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Chapter6卒業編♯49 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海

向日葵が教えてくれる、波には背かないで


Chapter6卒業編 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


登場人物


滅びかけた世界


ナツ 16歳女子

ビビリな面も多く言葉遣い荒い。勤勉家。母親が自殺してしまい、その後は一人で旅を続けていたがスズと出会い行動を共にするようになった。


スズ 15歳女子

マイペース、ナツと違い勉強に興味なし。常に腹ペコ。食べ物のことになると素早い動きを見せるが、それ以外の時はのんびりしている。

ナツと共に奇跡の海を目指してやって来た。


老人 男

ナツの放送を聞いて現れた謎の人物。元兵士の男。緋空浜の掃除を一人でしている。Narumi Kishiと彫られたドッグタグを身に付けているがその正体は・・・


中年期の明日香 女子

老人ともう一人の兵士を見送りに来た、中年期頃の明日香。


七海 女子

中年期の明日香と同じく、老人ともう一人の兵士を見送りに来た少女。年齢は15、16歳。


老人と同世代の男兵士1 男子

中年期の明日香、七海に見送られていた兵士。老人、レキ、男兵士2と同じ隊に所属していた。


レキ 女子

老人たちと同じグループの若い女兵士で、年齢は25歳前後。老人、男兵士1、男兵士2と同じ隊に所属していた。老人とは親しかった様子。


老人と同世代の男兵士2 男子

中年期の老人、男兵士1、レキと同じ隊に所属している兵士。






滅んでいない世界


貴志 鳴海(なるみ) 18歳男子

波音高校三年三組、運動は得意だが勉強は苦手。無鉄砲な性格。両親を交通事故で失っている。歳の離れた姉、風夏がいるが仕事で忙しいため実質一人暮らし状態である。文芸部副部長。 Chapter4の終盤に菜摘と付き合い始めた。


早乙女 菜摘(なつみ) 18歳女子

波音高校三年三組、病弱で体調を崩しやすい、明るく優しい性格。文芸部部長。鳴海と付き合っている。生徒会選挙の直後に原因不明の病に襲われ、現在は入院中。


白石 嶺二(れいじ) 18歳男子

波音高校三年三組、鳴海の悪友、不真面目なところもあるが良い奴。文芸部のいじられキャラである。高校卒業後は上京してゲームの専門学校に通うことを考えている。


天城 明日香(あすか) 18歳女子

波音高校三年三組。成績も良くスポーツ万能、中学生の時は女子ソフトボール部に所属していた。ダラダラばかりしている鳴海と嶺二を何かと気にかけては叱る。文芸部部員。夢は保育士になること。最近は受験前のせいでストレスが溜まっている。なんだかんだで響紀とは良い関係。


南 汐莉(しおり)15歳女子

波音高校に通っている一年生、文芸部と軽音楽部の掛け持ちをしている。バンド”魔女っ子少女団”のメインボーカルで歌とギターが得意。20Years Diaryという日記帳で日々の行動を記録している。Chapter5の終盤に死んでしまう。


一条 雪音(ゆきね)18歳女子

波音高校三年三組、才色兼備な女生徒。元天文学部部長で、今は文芸部に所属。真面目な性格のように見えるが・・・


柊木 千春(ちはる)女子

Chapter2の終盤で消えてしまった少女で、嶺二の想い人。


三枝 響紀(ひびき)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のリーダー兼リードギター担当。クールで男前キャラ、同性愛者、 Chapter3で明日香に一目惚れして以来、彼女に夢中になっている。


永山 詩穂(しほ)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のベース担当。基本はマイペースだが、キツい物言いをする時もある。


奥野 真彩(まあや)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のドラム担当。バンドの賑やかし要員。


