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ファイタースピリット  作者: ユウタ~創造神~
2/17

ファスト章

どうも、ユウタです。

かなり投稿が遅れました、では本編をお楽しみ下さい。

「無理」

 あまりにも早すぎる返答にたじろぐ。

 神が居ないと断言された世界で神話を信じ、果ての世界へと抱く思いを無理と即答されるのは悲しいことだ。



 ストーリー始まったばかりでなんなんだが果ての世界に行くにあたってある一つの『問題』解決しなくてはならない。


「お前なー、次元に行くだの神の国に行くなどそんな馬鹿なこと言ってる暇があったらこの成績を何とかしたらどうだ?」

 そう言いながら我がクラスの担任は成績表を見せてきた、んーひどい、とにかくひどいそう、ある『問題』とはこれの事、俺は勉強がまるでできないのだ。

実技1、数学2、国語1、社会&歴史1、科学1、そして一番重要な教科、それは能力操作訓練はなんと、1!とにかくひどいのだ。


「はぁ...よくこんな成績取ってて退学にならんな、不思議でならないよ。」

 ここ、「ファイタースピリット」の世界の中にある地球と呼ばれる星のとある国、大都市フォーストと言う都市にある能力者育成学園『GIA学園』、能力者育成学園の中でもエリートクラスの学園だ、こんな成績取ってたら普通は退学確定なのだが。


「はぁ...退学にならないのはレイジのおかげなのかぁ...」

 レイジ...この世界に生きている者なら大半がこの名前を知っている。

 その天才的能力で争いの絶えない国々をたった三日で統治、その後天才能力者レイジだの最高最大能力者レイジだの世界的にも有名になった。

 そしてこの学園を作った創立者でもあり俺の親友でもある。

親友であるレイジのおかげで俺はこの学園に残っていられるのだろうか。


「はぁ...(本日二回目のため息)この成績をなんとかしないとなぁ」

 そんなことをつぶやきながら帰路に就くのだった。



 家に着くとアナライザーが夕食の支度をしていた。

 アナライザーとは「自立型ナビゲーターアンドロイド」の名前で家の家事などをしてくれている親みたいなのもだ。

 俺の両親は普通の人とは全く違った能力を持っていたらしい、それが原因で「異質者」と言われ、命を狙われいた。

 そしてある日両親は殺され、赤ん坊だった俺も「異質者」の子供という理由で崖から捨てられそのときに岩に腕をぶつけて大きな傷を負ってしまった。

 川に流されていたところをアナライザーに助けられこのフォーストに連れてこられ以来アナライザーとともに暮らし心優しい人たちと出会い、レイジとも出会った、腕には傷跡が残っているがそのことで周りからからかわれたりはしない。


「デントさん?どうしましたか?」


 考え事をしながらボーっとしているとアナライザーが声をかけてきた。


「夕食が冷めてしまいますよ、ささっどうぞ」


 夕食のいい匂いが漂ってきて急に腹が減った

「今日の夕食は唐揚げか」


「デントさんの好物でしょう?」


「あぁ」

 そんな話をした後夕食を食べ、風呂に入った。

 お湯につかり目をつむる。


「あぁ、成績が良くなる方法はないかなぁ」

 そんなことを考えながらしばらくお湯につかっていると


「た...けて」


 え?今なんか聞こえたような...


「たすけて」


 たすけて?なんだ今の...


「...」


「?気のせいか?」

「ん?風呂の中に何かある」

 風呂の中には鍵が落ちていた。

「なんで風呂の中に鍵なんて落ちてんだ?」

 一人そんなことを考えながら風呂を上がった。


 なぜ風呂の中に鍵が入っていたのか、もしかいたらアナライザーが風呂を入れた時に落として気が付かなかったのかな?

 ならアナライザーに返しておこう、廊下を歩いてリビングに向かう。


「おーいアナライザー、風呂の中に...」

「...あれ?」

そこにアナライザーの姿はなかった。


「さっきまでいたのに...どこいったのかな?」

 再び廊下に出てアナライザーを探す、しかし家のどこを探してもアナライザーの姿はなかった。

「おかしいな...どっかに出かけたのか?」

 しぶしぶ自分の部屋に行こうとしたその時、


「たすけて」


「!?」


慌てて後ろに振り替えるとそこには一人の少女が立っていた。


「な、なんだこの子!?いったいどこから...」


「たすけて」


 「たすけて」?たすけてってなんだよ、てかこの声さっき風呂場で聞こえた声だよな。

 なにがどうなってんだよ?


「たすけて」


「ま、まてまて、君いったいどこから入ってきたんだよ!?ドアの鍵かけ忘れたのか?いやいやそうじゃなくて!かけてなかったにしても人んちに勝手に入ってくんなよ!!泥棒か!?泥棒なのか!?なら警察呼んで......」


「うるさい」


「...!」


 少女の一言で我に返った


「そんなことはどうでもいい、とにかくたすけて」


「なんなんだよ君、さっきからたすけてたすけてって...」


「おわれてるの、たすけて」


「なんだおれに言うんだよ!?そーゆーことは警察に言えばいいだろ!?」


「...」


「は!もしかしてこの子が一国の姫でその国を救う過酷でロマンあふれる冒険が始まるとか...」


「...」


「ねーね―君、君はどこから来たんだい?」


「しらない」


「しらない?覚えてないの?」


「しらない」


「えぇ、そんなの助けようがないじゃないか」


「あなたのうりょくしゃでしょ?たすけて」


「能力者でしょって、そんなのこの世界のだれでも使えるだろ...」


「そうなの?」


「?」

 この子は一体何なんだ。


「とりあえず...服着ていい?」


「...」


 少女は小さくうなずいた。





 服を着た後リビングに行くと少女がソファーに座っていた。

 髪は白くて長く腰らへんまである、服も白いワンピースのようなものを着ている、俺は少女の前のソファーに座った。


「...」


「...」

 しばらく沈黙が続く、時計の針の音がいつもより大きく聞こえる気がした。


「たすけてくれるの?」

 少女が質問してきた。


「助けるって言ったってなぁ...具体的にどうすればいいんだよ」


「まもって」


「守ってって誰から?」


「へんなひと」


「変な人!?」

 少女を追いかける変な人...ただの変態じゃないか。


「...」


「そーゆーことならやっぱり警察に行った方がいいんじゃないかな?」


「そのけいさつってのものうりょくしゃなの?」


「いやだから、この世界の人ならだれでも使えるの」


「わたしはつかえない」


「え?」

 使えない?どういうことだ?


「君、能力が使えないの?」


「うん」


「そんなことって...」

 ありえない、この世界にいる人間ならだれでも使えるはず...そう『この世界の人間なら』...


「もしかして」


「?」


「君、別の次元から来た人?」


「?」


 うーん、俺の考えすぎか?


 それにしても白いなぁ、肌も髪も服も全部白い、唯一胸元のペンダントだけが金色に輝いている。


「そういえばさ」


「?」


「俺が能力者だって誰から聞いたの?」


「しらない」


「はぁ?」


「よくおぼえてない」


「うーん」

 記憶喪失?新手のギャグ?なんでこの家に来たのだろう...俺はこんな子知らないしアナライザーの知り合いか何かかな?


