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侯爵令嬢に転生した私、ツンデレな冷酷騎士団長に溺愛されすぎている件について  作者: こうと


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12/12

第12話 『これからもずっと』


 冷たかった秋の夜も過ぎ去り、穏やかな日差しが王宮の庭を照らす初冬の朝。


 あの陰謀を乗り越えて数日が経ち、王宮にも再び平和が戻ってきた。

 混乱を巻き起こそうとしていた貴族たちは処分され、今は国全体が落ち着きを取り戻している。


 私も数日前の戦いで感じた緊張が少しずつ和らぎ、日常生活に戻りつつあった。

 しかし、胸に浮かぶのはあの夜、アルノルト様が私に伝えてくれた言葉だ。


「お前だけが、俺の居場所だ」


 その言葉は、今も私の胸の中に温かく残っている。

 冷酷で厳しい彼が、私にだけ心を開き、まるでプロポーズのように告白してくれたことが何よりも嬉しかった。

 そして、彼を支え続けていきたいという想いが、ますます強くなっていく。


 そんなことを考えながら庭で過ごしていると、ふと後ろから足音が聞こえた。


 振り返ると、そこにはアルノルト様が立っていた。彼は変わらず無表情だが、私を見る瞳にはどこか優しさが宿っているように感じる。


「アルノルト様……」


 彼の名前を呼ぶと、アルノルト様は少しだけ口元を緩めた。

 そして、ゆっくりと歩み寄り、私の前に立つ。


「リリア、王宮内の報告も終わり、国の情勢も落ち着いてきた。お前に危険が及ぶことも、もうない」


 その言葉に、私は思わずほっと息をついた。

 王国全体が平穏を取り戻していると知り、安心感が胸に広がっていく。


「良かったです……本当に」


 私が安堵の表情を見せると、アルノルト様は一瞬目を伏せてから、また私をじっと見つめた。

 その視線は鋭いものの、どこか優しさも滲んでいる。


「リリア、これまでずっとお前には苦労をかけたな」


「そんなことはありません。アルノルト様のお傍で、私もたくさんのことを学びましたし……」


 彼の隣で過ごしてきた時間が、私にとってどれほど大切で、どれほど幸せだったか。


 それを彼に伝えたかったけれど、恥ずかしさでうまく言葉にできない。

 それでも、アルノルト様にはきっと伝わっていると信じて、微笑みを返した。


 すると、アルノルト様が少しだけ視線を逸らし、まるで何かを決心したかのように、再び私を見つめた。


「リリア」


「はい?」


「……お前は、これからも俺のそばにいてくれるか?」


 その言葉に、私は一瞬戸惑ったが、すぐに顔が熱くなっていくのを感じた。


 アルノルト様がこうして、改めて私のそばにいることを望んでくれている。

 あの冷静で無口な彼が、自分の想いをこんなにも真っ直ぐに伝えてくれるなんて──夢のようだった。


「はい、アルノルト様。これからも、ずっとお傍にいさせてください」


 私の返事を聞いた瞬間、アルノルト様の瞳が優しく柔らいだ。

 そして、彼は私の手をそっと取って、言葉を続けた。


「……これまでは、ただお前を婚約者として守る義務があると思っていた。だが、それだけではなかった」


 彼の声が少し震えているのがわかる。

 いつも冷静で感情を見せない彼が、今はどこか真剣で、そして優しい表情を浮かべている。


「お前が、俺にとってただ一人の大切な存在になった。これからも、お前が俺のそばにいてくれなければ……意味がない」


 その言葉に、胸が高鳴るのを感じた。彼が私を本当に必要としてくれている──それが何よりも嬉しかった。


 そして、私もまた、彼の支えになりたいと心から思っていることを再確認する。


「私も、アルノルト様のお傍にいられることが、何よりの幸せです」


 その言葉に、彼は微かに微笑んで、私の手を少し強く握りしめた。


 そして、彼の顔がゆっくりと近づいてきて、彼の手がそっと私の頬に触れる。

 ドキドキと胸が高鳴り、心臓の音が自分に聞こえるほどだった。


「リリア、これからもずっと、俺の傍にいてくれ。俺の……妻として」


 彼の囁きが耳元で響き、私は心の中が一気に温かくなるのを感じた。

 彼がこうして、私に愛を伝えてくれることが、何よりも幸せだった。


「はい、喜んで。アルノルト様……私も、ずっとあなたのお傍にいさせてください」


 その言葉とともに、私たちはお互いを見つめ合い、そっと微笑みを交わした。

 

 そして初めてのキスをした。

 

 彼の瞳には確かな愛が宿っていて、私もまた、これまでにない安らぎを感じた。





 ******



 


 その後、私たちは正式に婚約を誓い合い、二人で新しい未来に向かって歩み出すことを決意した。

 冷酷で無愛想だったアルノルト様が、こうして私に全ての愛情を注いでくれる、その幸せが、今この瞬間の中に満ちていた。


 それからの日々、アルノルト様と私は共に穏やかな日常を送りながら、国を支えるために尽力していく。


 彼の隣で歩むことが、私にとって最高の幸せであり、彼の支えになれることを誇りに思っていた。


 そして、彼の温かさに包まれながら、私たちはいつまでも幸せな日々を送り続ける──これからもずっと。







読んで頂きありがとうございました!


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