ダイエット1
めーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
見た目は、スリ……むなはず!中身は純情!だが、ある小金持ちの男の発言で衝撃的な真実が判明する!
それは、私が太って……ポッチャ……人よりもお腹周りなどが色々と大きいということ!
言われた当初は、「ちょっと何を言ってるかわかりません」と呆れてしまったが、学校の屋上の階段の踊り場にある雲っていない大きな鏡に写った姿を見て驚いてしまう。
「ははは……何だこのデ……ポッチャリは……全身が脂が乗り過ぎて、制服なんて、LLまでしかないのに、4Lくらいの特注サイズじゃないか……まるで入学時の私……はっはっはぁ。そんなことあるはずがなかろう!だってお風呂場の曇った鏡で見る私はスリムで誰もが憧れる1000年に1人の美少女なんだか……うう……ちくしょおおお!わかってんだよ!実は私がポッチャリだってことわな!」
ええ!わかっていましたとも!1話の時の冒頭でポッチャ……スリム!と言い直した時から気づいていましたとも!
でも、お風呂場の曇った鏡で見た時は、すげえスリムだったんですもん!
「ぢぐじょおおお!!」
私は、どこを目指して走っているかわからなかったが、一心不乱に走った!
「いらっしゃいませ。ご利用ありがとうございます。何になさいますか」
「ビッグハンバーガーのセットでコーラとポテトはLサイズでお願いします」
「かしこまりました。期間限定でチョコパイなどがございますが、如何でしょうか?」
「……お願いします」
「ありがとうございます。1,200円になります」
チャリーーン
「ありがとうございました」
気づいたら、片手にハンバーガー、片手にチョコパイを持ってもぐもぐしながら自室のベッドに腰掛けて食べていた。
「……っは!傷つき過ぎて思わず、いつものハンバーガーのお店の「はっぐ」に寄ってハンバーガーを買ってしまった……習慣とは恐ろしいものだな」
もぐもぐもぐもぐ
「ふお!このチョコパイはうまいな!また今度買うことにするか」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐ
「はぁ。お腹いっぱい。大満足だぁ……そういえば学校を途中で抜け出してきてしまったけど、どうしようかな……」
うーん?絶対に先生に怒られそうだなぁ……まあ、あのボーッとした担任のことだから、私がいなくてもバレることはないだろうから何とかなるかな……よし!なんだか疲れてるし、お腹もいっぱいになって眠いし、眠るzzzzz
私は、自室のベッドで静かに眠りにつく…
「うおい!コラァぁぁ!」
ぶぉん!ぶおん!と首を揺さぶられる。
「うおおお!!な、なんだぁぁぁ!」
「なんだじゃねぇぇ!前回、お前に揺さぶられ過ぎて、キラキラ(吐いてしまった)女神だ!」
皆さん。お忘れの方もいるかと思いますが、この物語の中でちょろっと出てきた、私が眠っている時に、「あなたの願いは叶います……」と以前に登場して、私にアドバイスをくれた自分のことを何度も「女神です!」と、ドヤ!顔で自己紹介していた痛い人です。
その自称「女神」は、私の頭から手をとって腰に片手を添えて、脚を肩幅に開いて「BEEL!」と書かれた缶を高く掲げて顔を赤く染めて一言……
「いいか!女神である私が為になるお告げをやるからよく聞け!」
女神は、自分の前にちゃぶ台と茹でた枝豆を出現させて、枝豆を食べながらビールを飲む。
「ぷはぁ!この瞬間があるからクソみたいな女神の役割もやれてんだよなぁ!」
お、おお……女神ってお酒が入ると、「あなたの願いは叶います……」とか優しいお淑やかな感じとは逆の性格になるんだな……何だか、私に近いものを感じるな……
それから女神は、「BEEL!!」を3缶飲んでから、「ムニャーー」とその場に寝転んでしまう。
女神が寝転ぶと近くに布団が現れたので、とりあえず布団をかけてあげることにした。
おお……布団をかけた瞬間に気持ちよさそうに寝始めたなぁ。いやぁ!いいことしたなぁ!いいことした後は気持ちがいい……
「わけねぇだろう!おい!前回は優しくてお淑やかそうにしてたくせに、アルコールが入った瞬間におっさんのような本性を現した駄女神!ありがたいお告げってのはどうなったんだよ!」
今度は、私がぶおん!ブォン!と女神の首を思いっきり揺さぶる。
「むニャーー」
それでも眠り続ける女神
「それでも100歩譲ったとしても、ボケの担当はわたしだろう!」
揺さぶりながら、耳元で大声で叫んでいると……
「ムニャって、うるせーー!……何だこのポッチャは……や、せ、ろ!」
この一言が女神の伝えたいお告げだったのかはわからないが、その一言を伝えられた次の瞬間に、自室のベッドの上で目を覚ます。
「……そりゃねぇだろう!もっと、こう!あるじゃねえか!女神の力を使って1000年に1人の美少女に姿を変化させて、いろんな金持ちの男を誘惑させるとかよーー!!」
大きな声で叫んでみるが、もう一度眠りについて女神が現れることはなかった。
「ま、いっか。あんな酔っ払いに頼らなくても1000年に1人の美少女になるくらい自力でできるわ!なんせうちの母ちゃんは近所でもちょこっとだけ美人?かもしれないで有名なほど顔が整っているからな!隠していたが、私も顔は母に若干似てると言われているからどうにかなるはずだ!」
かくして、私の戦いは始まった……
つづく……
いーーーーーーーーーーーーーーーーーーわーーわーーわをん