「ふむ、どうしたものか」


「...」


 とりあえず警察にでも行くか?


「.....!」

 少女が勢い良く立ち上がる。


「な、なんだよ急に」


「くる」


「え、」

 少女のその一言と同時に大きな爆発音が夜の街に響き渡った。


「なんだ!?今の爆発!?」


「あいつらがきたの」


「あいつら!?」

 あいつらってなんだ?さっき話してた変な人?

「ね、ねー君あいつらって...」

 質問をしようとした時、再び爆発音が聞こえた。

「な、なんなんだよ!?」

 急いで外に出た。


「あれ」

 しかし周りを見まわしたがあれだけ大きな爆発音が聞こえたにもかかわらず煙や、炎などは上がっていない。

 それどころか街の人たちも全く気付いていないようだ。


「ど、どうなってるんだ?」


「あいつらのしわざ」


「どういうこと?」


「ときがもどったの」


「はぁ?」

 時が戻った?なんだよそれ、時を戻す能力?そんな力、聞いたこともないぞ...


「まもって」


「守ってって...と、とにかく家に入ろう」


「わかった」

 少女はうなずき家に入っていく。

 いったい何が起きているのだろう...?


「はぁ...」

 小さくため息をつく。


「...」

 少女はただ俺の事を見ながら黙っている。


「とりあえず...今日はもう寝るか」


「...」


「君は、えっとどうしよう」

 うーん、知らない子とはいえ女の子だしなぁ...ここは紳士らしく俺のベットで寝ていいよ(キラ☆

 みたいなこと言ってみるか?

「えっと君...」


「きみじゃない、ロルネ」


「え?」

 少女が反論してきた。


「わたしのなまえはロルネ、ロルネ・ムイセレーバ」


「ロルネ...」

 この子の名前、ムイセレーバって確か...


「ねむい」


「え、あ、えっと俺のベット使っていいよ」


「どこ」


「二階の...いや俺が案内するよ」


「...」

 少女はうなずく。

 てか自由かこの子!「たすけて」の次は「守って」や「ねむい」って...やっぱりどっかの国の王女様なんじゃねーの?

 少女を部屋に送り寝かす、ベットに入るとすぐ眠りについた。

 よほど疲れていたのだろうか?


「...」

「...白い」

 って俺は変態か!確かに白いけどこんなまじまじ見てたら変態と間違われてもおかしくないぞ。


「俺はソファーで寝るか」

 決して広い家ではないのでこの家にはベットは俺の部屋にしかない、もちろん布団もない。

 アナライザーはロボットだけど一応寝る、立ってだけど。


「そーいえばアナライザー帰ってこないな」

 ほんとにどこに行ってしまったんだ?


「ま、いずれ帰ってくるだろ」

 俺はそう思い今日のところはひとまず寝ることにした...





「...きて...」


「ん...?」

 何か声が聞こえる。


「お...きて」

 だんだん大きくなる。


「おきて!!」


「のわぁ!?」

 大きな声に驚き飛び起きる、横に振り向くと昨日の少女がエプロン姿で座っていた。


「な、なんだ君か...脅かすなよ」


「ごはん」


「へ?」


「ごはんできてる」

 ご飯出来てる?何言ってんだこの子...


「はやくきて、さめる」


「お、おう」

 俺はいまいち状況が呑み込めないまま食卓に行く。


「え、これって」

 そこには朝食が並んでいた。


「これ、君が?」


「...」

 少女は小さくうなずく。


「へ、へぇすごいね君、朝食なんて作れ...」

 ってそうじゃない!!なんだこの状況!!!


「えっと君、これはいったい...」


「きみじゃない、ロルネ」

 少女は少し怒った感じで反論する。


「ご、ごめん...えっとロルネちゃん?これはいったいどうゆう状況かな?」


「ちゃんづけ、しないできもい」


「...」

 きもいって...ちょっとひどいんじゃないかね?


「あさごはん」

 少女が答える。


「いや、だからなんで?」


「なんでって?」


「なんで作ってくれたの?」


「おんがえし」


「え?」


「とめてもらったおんがえし」

意外と律儀だな...


「え、っとじゃあありがとう?」


「どういたしまして」

 少女は無表情のまま答える、俺は席に着き少女は前の席に座った。


「いただきます」


「い、いただきます」


 俺は少女の作った朝ごはんを食べることにした。


「この味噌汁うめぇ!」


「...」

 俺はロルネが恩返しと言って作ってくれた朝食を食べていた。


「これほんとにうまいよ!」


「...」


「お、こっちの卵焼きもうめえ!」


「...」


「魚もうまい!」


「...」


「すごいなロルネ、俺なんてこんなうまい料理作れないよ」


「ありがと」

「あと...」


「ん?」

 食事をしながら返答する。


「うるさい」


「...」

 御尤もですねはい。


「すいません」


「...」

 俺は静かに朝食をとることにした。



 朝食を食べ終えロルネが食器をキッチンに持っていく。

「俺も手伝うよ」


「ありがと」

 ロルネはそういうとせっせと食器を運ぶ。

 それにしてもこの子は少し無口すぎやしないかね?こちらの問いに返答するだけで自分からはあまりしゃべりかけてこない。


「...」


「...」

 二人はお互い何も言わず食器を洗い、かたずけていく。


「よく食器のあるところ分かったね」


「かん」

 感ねぇ...

 俺たちは食器をかたずけロルネは紅茶を入れだす、まるで嫁さn...いやいや何考えてんだ俺、相手はただの少女だぞ。

 おそらく年は10代くらい...だと思う。


「...はい」

 俺がソファーに座りそんなことを考えているとロルネが紅茶をお盆に乗せ持ってきた。


「あ、ありがとう」


「...」

 ロルネは何も言わず紅茶とお盆をテーブルに置き俺の前のソファーに座る。


「...」


「...」

 またこの沈黙か、こっちから質問しようにもまだ状況が把握できておらず頭の中も整理できていない。

 何から質問しようか...


「...」


「...」

 お互いただ黙ったまま座っている。

 とりあえず...紅茶でも飲むか。

 俺はそう思い紅茶を手に取り飲む、気のせいだろうかロルネが紅茶の感想を期待してるように見えた。


「おいしい」


「...」

 心で思ったことが口に出た、俺は紅茶はあまり好きではないがこれはほんとにおいしい。

 俺がそういうとロルネも紅茶を飲みだす。


「あのさ」

 俺が質問を投げかける。


「ロルネはいったい何者なんだ?」


「わからない」

 うーん、やっぱり記憶喪失か何かなのだろうか?


「どこから来たの?」


「わからない」


「...」

 俺は続けて質問する。


「どうやってここに?」


「きづいたらこのいえのまえにたおれてた」


「...」

 気づいたら倒れてたねぇ...俺が返ってきたときは何にもなかったし俺が食事をしてる間か風呂に入ってる間に来たってことだよな。

 そういや風呂場でこの子の声が聞こえたっけ...

