目が覚めたら猛獣の世界にいたうさぎ達の話
初投稿です!小学生で将来小説家になりたいと思っています。変なところやいいところなどアドバイスくれると嬉しいです。プロの作家さんは大歓迎です♪誤字訂正も大歓迎です。(^∇^)よろしくお願いします。ʅ(◞‿◟)ʃ
「・・・ここは、どこだ?」
俺・ユキタは、見慣れない景色を見渡してつぶやいた。俺の右隣には俺の妹・ユキが、俺の左隣には俺の弟・ユッキーが横になっている。一体これはどんな状況なんだ?一旦整理しようか。
「まず俺は部屋で期末テスト対策をしていたな。それが5時30分ぐらいだった。そしたら目の前にとても強い光が現れた。俺はそのままその光に包み込まれて………。それで、今か。」
そういえば、腕時計をしていたな。えっと、今の時間は………5時45分だ。あっ、6時から友達と遊ぶ約束をしていたな。キャンセルしないと………。ついでにスマホのGPS機能でここがどこなのか検索してもらおうじゃないか。………ん!?
「猛獣王国!?」
って、あの?
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「ユキタお兄ちゃん、アニメの世界から出ておいで〜。」
あっ、ユッキーとユキ、タイミングの悪い時に起きたな。でも、そうか。あんなに大声で叫んで、起きない奴はいないよな。
「ユッキー、ユキ、おはよう。っていうか、緊急事態だ。ここはうさの国じゃない。怖いと恐れられている、『猛獣王国』だ。」
「「も、猛獣王国!?」」
「どうしよ、僕たちライオンとかに食べられちゃうよ!早く逃げよう!」
「ユッキーお兄ちゃん、それよりも帰った方が安全だよ。」
ようやく2人は現実を受け入れてくれた。
「ようこそおいでなさいました。ここ、猛獣王国へ。」
「お前は誰だ!」
あぁ、大人に「お前」なんか言っちゃダメなのに。
「よくぞ聞いてくださいました。私は猛獣王国への誘人、ガオと申します。先ほど私の名前を聞いてくださったのは『ユキタ』様ですね。そしてその右隣にいるのは『ユッキー』様で、左隣にいるのは『ユキ』様ですね。」
「なんであなたは俺たちの仲間の名前を知っている?」
「僕たちは呼びつけて食べてやろうという悪質には乗らないよ!」
「私はそれよりうさの国に変える方法を教えて欲しいんだけどね。」
ユッキー、それに、ユキまで!
「私があなた方を猛獣王国にお呼びしたのは、あなた達を期待したからですよ。あなた方の名前を私が知っているのも、そのためです。」
「「「期待?」」」
「そうです。私はあなた方に期待をしたのです。しかも、いい意味で。」
「「「いい意味で?」」」
「俺たちにそのいい意味というのを、教えてもらおうじゃないか。」
「仕方がありませんね。特別にお教えしましょう。いい意味でというのは、あなた方に歴史を変えて欲しいということなんです。」
「「「歴史を変える?」」」
思いもしなかった言葉に、みんなポカンとしてしまった。その空気を最初に変えたのは、ユキ。
「ムリムリ!私たちに歴史を変えるなんて、できないよ!」
「僕も、できないよ。」
「俺も、そんな勇気ないぞ。」
みんな口々に「歴史を変えるなんて、できない」と発言した。ところがガオさんは表情を変えずに話し続けた。
「うさの国にいた頃の皆さんならできないでしょう。なぜなら、すごい力を持っていないから。でも、今の皆さんは、違います。みんなそれぞれ、すごい力を持っています。」
「「「すごい力?」」」
「なにそれ、面白そう!」
あぁ、いつでもユッキーははしゃいでいるな。相変わらずだ。
「では、すごい力を発表していきます。ユッキーさんは、元気。元気がいつもの10倍ですよ。」
「元気が、いつもの、10倍!?」
「続いて、ユキタさんは、賢さ。ひらめき力がいつもの10倍です。」
「テストで100点連発しそうだ!」
「最後に、ユキさんは、行動力。いつもの10倍テキパキ動けますよ。」
「やったー!普通に嬉しい!!」
「こんなにすごい力を持っているならば、歴史を変えれそうでしょう?」