早乙女 すみれ45歳女子

菜摘の母、45歳には見えない若さ美しさを保つ。優しい、とにかく優しい。


早乙女 (じゅん)46歳男子

菜摘の父、菜摘とすみれを溺愛しており二人に手を出そうとすれば潤の拳が飛んでくる。自動車修理を自営業でやっている。永遠の厨二病。


神谷 志郎(しろう)43歳男子

波音高校三年の教師。鳴海、菜摘、嶺二、明日香、雪音の担任。担当教科は数学。文芸部顧問。Chapter5の終盤に死んでしまう。


荻原 早季(さき)15歳女子

Chapter5に登場した正体不明の少女。


貴志 風夏(ふうか)24歳女子

鳴海の6つ年上の姉、忙しいらしく家にはほとんど帰ってこない。智秋と同級生で親友関係。いつの間にか看護師の仕事を始めている。


一条 智秋(ちあき)24歳女子

雪音の姉。妹と同じく美人。謎の病に苦しんでいたがChapter3の終盤にドナーが見つかり一命を取り留めたものの、再び体調を崩し現在は入院中。


双葉 篤志(あつし)18歳男子

波音高校三年二組、天文学部副部長。雪音とは幼馴染み。


有馬 (いさむ)64歳男子

波音町にあるゲームセンター“ギャラクシーフィールド”の店主。千春が登場したゲーム、”ギャラクシーフィールドの新世界冒険”の開発者でもある。なお現在の”ギャラクシーフィールド”は儲かっている。


細田 周平(しゅうへい)15歳男子

野球部に所属している一年生。Chapter5では詩穂に恋をしていた。


貴志 (ひろ)

鳴海の父親、事故で亡くなっている。菜摘の父、潤と高校時代クラスメートだった。


貴志 由香里(ゆかり)

鳴海の母親、事故で亡くなっている。菜摘の母、すみれと高校時代クラスメートだった。


神谷 絵美(えみ)29歳女子

神谷の妻。Chapter5では妊娠していた。


波音物語に関連する人物






白瀬 波音(なみね)23歳女子

波音物語の主人公兼著者。妖術を使う家系『海人』の末裔、そして最後の生き残り。Chapter4の終盤、妖術を使い奈緒衛の魂を輪廻させ、自らの魂も輪廻出来るようにした。


佐田 奈緒衛(なおえ)17歳男子

波音の戦友であり恋仲。優れた剣術を持ち、波音とは数々の戦で戦果をあげた。Chapter4の終盤に死んでしまった人物。


(りん)21歳女子

波音、奈緒衛を慕う女中。緋空浜の力を持っており、遥か昔から輪廻を繰り返してきた。波音に輪廻を勧めた張本人。体が弱い。奈緒衛と同じくChapter4の終盤に死んでしまった人物。


明智 光秀(みつひで)55歳男子

織田信長と波音たちを追い込み凛を殺した。


織田 信長(のぶなが)48歳男子

天下を取るだろうと言われていた武将。


一世(いっせい) 年齢不明 男子

ある時波音が出会った横暴で態度の悪い男。

Chapter6卒業編♯49 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


◯1615貴志家リビング(日替わり/朝)

 外は快晴

 時刻は七時半過ぎ

 テーブルの上に置き手紙がある

 置き手紙には“二度目の朗読劇!!悔いが残らないように最後までガンバレ!!”と書かれている

 制服姿で椅子に座って置き手紙を見ている鳴海


鳴海「(置き手紙を見ながら)悔いが残らないように、か・・・やってやるさ・・・」


◯1616緋空寺/波音の部屋(500年前/日替わり/朝方)

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音と一世

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机の上には菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)と書きかけの波音物語/波音の手記が置いてある

 畳に座って話をしている波音と一世


一世「手記だけ残せば良いんだな」

波音「うむ・・・村で保管しといてくれ」


 波音は机の上に置いてあった菜摘の手紙を手に取る

 菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を一世に差し出す波音


波音「(菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を一世に差し出したまま)この文は私と共に燃やすのだ」


 一世は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を波音から受け取る


一条「死ぬのか、波音」


 波音は頷く


波音「一世よ、日を跨ぐまでこの部屋には何人たりとも通すな。お主であっても立ち入ることは禁ずる」

一世「明日の早朝にてめえの仏を迎えに行きゃあ良いんだろ」

波音「ああ」

一世「波音、妖術で村の連中の幸福を願いやがるんじゃねえだろうな」

波音「そなたが皆の生活を影ながら支えてくれるのだから、私が幸福を望む必要などあるまい」


 少しの沈黙が流れる


一世「てめえは今から何をするんだ?」


 波音は咳き込む


波音「(咳き込みながら)ゲホッ・・・波音物語に妖術をかけて・・・魂の壁を壊す・・・ゲホッ・・・愛する者たちのためにな・・・」


 再び沈黙が流れる


波音「もう行ってくれ・・・一世・・・」


 立ち上がる一世


一世「世話になったな」


 一世はふすまを開けて、波音の部屋から出て行く 

 波音は机に向かって座り直す


◯1617波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の上手側ステージ袖にいる鳴海、菜摘、明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 ステージの上では吹奏楽部のクラシックコンサートが行われている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海、明日香、嶺二、汐莉、雪音は朗読劇用の波音物語を持っている