「とりあえず...」


「?」

 俺はこの子を警察に届けることにした。


「どこいくの?」


「君を警察に連れていく、このままここにいてもなにもわかんないし...」


「じゃまくさい?」


「い、いやそういうわけではないけど...」

 ロルネは少し寂しそうな顔をしている。

 しかし、このまま家に置いとくのもなぁ...だが食事まで作ってもらったんだ、何もせずに警察に丸投げってのも後味が悪いよな。


「はぁ...まー食事まで作ってもらったしな」

 そういうと少女の顔に少し明るさが戻る。


「まもってくれるの?」


「俺の守れる範囲までならね」


「じゃあ、やくそく」


「へ?」


「やくそく」

 ロルネはそういいながら手を出す。


「...」

 俺は何も言わず手を取る、するとあたりが光りだしペンダントから声が聞こえてきた。


「勇者デント、ここに女神ムイセレーバの護衛の任を与える」


 ムイセレーバ...思い出した...ムイセレーバって確かアトランテ神話に出てくる『運命と勝利』を司る神の名前だ。

 俺は無意識に口が開いた。


「我、勇者デントは女神ムイセレーバを守ることをここに誓います」

 そういうと光はさらに強く輝きだす、それと同時に俺の手に紋章が刻まれていく。


「!!」


「...」

 ロルネは目をつむったまま俺の手をつかんでいる、そして紋章が刻み終わると同時に光も消えていった...


「な、なんだったんだよ今の!?しかも俺自分でなんか言ってたぞ!?」


「ちかいのぎしき」


「誓いの儀式!?」

 誓いの儀式ってなんだよ、それに女神ムイセレーバって...


「あああ」


「?」


「なんなんどよもう...」


「?だいじょうぶ?」

 大丈夫に見える?と、問いかけてやりたい。

 しかしそんなことよりも色々ありすぎて頭がパンクしそうだ。


「君、女神なの?」


「わかんない」

 はぁ...何にもわかんないなそれじゃ...


「そのペンダントは?」


「ついてた」


「付いてた?」


「きづいたらついてた」


「...」

 うーん、この子はほんとなんにも覚えてないようだな。


「これからどうするか...」


「...」

 とりあえずは俺の頭の整理...それからこの子が何者なのか知る必要があるな。


「今日は学校休みだし...」


「...」


「君の事を知るためにも図書館に行くか」


「そこにわたしのことがかいてあるの?」


「まだ断言はできないけど女神ムイセレーバって単語が出てきた以上神話の本を片っ端からあさって探してみるよ」


「...わかった」


「君はどうする?」


「...」


「?どうしたの?」


「なんどもいわせないで、わたしのなまえはロルネ」

 ロルネはこちらを睨みながら言う。


「ご、ごめん、次からは気を付けるよ...」

 この子は名前以外で呼ばれることを嫌がる...名前に何かあるのだろうか?


「...」


「そ、それでロルネはどうするの?」


「ついてく」


「わ、わかった」

 俺はロルネと一緒に図書館に行くことにした。




 図書館の前に着く。

 ここ大都市フォーストにある都市で一番大きな図書館、大図書館デリブル、ここならこの子の事のわかるかもしれない。

 俺が初めて神話の事を調べたのもここだったっけなぁ...


「はいらないの?」

 俺が黄昏ているとロルネが話しかけてきた。


「あ、いやなんでもない」

「いこうか」


「?うん」

 俺とロルネは図書館に入る。

 真っ直ぐ行ったとこにエレベーターがあり俺たちはそれに乗って二階に上がる、図書館の中で神話といった非科学的な分類のものを調べる奴は少ない、なのでたとえ大図書館といえど神話の資料は数えるほどしかない。

 俺たちは二階で降り図書館の神話コーナーの方へ歩く、ロルネは周りに歩いている人や座っている人の視線を気にしながら歩いている。


「神話コーナー...ここだな」


「...」

 ロルネはそわそわしながらついてくる。


「大丈夫か?」


「だいじょうぶ」


「そうか」


 俺は神話コーナーでムイセレーバについて調べるていると、ロルネが服の裾を掴み引っ張ってきた。


「ん?どうした?」


「...トイレ...」

 ロルネはもじもじしながら言う。


「あ、あぁ」

 トイレか、えっと、どうしよう。


「トイレ...ね、場所わかる?」

 ロルネは首を横に振る。


「お、おkわかった...案内するよ」

 ロルネは何も言わずついてくる、そして図書館二階のトイレの前に着く。


「ここ、だよ...えっと気を付けてね?」


「わかった」

 ロルネはそういうとトイレの中に入ってく。


「さて、俺は何をしていようか」

 トイレの前でずっと立ってたら不審者と間違えられそうだからな...とりあえずさっきのとこまで戻るか?

 いやでもあの子帰ってこれないよな...ぶつぶつと独り言をつぶやいていると、


「きゃああ!!」


「な、なんだ!?」

 急いで声のした方に行く、声は外からのようだ、俺が外に出るとそこには目を疑う光景が広がっていた。

 人々は黒い影に追われながら逃げまといその後ろには無残に殺された死体が転がっていた。


「な...んだよこれ」

 その黒い影は人を大きな鎌のようなもので切り付けながら高笑いをしている。

 大きく黒く血で汚れた鎌...

 俺はその場に崩れる、すると影はこちらに気づく。


「あ...ぁ...」


「なぁにきみぃ?だぁれかなぁ?」


「え...ぁ...いや」


「ん~~まーどうでもいいやぁぁ」

 影は鎌のようなものを振り上げる。


「なくなっちゃえぇぇ!」


「う、うわあああ!」

 殺される!殺される!コロサレル!

 逃げなきゃ!逃げなきゃ!ニゲナキャ!

 何が起きているのか俺はわからない...もうなにもわからない...

 人は悲鳴を上げその後ろには親を殺され泣きわめく子供がいる。

 人が死ぬ...人が死んでいく...

 そして俺も...

 意識が遠くなっていく...




『なんで人は死ぬの?』


「人だからさ」


『なんで人なの?』


「神様がそう決めたからさ」


『神様が?』


「そうだよ」


『神様は死なないの?』


「そうだよ、神様は死なない...神様は私たちを見守っているんだよ」


『人が死ぬのも見守っているの?』


「そうだよ」


『ふーん』

『じゃあ...神様って殺せる?』


「え?」


『神様って殺せるの?』


「どうだろう...私にはわからない」


『ふーん...でもさ...もし神様が殺せたら...』


「殺せたら?」



『世界は平和になるんだと思うんだ』




 目が覚める。

 ..なんだ今の...俺はいったい...

