02 正白
知れぬ白亜の温もり
過去人の笑い声に
荒む心根も無い
知覚する
此処が時の別れ
無情なる回廊を進むその先で
終わりなき逡巡に
答え無き正義の在りかを重ねた
幾度在るべきと謳い
唱えようとも
壊すことでしか雪げない
歯車がある
救いに止まらぬ大義の陰で
誰も望まない最後を刻んだ
仰げ
白き罪の狭間で
踏みつけた栄光さえも霞む
退廃の焔を俯瞰せん
この詩情渇ききるまで
褪せてくれるなと祈る
己が胸裏も知らぬままに……
響く鉄鎖の律動
罪人の慟哭に
哀れみの情動も無い
痛感する
此処が全ての始まり
悲嘆に染まりし音色を奏でるその先で
理想無き世界に
愛無き心胆のイデアを合わせた
幾度叶うべきと焦がれ
手を伸ばそうとも
捨てることでしか重ねられぬ今がある
渇望に止まらぬ求道の果てで
誰も望まない世界を望んだ
足掻け
白き罪の外側で
摘み取った存亡よりも轟く
狂乱の雷を聴収せん
この愉悦綻ぶまで
鳴り止んでくれるなと叫ぶ
己が声色にも気付かぬままに……
知れぬ白日の下
己が心根に宿った
不実も
曇りも無く
佇んだ世界は
ただ何処までも白く
ただ何処までも
罪深かった