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2話 奴隷王女


 冒険者ギルドに向かいクエストを探す。


(BやAのような上位クエストは一人じゃリスクが高いしな......)


  仲間が何人かいれば上位クエストも難なくクリアすることができたと思う。でも今の俺だと複数体出てきたらリスクが高すぎる。


 現状、時間停止タイムズ・ロックを使うことができるのは10秒間。そのうちに殺すことができるのはせいぜい2体が限界だ。それに加えて、敵を殺すということは敵の陣地に入るということ。もし敵の陣地で時間停止タイムズ・ロックが止まったらと思うとリスクが高すぎた。それにもし三体以上出てきたら? そう思うと上位クエストを受ける勇気が出ない。


(は~)


 俺はそっとDランククエストの紙をクエストボードから取り、受付嬢に渡す。


「フィンさんお久しぶりです。本日はDランククエストを受けるのですね」


「はい。よろしくお願いします」


「わかりました。それにしてもジェイクさんたちはどうしたのですか?」


 受付嬢に聞かれたくないことを聞かれてしまい、ビクッとしてしまう。


「あはは......。もうジェイクたちとはパーティを組んでないんですよ」


 真実を伝える。ここで嘘をついたところでいずれはバレてしまう。だったら最初から言った方がいいと思った。


「そうなのですね......。フィンさんが抜けるってことはジェイクさんたちも大変になりますね」


「え? なんでそう思うのですか?」

 

 受付嬢から言われた言葉に驚く。時間停止タイムズ・ロックが使えない俺なんて、ただの魔法使い。せいぜい上級魔法使いだ。そんな俺が抜けて困るなんて思うはずがないんだけど......。


「まあなんとなくなんですが、ジェイクさんが表の軸ならフィンさんが裏の軸だと思っていたので」


「はぁ......」


 そう思ってくれていたのか。でも俺が裏の軸ね......。


「まあそんなことより頑張ってくださいね!」


「はい。では行ってきます」


 受付嬢と話しを終わらせ、討伐するモンスター---レッドリザードがいる場所に向かい始める。こいつがいる場所はここから数時間ほどで着く峠。


 俺は何度か低級モンスターと戦いつつ峠に到着する。そこから1時間ほど探し、やっとレッドリザードを発見する。


(2体か......)


 ホッした。レッドリザードが4体とかなら流石に違う場所にいる奴にしようと思ったが、2体なら何とかなると思いすぐさまレッドリザードに近づく。


 あたり一面崖になっているため、密かに近づくことができる場所で助かった。そしてレッドリザードまで50メートルほど近づいたところで、俺は攻撃を始める。


 まず最初に風切エア・カッターを使い、一体目のレッドリザードの尻尾を斬る。すると叫び声が聞こえたところでもう一体のレッドリザードが俺に攻撃を仕掛けてきた。


 その瞬間、時間停止タイムズ・ロックを使い時間を止める。あたり一面が白黒の世界になる。


(さっさとやろう)


 攻撃を仕掛けてきたレッドリザードの首を短剣で斬り落とす。そしてもう一体のレッドリザードと少し距離を取ったところで時間停止タイムズ・ロックが切れる。


 レッドリザードの死体をもう一体が目の当たりにして、キョロキョロし始めていた。それを見逃さず火と風の複合魔法---火風ファイアー・ストームを使い焼き払う。


 レッドリザードは火属性の耐久がある。だが、火属性は風属性と相性が良いので複合魔法で焼き払うことができた。


(まあ初戦にしては上々だよな)


 それにしても時間停止タイムズ・ロックがジェイクたちに気付いてもらえなかったとはな。そう思いだすと流石に堪えた。


 少し休憩して街に戻ろっている時、止まっている馬車がオークに襲われていた。馬車を守ろうとしている人たちが続々と殺されて行っていた。


(やばい!)


 体が勝手に馬車の方向に動いていた。すぐさま馬車に駆け寄り、一体のオークを風切エア・カッターで真っ二つにする。だが馬車の方に三体のオークが駆け寄って行くのが分かり、時間停止タイムズ・ロックを使う。


 オーク二体の首を斬り落としたところで時間が切れる。するとオークはレッドリザード同様驚いていたが、先程と違い迷いなく馬車を壊し始め、中にいる一人の女性をオークが殴りかかっていた。


(クソ!)


 とっさに時間停止タイムズ・ロックを使い、オークに短剣を刺し殺す。


(う......)


 流石に時間停止タイムズ・ロックを連続で使うと体に来る。


 それにしてもこれで大丈夫だよな? そう思い馬車の中にいた人たちを見る。


(!?)


 全員が顔が細々細しく、手錠をされていた。は? どう言うことだよ。なんで手錠? 俺はすぐさま全員の手錠を外すと一人の女性が話し始めた。


「あぁ。この人がお告げにあった人ですね」


「え? お告げ? それよりもなぜ手錠を?」


 するとオークに殺された人たちを見ながら


「外にいる人たちは奴隷商人です」


(奴隷商人......)


「私はシュットガルド王国第三王女です。もしよろしければ王国まで一緒にパーティを組んではいただけませんか?」


「え?」


 この提案が俺の人生を大きく変えるのにまだ気づいていなかった。

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外れスキル【預言者】になった途端、幼馴染に追放され勇者パーティに入ってしまったので、エルフの王女と最強を目指す。今更パーティに入れてくれ? もう遅いかもよ?

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