「なくなっちゃえぇぇ!」


「!!!」

 目の前には大きな鎌を持った影がすごい勢いで振り下ろしてくる。


「う、うわあああ!」

 俺は間一髪でそれをかわす。


「だぁめだよぉ、よけちゃぁぁ」

 影は振り下ろした体勢のまま首だけこちらに向け言う。


「ひっ!」

 俺は変な声が出た。


「よけたらぁぁ...」

 影はそういいながら体をこちらに向ける。


「きれいにころせないでしょぉぉぉ!!」

 そういいながら影はまた鎌を大きく振り上げる。


「うわあああ!!」

 俺はその場からとっさに逃げる、影は鎌を上に上げたまま追いかけてきた。


 なんなんだあいつは?大きな鎌もって人切って殺して...今俺を殺そうとしてる。

 俗にいう殺人鬼?冗談きついぜ...

 俺は必死に逃げる、しかし殺人鬼は俺を追いながら近くにいる人間を次々に切っていく。


「あ..ぁあ」

 俺は走る、ただただ走る。

 まだ助かる命かもしれないのに...俺は走ることしかできなかった。


「まぁってよぉお」

 聞こえない


「やめてくれええ!」

 聞こえない


「おかぁさん!!」

 聞こえない


「だ...誰か...」

 聞こえない


「ぎゃあああ!!!」

 キコエナイ


「いやあああ!!」

 キコエナイ...!!!



『ほんとに?』


「え?」

 俺は何かが聞こえた気がした。

 気が付くと俺は知らない建物の後ろに隠れていた。

「ここは...」


 俺は殺人鬼から逃げながらとっさにこの建物の後ろに隠れたのか。

「なんとか...撒いた?」

 ふう...と俺はため息をつく、そして逃げていた時のことを思い出す。


「あの人たち...どうなったんだろう」

 助けるとこはできた...ほんとに?


「いや...助けることは...」

 俺にはできなかった。

 例え俺があそこで立ち止まって殺人鬼と戦っていたとしても多分負けてた。

 もしかしたら勝てたかも?

 もしかしたら他の人が助けてくれたかも?

 もしかしたら...

 そう、「もしかしたら」だ。

 勝てた保障なんてない、負けた保障なんてない。

 そんなことを考えても後の祭り、『奇跡』は起きない。

 起きたかも?

 それは自己暗示、それは自分勝手な考え。

 所詮人間は...


「みにくい」


「?」

 俺は顔を上げる、そこにはロルネが立っていた。


「君、どうして...」


「君じゃないロルネ」


「いまそんなことどうでもいいだろ...」


「...」


「人が死んだんだ...俺の目の前で...」


「...」


「俺は...逃げた」


「...」


「逃げることしかできなかった」


「...」


「なぁ?俺はどうしたらよかったのかな?」


「...」


「もしかしたら勝てていた?もしかしたら勝ってたかも?たまたま相手が体勢を崩して俺が...」


「...」


「いや...それはないな」

「俺、弱いし頭悪いし何やってもうまくいかないし...」


「...」


「なぁ俺...どうしたらよかったのかな?」


「...」


「黙ってないで答えてくれよ!!」

 俺はロルネの肩を思いっきり掴んだ。


ロルネは少し痛そうにしながら言う。

「いたい」

 俺は我に返る。


「あ...ごめん...」


「...」


「俺は...俺は...」

 俺は泣いた。

 泣いたのは悲しいから?

 泣いたのは痛いから?

 いや違う...泣いたのは...『守れなかったから』


「お、俺は...」

 泣いているとロルネが語りだした。


「人は弱い、醜く汚く弱い。」


「ロ...ルネ?」


「でも...神様よりは...綺麗で美しくて優しくて」


「お、おいロルネ...何を言って...」


「私はそんな人間が...面白くて、楽しくて、好き」

 何を言ってるんだ?


「みぃつけたぁ!」


「!?」

 見つかった...今度こそ殺される、後ろに逃げようとしたが後ろは壁になっていて逃げれそうにない。


「もぉにげぇられないよぉお」

 死ぬ...そう思ったそのとき俺の前に白いものが立つ。


「んんん?なぁにきみぃい?」


「...」


「ロルネ...」

 なにやってんだよ...早く逃げろ...そんなとこにいたら死ぬぞ。


「ねぇねぇ?きみもしにたいのぉお?」


「...」


「ロルネ...に、にげて...」

 ダメだ、怖すぎて言葉がうまくしゃべれない。

 そのとき俺の中で何かか叫びだした。

「その子を盾にして逃げれば生きられるかも!」

「その子を盾にして逃げれば生きられるかも!」

 ...あぁ

 所詮人は...

 人間は完璧じゃない

 人間は絶対じゃない

 いくら科学が進歩しようと

 いくら最強の力を手に入れても

 いくら世間が完璧は人だと評価してその人が本当の善人でも

 完璧じゃない

 完全じゃない

 絶対じゃない


『それでも...自分は...自分を知ってる』

『それでも世界は回っている』

『それでも...』


「神様は残酷だ、神様は私たちをただ作っただけで何もしてくれない」

「何もしない...助けることも裁くことも」


「俺は...」

『夢とは何か』

『探求とは何か』

『人とは何か』

 俺の頭の中はごちゃごちゃだ。

 もう何もかもどうでもよくなってくるほど...


「探せばいい」

 ロルネがそういいながらこちらを向く。


「ロルネ?」


「探せばいいんだよ?」


「探す...」


「そう探す...」

 ロルネはそう言いながら目をつむった、殺人鬼は鎌を大きく振り上げ、そして振り下ろす。


「あっ」

 俺は何をやっている?

 突然目の前が白くなり気が付くと殺人鬼は宙に舞っていた、そして俺の手には白く大きく剣とも呼べず刀とも呼べず。

 俺の手には『何か』が握られたいた。




 何が起きた?

 気が付くと俺は手に刀とも呼べず剣とも呼べず、それを何と呼んだらいいかわからない『何か』を握り殺人鬼をふっ飛ばしていた。


「な...にが...」

 俺は今の状況を理解できない、殺人鬼は宙を二回ほど回った後地面に落ちてきた。


「いぃぃぃぃいいいいいいたぁぁぁあああいいいい」

 殺人鬼はこの世のものとは思えない奇声を上げながら立ち上がる。


「こぉのやろぉおう」

 殺人鬼は奇声を上げたままこちらを向く。


「...」

 俺は何も言わずただ構えた。


「やぁんのかぁあああ!!??」

 殺人鬼はそう言いながら足元に黒い陣のようなものを展開した。


「あれは...」

 ファイタースピリット?


「こここころろろしぃいいてやるううう!!」

 いやあれはファイタースピリットではない、似ているが...違う。

 ならあれはいったい...


