表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

話術を望む正常な思考

「君はこの世界に疑問を持った事はないかい?もしくは、違和感を感じた事は?」


違和感ならいつも感じている。顔の無い人間、ただ闊歩する道路、肥大化する何か、そして自分自身の感情。どこかおかしい気がする、これは正常なのか。いや、あるべきものはそうあるべきだ、然るべきであって現実だ。

相も変わらず流れる機械音、とても心地いい音だ


「君はこの音が気に入ってるみたいだね、ボクもだよ。周りの人間なんて気にしなくてもいいよ、大音量で聴いたって、顔のない人形なんかは気にしないさ」


顔の無い人形か、何処と無く妙な言い回しだが、同意できる。個を殺して、意思を殺して、ただの歯車を人間と言い表せるのだろうか。

植物は生き物だ、細菌も生き物だ、それらは生きていると形容できるのか?個なんて無い、意思なんて無い、ただ環境の中の歯車として存在する。

それを、ただ生きているだけと、生きているとも言い難い


「二人とも、なに言ってるんだかわからないわ。人間に顔があるのは当然じゃない、機械音なんてうるさいだけだわ」


どうやら、クローエンとは価値観が合わないらしいな。顔があること無いことにどうといった意義は無い。重要なのは結果で無くて経緯、外見なんてみてくれに過ぎないのだから


「ナナにはこいつらに個性を見いだせるの?」


「個性もなにも、顔が無いなんておかしいでしょ?鼻や口が無いと呼吸できないし、目がないと何も見えないわよ。常識よ」


そうか、常識か。クローエンも同類だ。常識とは案外曖昧で、そのたびそのたびに変化していくもの。一般的に、常識とは現代社会の仕組みに適合するものだ。現代の常識と過去の常識は違うし、地域によっても変化する。ちっとも常なる意識とは言い難い。

つまり、常識だからと言って縛られるのは愚かでしかない。多数派は本当に愚かなんだ、常識なんていう所詮は人間の思い込みのルールに縛られているんだから。考える事を止めて、流れに任せるなんて僕は嫌だね。

そして少数派はただの自己中だ。自分の意思の中に生きて、周りと合わせる事ができないんだから。その考えが現代の常識、下らない固定概念に受け入れられるかは知らないし


「僕らはProjectNULLと名乗っているんだ。何もない何かから何かを見出だそうとする愚か者集団。またいつか会おうね」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