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【完結】REZON ー神話を解くものー  作者: 壇 瑠維
第1部 第6章 富士

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第8話:第6章終幕

2025.8.10 午前/富士・鳴沢氷穴駐車場



「……これ、どういう意味?」


「まんまにしても…意味分からないっす」


 真理と桐生が覗き込んできるのはSOPHIAのスクリーン。そこには淡々と、SOPHIAからのログが浮かんでいた。


 [MODULE: RESON]

 [STATUS: STABLE]

 [SIGNAL: 18 Hz COMPLETED]

 [PHASE: SHIFT +0.000001]

 [GATE STATUS: 6/7 ACTIVE]


 [MODULE: LEXICON]

 [TRANSLATION: 1% UNKNOWN]

 [MESSAGE: 地の底に祈りなさい。気高き勇者のために]


「……気高き勇者が門を開いてくれた、って事?」


「全然心当たりがないっすね。またAEONに夢を見せられてるとか?」


「……ちょっとつねってみましょうか。えいっ!」


「イテっ!何で俺の腕なんすか?」


「ごめんごめん。……そんなに痛かった?」


「つねられて、と言うよりも傷が痛むみたいな……何だこれ?」


「どしたの?」


 真理がつねったところを見ると、ナイフで引っ掻いたような傷に血が滲んでいる。


「……あれ?いつの間にこんな傷ついたんだろ?」


「何かの文字みたいにも見えるわね。……“INDY”?」


 何かが、桐生の心の奥で強く動いた。


「いつの間についたんだろ、こんな傷……」


「まあ、それはおいおい考えるとして……せっかく来たんだから、見てかない?」


 二人は車を降り、氷穴の入り口に向かった。夏休みということもあり、家族連れで来ている観光客も多い。

 

「ここ、頭気をつけて……」


 慎重に歩を進め、しゃがむようにしながら先へ進む。やがて視界が開け、子供達がキャーキャー言いながら覗き込んでいる穴が見えてきた。


「“地獄の竪穴”っすね。落ちたら帰って来れない、って言う」


「富士の風穴には解明されていない竪穴や横穴が無数にある、って言うからね」


 底の見えない竪穴を覗き込んだ時、不意に二人の心に郷愁のような念が湧き起こった。


「……何でだろ、初めて来る場所なのにどこか懐かしいような……」


「先生もっすか?俺も、大事な何かを思い出しそうな感じがするんすけど……」


 暗闇の奥を見つめながら、二人はしばらくそこを動く事が出来なかった。


 不意に、桐生の目に涙が溢れる。理由は分からないが、とめどなく溢れてくる。


「……桐生君、どうしたの?」


 尋ねる真理の頬にも涙が流れている。


「あれ?何で?どうしちゃったんだろ……」




 ハイエースの後部座席。使い込まれて少し煤けた山高帽が、新たな持ち主の帰りをじっと待っていた。



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