「いいくぞおおお!!!!」

 殺人鬼はそう言いながら片足で地面をけり空中を飛びながら真っ直ぐに突っ込んでくる。

俺は体を後ろに曲げながらかわす、それと同時に殺人鬼は俺の上で静止しそのまま鎌を振り下ろす。


「...」

 俺は何も言わずわざと体勢を崩し地面に倒れると、同時にその反動で『何か』で防御した。

 殺人鬼は奇声を上げながらそのまま上空に急上昇、そして急降下してきた。

 俺は急降下してくるそれを『何か』でまた上空に飛ばす、飛ばす瞬間殺人鬼の鎌と俺の『何か』がぶつかり合い金属が当たりあう高く大きい音が聞こえた。

 殺人鬼は相変わらず奇声を上げている、もはやそれは聞き取ることはできない。


 俺は静かに足元に陣を展開した。

殺人鬼はふたたび急降下してくる、陣を展開しながらただ一言呟いた。


レイ・レイン(光の雨)


すると陣から無数の光の矢が飛び出す。

それは直接殺人鬼にあたらず上へ上へと昇る。


「なぁぁんだあああ???」


「...」

 次の瞬間無数の光の矢が天から降り注ぐ、殺人鬼は奇声を上げながら受け流そうとしているが無数の光の矢の雨は止むことはなく降り続ける。

 そしてそのまま殺人鬼は光の矢とともに地面に落ちてきた、地面に落ちても光の雨は止まない。


「ちょおしにのぉおおるなぁぁぁ!!」


「...!」

 殺人鬼は奇声を上げながら再び陣を展開する。

 黒く丸を保てずゆがみながら大きくなっていく、その陣から黒い柱のようなものが多数出てくる。

 それらは殺人鬼を守るかのように中心の方に倒れ一つ一つが支えあいながら立つ。

 その柱に邪魔されて光の矢はすべて弾かれている。

 俺は陣を閉じる、すると雨は止んだ。

 そして俺は殺人鬼を見る。

 殺人鬼はさっきまで上げていた奇声を上げておらず、何かつぶやいている。


「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス...」


「明らかに...やばい...よな?」

 俺は再び陣を展開、臨戦態勢に入る。


「コロス!!!」

 殺人鬼は大きな声を上げる、と、同時に陣から黒く丸い球?のようなものが出てきた。

 殺人鬼は腰を低くしながら突っ込んでくる。

 俺は右手で『何か』を持ち左手を横に広げる、すると陣から光の剣が一本出てくる。

 それを左手で遠隔操作し殺人鬼に対して真っ直ぐ飛ばす、殺人鬼はそれを黒い球でガードと同時に俺の前で鎌を横方向に振る。

 それを横目に『何か』で受け止め、腹に蹴りを入れる。

殺人鬼は少し後ろに下がる、しかしそのまま鎌で反撃してきた。

 鎌の攻防、『何か』の攻防、金属がぶつかり合う高い音と風を切り裂く音が空に響き渡る。

 永遠と続く戦いの攻防、それを終わらせたのは小さな隙...

 攻防の際、殺人鬼は一発だけ重い一撃で俺は体勢を崩す。

殺人鬼は鎌を持っている手とは別の手で思いっきり顔面に一発貰った、俺はそのまま後ろにものすごい勢いで飛ばされる。

 殺人鬼は大きな奇声を上げながらまるで獲物にたかる獣のように真っ直ぐ喰らいに来た。


「...」


「しぃぃぃいいいねぇえええええ!!!」

 殺人鬼はそのまま鎌を振り下ろす...


キィィィィン


 と、大きな音が鳴る。

 次の瞬間殺人鬼の腹に『何か』が突き刺さっていた。


「...??」

 殺人鬼は何が起きたか理解できていないようだ。

簡単にいうと「カウンター」をもらったに過ぎない、鎌を下す瞬間俺は『何か』を地面に突き刺しその摩擦で止まる。

 その体勢のまま殺人鬼に蹴りを入れ、鎌を『何か』で飛ばし、無防備になった殺人鬼に『何か』を刺した、それだけだ。


「ぐ..は..ぃ」


「終わりだ」

 俺は殺人鬼の腹から『何か』を抜く。


「ち..が..ぁ」


「...」


 殺人鬼は何かつぶやきながら白い煙のようなものになりながら消えていった...


殺人鬼が消え、あたりは急に静かになった...

なにかがおかしい。


「人の気配がしない...」

周りを見渡してもさっきまで叫んでいた人の声はいつの間にか消えそれどころか人の影も形も見えない。

静かな広場の前でただ一人俺は立っている。



しばらく何もせずに立っていたが何も起きなかった。


「気のせいか」

俺はそう呟き歩き出す。

と、同時に急に目の前が揺れだし暗くなっていく...


「あ...れ?」

そして俺は気を失った。




「ん...」

 目が覚める。


「ここは?」

 俺は白い部屋の白いベッドに寝ていた。

 病院?


「なんでこんなとこに...」


「俺が連れてきたからだよ」


「んあ?」

 その声のする方に首を向けるとレイジが座っていた。


「なんで?レイジが?」


「おいおい助けてもらって『なんで』はないだろ?」


「え?あ...いや、あ、ありがと?」


「まったく...」


 俺はいまいち状況が理解できなかった、理解できないのでレイジに聞いてみる。


「ところでさ?これはいったいどうゆうことなんだ?」


「どうゆうことって?」


「いまいち理解できないんだが...」


「あぁ、なんかさ通報があったらしくてよ?」


「通報?」


「そう、『殺人鬼が暴れまわってる!』って電話が警察に入ってきてそれでその現場に行ってみたんだが...ひどいもんだったな」


「...」


「それで殺されてる人を順番に調べていったらよ?お前が倒れてたってわけよ」


「...」


「お前あんなとこで何してたんだ?」


「...」


「...?おい?」


「...」


「どした?おーい?」


 やっぱり助からなかったのか...


『殺人鬼は倒したのに...』


 ん?倒した?誰が?

 俺は殺人鬼に殺されそうになって、それで...


「思い出せない」


「あ?」


「なんも思い出せねぇ...」


「...」

「大丈夫ですか?精神科にでも行きますか?」


「い、いや」

「そ、そういえばロルネ!ロルネはどこだ?!」


「だ、誰だよそれ」


「ロルネだよ!」


「誰だよ!」


「女の子だよ!」


「女?そこの少女さんの事か?」

 俺はレイジの指をさした方に顔を向ける、そこにはロルネが座っていた。


「ロ、ロルネ」


「...」


「よ、よかったぁ...」


「なんだ?やっぱ知り合いか?」


「やっぱ?」


「いやさ、お前が倒れてる横で座っててよ?何があったのか聞いてもなんも答えちゃくれねえんだよ」

「その子は妹か何かか?」


「あ、いや」


「いや待てよ?お前に兄妹はいなかったな、なら...まさか児童誘拐?」


「なんでそうなんだよ!!」


「いや、お前がモテるわけねーし...」


「余計なお世話だよ!!あとストレートに本人にモテねーとかいうな!!」


「なんだ?恋人か何か?」


「だからなんでそうなんだよ!?」


「ロリコン?」


「黙れ!!」

 俺は怒気を孕んだ声で言う。


「ふむふむ」


「な、なんだよ?」


「いや...なんでもねぇよ」


「んだよそれ」


「んじゃ俺そろそろ行くわ」


「は?どこに?ってかなんでお前が警察と一緒にいんだよ?」


「俺を誰だと思ってる?」


「ああ...」


「そんじゃまだまだやんなきゃならねーことがあるし、殺人鬼もまだ見つかってねーし」


「あ、ああがんばれよ?」


「...」


「な、なに?」


「なんでもねぇ」


「なんなんだよさっきから...」


「少し気になることがあってな」


「へぇ」


「とりあえずいくわ」


「了解」


「じゃあな」


「ん」

 俺は手を振る、レイジは病室を後にした。


「はぁ...」

 なんかすごい疲れた、殺人鬼とかこの子とか...


