1話 追放
新作を書きました。
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「フィン、無能はこのパーティにいらない」
「え? なんで......」
「お前が無能だからって言ってるじゃないか!」
勇者---ジェイクから追放を言い渡された。俺が無能? いままで時間停止で勇者パーティを何度も助けていたのに、無能でいらないいなんてあんまりすぎないか......。
「無能って......。俺はこのパーティでそれなりに貢献していたはずだけど......?」
後ろめたさはないが、ここまで強気に言われてしまっているため圧倒されてしまった。
「貢献ね。まあお前が雑魚敵とかを倒してくれていたのは助かっている。だけどそんなこと誰だってできるだろ?」
そうじゃない。
「前から話していたけど固有魔法---時間停止でパーティが危機的状況の時、助けていたじゃないか」
「時間停止? それは嘘だろ。平民であるお前が時空魔法を使えるはずないし、それを俺たちが確認したことがあったか?」
「......」
平民とか関係ないだろ。それに時間停止は時間が止まるのだから俺以外確認することができないのも当然だろ。
「ほら見ろ。それに今このパーティは乗りに乗っているところだ。それこそ王族とかと話す機会とかがある。そこに平民がいると困るんだよ」
「平民がいると困る? だったらなんで俺をこのパーティに入れたんだよ!」
そうだ。平民とか言い出すんだったら最初からこのパーティに入れさせなければよかったじゃないか! 今更そんなこと言われても遅いじゃないか。
「あのころは人手が必要だったからな。でも今は違う。名誉も手に入れ始めている。今のパーティならお前以上の魔法使いがいるのが当然だ」
「でも危機的状況を助けたのは事実だろ!」
時間停止が分からなくても、危機的状況を助けていたのは事実だ。
「それはお前が運よくそこにいたからだよな? そんなのお前じゃなくていいじゃないか」
「......」
そこまで言われたら何も言い返せなかった。そう思った瞬間、こいつには何を言っても無駄だとわかった。
「じゃあ抜けさせてもらうよ」
「そう言ってくれて助かるよ。お前に払っていた金すらもったいなかったからな。でも平民のお前が野垂れ死にされるのは困るからこれぐらいはしてやるよ」
そう言われ小包いっぱいに金貨が入っていた。
こうしてフィンは勇者パーティを追放されることになった。
フィンのことを無能、平民という目でしか見ていなかったジェイクたちは、危機的状況を誰のおかげで助けられてきたのか、そして名誉がここまで増え始めていたのを理解していなかった。
ここからジェイクたち勇者パーティが没落して行き、後悔することをまだ知らなかった。
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