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激烈出稼ぎ娘  作者: 種子島やつき
第一部
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時間が無い人・忘れてしまった人用―第一部あらすじ―

だいぶ話数が多くなってきたので、あらすじをもうけました。

当然ネタばれですが、これはあらすじなので、実際の話はもっとライトな感じです。

これを読めば、いきなり第二部を読んでも大丈夫な……ハズ。


*始まり編*


 (マオ)族のラーニャは、貧しい家族のために男装して王都で出稼ぎ中。

しかしマオ族は王都の人間たちに差別されているため、非常に条件の悪い肉体労働しか働く先が無かった。

貧民街に住みながら、毎日ふらふらになるまで働きづめのラーニャ。

そんなある日の帰り道、彼女は自分の下宿のそばでチンピラたちに襲われている少年を目撃する。

困った人を放っておけないラーニャは、持ち前の怪力で見事チンピラたちを撃退。

助けられた少年の名はミハイルと名乗り、マオ族のラーニャにも分け隔てなく接してくれたのだった。


 とても良い身なりをしたミハイル――彼はどうやら家に帰ろうとして、貧民街に迷い込んでしまったらしい。

ラーニャは彼を安全な所にまで送り届けようと決意する。

その途中に彼女はミハイルの護衛役の青年アーサーと出会うが、安心したのも束の間、先ほどのチンピラたちが仲間を連れて反撃してきた。

多勢に無勢、絶体絶命のピンチに陥るも、ラーニャは策を弄し、何とかチンピラたちを退ける。


 しかしその直後、ラーニャは駆けつけてきた警備隊に拘束されてしまう。

南方の蛮族と呼ばれるマオ族を蔑む余り、ラーニャを騒ぎの主犯扱いする警備隊。

だがミハイルとアーサーの抗議により、何とかラーニャは開放される。

実は最初から警備隊に捕まることを分かっていたラーニャ、だが彼女は「冷たくされるからと冷たくし返したのでは何も始まらない」と、あえてミハイルたちを助けたのだった。

警備隊に酷い仕打ちをされても、ミハイルたちに差別されなかったことをラーニャは喜ぶ。

貧民街の夜空には、今日も星が輝いていた。



*王宮殴りこみ編*


 久しぶりの休日、ラーニャが下宿の窓を開けると、ミカエルとアーサーが手を振って居る。

この間のお礼に来たという二人。

ラーニャは彼らの誘いを受け、レストランに赴くが、そこでアーサーに「貴方は大地の精霊の守護を受けているのではないか」と尋ねられる。

精霊の守護を受ける者は極稀に生まれ、貴重な魔法の才能を持つ彼らは、魔法大国ロキシエルには欠かせない人材だ。

実はラーニャはその精霊の守護を受けている人間だった。

この国の魔法を支える王立機関、魔導庁は、そんな精霊の守護を受ける者を高待遇で採用している。

なぜそこに入らないのかアーサーは疑問に思うが、マオ族のラーニャは入りたくとも門番に門前払いされてしまうのだった。

マオ族の差別は法で禁じられているが、なかなか人々の心を変えることは出来ない。

そんなラーニャの言葉にミカエルとアーサーは沈むが、その時三人はマオ族の青年が何者かに追われているのを目撃する。


 青年を助けに飛び出すラーニャ。

ミカエルの光魔法の助けもあり、三人はなんとか青年を助け出す。

彼はマオ族の住む土地を支配する伯爵の不正を暴いたせいで、暗殺者に追われていたのだった。

伯爵の圧政のおかげで、マオ族たちはひどく貧しい生活を強いられている。

青年は故郷の人々を救うために、不正の証拠を持って国王に直訴しに来たのだ。


 だが暗殺者に襲われたせいで青年は歩くことさえままならず、それを見たラーニャは、代わりに自分が直訴に行くと提案する。

