11 エルクレイ様とのお見合い
朝食後、皆でお掃除中なんだけど毎日清潔を保っているのもあり直ぐに終わった。
まあ、毎日掃除しているんだし当たり前だよね。
エルクレイ様が来る時間だ、凄く『ドキドキ』して心臓が壊れそう。
「皆ーー、来たよーーーーっ!」
突進するかのような勢いでティンキーが皆のところへ笑顔でやって来た。
ティンキ-が挨拶したあと、獣人やエルフ、魔族の方々が入って来て最後にエルクレイ様が入って来た。
デュラハンであるエルクレイ様は、貴族が着る様な服に頭を片手で抱えているのを見て、私は微笑みながらエルクレイ様の視線に合う様に屈んで話した。
「初めまして、お会いできて光栄です。
私はココネです。
あっ、すみません!
立って話すのが普通ですよね、これじゃあ不敬になりますよね」
私は立って頭を下げたままだったが、エルクレイ様に微笑まれて優しく話してくれた。
「不敬なんて事ないよ。
俺と目線を合わせて話してくれたのは、ココネが初めてだ。
凄く嬉しかったよ、ありがとう」
私は顔が熱くなり、きっと真っ赤になってるよ。
立たせたままは駄目だよね。
食堂に案内しなくちゃ。
「エルクレイ様、こちらへどうぞ。
お顔はテーブルの上に置く?
ではないよね、えっと、座って下さい? かな」
テーブルの上に、私のポケットから出したハンカチを置いた。
私はずっとニコニコしながらエルクレイ様の仕草を見ていた。
エルクレイ様とは無言が続いていたが、私が「クスクス」と笑ったと同時に話が弾みだした。
「エルクレイ様は普段何をしているんですか?」
「そうだな、政務だな。
ココネは何をしているんだい?」
「私は、宿の皆と話したり、宿のちょっとしたお手伝いやお昼寝かな?
エルクレイ様は、お休みの日は何をしているんですか?」
「そうだな、政務かな」
「じゃあ、連休中とかは何をしているんですか?」
「うむ、政務……だな」
「エルクレイ様、政務は大切ですが身体を壊しちゃいますよ?
提案なんですが、お休みの日はここへ来て下さい。
私が肩を揉んだりリラックス出来るように準備しておきます。
駄目……でしょうか?」
エルクレイ様の顔が真っ赤だ!
真っ赤な顔を見て、私の顔まで真っ赤になってしまった。
「ココネ、ありがとう。
お見合いの話は、進めても良いかな?」
「勿論です。
私、エルクレイ様と話すのが楽しくて毎日でも話したいくらいです」
私がニッコリと微笑むと、エルクレイ様は真っ赤な顔をして照れている。
私も照れているんだけどね。
だってエルクレイ様がイケメンすぎるのもあるけど、内面が凄く優しくて後ろに控えてる方々を見ると分かるわ。
この方は誰にでも優しいってわけではなくて、内側を見て判断してるんだなって思うと、何て言うか好きになってしまったみたいです。
「失礼します。
ミルクティーとココネの手作りスコーンです」
「サーシャ、ありがとう」
エルクレイ様もサーシャに微笑んでいた。
「サーシャ、君の心も綺麗だね。
ティンキーが世話になった、ありがとう」
「そんな、お礼だなんて滅相もございません。
私の方こそありがとうございます。
失礼致します」
サーシャってば顔が真っ赤だ、私もなんだけどね。
私にウインクして調理室に戻って行った。
「エルクレイ様、カスタードとイチゴジャムがあるのですが、どちらが良いですか?」
エルクレイ様の目がキョロキョロしていたので、私は一言「失礼します」と言って、顔を持ち上げて見えやすいようにした。
「エルクレイ様、見えますか?
この赤いのがイチゴジャムで、こちらの淡い黄色なのがカスタードです。
オススメはカスタードです」
「うむ、ではカスタードを頂こう」
エルクレイ様の顔を私の近くに置き、カスタードを付けたスコーンを「どうぞ」と言って食べてもらった。
「ココネの手から頂いた菓子は美味しいな!
んっ、ココネの指にカスタードが……」
エルクレイ様が私の指を舐めた瞬間、声を出して固まってしまった。
「ひゃっ!」
「ココネ、次はミルクティーを……」
エルクレイ様は言いかけていたが、宰相や大臣、執事に『んんんっ! ゴホンッ!』と暴走しかけたエルクレイ様を止めてくれた。
「お顔を元の位置に戻しますね」
戻したあと直ぐに、エルクレイ様が頭を自分でつけて、私に微笑みながらミルクティーを飲んでいた。
「エ、エルクレイ様が凄く格好良くて、直視が出来ません。
す、好きになっちゃいそうです!」
私の顔は真っ赤で、俯いていた。
「ココネ、ありがとう。
その言葉だけでも凄く嬉しいよ!
俺はココネと会い、話して分かった。
俺もココネの事が大好きだ」
私は顔を上げて、エルクレイ様を見つめて微笑んだ後。
「私もエルクレイ様の事が、大好きです。
お見合いして良かったなと改めて思いました。
これからも宜しくお願いします」
隣国アリーシオンの家臣達は微笑んで見守っていた。
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
と思ってくれたら
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