 一般生徒たちのことを見ながら話をしている鳴海、菜摘、明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩


嶺二「(一般生徒たちのことを見ながら)少ねーな・・・」

明日香「(一般生徒たちのことを見ながら)そうね・・・」


 少しの沈黙が流れる

 一般生徒たちのことを見るのをやめる鳴海


鳴海「みんな」


 菜摘、明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩が一般生徒たちのことを見るのをやめる


鳴海「俺たちはこれ以上ないほどに追い込まれているが・・・楽しまなきゃ今日まで続けて来た意味がない・・・だから、みんな楽しむんだ。お客さんが少なくても、部活の宣伝にならなくても、今を楽しんで過ごそう」


 再び沈黙が流れる


汐莉「鳴海先輩、パクりました?」

鳴海「えっ?」

汐莉「菜摘先輩が一回目の朗読劇の時に、私たちに本番を楽しんで欲しいって言って、次に一昨日の私が本番を楽しもうって言ったと思うんですけど、先輩は今その二つをパクりましたよね?」

鳴海「あー・・・」


 少しの沈黙が流れる


詩穂「汐莉と菜摘さんの名言をパクったんだ」

鳴海「ぱ、パクってはない」

菜摘「リメイクしたんだよね、鳴海くん」

鳴海「リメイクって・・・まるで映画だな・・・」

嶺二「どっちかっつーとオマージュじゃねえのか?」

明日香「どっちかも何も、丸々オマージュしちゃってるでしょ・・・」

真彩「やっぱパクったってことっすね・・・」


 再び沈黙が流れる


鳴海「そうだよパクったんだよ・・・」

響紀「吹っ切れて開き直りやがりましたか・・・」

鳴海「しょ、しょうがないだろ。な、菜摘と南の言ってた通り楽しむのが一番だと思ったんだ」

雪音「これで失敗したら終わりだしね」

鳴海「だ、だから楽しみつつも出来るだけ良い合同朗読劇を作り上げような」


 少しの沈黙が流れる

 菜摘が右手を正面に出す


菜摘「(右手を正面に出したまま)みんな!!気合入れよっか!!」

鳴海「お、おう」


 鳴海は右手を正面に出し、菜摘の右手の上に乗せる

 汐莉が右手を正面に出し、鳴海の右手の上に乗せる

 嶺二が右手を正面に出し、汐莉の右手の上に乗せる

 明日香が右手を正面に出し、嶺二の右手の上に乗せる

 響紀が右手を正面に出し、明日香の右手の上に乗せる

 詩穂が右手を正面に出し、響紀の右手の上に乗せる

 真彩が右手を正面に出し、詩穂の右手の上に乗せる

 雪音だけ右手を乗せていない


菜摘「(右手を正面に出したまま)雪音ちゃん」


◯1618緋空寺/一世の部屋(500年前/朝方)

 ◯1616の続き

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる一世、一世の妻、一世の娘二人

 狭い和室に布団を敷き、その上で眠っている一世の妻と一生の娘二人

 一世の妻は◯1606で一世に金槌を奪われ、緋空寺の壁の修理を代わりにやってもらった女

 一世の娘二人はまだ5歳以下

 一世は布団の上で横になっているが、眠っていない

 一世は横になりながら直径1cmほどの小さなビー玉を見ている

 一世が見ているビー玉は赤色、青色、黒色が混ざっている

 一世が見ているビー玉は、◯1588で雪音がポケットから取り出し、鳴海、菜摘、明日香、嶺二に見せたビー玉と完全に同じ


菜摘「(声)雪音ちゃんも私たちと一緒に合同朗読劇を楽しもう?」


◯1619波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の上手側のステージ袖にいる鳴海、菜摘、明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 ステージの上では吹奏楽部のクラシックコンサートが行われている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海、明日香、嶺二、汐莉、雪音は左手に朗読劇用の波音物語を持っている

