7話 勇者の故郷
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依頼主のところにナラカと一緒に向かうと、そこには身分の高そうな人が馬車に乗っていた。
(Bランククエストだから予想はしていたけど、ここまで身分が高そうな人とは)
今まで受けてきたBランククエストの護衛は商人が多かった。でも依頼主の身なりを見る限り貴族だとわかる。俺たちに気付いたのかこちらに赴いてくれる。
「この度、護衛依頼を受けていただきありがとうございます」
すぐさま俺とナラカが挨拶をする。
「はい。よろしくお願いいたします。Aランク冒険者であるフィン・エンワードです」
「ナーカ・レントです。よろしくお願いいたします」
「男爵家当主---ジャキリ・クリケッタと申します。では早速よろしくお願いいたします」
「「はい」」
ジャキリさんの馬車に乗り、目的地に向かう。今回の目的地はここから1週間程で着く街---エット。エットはシュットガルド王国から1週間程で着く場所にあるため、本当に俺たちには良クエストであった。
今回馬車に乗っているのはジャキリさんとその使用人1人、そして俺とナラカの4人だ。使用人さんが馬車を運転してくれているため、俺とナラカの2人で護衛に務める。
(そう言えばナラカって何ができるんだ?)
ふと疑問を感じた。なんせまだナラカが戦闘時どんなことができるのか知らないのだから。今知っているのは巫女であることだけ。それも確実な未来が見えるわけではなく、ごくまれに未来予知ができるということ。
(うーん。このままだと俺だけで戦うことも視野に入れとかなくちゃな)
一応はナラカに何ができるか聞いてみる。
「ナラ、ナーカは戦闘の時何ができるの?」
やべ。本当の名前をいう所だった。
「一応全属性の魔法は使えるわよ?」
「え?」
全属性の魔法が使える? それってすごすぎないか? 理論上全属性の魔法を使うことはできるけど、そこまで行くのにたゆまぬ努力が必要なはずだ。なんせ自分の得意魔法とは真逆の属性を覚えるのは至難の業だから。
俺なら風属性の魔法が得意だけど、土属性の魔法は使うことができない。今の俺だと土属性の魔法を使うのがどれだけの年月かかるか見当もつかない。だからこそ全属性の魔法が使えるってことがどれだけすごいことなのかわかる。
「逆にフィンは使えないの?」
「いや、普通は全属性使える人なんてそう滅多にいないと思うよ?」
するとキョトンとした顔をした。
「そうなの?」
「あぁ。逆にナーカがすごすぎるんだよ」
その後も魔法の話をしていると、不意にジャキリさんが話しかけてきた。
「お二人は次行く街---エットのことをご存じですか?」
「いえ」
「エットは今でこそ私が治めている街ですが、一時期は勇者様が治めていた街なのですよ」
その言葉に俺とナラカは驚く。ナラカは俺に疑問そうな顔をしてきたが、俺も知らなかったため首を横に振る。
(いつだ?)
ジェイクが治めていた街? あいつと仲間になったのはここ2年程前だ。でもその時のあいつはそこまで強くなかったはず。ならどうやって治めていたんだ? そう思っているとジャキリさんが言ってくれる。
「エットとは現勇者の御父上が治めていた街です。そして現勇者の故郷でもあります」
(は?)
今向かっている町がジェイクの故郷......。
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