直訴は言うまでもなく危険な行為。

ミハイルは止めるが、ラーニャは決意を変えることは無い。

ラーニャの父は貧しい家族を養うため鉱山へ出稼ぎに行き、落盤で死んだ。

だからラーニャは同じ目にあう親子を出したくなかったのだ。


 ラーニャの覚悟を知ったミハイル。

家庭の事情で友人がいなかった彼は、ラーニャに協力することを決意する。

彼は「遊んでいるうちに偶然、王宮の庭に続く森を見つけた」と言い、ラーニャを案内。

その甲斐あってラーニャたちは無事に王宮の庭に着くが、彼女はミハイルを危険に晒さないため、彼を置いて王宮の中へ向かう。


 ロキシエルには優秀だと誉れ高い王子が三人いる。

彼らなら話を聞いてくれるだろうと、ラーニャは王宮の中を進むが、途中で黒い鞭を持った青年と遭遇。

伯爵の仲間と思われる彼は、いきなりラーニャに激しく攻撃してきた。

鞭に叩かれ満身創痍になりながらもラーニャが青年を倒すと、何といきなり国王が目の前に現れる。


 実は鞭を持った青年はこの国の第二王子で、直訴に来たラーニャの覚悟を試していたのだった。

そしてラーニャはミハイルが第三王子ミカエルだということを知る。

彼の正体にラーニャは驚くが、自身も本当は女だということを告白し、二人は代わらぬ友情を確認する。

かくしてラーニャは無事伯爵の不正を明るみに出すことが出来たのだった。




*王家陰謀編*


 ラーニャの活躍により伯爵は失脚し、マオ族たちの土地には平和が訪れた。

だがラーニャの仕事が過酷なのは今日も変わらない。

そんな中、ラーニャは第二王子マドイによって、王宮へと招かれる。

そこで彼女はマドイに、「大金の代わりにミカエルと縁を切ってくれ」と持ちかけられるのだった。


 ミカエルとは腹違いの兄にあたるマドイ。

彼はミカエルと、その母親である現王妃を蛇蝎のごとく嫌っていたのだ。

もちろんラーニャはその誘いを断り、大金を突き返す。

今日の生活にも事欠く貧民に申し出を断られ、マドイは激しく怒るが、すでにラーニャの姿はなかった。


 悔しがるマドイ、しかしその感情は長く続かなかった。

婚約者に連れ添われて部屋に戻ると、彼女の父親、ローレにとんでもない事を聞かされたのである。

昔病死した前王妃であるマドイの母親。

しかし彼女は病死ではなく、実は現王妃に毒を盛られて死んだと言うのだ。

現王妃と国王は、マドイの母親が亡くなる前から不倫関係だった。

そんな彼女ならやりかねないと、マドイは彼の言葉を信じる。


 そしてマドイとローレの働きかけにより、現王妃は幽閉され、王都は上へ下への大騒ぎとなった。

現王妃の疑惑が本当なら国外追放されてしまうミカエルは、母の裁判の前に唯一の友人ラーニャを呼ぶ。

だが彼女は、切羽詰った友人を前にして腹を下し、トイレに篭城してしまうのだった。


 ラーニャがトイレに篭城しているとき、ミカエルのもとにマドイがやってくる。

追い詰められたミカエルに向かって、恨みつらみを吐き出すマドイ。

ミカエルの母親が不倫によって、自分の母を孤独な死に追い込んだ事。

ミカエルが生まれたせいで、母親と言う後ろ盾のない自分は皆にないがしろにされた事。

殺してやりたいとマドイはミカエルに告げようとするが、それにトイレから出て来たラーニャが待ったをかける。

「その台詞は、ミカエルではなく国王と王妃に言うべきだ」と、ラーニャは言い、マドイに全ての思いを国王にぶつける事を持ちかける。

ずっと憎しみを抱き、一人でいたマドイ。

彼はラーニャの提案を受け入れるが、それで国王を怒らせたときは共に責任を取れと彼女を裁判に伴う。


 裁判では証人や現王妃が前王妃を毒殺した証拠まで登場し、現王妃に不利な状況のまま審議に移ることになった。

だが評決が出る前に、マドイは目の前にいる国王に全てをぶつける。

