新たなターゲット 3
今回は暴力シーンなどがあります!
絶対に真似せんでくださいね!
「おはよう。今日も廊下に立っているんだね」
お婿さん(勝手に呼んでいるだけ)が私に爽やかに挨拶してくれる。
私は早速、最近まで必死で集めた情報を活かして作戦を決行する。
作戦その1、「お淑やか第一に」を決行する。
私の情報では、お婿さん(勝手に呼んでいるだけ)はどうやらお淑やかな人が好みらしいと情報を掴んだので、早速実践あるのみ!
「ふふふ……そうなんです。少し遅れたくらいで先生ったら、オケツのお穴がお小さいらしくて怒鳴るように立たされたのですよ。酷いとお思いになりません……あれ?」
ヤベェ!どう言う口調だっけ!昨日、あんなに漫画で勉強してきたのに!それに、私の大好きな推しがいるアニメ「お嬢様!あんなに言ったではありませんか!言葉責めをするなら私がいるではありませんか!!」のお嬢様の執事を務める、主人公のタリウス様!めっちゃ変態だけど、なんか好き!
そんな、タリウス様が喜んでいるとはいえ言葉責めが好きで、どんな場所でも言葉責めをしてしまうほどの根っからのドSお嬢様「メアリー」(めっちゃ気にくわねぇ!私のタリウス様を!)を参考に勉強してきたはずが!
「……」
急に黙ってしまった私をお婿さん(勝手に呼ばれていることを知らない)は、「どうしたの?」と心配そうに見つめてくる。
くそう!全然思い出せん!やはり、嫌いなものは覚えられなかったかぁ!そうか!メアリーなんかを参考にしたからだ!ちくしょう!メアリーの野郎!覚えてろよ!
私は全て関係のないメアリーのせいにすることで心の炎を落ち着ける。
こうなったら……「作戦その2!惚れ薬!」
そう!私の知能指数は保育園で止まっているので、作戦その2まで考えられたことが奇跡!2番目に最終手段の惚れ薬を持って来たぜぇ!どうだ?すごいだろう?
「何薬だって?」とお婿さん(になる予定)に聞かれる。
ヤベェ!!つい声に出てた!
「何でもありませんわ!」
お!お嬢様口調がここで復活したぁ!!
「そう?じゃあ、僕はそろそろ教室に行くね」
お婿さん(になる予定ではなくて、絶対にしてみせる!そして、生涯グータラ生活を手にして見せる!)が教室へ向かってしまう。
私は慌てて「ちょっ!待てよ!」と某有名アイドル風にお婿さん(長いからもう良いか!)を止める。
「何だい?」
お婿さんは私の強引な引き留めにも爽やかに対応して見せる。
くぅ!2次元でしか見たことないキラキラオーラを3次元で発動しやがった!
自分が夢を見ているのではないか?と疑ってしまうほど、お婿さんはキラキラオーラを放ってくる。
これは、夢か?
バシン!と自分の……ではなく、お婿さんの頬を叩いてみる。
「いった!何するんだい?」
く!何だと!キラキラオーラが消えないだと!
私はもう一度、バシン!と頬を叩いてみる。
「つ!さっきから何なんだい!」
すげぇ!怒ってるのにキラキラオーラが消えねぇ!
今度は4発頬を叩く。
ババババシン!
「ふっ!これでキラキラオーラも消えただろう……」
そんな台詞を吐きながら、お婿さんを確認すると、顔を腫らしながらも「酷いじゃないか!僕が何をしたって言うんだい!」と無様な顔を晒しながらもキラキラオーラだけは放っていた。
「く!何という強敵だ!我が攻撃をここまで受けても立っているとは!?我がライバルと認めてやる!名を名乗るが良い!」
と、最近新たにはまっているアニメのセリフを口にしてしまう。
「ふざけてるのかい!」
お婿さんの怒りが頂点に達して来た頃に、「おっと!いけないいけない。キラキラオーラを見るとついつい手を出したくなってしまう!悪い癖だ!」
バシン!ともう一度だけ叩いておく。
「っ!本当に僕が何をしたって言うんだい!」とお婿さんが泣き出してしまう。
それをみて、「うわぁ……」と引いてしまう。
まあ、いいか。とりあえず、養ってくれれば男らしくなくたって!私はなんて胸が広いのだろう!こんなに良い人間は世界にはいないのではないか?前世は女神だったに違いない!
「まあまあ。特に恨みはないです。とりあえずこれでも食べて期限を治してください!」とアニメの中でヒロインが主人公に食べさせたほれ薬を参考にして作った特製の「チョコ」を口に叩き込む。
「お!おごぉ!」
お婿さんはみっともない台詞を吐く。
お!キラキラオーラが消えたではないか!これは、私の完全勝利だな!あとは、私を養ってくれる人形になってくれるだけで良いんだよぅ。
「……甘い!あまーい!何だいこのチョコは!」
そう!アニメで、ヒロインが作っていた惚れ薬とは、市販のチョコを30倍に甘くした特製のチョコレート!
「君!一体、僕に何がしたいんだい!」
とお婿さんが怒り出してしまう。
「あれぇ?おかしいな?アニメではうまく主人公を落としていたのに、何で?」
「アニメ?落とす?何を訳のわからないことを言っているんだい!」
うーん?どうしよう?私そこまで悪いことしてないと思うだけどなぁ?ついついキラキラオーラに反応して手を出してしまっただけだしなぁ?
「まあ、いっか!作戦失敗ということで!このターゲットは失敗ということで!あ!バイトの時間だ!」
とお婿さん(になる予定だった)の前からとんずらする。
遠くから「おい!にげるなぁ!!!」ともとお婿さんが叫んでいる。
「まあ、学校を卒業するまでには半年あるから何とかなるっしょ!」
私の作戦は続く。
(みなさんは今回のようなことは真似しないように!現実では洒落になりません!)
続く……(怒られるかなぁ?)
この物語はフィクションです。