口語体シリーズ『ストーカーがいる件w』
いや気にしてはいるんだけど。最初に気付いたのは髪の毛っすね。床に長い髪の毛、落ちてて。それで。その時は、まあ自分の服かなんかについてたのかなとか。あんま気にしてなかったけど。あれ?って。
その髪の毛、その時はゴミ箱に普通に捨てて。あベッド脇のゴミ箱に、はい。そんで。その日休みだったんで、なんやかんやでちょっと昼寝して。で、でかい音して、めっちゃびびって起きたんす。なんの音だとか思って、とりまスマホどこ?って探して無くて、そしたらゴミ箱ん中落ちてて。この音だったんか〜て。ゴミ箱んなか、ひねり揚げ、お菓子のゴミしか入ってなかったんすけど。そん中にスマホインした時の音だったみたいで。でもすぐ気付いたんす。ゴミ箱の中にさっき捨てた髪の毛が無い。
すいません気持ち悪いすよね。でも俺、その時すいません納得しちゃって。だから気付かないふりした。
そっからは早かったっすね。1DKの家ん中っすよ? ものすごい身のこなしで、俺のことストーカーしてるんすよその女。いろんな隙間とか裏とか背後とか駆使して。この前なんて天井の隅すよ。こうガッて両手両足で、よくマンガとかで見るやつ。筋力ヤバ。もう最近は見惚れてます。いや好きとかじゃなく(笑)。リスペクト。まじあそこまで来るともうね。鮮やか。アレグリアもサルティンバンコも目じゃねえっすよ。あの回転ドア、あすいませんワザ名なんすけど、回転と逆回転と…あの洗練された動き…あ、すいません思い出しちゃって…。ずびません感動思い出しちゃって。あ、ありがどうございまぶ。(鼻をかむ音)
…ありがとうございます。…たぶん、完璧主義なんでしょうね。あの髪の毛の回収が無ければ俺絶対気付かなかったっすもん。あの翌日から彼女、俺と全く同じ髪型にして来てましたからね。あ、はい。俺、昔前カノにストーカーされて。いやその雑技団の彼女じゃなく(笑)。普通にストーカーされてて。で、今回、“またか”と思って、警察に届けて、探偵も雇って。
それでその資料で初めてその彼女にね、はい、そう、その家の中のストーカーにね、気付いたんすよ。家の中にストーカーがいる件w