なぜ病気の母を見捨てて現王妃と不倫に走ったのかと。

だが、国王はそんな事実はないと驚く。

その様子はとても嘘を吐いているようには見えず、マドイの兄であるオールも父の無実を証言する。


 食い違う話。

やがて国王が現王妃と不倫していたことも、現王妃が前王妃を毒殺したことも、全てローレのウソだったことが分かる。

国王はもちろん怒り、マドイは兵に捕らえられそうになるが、何とラーニャがそれに待ったをかけた。

ミカエルが生まれたことで、ずっと孤独だったマドイ。

彼はその孤独をあくどいローレに付け込まれたのだ。

「どうして一人だったマドイを放っておいたのか」とラーニャは国王を問い詰める。

もし父と兄がマドイを見捨てなければこうならなかったのだ。

半分の責任は王家のみんなにあるとラーニャは主張し、それを被害者であるはずの現王妃が受け入れる。

現王妃はマドイと距離を置いていたことを後悔していた。

彼女は国王をとりなし、ローレは僻地へ追放、マドイは謹慎という処分を与えられる。


 すべてが終わった後、マドイは前王妃の墓の前でミカエルに謝罪したのだった。



*打倒! 町のチンピラ編*


 王宮での一騒動が無事に解決した後も、ラーニャの貧しい毎日は変わらない。

だが最近ラーニャには、仕事帰りに安売りのパン屋に寄るという楽しみが出来ていた。

そこで働くバイトの青年も感じがよく、マオ族のラーニャにも分け隔てなく接してくれる。

だがある日、ラーニャが店で買い物を楽しんでいると、チンピラらしき若者たちが店内にやってきた。

彼らはラーニャを見つけると、追い出すように店主に詰めより、店主もそれに応じてラーニャを追い払おうとする。

チンピラと店主に腹を立て、自主的に店を飛び出すラーニャ。

追いかけてきたバイトの青年、エド曰く、彼らはこの町を牛耳るチンピラ集団とのことだった。

この町の地区長の息子がリーダーのため、警備隊も手出しが出来ないのだという。


 ムカつくが、町が違うから、もうそのチンピラとも会うことはないだろう。

ラーニャはそう思っていたが、翌日例のチンピラたちが、少女を拉致しようとしている所を目撃する。

チンピラたちをぶっ飛ばし、少女を救うラーニャ。

だが周りにいた町の人間は、余計なことをするなとラーニャを責めたてる。

「地区長の息子に何かしたら、どんな報復がある分からない」

だから少女が大人しく拉致されれば良かったんだと叫ぶ大人たちに、ラーニャはぶち切れた。

少女に詰めよる男を殴り飛ばし、文句があるならオレに言えと宣言する。


 ラーニャの宣言によってその場は収まったが、翌日、彼女は勤務先で脅迫状らしき物を受け取る。

チンピラのリーダーは昨日の報復に、ラーニャと顔見知りのエドを人質に取ったのだった。

言われた通りの場所に急ぐラーニャ。

そこには縛られたエドと、その祖母の姿があった。

這いつくばって謝るなら許してやると言うリーダーを、ラーニャは取り巻きごと瞬殺する。

だが次の瞬間、彼女はやってきた警備隊に捕まってしまった。


 鼻薬が聞いた警備隊に、マオ族の彼女の言い分が通るはずもなく、留置場へ入れられるラーニャ。

しかし翌日、信じられないことに、留置所へなぜかマドイがやってくる。

なんと彼は、先日の一件でラーニャに興味を抱き、彼女が捕まったと聞いてここまで助けに来たのだ。

ついでに腐りきった警備隊にもきつくお灸を据えておいたらしい。


 牢から出たラーニャは彼に王宮まで連れて行かれ、そこで二度目の魔導庁への勧誘を受ける。

今度は誰かへの嫌がらせではない、純粋な勧誘目的のそれを、ラーニャは受けることにしたのだった。


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