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お兄様を見返したい!

 ~一月目・十五日~


「……ってなわけで俺は今日非常に疲れている! よって本日は自習とする! 質問なら口動かすだけだから受け付けるぞー」


「質問いいっすか」


「おう」


「話を聞くところによると先生役に立ってないっすよね? なんでそんな選抜みたいなのに選ばれてるんっすか?」


 チッ、鋭いな。何もしなかったことがバレないようにオブラートに包みつつ話したつもりだったが……


「俺は学生時代かなり優秀だったからな!」


「あー」


「信じてないだろ」


 確かにまだ実力の片鱗も見せてないが、見せる機会がないだけだ。


「んなことより手を動かせよ!」


「へーい」


「私はどうすればいいんですか?」


「怪我人いないとどうにもならんよな。先に剣の特訓に付き合ってやったらどうだ? そしたら……なぁ?」


「分かりました……スゥ、お願い!」


 この前はだいぶライチに助けられてたからな、反省を活かしていい勝負をしてほしいもんだな。


「……」


「どうした?」


「……わ、私こいつと戦うぇない!」


「なんて?」


 この前からやたらライチを避けてるよなぁ、スゥになったときに限って。


「お姉ちゃんチェンジ!」


「はっ! 急に戻されても私剣技できないよ……」


「しょうがないな、俺が相手してやるよ! 軽くな」


「先生がそのSGF? から戦力外通告されないように手伝いましょうかね」


「言うねぇ」


 口で言うのは簡単だが実際生徒たちに実力を見せたことはない。俺がいかに優秀だったか見せてやるとしよう。


「行きます! 魔力剣・爆!」


受け流す人(パーリーピーポー)!」


 この技はあらゆる技を受け流すかなり優秀な技で、特に剣士相手には有効だ。ネーミングがあれだがな。


「てやっ!」


「ハッハッハ、当たらんなっ!」


「うわっ!」


 避けたついでに足払いを食らわせてやった。やはり攻撃主体すぎて防御がなってない。


「こっからちょっとだけ攻撃するから防げよ!」


「攻撃は最大の防御!」


「そういうことじゃねーよ!?」


 本気で防ぐことを教えないといくつ命があっても足りねーよな。痛みでもって教えてやろう。


「お命頂戴する!」


「取られてたまるか! 虻蜂(ホースフライビー)!」


「痛っっったい!」


「これでも俺の弱技だぞ?」


 虻蜂は相手の身体部位に的確な連打を食らわせる技。体の中心は避けたつもりだったが力入れすぎたか?


「先生! あんまり深い傷は私治せませんよー」


「分かって……え?」


 少し離れて見ていたツバキの隣に見知らぬ娘が座っている。しかも楽しそうに談笑している。


「ちょ、ちょいちょい! 君は……?」


「この娘はチユキちゃん! 入学希望らしいですよ?」


 また急だな、落ち着くまではこれ以上生徒が増えないようにと思って張り紙は剥がした。と言っても別にお断りって訳じゃない。にしてもどうやってここのことを知ったのか……


「どうやってここを知ったんだ? 誰かの紹介とか?」


「あの……先生は兄をご存知でらっしゃいますよね?」


 兄? 俺の知り合いに妹がいるやつなんかいたかな? それにしてもしゃべり方がお嬢様っぽいところを見ると育ちが良さそうだ。


「いや、ちょっと分からないな」


「そんなはずはありません! この前も黒魔術について語ってやったと自慢気に話していましたから」


 あー、あいつか。どうやら兄とはツトムのことらしい。あいつの口から妹に関して一言も聞いたことないぞ。


「ってことは黒魔術を教わりに? 多分その兄さんに教えてもらった方が手っ取り早いと思うぞ?」


「いえ、私は……白魔術を教わりたいのです!」


「へぇー、そりゃ意外だな」


 白魔術は黒魔術の真逆に位置する魔法で、かなり研究も進んでいる。たまに白魔道師と黒魔道師の討論会あるらしいが、どっちが強力かはまだ解明されていない。


「私は白魔術を修得し、兄を倒したいのです!」


「先生ー! まだっすかー?」


「もう勝負は終わりだ! こっち来い! ……で、倒したいってことは兄さんが嫌いなのか?」


「嫌いになったのです!」


 あいつ何したんだ? 深く聞いていいもんだろうか?


「なーんでそんなに兄さんを目の敵にしてんの?」


 いいぞライチ!今までで一番のファインプレーだ!


「あれは昨日、兄が任務から帰って来たときのことでした……」


          ◆◆◆


「ただいまー」


「お帰りなさい! お兄様! 私明日からお兄様にご紹介いただいた学校に行こうと思いますわ!」


「そっか、頑張れ」


「はい!」


 それからしばらくして私がお風呂に入ろうとしていたところ……


「手に黒粉付いちったよー、洗い流して……ん?」


「キャーーーーーーーーーーー!!」


「ちょっと待て! 悪かったって!」


「お兄様とは絶交です!!」


          ◆◆◆


「というわけで昨日の夜から口を利いてないんです」


「そりゃ全面的にあいつが悪いな」


「ですよね! そんなわけでお世話になりますわ!」


 黒魔術の手解きを受けといて悪いが、流れで倒す手伝いをすることとなった。とはいえ相手は中級ライセンス持ちのツトム、一矢報いようと思うならせめて初級は持っておきたいところか。合格するにしろしないにしろ一回全員(持っているという玉露は除く)受けさせてみてもいいかもな……

どうもー!ロカクです!

またも新キャラですねー、しかも主要キャラ!

キャラ増やしすぎて収集つかないんじゃないの?って思っている方、正解です!

いやいや、大丈夫なんですけどね⁉

さーて、また頑張って次の話書きます!では、また次回!

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