもそも帰れるか分からないし」


 根拠はないってことか。


「待てよ、ってことはまだ前の来訪者がどこかにいるってことか?」


「生きてればねー」


「そうか」


「そろそろ帰らなきゃいけないんだけど、まぁそういうわけだからもう手を煩わせないでね!」


 そう言うとボーイッシュ少女はその場から消えた。


「うーん……あ! エビスさん起きたんですね!」


「おう、心配かけたな」


「ホントですよ! 傷治ったら犯人探しにいきましょうね!」


「警察に言わなかったのか?」


「事情聴取とかめんどくさいかなーと思ったんですけど……」


「なるほどそれはありがたいわ」


 気を使わせたようだがさすが同級生と言ったところか。


「危ないから一人で探しに行くなよ」


「分かりました! それはそうと今日は入院になるんですけど隣で寝ましょうか?」


「いらんわ!」


「あはは、それではお大事に~」


 そうして俺は個室に一人となったのを機に考えを巡らせる。あのボーイッシュ少女は果たして俺を消すためにペラペラと喋っていったのか? そうだとすればこの場で手負いの俺にとどめをさせばよかったはずだ。とすれば一概に悪いやつとも……今日は寝れるか微妙だな。

どうも!ロカクです!

約18時間ほど遅刻してしまいすいませんm(__)m

というわけでしばらく土曜二本投稿としていましたが一本にさせてください。コンペ分を書かなきゃいけないので……そのうちそっちも投稿するんでよかったらご覧ください。先に言っておくと次作は一話が長いですので二週に一話くらいになると思いますがよろしくお願いしますm(__)m

では、また来週(今週)!

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