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有能な仲間たちに対して……

「それではこれよりベアルネーズ王国へと向かう! オオグロ! 頼んだぞ!」


「はい! と言いたいところですが距離が距離なんですこーしばかし歩いてもらえますか?」


「なんだよ、そんなんだからいつまでたっても準中級なんだよ」


「ひどくねーか!?」


 今さら距離制限なんて持ち出しやがって、しかも歩きとは……修行不足甚だしいな。


「仕方ない、空間転移(ワープ)できれば乗り物で行くより早いから歩くとしよう。オオグロ、精進しろよ」


「は、はい!」


 うわぁ、ホテイのちょいおこモードだ。これぐらいならまだ数分もすれば話しかけられるまでに回復するはずだから大丈夫か。


          ◆◆◆


「にしても今回の話、何で僕らに来たんだろう?」


「そうだよね! もっと強いチームもあるのにね!」


「私たちは全員揃ってランク300だろ?今回の任務は指定がランク240以上、一人や二人来ないと思ったんだろうな。それに、うちは実績がないから安く受けさせることができるからな」


「フーン」


 当然のことながら実績を積み重ねていけば報酬も上がる。今回の件、王の娘だとして本当にまだ信用がないであろう俺たちに任せて良かったのだろうか?


「おっ! 目的地が飛べる範囲に入りました!」


「よし! すぐに飛ばせ!」


「はい! 空間転移!」


 恐らく全距離の半分くらいは歩いただろう。少々体力削られたし、俺はあんまり手を出さず他のやつに任せよう。


「さぁ、着きました! お手を……」


「いらん! 帰っていいぞ」


「俺はタクシーじゃないんですよ!」


「じゃあ邪魔にならんところに隠れておくんだな」


「はい……」


 オオグロの能力は確かに便利だが戦闘ではほぼほぼ役に立たない。強いて言うなら戦利品の輸送くらいだろうな。


「さて、姫がどこに捕らえられているのか……検非違使でも分からんかったと言うからな」


「言い方古いよホテイちゃん! 今は警察だよ~」


「そうだったか。しかし、手がかりがないんじゃ探しようがないな」


「ワタシにマカセロ!」


 そう言うとジュロは自分の右目を触りながらブツブツいい始めた。こんな使い方は見たことなかったがこいつの得意分野「身体強化ボディストレンジェニング」はかなり汎用性が高い。


「アッチでボウカンがビジョイジメテル!」


「可能性は高いな、でかしたぞジュロ!」


「イイッてコトヨ!」


 視線の先には館風の建物、程よい古さもあって近づきづらい雰囲気だ。


「姫の居場所と敵の数分かるか?」


「チョイマッテねー……エット、ヒメとサンニンチカにイて、クロいヤツラがゲンカン、イッカイ、ニワにゴジュウニンクライかな」


「結構大がかりなんだな」


「なんたって一国の姫だからね」


 敵はなんのために姫をさらったのだろうか? それはさておきそんな人数を配置してもこっちには便利なオオグロがいる。庭や一回を通らなくても地下に直通だ。


「んじゃ、さらっと地下に飛んで……」


「無理だ」


「なんでだよ!」


「空間転移っていうのは建物内には飛べないんだ。授業で習っただろうに」


 聞いたような聞いてないような……授業なんて話一割で聞いてたからなぁ。


「お前ってやつは……」


「俺だけじゃなくて誰だってそうなんだよ!」


「仕方ない、殴り込むぞ! 先陣は攻撃範囲の広いミサとツトムに任せる! あとの者は私に続け!」


 言われるがままに俺を含めて三人がホテイの後に続き、二人は攻撃を開始する。


「チョット嫌な気分になってもらうね! 嫌悪の旋律(アバーションメロディ)!」


「全ての根元(こんげん)、闇の(ことわり)……! 漆黒の正方形(オニキススクエア)!」


「後でそれ教えてくれ」


「簡単じゃないけど黒魔術ロードを行く者は歓迎だよ」


 今の今まで忘れていたが、この前の報酬でもらった謎の粉は黒魔術に使うものだった。現に今目の前でツトムが使っており、そのツトムは黒魔術に精通しているので手解きを受けるにはもってこいだ。


          ◆◆◆


「姫!」


 石の階段を降りたところにある一枚扉の先は牢獄だった。悪そうなやつから子供まで十数人が捕らえられている。その一角に居たのが……


「なんだぁ? お前らは?」


「我々はそこの姫を助けに来た! 悪党め、成敗してくれる!」


 ドヤ顔でそう言ったホテイは快感に震えていた。そう、こいつはシチュエーション酔いが激しいのだ。


「腕に自信があるか知らねぇが、こっちにゃ人質がいる。その場から一歩も……あ?」


「ヒメ、ダイジョウブ?」


「……プハッ! ありがとうございます!」


「ジュロ! そこは戦わないとダメなんだぞ!」


「ゴメンねホテイ、コッチのホウがテットリバヤイからサ」


 一瞬過ぎてよく見えなかったが、恐らくジュロは自分の足に身体強化をかけて俊足にし、相手の意識が姫から逸れている内に救ってしまったのだろう。


「ふざけやがって……やっちまえ!」


「これだよこれ! 悪者の典型的なセリフ! ハァ、ハァ……」


 気持ち悪い。泥酔にも程があるだろうに、とはいえ実力はそのライセンスに見合うものを持っている。


「もっと楽しみたいけれど時間がないのでね、終わらせてもらうとしよう。正義執行ジャスティスエンフォースメント!」


 どこからともなく現れた槍が敵三人を串刺しにする。酷い絵面だ。


「やりすぎじゃねーのか?」


「よく見てみろ、血は出てないだろう? この技は痛く感じるだけで実際は傷にはならないんだ。しばらく動けないだろうがな」


 なるほど、そういうことか。


「他の囚われてる人たちはどうするよ?」


「ここを警察に伝えてそこで判断してもらおう。私たちの役目はここまでだ。帰ろう」


「俺何もしなかったなぁ」


「安心しろ、報酬は均等に分けてやる。誰も金に困っとるやつはおらんだろうからな」


 別にそこを気にしている訳じゃない。ちょっとやる気で来た割にはやることがなかったことによって肩透かし感をくらっているんだ。


「あの……」


「あっ、すいません。話し込んでしまって」


「いえいえ、改めましてありがとうございました」


「こちらこ……いや、他にも仲間がいますのでそいつらにも言ってやってください」


「はい!」


 来た道を引き返し、ミサとツトムに合流して俺たちはベシャメル王国へと戻った。道中、俺はツトムに黒魔術についていろいろ教えてもらった。国へ戻って王の住む城へ行くと門前で今か今かとソワソワしながら王が待っていた。その姿を見るやいなや姫は駆けていき、両者ともに泣いて喜んでいた。その後の宴会にも誘われたが明日は仕事な上に今回はなにもできなかったので断り、俺は家に帰った……

どうも!ロカクです!

任務終了しましたね!いやーよかったよかった。

そういえば近々資格を取ることになると思うのです!ないよりはある方がいいってことで!結果は……まぁよかったらご報告しますよwww

それから、ルビは一応考えて振っていますが、間違えていることもあると思います。そういうときはそういう仕様なんだなってことで多目に見てくださいね(´∀` )

では、また次回!アディオス!

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