形容の望む正常な思考
「右手と左手、どちらか選んでみて」
三ツ岐さんの右手にはナイフが、左手には拳銃が握られていた。これで誰か殺害しろとでも言うのだろうか?それならば復讐を、誰に復讐すれば良いのだろう?いや、恨んでいる相手なら沢山いる、他人の事情なんて考える余裕もない、推測してどうする、どうせ主観的でしかないんだ。
「私なら左手ね、とても効率的でしょう?」
僕ならナイフだ、使いなれているというのもあるが、拳銃ではいまいち実感が無いだろう。それに、すぐに殺してしまったら、苦しめることも後悔させることもできない。
言われるがままにナイフに手を出そうとした瞬間
三ツ岐さんと僕との間の道路が爆発した、驚いて絶句していると
「また三ツ岐には逃げられたか」
確かに爆煙が無くなると三ツ岐さんの姿は無くなっていた。死体もないから死んだわけではないようだ。
後ろを振り返ると少年と少女、姉と弟だろうか。が平然と立っていた
「ボクはファイブ・J ・レウト。変なのに狙われて散々だったね」
「私は菜奈・クローエン。どうして私の周りにはマトモな人がいないのかな?」
余計に面倒な予感しかしない。確かに、片方には日本人の血が混じっているのだろうが、こんな所に外人が来たとして、面白いものは無いだろう。もっとも、道路爆発させている時点でマトモでは無い
「せっかくここら一帯に埋めていたのになー」
そんな物騒や事を言う少年はヘッドホンを着けている。ただ、大音量過ぎるのか音が駄々漏れだ。謎の機械音が流れている、心地いい音だ
「少し話をしようよ」