国からの依頼と我らSGF!
ピンポーン
休日の朝からインターホンが鳴り、非常に嫌な予感がする。生徒たちにはうちの住所を教えていないが……
「はい」
「よっ! 迎えに来たぞ!」
「うまく言っといてくれって言っただろ」
昨日(生徒たちが)ぶっ飛ばした上で行かないと言ったはずなのに迎えに来るとはしつこいな。
「じゃあな」
「待て待て! 勅命が出てるんだ! 連れていかないと俺もお前も大変なことになる!」
知らねーよ、と言いたいところだが勅命を無視すると何かめんどくさいことになる気がする。菓子を食うだけで回避できるというならまぁ……
「分かったよ」
「話がわかるじゃねーの! それじゃあ行くぞ! 時空間転移!」
オオグロは準中級止まりだが、学生時代で既に十人前後の時空間転移ができていた。上級でも難しいそれをやれることが評価されていい使いっぱしりにされているわけだ。
「連れてきましたよー」
「ご苦労! これで全員揃ったことになるな。それではこれより会合を始めるとしよう!」
早速まとめているのは組織唯一の上級ライセンス持ちである「ホテイ」だ。学生時代から率先して上に立ついわゆる生徒会長タイプで天才でもあるが、俺は本当のところも知っている。
「まずはこの茶菓子だが、一口食べてみてくれ」
言われるがままにその場の全員が目の前のそれを口に運ぶ。
「これって今話題になってる『グランエメラルド』のケーキだよね!? おいしいよ!」
この甘いものに目がない「ミサ」はライセンス的には中級持ち。今はたしかアイドル声優をやっているはずで、前々から男心をもてあそぶ小悪魔だ。本人は意図していないところが余計にたちが悪い。
「さすがミサ、お目が高いな。ツトムはどうだ?」
「僕は甘いの苦手だから……」
若干地味なこいつ「ツトム」も中級で、黒魔術研究家として名を馳せている。そんなことをしているからかどうかは分からないが闇も深い。
「ノコスのモタイナイからワタシがイタダクよ!」
片言日本語の外国人風なこいつは「ジュロ」、一回本名を聞いた気がするが中途半端に長くて忘れた。意外にも準上級な上に結構有名なパーティーで冒険者をやっているはずだ。
「ずるいよジュロ~」
「チョットだけアゲルよ」
「まだ食べないとは言ってないんだけど」
こいつらこんなに仲良かったか?そもそも学科が違ったことで会うことはそんなに多くなかったが……
「そういえばあいつは来てないのか?」
「フクロウなら仕事で来れないとのことだ」
今日は来ていないその男、名前を出すのも憚られるそいつが俺の会いたくなかったやつだ。そいつも俺と同じく教師科で準上級、何かと俺をライバル視していた。っていうか仕事って言えば来なくて良かったのか。
「さて諸君、今回は勅命を出してまで集まってもらったということでただのお茶会ではないと言うことを薄々察している者もいると思う」
確かに気づいてはいた。が、何の事かは全く分からない。
「その察しは大方正解で、今回集まってもらった真の理由は国から我々SGFに下った任務の作戦会議だ!」
「何勝手に……」
「すまんな、断れなかったんだ……ワクワクして」
「は?」
何言ってるんだこいつは? こっちだって暇じゃない、お遊びに付き合っている暇はないんだ!
「そんな個人的な感情で巻き込むなよ! ってか何で誰も反論しねーんだ!?」
「断れなかったんだからしょうがないよ!」
「僕は新開発の黒魔術を試したいからね!」
「ニンムコトワラナイ!」
「俺は元々国の犬みたいなもんだからな!」
あー納得してないの俺だけなのかー、本当にこいつら実力はあるのになんつーか良くも悪くも素直だよなぁ。
「そんなわけで任務の内容だが、これがまたそそられるな!」
「なんだよ」
「姫の奪還だ!」
ありがちな展開だが心の奥底が少しウズウズする。俺はこいつらのことを少なからず信じているので、できない気はしない。
「どうだ? やる気になったか?」
「もっと詳しく聞かせてもらおうか」
「そう来なくてはな! それで……」
約二時間ほど話し合い、ルートとその他の情報をそれぞれが頭に入れた。
「決行は明日、みな忙しい身だろうから一日で終わらせるぞ!」
こうして俺たちSGFのお茶会兼作戦会議は解散の運びとなった。ごく僅かな楽しみがある反面、そう簡単なことじゃないような気がしてならないのもまた事実だ。
はいどうも!ロカクです!
遂に記念すべき10話目です!狙ってた訳じゃないですけどここから展開がガラッと変わりますんでお楽しみに!
それから今回多くの新キャラが出たので今まで出てきた主要キャラ(ほぼ全キャラ)の軽いプロフィール載せとくんで参考までに
海老沢 末広 主人公 男 25、6才 教師 準上級
生徒トリオ
ツバキ 女 13、4才 学生 無免許
ライチ 男 11、2才 学生 無免許
ギョクロ 女 14、5才 学生 初級?
街の人
テトラ 女 22、3才 医者見習い 中級
SGFメンバー
オオグロ 男 22、3才 便利屋 準中級
ミサ 女 22、3才 アイドル声優 中級
ツトム 男 22、3才 黒魔術研究家 中級
フクロウ 男 22、3才 教師 準上級
ジュロ 女 22、3才 冒険者 準上級
ホテイ 女 22、3才 官僚 上級
※もしちょいキャラ(と言っても2、3人しかいませんが)のプロフィールが知りたい方、また他にもこういう情報が知りたいという方(公開できる範囲でお教えします)はツイッターの方までお願いしますm(__)m
年齢がフワッとしてるのは誕生日決めてないからなんですよwwwっていうかそもそも誕生日っていう概念あるの?って感じなんです。決まったらまたこの後書きにでも書いときます!
最後になりまして、薄々気づいてらっしゃる方も居られるかと思いますがSGFというのはSevenGoodFortune(s)の略です!意味はWebで!
長くなりましたが今回はここまで!次回もよろしくお願いしまーす!m(__)m