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5話 勇者の罵倒

ジャンル別12位ありがとうございます。これも皆さまが応援してくださっているおかげです。


 ナラカ様が顔色を窺がってきた。


「一応元パーティメンバーで、勇者でもあります」


「そうなのですね」


 するとジェイクが嘲笑いながら言ってきた。


「フィン。お前に仲間ができるなんてな!」


 そう言ったのを元パーティメンバー2人がジェイクに続くように笑い始めた。


「うん」


 俺に仲間ができて何が悪いんだよ! 下を向いている時、ジェイクが嫌味ったらしくナラカ様に言う。


「忠告しておくよ。あなたが仲間にしたフィンってやつは役立たずだから、早めに違う仲間を探した方がいいですよ」


(なんで俺の邪魔してくるんだよ......)


 別にそんなこと言わなくたっていいだろ。俺がお前たちに何したっていうんだ。なんで俺の不利益なことを言うんだよ......。


 そう思っていたが、ナラカ様はジェイクが言ったことに対して、関心がなさそうに返答した。


「そうですか。ですが私がこの人と組みたいと思ったのでお気になさらず」


「あ~そうですか」


 ナラカ様に対して嫌味たらしく言ってきた。


「はい」


 するとジェイクたちがギルドにいる人たちに大声で言う。


「ここにいるフィンってやつは無能なのでパーティは組まない方がいいですよ! 勇者である俺が言うのですから!」


 その言葉にギルドにいる人たちがざわつき始めた。


(なんで......)


 そこまで俺はお前に嫌われることをしたか? 今まで一生懸命パーティに貢献してきたつもりだし、そこまで仲が悪かったとも思わなかったのに......。そう思った途端、徐々にジェイクに憎しみを感じてきた。それと同時に悲しくもなった。


「私たちはもう行きますね。では」


(え?)


 俯いていた俺をナラカ様は手を引いてギルドを後にした。手を引かれるがままナラカ様と一緒に歩き始める。やっと我に返ってナラカ様に聞く。


「なんでここまでしてくれるの?」


 さっきジェイクが言った通り、勇者パーティ内で無能と言われていた。だったら俺よりもジェイクに頼った方がいいと思う。勇者という肩書もあるし、実力も保障されている。客観的にどこの馬の骨かわからない俺なんかより、よっぽどジェイクの方が信頼がおける。


「あなたが私を導いてくれるとお告げがありましたからあなたを信じますよ?」


「それでもジェイクの方が信用できるじゃないですか!」


 大声をあげてしまう。お告げがあったからって俺とパーティを組むのとじゃ違うじゃないか。絶対にジェイクと組んだ方がいい。


(クソ。こんなこと思いたくもないのに)


 考えれば考えるほどマイナスの考えになってしまう。するとナラカ様は俺の額にデコピンをしてきた。


「は~。わかっていませんね。私だってお告げがあったからって信用する人とそうでない人の区別ぐらいしますよ。でもフィンは私たちを助けてくれたじゃないですか! あそこにいた人たち全員フィンに感謝していると思いますよ? それは私も同じです。だから肩書だけのジェイクさんより、信用できると思ったフィンさんを選んだまでですよ」


「......」


 そこまで俺の事を考えていてくれたのか。そう思った途端、今まで考えていたのが恥ずかしくなった。


(肩書だけの人より、自分が信用できる人か......)


 初心を忘れていた。俺だってこの前まで上位冒険者よりも仲間を信用していた。だけどパーティを追放されてからそのような感情が無くなって来ていた。


「ありがとう。それと気づかせてくれてありがとう。俺もナラカ様を信じるよ」


「えぇ。後ナラカ様じゃなくてナラカですよ? いいですねフィン?」


「あぁ。よろしくなナラカ」


「はい。じゃあクエストを受けに行きましょうか」


 そう言いながらナラカは俺の手を引きながら受付人がいるところまで一緒に歩き始めた。


(もう一度だけ。もう一度だけ人を信じてみようかな)


 信用できなくなりかけていたけど、もう一度だけナラカのことを信用してみようと思えた。

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外れスキル【預言者】になった途端、幼馴染に追放され勇者パーティに入ってしまったので、エルフの王女と最強を目指す。今更パーティに入れてくれ? もう遅いかもよ?

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