「「「はい!」」」
「では、地図を渡しますので、冒険に出かけてください。あっ、言い忘れていました。皆さんは困った時に『バリア機能』で自分の身を守れます。バリア機能は自然と出てきますので、ご安心を。それでは、行ってらっしゃい。」
そう言った瞬間に、ガオさんは消え去った。まず地図を見るか。どれどれ、うわ、宝島の地図みたいじゃないか。
「ひとまず整理しようか。まず、キャプテンを決める方がいいと思う。キャプテンは………まあ、聞く間もなく俺かな。次に、ルールを決めようか。ルールはただ1つ、キャプテンの言うことはしっかり聞き、指示に従うということだ。いいな。」
「「うん、いいよ。」」
「じゃあ、早速三角山のふもとに行こうか。準備はいいな。」
「「うん!」」
「ここが『三角山のふもと』か………。」
「険しい山だね。」
「ここで何をするのかな。」
「誰かと戦うんだと思う。」
こうやって3人で楽しくお話をしていると、聞き馴染みのない声が聞こえた。
「ようこそ3匹の可愛いうさぎちゃん、噂のユッキー、ユキタ、ユキかい?歴史を変えてくれるんだっけ?」
「はい、そうですけど、何か?」
「俺は歴史を変えられたくない奴が集まっているグループの中の1人なんだ。名前?敵になんか教えねーよ。敵に塩を送ることになるじゃねーか。」
「ねえお兄ちゃん、『敵に塩を送る』って?」
「敵を有利にさせることだ。覚えておいた方だいいぞ。」
「何ゴソゴソしゃべっているか知らねーが、俺に勝たないとここを通過させねーよ。負けたら3匹とを食いちぎってしまうんだ。食べられたくないならば、俺様に勝ってみろ。」
「何が何だかわからないけど、勝ってみせるよ!!いいか、みんな!」
「「うん!」」
「では、試合スタート。」
俺たちは、剣で相手の力を奪っていく。元気がいつもの10倍になっているユッキーは全然体力が減っている様子ではない。いつもの10倍テキパキ動けるユキは、素早く相手の体力を奪っていっている。それに対して俺はみんなに比べて行動は遅いが、脳はフル回転で効率よく相手の体力を奪っている。みんな、ナイスプレイだ。
3分後、相手の体力がなくなったようだ。
「悔しいが、今回はお前らの勝利だ。でもこの先にはもっと強い仲間がいるからな。」
みんな体力が欲しいから、ガオさんからもらった謎の果物を食べた。すると、みるみる体力が元通りになった。
「よし、次は『王の道』だ。次も頑張るぞ。」
「「おー!!」」
「ここが『王の道』か………。」
「目の前に見える大きな建物が『茨の城』かな。」
「今回も頑張ろう!」
「「おー!!」」
やる気をあげた俺たちの目の前に現れたのは、大きなライオンだった。
「そこにいるうさぎさん達はもしかしてうさの国から来た『勇者』として最近発展党の中でかなりの人気を集めている奴らか?残念かもしれねーが俺は不新党の中の1人なんだ。お前らがここにいるならば三角山のふもとを通ってきたはずだ。そこにいたあいつも不新党の中の1人だ。まあ、歴史を変えたいのであれば俺様に勝ってみろ!」
「今回も力を合わせて頑張るぞ!では、始めるぞ!!」
俺が合図をしたらみんな一斉に攻撃を始めた。さっきと同じように、いや、さっき以上に相手の体力を奪えている気がする。
「よし。」
その時だった。気を抜いた瞬間、相手は俺に襲い掛かった。もう無理だと思ったが、俺を助けてくれるものがあった。
「バリア機能ヲ発動サセマス。」
そうだ、今の俺には、バリア機能ができるんだ。自身を取り戻した俺は、再び相手への攻撃を始めた。
1分後、相手の体力が無くなったようだ。
「悔しいが、今回は勝利を譲ってやったんだ。だが、安心すんなよ。この後お前らが戦うのは、ガリエナ・ガリープ王だからな。」
「ガリエナ・ガリープ王!?」
俺はびっくりした。なぜなら、前の世界史の授業で「ガリエナ・ガリューさんは約300年前に最も活躍された人で、うさの国と猛獣王国との友好関係条約が結ばれたんです。そして今の猛獣王国の王様であるガリエナ・ガリープ王が権力を持っているんですよ。」と習ったからだ。そんな王様が不新党に入っているなんて、ダメじゃないか。だから俺は決意した。
