第9話:首席と次席のテスト勉強
「ん?あぁ一くん、起きたんだ。」
「いや、こっちのセリフですけど。もうみんな帰ったり部活行ってますよ。」
「いや、私部活ないから。」
楓さんは運動神経が良いってみんな言ってたけど部活入ってないんだな。
「じゃあなんでここに居るんだよ。」
「いやぁ、もうテスト期間だから勉強教えてもらおうとしたんだけど一くんが気持ちよさそうに寝てて私も寝ちゃった!」
「そうですか…」
本当に勉強する気があるのかと思ってしまう。寝ないで勉強すればいいのに──ってそれは僕も同じか。
1人で結論をつけ、目をこする楓さんに聞く。
「まだ少し時間ありますし、勉強する?」
「んー、頭もスッキリしたし少しやろうかな。」
そう言って僕らは勉強を始めた。始めたのはいいんだけど楓さんはほとんど教えるとこがなく1人で進めている。
「もしかして楓さんって頭良かったりする?」
「よく聞いてくれたね!これでも私次席で入学してるから頭良いんだよ!」
そう言いながらエッヘンという感じで鼻を伸ばしていた。
「なら勉強しなくていいんじゃ、、」
「いや、私は今度こそ1位とるんだ!」
楓さんは遠回しに僕に宣戦布告してることに気づいているのだろうか。
「で、一くんは11教科で何点取れるの?」
「まぁ……だいたい1098から満点かな。」
「…………」
「…………」
「私2位を死守することに決めた。」
そうそう楓さんは目標を諦めた。いや、早過ぎないか?
「楓さんはどれくらいなんだ?」
「最高でも1057だったかな〜。」
「思ったよりなんだな。」
「これでも上も下もぶっちぎりの2位なんですけど」
「そ、そうか…。ごめん。」
なんか煽りみたいになってしまったな。でも楓さんと勉強してる感じ1075は行ける気がする。
「よし、僕が楓さんに教えるから今回のテストちゃんと2トップ取ろう。あ、楓さんは1075はとってね。」
「え?」
そこからテストまで毎日楓さんと勉強をしてテストに挑むのだった。