「だいじょうぶ?」

 ロルネが声をかけてきた


「大丈夫に見える?」

 俺はつい心で思ったことが口に出てしまった。


 ロルネは首を小さく縦に振る。


「あっそ...」

 俺は疲れた返事をした。

 俺はベッドに寝そべる、なんかまた眠くなってきた...


「なぁロルネ」


「...?」


「寝ていいか?」


「すきにすればいいとおもう」


「そうか...」

 俺は静かに目を閉じた...




 次に目が覚めた時は外は真っ暗でロルネも俺の隣で寝ていた...ん?隣?


「!?」

 慌てて起き上がったが体を抱きしめられていて身動きが取れなかった。


「な、な、な!?」

 なんでこの子は抱き着いて寝てんだの!?

 てかなんで同じベッドで寝てんの!?


「ロ、ロルネさん?」


「...ん」


「あ、あの離れてくれません?」


「...やだ」


「えぇ!?」


「...ねむい」


「いや、あの」


「...うるさい」


「...」


「...おやすみ」

 ホント...自由かこの子...

 ロルネはおやすみを言うとすぐに寝てしまった、小さないびきがかすかに聞こえる。


「うぅ...」

 この状況...他の人に見られたらどんな目で見られるかわかったもんじゃないな...


「とりあえず...」

 寝る?うーん、眠くないんだよなぁ...


「そういえは...」

 俺は倒れてたんだよな?

 なんで倒れてたんだ?ホントそこんとこだけが思い出せない...


「ふーむ」

いくら頭を抱えても思い出せない、なにも思い出せないので寝ることにした。





「...ん」

 朝だ、外で鳥たちが鳴いている。

 寝ながら窓を見る、青い空と白い雲...うんどっかで聞いたようなセリフだ。

 起き上がろうとしたら何かに押さえつけられた。


「...まだくっついてたのかよ....」

 俺は少し慌てたような声で言う。


「おきろーロルネー」


「んんぅ」


「おーい」


「んやぁ」


「おーい!」


「んーうるさい!」

 ロルネが腹に一発入れてきた。


「ごは!」

 少し...いやだいぶ痛い。

 この少女のどこにこんな力が...!


「いってぇ...」


「んあ?」


「くうぅ」


「おはよ?どうしたの?」


「.....なんでもないよ」

 苦笑いをしながら言う。


「なんでそいねしてるの?ろりこん?」


「君が俺のベッドに入ってきたんだろ!?」


「おぼえてない」


「あのなぁ...」

俺は少し怒気の混じった言い方を知る、俺がロルネと話しているとナースが部屋に入ってきた。


「あのう、デントさんお体の方は...」


「あっ」


「え、」


「?」

ナースは今の俺の状況を見て固まる、そして小さな声で言う。


「そ、そういうことは...その、ここでやられても...」


「ち、違うんですよ!これは...」


「ん、ねぇあつい」


「!?」


「し、失礼しましたー」


「ま、まって!ナースさん!」

 ナースは顔を真っ赤にしたまま立ち去る、なんてこったい。


「ロルネ...」


「なに?」


「やっぱ警察に届けていいかな!?」


「....やだ」

 そんな会話で一日が始まった。


 俺はロルネを振りほどきベッドから降りる。


「服は...そのままか」

「ロルネは...」

 ロルネも服はそのままだ。

 白い...服...?

 なにか引っかかるな。


「どうしたの?」


「いや、なんでもないよ」


 そういって俺たちは病院を後にした。




 家に向かって歩いているとロルネが話しかけてきた。


「ねぇ?」


「ん?なに?」


「あなたのなまえ、きいてない」


「え?言ってなかったっけ?」

 なんだ名前も教えてなかったのか...


「俺の名前はデント、デント・ハルバートだ」


「デント...おぼえた」


「どーも」


「わたしはロルネだよ?」


「わかってるよ...」

 俺は呆れた感じに返答した。


 俺はこの時がいつまでも続けばいいのになぁなんてフラグ全開のセリフを言ってみる。

 しかしここはアニメじゃない、そんなとこを考えて歩いていると、前から人が走ってきた。


「わ!」


「きゃ!」

 走ってきた人はぶつかるなり声を上げる。


「だ、大丈夫ですか?」


「だだだ大丈夫です!すいません!」

 そういうとその人は反対側の方へ走っていってしまった。


「なんだったんだ、今の人」


「...」


「ん?どした?」


「なんでもない」

 ロルネは少し小さな声でそういって歩き出す。


「?」

 俺はよくわからないままロルネの後についていった。


家に着く。

相変わらずアナライザーは帰ってない。


「はぁ...」


「ただいま」


ロルネはまるで自分の家のように堂々と家に入ってく。

さて、これからどうするか...

ロルネを守るって言ったって何から守ればいいんだ?あの殺人鬼か?

でも...そういえはあの殺人鬼はどうなったんだろう。


「なぁロルネ」


「?」


「俺たちはあの後どうなったんだ?」


「なにが?」


「殺人鬼に殺されそうになった後俺たちは...」


「わからない」


「うーん」

ロルネさえも覚えてないとなるといよいよ謎だな。

誰かが助けてくれたのだろうか?


「これからどうする?」

ロルネが訪ねてきた。


「何もすることないしなぁ」


「ねぇねぇでーとってのがしたい」


「ふぁ!?」

俺は変な声が出てしまった。

何言ってんだこの子


「?なに?」


「デートでございますか!?」


「うん」

ん?てのが?もしかして...


「なーロルネ、もしかしてデートを知らない?」


「うん」

やっぱり...じゃあなんでそんな言葉を知ってるんだ?いや、言葉だけ知っていた可能性もある。


「どこでデートの事を?」


「びょういんのかんごしさんにおしえてもらった」


「へぇ...看護師さんにねぇ?」


「うん」


「えーと、じゃあデートする?」

って俺は何を言っとるんじゃ!

俺は恥ずかしさのあまり後ろを向いた。

流されかけた...というより完全に爆弾発言した。

ロリコン認定されちまう。


「うん、する」


「いやいやまてロルネ!デートじゃなくてだな、そうだ!どっか散歩にでも...」

「ぶふっ!!」

思わず吹いてしまった。

ロルネの方を振り向くとロルネは服を脱ぎ始めていたからだ。


「な、なにやってんのロルネさん!?」


「ふくぬいでる」


「見りゃわかるわ!!」


「なにをそんなにあわってるの?」


「なんでふくぬいでんだよ!?」


「だってデートするんでしょ?」


「デートが何かわかってる!?」

ホント何してんだこの子...

絶対デートが何かわかってないだろ。


「こづくり?」


「はい!?」

確信犯だろこれ

いや待てよ?デートの事を吹き込んだのは看護師だから...


