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反逆者vs切り札

「呼んできたよー! あ、エビちゃん久しぶりだね!」


「昨日ぶりだろ」


 ミサがテトラを呼んできてくれた。その事に関してはありがたいが、こいつの時間感覚はどうかしてるのか?


「エビスさんボロボロじゃないですか!」


「二発でこのざまだ」


「そうでしたか、ちょっと待ってくださいね……あー中身も結構派手にやっちゃってますねぇ」


「中身はやめてくれ」


 できればすぐある程度治してもらって主戦力になれなくてもサポートぐらいできればいいが……


「ちょっと横になってもらっていいですか?」


「あぁ」


 ツトムやミサはいいとしてオオグロは戦力にならないだろうから実質二対一か。


「誰もが俺に対して戦力外だとか失礼なことを考えていると思うが先にそれを払拭しておくぞ! ワープホールイン器具庫!」


 オオグロは何やら自分で作ったワープホールに自ら手を突っ込んで時々覗きながら何かを吟味している。


「今回はこれでいいだろう、よっと!」


 引き抜いた手には一本の槍が握られていた。それにしても器具庫も建物ならワープホールは不可能ではないのか?


「オオグロ、それどうやって拾ってきたの?店のものじゃないよね?」


「これは軍隊の器具庫にあったもんでな、この時間は昼からの戦闘訓練で武器を運び出してる時で扉開いてんだ。あとは分かるな?」


「分かった! 要するに盗んだんだろ?」


「人聞き悪いな拝借したんだ! もちろんあとで返す!」


「そろそろ臨戦態勢整えてもらっていいか?」


「おっとそうだ、相手がジュロだからって手を抜かないことだねオオグロ!」


「それはこっちの台詞だ!」


 多分身体強化で治癒力を上げたであろうジュロはほぼ完治してるんだろう。俺の決定打の少なさがバレるな。


「この技は初めてだけど……漆黒の円(オニキスサークル)!」


 そういえばこいつら対ジュロに関して相性いいんじゃ……


「からの漆黒の十字(オニキスクロス)!」


「俺も負けてられんな! 歪み槍(ワープスピアー)!」


 どっちも距離を取って攻撃できるしあっちは手を出せない、もらったな!


「ナメルなっ!」


「ぬぉぉおお!」


「オオグロ!」


 ワープを巧みに使って攻撃を繰り出していたオオグロの槍がジュロに掴まれ引っ張られている。


「手を離してもらおうか! 漆黒の三角形オニキストライアングル!」


「チッ」


「どわっ!」


「チャンスを逃したようだねジュロ!」


 取り返した槍の下敷きになりながら尻餅をつくオオグロを横目に余裕の表情でツトムは次の詠唱を続ける。


「マダだ!」


 一瞬でジュロが消え、風が通り抜ける。消えたというよりは高速で動いてるのか……


「気をつけて! 何か仕掛けてくる!」


「気をつけるったって……グハッ!」


 鈍い音と共にオオグロが吹っ飛び、あとに残るのは拳を降り下ろしたフォームのジュロ。そこには完全なる殺意が見て取れた。


「オオグロの死は無駄にしないよ! 漆黒の正方形(オニキススクエア)!」


「オマエも……ナニっ!?」


「僕もなんだって?」


 ジュロは足に力を入れているようだが動かない。動きたいのに動けないということはツトムが何かやったのか?


「ジュロ、悪いけど君はもうすでに僕の制御装置(コントローラー)の上なんだよね。今までの技は全部このための準備だったってわけさ」


 円、十字、三角、正方形……なるほど、ゲームをするものとしては簡単な方程式だ。


「決着といこうか! 災女への生け贄サクリファイストゥパンドラ!」


「グッ……」


 まごうことなき「黒」がジュロを足元から染めていく。自由に動く手と貼り付けられたような足でもがいているが意味をなさない。


「降参してくれたら止めてあげてもいいんだけどなぁ」


「……イヤだ!」


 ギョクロ父の方を一瞥して降参は許されないと判断したらしい。


「じゃあ遠慮なく」


「ツトム!」


「動いちゃダメですよ!」


 真っ黒にしてしまったらそれは人としての終わりを意味すると察し、ツトムを止めようとしたら俺が止められた。が、ツトムがこっちに向ける手のひらはそこまでしないと、分かってると言っている気がした。


「まさか同級生にこんなことする日が来るとはねぇ」


 ツトムはおもむろにジュロに近づき何かでジュロの手足を縛っている。もちろんツトムに「黒」の影響はない。


「はい解除、もう何もできないはずだよ。さて、あのダルマ親父もやっちゃっていいの?……っと、僕ももうダメみたいだ」


 そう言うとツトムはその場に倒れた。使い慣れてない技を使ってたようだし無理もないか。


「相討ちか……」


「SGFを二人いや、三人潰せたと考えれば上々じゃないかねぇ」


「ゲスめ……もういいぞ、サンキューな」


「まだ終わってないですよ!」


「休んでる場合じゃなくなったからな」


 せっかく来てもらった切り札も相討ちではあったが味方のはずだった敵にやられた。シメは俺がやることになったわけだが、あいつらの頑張りに報いるためにも一層負けるわけにはいかなくなった。


「家庭訪問は終わりにさせてもらいますよ!」


「モンスターペアレントはしつこいんですがねぇ」


 今、俺の家庭訪問を終わらせるための戦いが始まろうとしていた……

どうも!ロカクです!

本日二本目はジュロ対ツトム&オオグロです!

次は主人公が戦う!?お楽しみに!

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