8話 勇者の親族
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ジャキリさんにエットの話をしてもらってから3日が経った。道中低級モンスターが何回か出てきたが、この程度なら俺一人で対処できたのでスムーズに進むことができた。そして何よりナラカの実力を見ることができた。
モンスターに対して火属性、風属性、水属性と様々な魔法を使い分けて倒していた。それに加えて複合魔法や魔法を同時に複数使っていた。
(すごい)
俺も一応は魔法を同時に使うことや、複合魔法を使うことはできるがナラカみたいに魔法の使える種類が多いわけではない。それなのにナラカは戦闘時にほぼ全属性の魔法を使っていた。
その後も難なく進むことができて、やっとエットが見え始めてきた。
(......)
なんかイメージと違うな。あのジェイクが育った街っていうぐらいだからもっと栄えていると思っていた。でも今目の前にしているのは細々としている小さな街。いや、街というより村って言うべきか。
そう思ったのはナラカも同じだったようでジャキリさんに質問していた。
「本当にここで勇者が育ったのですか?」
「やっぱり見た目だけだと貧しそうですよね。でも本当にここで勇者様が育ちましたよ」
「へ~」
だとするとエットにはよほど他の街と違うのかな?
エットに入ると歓声が上がった。すごいな。やっぱり当主が来るとここまで歓声が上がるのか。いや、違うか。ジャキリさんがきちんと市民に対して平等な扱いをしているからここまで歓声が上がるんだろう。
(だとするとジャキリさんはすごいな)
なんせエットは元々ジェイクのお父さんが当主をしていた街。その後を通継ぐということはそれなりにプレッシャーもあっただろう。それなのにここまで市民に歓迎されるということは努力した証だということが分かる。
馬車がそのままジャキリさんの屋敷に入る。
「ではここまででクエスト完了ですね」
「はい。ありがとうございました」
「すぐにエットから立ってしまうのですか?」
まだそこに関しては決めていなかったため、ナラカの顔を見る。するとナラカは少しワクワクしたような顔をして言う。
「まだ決めていませんよ」
「そうですか。では本日私の屋敷に泊って行きませんか?」
「いいのですか!」
ナラカの声が少し上がった。
「はい。ここまで来ていただいたのでゆっくりして行ってもらいたいですし」
「「ではお言葉に甘えさせていただきます」」
俺とナラカはそう言うと使用人さんがお互いの部屋に案内してくれる。
「フィンやったね!」
「あぁ......」
エッタにいるってことはジェイクのことを思い出してしまうってこと。だからあまり居たくないんだけど、ナラカがここまで楽しみにしているのにそんなこと言えないよな......。
「じゃあさ! 今から少しこの街を見て回ろうよ!」
「いいよ」
すると手を引かれて街に出る。そこからエッタを軽く見て回るとナラカが話し始めた。
「私って王族じゃない? だからこういう街に来たことがなかったんだよね」
「そうなんだ」
言われてみればそうか。ナラカは王族だから住んでいた場所も栄えているってことだよな。
「フィンが住んでいた場所はどうなの?」
「俺はナラカと会った場所が故郷だから見たまんまだと思うよ?」
「え? あそこなの! じゃあエッタは新鮮じゃない?」
「まあね」
新鮮ね? まあジェイクの故郷って知らなければ新鮮だったよ。その後も軽い雑談をしながら歩いているとある一人の女性に話しかけられた。
「突然話しかけてごめんね? あなたたちはジェイクを知ってる?」
「はい」
あ~、やっぱりこうなるよな。ジェイクのことを知っている人に話しかけられるなんて目に見えてたよ。
「私、ローリラ・フローレスっていうの」
フローレスってもしかして......。そう思うとすぐにローリラさんが言う。
「ジェイクの母です。ジェイクの話を聞かせてはもらえないかしら?」
やっぱりジェイクのお母さんだったか......。
(よりにもよってなんでジェイクの親族と会うんだよ)
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外れスキル【預言者】になった途端、幼馴染に追放され勇者パーティに入ってしまったので、エルフの王女と最強を目指す。今更パーティに入れてくれ? もう遅いかもよ?
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