「ロルネ、デートって何か言ってみろ」


「?」


「いいから」


「でーとはこどもをつくるぎしきでだんせいとじょせいのからだを...」


「もういいよロルネ、それ以上言うな」

なんてこと吹き込んでんだ看護師のやろう...

とにかく何とかしてごまかさないと、エロ本みたいにここで手を出したら俺は完全に犯罪人だ。

漫画じゃないんだから絶対捕まる。


「ロルネそれはデートではない」


「じゃあなに?」


「それは...誓いの儀式(改)だ」

俺は適当に答えた。


「そうなの?」


「うむ」


「へえ」

理解したのかな?

とてもそうは見えないけど...


「じゃあデートってなに?」


「散歩の事」

また適当に答える。


「ほんと?」

ロルネは少し疑いながら言う。


「うむ」


「そう...」

なんで少し残念そうなんだよ。

俺はそんな疑問を抱きながらロルネと共に近くの公園に散歩に行くことにした。



 公園に着いた。

 周りでは子供たちがはしゃぎながら遊んでおりベンチには親らしき人たちが話しながら座っている。


「さて、どうしたものか」

 ロルネと散歩に来たわいいがこれからどうするのかという計画を立てていなかった。


「ねえねえ、あのゆれてるやつはなに?」

 ロルネが目を輝かせながら指を指す。


「あれはブランコだよ」


「ブランコ...」

 ブランコも知らないのか?

 この子は一体どこから何の目的があって来たのだろうか...


「じゃああれは?」


「すべり台」


「あれは?」


「ジャングルジム」

 ロルネが次々に質問してくる。

俺はそんなことよりも重要なある一つの問題を抱えている、もしもここで学校の奴らに出くわしたら確実にやばい。

 しかもさっきの看護師の時のようにロルネが変なことを言うと俺は変な疑いを掛けられ、周りで噂されるに違いない。

 それだけは避けたい、なんとしてもだ。


「誰も来ませんように...」

 心の中だけでなく声にも出てしまった。


「ねえ」


「ん?なに?」


「あのブランコってやつに乗りたい」


「あーわかったよ」

 俺がそう言うとロルネはブランコの方に駆け寄る、俺もそれを追いかける。

 こうして見ているとやっぱりただの子供のようにしか見えない。


「はっ!そうか!ロルネは宇宙人の子供とか?ありえなく無いな...」

 俺はそんな妄想をしながらロルネと共に公園で遊ぶことにしたのだった。


 ......。

 あれからどれくらいたったのだろうか。

 ロルネがブランコで遊びたいというので俺は一緒に行き、この公園内を探索しながら色々な遊具の使い方や遊び方などを教えていた。

 ロルネは目を輝かせながらはしゃいでいる、こうして見ているとやはり大人びた風格があるがまだまだ子供なんだなぁと、のほほんとしながら見ていた。

 しかしロルネは本当に何者なんだろう...

 今思えばこのくらいの歳くらいのならブランコやその他の遊具の遊び方くらい知っているものではないだろうか?

 やっぱり宇宙人?それともどっかの国の王女?

 いずれにしてもまだなにから『守る』のか明確なことが分かってない、ロルネがムイセレーバという名前な以上『アトランテ神話』に関係していることは間違いないと思うんだよなぁ。

 昨日図書館で少し調べたけどやっぱり『人々の運命を見定め時には操ったりして世界を導いていた』ということしか書かれてなかった、さてどうしたものか...


「ねぇ」

 俺が俯いて考え事をしているとロルネが顔を覗き込んできた。


「わ!びっくりした!ロ、ロルネか...なにかな?」


「こんどはあれのつかいかたをおしえてほしい」

 ロルネが指をさす。


「あ、あぁわかった」

 俺はロルネに手を引かれ遊具の近くに来る...と、何か違和感が頭をよぎる。


「?」

 辺りを見渡す、人っ子一人見当たらない。


「あ、あれ?なんで?」


「くる」

 ロルネの一言と共に近くに隕石らしきものが落ち、大きな爆発音と爆風が俺たちを襲う。


「な、なんだよ!?」


「てき」


「はい!?」

 土煙が止むとそこには異形の金属の塊があった。


「な、なんだこれ...」


「...」

 恐る恐る近づこうとした時、金属が扉のように開き中から人が出てきた。


「おい!なんて運転してやがんだ!ルルリ!」


「仕方ないでしょ?いきなりエンジンが動かなくなっちゃったんだから」


「レレリトそんなに怒ってやるなよ、ルルリちゃんが悪いわけではないんだし。 それに目的のやつ目の前に要るじゃん」


 中からはお互いに話し合いながら人が三人出てきた、左の男の人は学生服のようなブレザーを着ていて髪は銀色で短い。

 真ん中の女の子は肩を出してミニスカを穿いていて髪は赤く肩まである、右の男の人は黒い長袖のパーカーに紫色のマントを羽織り髪は紫で短い、そいつらは俺たちに用があるようだ。


「お、ほんとだ!んじゃまー早速やっちゃっていいか?」


「いいんじゃない?」


「いいだろ」

 何を言っているんだ?

 そう思った瞬間、左の男がファイタースピリットを使いだした、陣から稲妻が走る。


「悪く思うな!お前!」

 そういって男は雷を飛ばしてきた。


「うわ!?」

 俺はそれを反射的に何とか回避しロルネを抱えてその場から全力で逃げた。


「な、なんなんだよあれ!?」


「てき」


「見りゃわかるわ!」


「どうしてにげるの?」


「勝てるわけねーだろあんなの!」


「デントも能力使えばいい」


「...」

 俺は建物の後ろに逃げ隠れてロルネを下した。

 今思えばロルネを守るといったはいいもののまさかあんな奴らと戦うとは思ってなかった、俺の能力じゃ絶対に勝てるわけない。


「ロルネあのな、実は俺は能力がE級なんだ...」


「Eきゅう?」


「能力がものすごく弱いってことだよ、それに加えて俺はランクも低い...はっきり言って何の役にも立たないんだよ」

 こんなとこで弱音を吐いても...


「...」


「だから...あいつらと戦ったって負けるだけだ、あんな能力が強いやつに勝てるわけがないだ...」

 いくら言い訳をしても...


「...」


「ごめん...守るって言ったって俺には君を守る力がない」

 頭の中は混乱している。

 でも、ロルネを逃がすことくらいできるはずだ、それくらいなら俺にも...!


「ロルネを逃がす」


「え?」


「君を逃がす、それが俺にできる唯一の事だと思う」


「...」

 多分だけどあいつらは外来者だ見たことない顔だし、だからこの町の事は詳しくないはずだ。

 うまく逃げてロルネを警察に連れていけば何とかなるかもしれない。


「行くよロルネ」


「...うん」

 ロルネはうなずく。

 この建物を出て右に行けば開けた道路に出る、そこから建物の陰に隠れて進んで行けば警察署なんてすぐだ。

 俺は意を決して建物の裏から出た、幸いにあいつらはいないようだ。


「今なら...!」

 そう思って走り出した瞬間俺の右足がレーザーのようなもので打ち抜かれた。


「...!!!」

 声にならない痛みが体に走る、俺はその場に倒れこんだ。


「デント...!」

 ロルネが心配して駆け寄ってきた。


「ぐっ!」

 俺は足の痛みに耐えながら体を起こす。


「おー!まだ立つのかい君」

 さっきの電気男が隠れていた建物の上から言ってきた。


「お、お前...!」


「すまないね、恨みはないんだが俺たちはその女に用があるんだ」

 ロルネに?いったい何の用があるっていうんだよ...!