「いいか、みんな。絶対歴史を変えてやるんだからな!」
「「うん!!」」
「ここが『茨の城』だね。」
「やっぱり怖いよ、ユキタお兄ちゃん。」
「せっかくここまで来たんだ。やり切るしかないだろ。」
『実は俺も怖いんだよ。』
と言いそうになったが、言うのをやめた。もし言ってしまったらユキがもっと怖がってしまうかもしれないからな。
門をくぐったらうわさのガリープ王がいる「国王室」に案内された。
「よくここまで来れたな。その頑張りは褒めてやろう。だが、今から今までの頑張りが台無しになるんだからな。覚悟しておけよ。では早速だが、始めるとするか。」
出会ってまだ1分もたっていないと言うのに、早速攻撃を仕掛けてきた。うまく避けながら俺たちも攻撃をする。ラスボスというからにはとても強いのかと思っていたが、想像以上に強い。でも、1回1回正確に攻撃をする。
5分後のことだ。とうとうガリープ王の体力が切れたそうだが、俺たちもギリギリだった。
「悔しいが勝利をお前達に渡すことにしようか。今からは俺も発展党に入ることにする。では今から、資料室を案内する。ついてきてくれ。」
言われる通りガリープ王について行った。
「ここが資料室だ。中に入ってくれ。」
中に入ると、大きな字で「猛獣王国の歴史と現在〜明るい未来に向けて〜」と書かれた垂れ幕があった。壁をぐるりと見渡すと資料、部屋の真ん中にも資料。迷路みたいにショーケースが並んでいる。
1個ずつ読んでいくと、思いがけない文章を見つけた。それは、こんな文章だ。
「1735年、ガリエナ・ガリューの力により、猛獣王国と隣国・うさの国の友好関係条約ができる。」
「1803年、猛うさ戦争が始まる。」
「1805年、猛うさ戦争が終わる。勝ったのは猛獣王国になる。その関係により、猛獣王国はうさの国に嫌がられるようになる。」
友好関係条約が生まれてからうさの国から嫌がられるようになるまでたった70年。1805年に嫌がられるようになってから今日までずっと嫌がられていたのか。もしかしてガオさんはこんな歴史を変えて欲しいと思っていたのだろうか。
「皆さん、資料はしっかり読めましたか?皆さんの知っている通り今は猛獣王国はうさの国からとても強く嫌がられています。ですが、資料に書いてあった通り300年ぐらい前、私のご先祖さまであるガリューにより猛うさ友好関係条約が生まれたのです。その時の猛獣王国とうさの国の友好関係は世界一と言われていたそうです。今のこの関係を変えて、昔のような友好関係に戻してください。お願いします。」
「ガリープ王、もしかして・・・」
「そうです。私はガオの兄です。」
俺は話のテンポについていけたが、ユッキーとユキはこの話のテンポについて行けていないようだ。
「え、どういうこと?」
「ちょっと待って」
「仕方がないな、俺が教えてやる。最初案内してくれたガオさんにはお兄さんがいて、そのお兄さんさんが今、目の前にいるガリープ王なんだ。わかったか。」
「「うん、なんとなくわかった。」」
「ならOK。で、ガリープ王、今からどうしたらいいの?」
「今からみなさんには魔法を唱えて欲しいのです。私が『せーの!!』と言いましたら、みなさんは『この世界を元に戻して!』と一斉に言うのです。3匹の声が合わさると、この魔法の効果が発揮されます。チャンスは1回しかありませんからね。では準備はいいですか?せーの!!」
「「「この世界を元に戻して!」」」
その時だった。あたり一面が虹色の光に包まれた。そして気がつけば、俺の部屋にいた。
「どう言うことだったんだ?夢・・・だよな?」
だが、夢ではなかった。テレビをつけると、「3匹のうさぎにより猛うさ友好関係条約、復活!」と言うことがトップニュースになっていた。時計の針を見ると5時30分だった。
「なんだったんだ?あの世界。でも、悪くない世界だったな。」
Fin.