第4話:お見舞いに来てくれる君
それから週に4回程度の頻度で楓さんは来た。どうして来てくれるのか聞いても、友達だから、との一点張りだ。
そして今日はやっと退院の日だ。リハビリもしてたおかげで歩く分には特に問題は無い。辛かったけどやっといて良かったな。
「あ!一くん!」
後ろから僕を呼ぶ声が聞こえた。この声は
「楓さん。」
「今日が退院って聞いたから来ちゃった。」
そう言って楓さんは笑う。
「今日までお見舞いありがとう。それじゃあ。」
「ちょっとちょっと!?なんでもうさよならみたいな雰囲気になってるの!?」
「いや、もう家に帰ろうとしてたから…」
「じゃあ私も一くん家に遊びにいく!」
聞き間違いだろうか?いや、きっと聞き間違いだ。
「………じゃあね」
「いやいや、聞こえてない振りをするなぁー!」
やっぱり聞き間違いではなかったのか。
「はぁ…わかったよ。じゃあお母さんに聞いて来るから待ってて。」
「わかった!」
お母さんは毎日お見舞いに来てたから楓さんとは面識がある。というか、朱里と同じでかなり仲良くなっている。
『プルルル、プルルル。』
「どうしたの?」
「いや、楓さんが僕の家に遊びに行きたいって言うんだけど…」
お願いだお母さん。行けないって、ダメだって、そう言ってくれ。
「あら、いいわよ。朱里とも仲良いみたいだし。」
薄々感じてはいたが、やっぱりそうなったか。楓さんは目をキラキラさせてこっちを見ている。これは誤魔化せないな。
「あぁ、ありがとう。」
『プツッ』
「行けるって」
「やったぁ!」
まぁ、楓さんが喜んでるならいいか。
そして僕たちはお互いのことについて質問をしたりしながら僕の家へ向かった。