「ッ!!」

 俺はあるだけの力を振り絞って立ち上がろうとした。


「おっと、立つんじゃねーよ」

 そういって男は今度は右腕をレーザーで打ち抜いた。


「あああああ!!」

 痛みが全身に走り立つ気力がなくなったしまった。


「デント!」

ロルネが近寄ってくる、しかしロルネが俺に手で触れようとした瞬間俺とロルネの間に雷の壁のができた。


「おうおう女、そっちじゃなくてこっち側に来てもらおうか」


 ロルネは感情をあまり表に出さない子だと思ったが今回に関してはひどく動揺しているようだ。

 男がロルネを無理やり連れて行こうとしているが俺は何もできずそのまま気を失ってしまった...



 目が覚める、あたりを見渡すとここは病院のようだ。


「お前...なんで退院直後にまた入院してんだよ」

 振り向くとレイジが立っていた。


「...ごめん」


「なんで謝ってんだよ、俺は別に怒ってるんじゃねーよ」


「...」


「...なにがあったんだ?」

 俺はその質問に答えられずにいた、別に能力で殺されかけて情けないから喋れないんじゃない。

 ロルネの事をレイジに話さなかった自分が『仲間を信用してない』と言う考えに変わりその自分が情けなくて言い出せないのだ、見放されるのではないか?見捨てられるのではないか?また一人になるんじゃないか?と言う恐怖が圧し掛かる。


「おい!」


「...!」


「黙ってちゃ何もわかんねーよ、お前もしかしてあの子の事話さなかったとか言う事で言い出せないとかいうんじゃねーだろうな?」


「...は?お前知ってたのか?」


「お前だけ死にかけで倒れててその子が居なくなってたら『その子に関する何かの事件』に巻き込まれたってことくらい誰でもわかるぞ」


「鋭いなお前...さすがだよ」

 俺は不安や恐怖していた自分を殴りレイジにこれまでの事を包み隠さず話した。



「なるほどな、それで言い出せなかったわけか」


「神なんてどうせ信じないだろ?」


「まぁな、しかし結果がある以上対処しなくてはならないな」


「対処?」


「その子が本当に神だったとしてだ、神なんて架空上でしかないが力が本当にあるとしたら...」


「したら?」


「わかるだろ?この世界は簡単に消されちまう」


「あ。そうか」

 架空上の神が本当に居た、だとすると全てではないが神話上の事は本当に起こりかねない。


「だとすると...」


終わりの聖制(バースレイドレス)が起こる可能性がある」


「まじか!?」


「本当だと仮定した場合だ」


「...」


「とりあえず俺はその子の足取りを追おうと思う」


「俺も連れて行ってくれ!」


「無理な相談だな、お前じゃ正直足手まといだ」


「うっ...」


「...退院したらこの紙に書いてある場所に行ってみろ」

 そう言って紙を渡される。


「ん?なんだこれ」


「言うとおりにしろ、わかったな?」


「なんだよ、その言い方」


「わかったか?」

 すごい威圧感を持って言われた


「...ふぁい」

 俺は震えで声が変になった。


「んじゃなデント」

 レイジはそういうと病室を出て行ってしまった。


「...はぁ、怖かった」

 俺はそのやり取りを終えた後また天上の方を向き考え込む、あの時俺に力があったらロルネを守れただろうか?


『どうなんだい?』


「ん?」

まただ、殺人鬼に追われた時と同じような感じがする。声が聞こえる...


『本当に救えた?』


「誰だよ?」


『おや?僕が理解できるの?』


「何を言ってるんだ?」


『あぁやっぱりまだわからないいだね、まぁ仕方ないか。君は所詮器でしかないからね』


「は?」


『そんなことより僕の質問に答えてよ』


「質問?」


『君記憶力ないの?本当に救えた?って言ったんだけど』


「...そんなの知るかよ、力があったら救えただろ」


『本当に?』


「何が言いてぇんだよ!?なんなんだよお前!」


『感情的になるなよ、醜いな』


「み...!?」


『僕は問いかけてるだけ、答えが欲しいだけだよ』


「答えって...」


『ん?』


「勝てた...と思うぞ」


『へえ、なんで?』


「あいつらの使うファイタースピリットは多分SS級だと思う、俺はレイジの力をこの目で見てるから色々な人の力がどの程度かなんとなくわかるんだよ」


『ふーん』


「レイジ程の火力は出てなかった」


『手加減してたのかもよ?』


「そこまで考えると切りがねーよ」


『ははっそうだね、うんいいよその解答』


「何様だよお前」


『うーん、神様?』


「はぁ!?」


『んじゃまー、一つ上げるよ』

 突然目の前が暗くなり眠気に襲われる。


『いってらっしゃいデント、君の物語の時計が今動き出すよ』



 気が付くと白い空間に立っていた


「ここは?」

 辺りを見回しても何もない。


『どこだと思う?』


「うわぃ!?」

 びっくりして後ろを向く、そこには見知らぬ少女が立っていた。

 服も白く肌も白いまるでロルネのような少女...


『...変な驚き方するね君』


「いや、あの、えっと」


『大丈夫かい?』


「あ、あぁ...大丈夫だ」


『そうかい』


「君は?」


『誰だろうね?』

 何か変だ、さっきから少女の声が曇って聞こえる。


『そんなことより君に大サービスプレゼントがあるよ』


「?」


『あっちみて』

 少女が指を刺した方を向く、そこにはでかい上行きの階段にその天辺には何か光るものが見える。


「あれは?」


『探求だよ』


「...は?どういうこと?」


『さーね、とりあえず一つね』

 少女はサイコロを渡してきた。


「なんじゃこれ」


『君の人生かな?』


「はぁ?」

 さっきからこの子は何を言ってるのだろうか?


『そのサイコロ一回振りなよ』


「...振ればいいのか?」

 俺は言われた通りに振る、すると一の目が出た


『あーぁ、まだ全然認めてもらってないね君』


「はい?さっきから何言ってるんだよお前」


『じゃあまず君には1-1をあげるよ』

 そういうと少女は消えまたあたりが暗くなっていく。


「!?」

 意識を失い次に目が覚めた時はまた病室だった、俺は特に何をしていたわけでもないが息が上がり汗をかいていた。


「はぁ...はぁ...」

 少し手が痛む、さっきのは一体何だったんだ?さっぱりわからない...俺はまた眠くなりそのまま寝入ることにした。



END

どうでしたか?

感想等お待ちしております、ではまた次章でお会いしましょう。

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