植物と戯れる 最終章
フィクションです。
フィクションですとも!
前回あれだけ気分の悪い思いをしたというのに、まさに懲りない人間がいた。
そう私。
三度目の遭遇はよりにもよって、姉からであった。
姉と二人で住んでいたことが一年くらいあった。
で、姉が
「ちょっと手伝ってくれない?」
「いいけど何?」
「ハッパ紙にくるむの」
お前もか。
私のまわりはなんだってこう多いのか。
結局くるむのを手伝いながら
「あんたも三本くらいいる?」
「いや、いらない」
「なんで!?」
詰め寄られた。
しようがないので過去の失敗談を告げる。
「それ、質が悪かったんだよ!」
「これ、質がいいから一本吸ってみ?」
姉の性格と言えば言い出したら終わらない人である。
「じゃ、一本」
一本をもらい、ハッパも巻き終わったので部屋に戻った。
数日経ったのち、姉が出掛け一人でいる機会があった。
「上質か...」
なんとなくハッパに目をやる。
「やってみるか」(懲りてない)
カーテンをしめ、音楽を大音量で流す。
ゆっくりと煙を吸い込み肺にためたあと出す。
頭痛がやってくる。
「またかよ」
が、次の瞬間世界が変わった。
色々あったが、変に興味をもってもらっちゃいけないので詳細は書かない。
ただやっとトリップというものを味わった。
二時間くらいしてそれが終わると、ハッパの香りにまた頭痛がした。
私は三半規管が弱い。
ちょっとした香水、飴玉の匂いでも酔って頭痛がしだす。
私にとってハッパの香りは、どうやっても
湿気った布団が押し入れに入っている臭いだった。
やっとトリップもしたし、もう布団の臭いにゃ興味ないや。
こうして私はハッパに別れをつげた。
後日姉に感想を聞かれ「臭いし頭痛がするからもうやらん」というと、「あの香りがいいんじゃない!」と言われた。
外国の方が納豆を嗅いだらこんな気分なのだろうなぁ。
私はそんな印象を残した。
これで植物シリーズは終了となります。
読んで頂きありがとうございました!