 菜摘は右手を正面に出している

 菜摘の右手の上に鳴海が右手を乗せている

 鳴海の右手の上に汐莉が右手を乗せている

 汐莉の右手の上に嶺二が右手を乗せている

 嶺二の右手の上に明日香が右手を乗せている

 明日香の右手の上に響紀が右手を乗せている

 響紀の右手の上に詩穂が右手を乗せている

 詩穂の右手の上に真彩が右手を乗せている


嶺二「(汐莉の右手の上に自分の右手を乗せたまま)早くしろよ、雪音ちゃん。全員おめえのことを待ってるんだぞ」


 少しの沈黙が流れる

 雪音は右手を正面に出し、真彩の右手の上に乗せる


鳴海「(菜摘の右手の上に自分の右手を乗せたまま大きな声で)全力で楽しむぞ!!!!」

菜摘・明日香・嶺二・汐莉・雪音・響紀・詩穂・真彩「(右手を上げて大きな声で)おー!!!!」


 時間経過


 ステージの上に鳴海、明日香、汐莉、雪音が朗読劇用の波音物語を持って立っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 鳴海、明日香、雪音のことを白色の照明が照らしている

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラス越しに嶺二の姿が見える


明日香「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音は薙刀を、奈緒衛は槍を構える。二人は敵陣から漂う破滅的な殺気と、生き血の香りに身を任せ、戦国戦場最前線で舞い始めた」


◯1620緋空寺/波音の部屋(500年前/朝方)

 ◯1616の続き

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記が置いてある

 机に向かって畳に座っている波音

 波音は書きかけの波音物語/波音の手記を手に取る


波音「(書きかけの波音物語/波音の手記を見ながら)手記はこんなもので良いだろう・・・」


◯1621◯1332の回想/社殿/波音の寝室(500年前/昼過ぎ)

 それほど広くない畳の部屋

 波音の部屋にいる波音、奈緒衛、凛

 部屋の隅に布団が丁寧に畳まれてある

 部屋には小さな机があり、その上には数冊の書物が置いてある

 小さな机の上に書物が乱雑に置いてある

 部屋からは縁側が見える

 畳に座って話をしている波音、奈緒衛、凛

 

凛「日々の記録を書物に残せば、とても美しい物語が出来上がりますね!!」

奈緒衛「社殿で駄弁って戦に参るだけ話だぞ?これが果たして美しいのか?」

凛「私にとってそれらは全て美しい経験なのです。そんな経験を書物にして頂ければ、私めはお二人と離れても寂しい思いをしません」


◯1622回想戻り/緋空寺/波音の部屋(500年前/朝方)

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記が置いてある

 机に向かって畳に座っている波音

 波音は書きかけの波音物語/波音の手記を手に持って見ている


波音「(書きかけの波音物語/波音の手記を見ながら)我ながら悪くない出来だ・・・凛、奈緒衛、そなたらもそのように思うか・・・?」


 波音は書きかけの波音物語/波音の手記を机の上に置く


波音「(声 モノローグ)私は・・・」


◯1623波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、汐莉、雪音のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


波音「(声 モノローグ)過去を知っておる・・・奈緒衛・・・凛・・・三人で過ごした楽しくて愛おしい過去を・・・」


 鳴海、汐莉、雪音のことを照らしていた白色の照明が消え、今度は明日香のことを白色の照明が照らし始める


波音「(声 モノローグ)戦に塗れた私の生涯で、輝く日々だ・・・」


◯1624滅びかけた世界:道路(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1547の続き

 夕日が沈みかけている

 道路に立ち止まっている千春

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 千春の目の前には白骨化したロシア兵の遺体がある 

 千春は白骨化したロシア兵の遺体を見ている


波音「(声 モノローグ)私は未来の多くを知らぬ・・・」


 千春はしゃがむ

 千春はしゃがんだまま白骨化したロシア兵の遺体を見ている


波音「(声 モノローグ)時の果てに何が待ち構えておるのか・・・世のことわりが何なのか・・・その答えはまだ分からぬだろう・・・」


 立ち上がる千春


◯1625波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 汐莉、響紀、詩穂、真彩がライブを行っている

 汐莉はリードギター、響紀はサイドギター、詩穂はベース、真彩はドラムを演奏している 

 ボーカルは汐莉が担当している

 汐莉たちの前にはマイクスタンドが置いてある

 白色の照明が汐莉、響紀、詩穂、真彩のことを照らしている

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に鳴海、明日香、雪音がいる

 鳴海、菜摘、明日香、雪音は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


波音「(声 モノローグ)だが、我らの魂を宿した菜摘、鳴海、汐莉が巡り会っていることは確かだ」


◯1626滅びかけた世界:波音高校廊下(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、◯1624、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1550の続き

 夕日が沈みかけている

 波音高校の廊下にいるナツとスズ

 廊下はほこりっぽい

 廊下の窓から夕日の光が差し込み、ほこりが浮かんで見えている

 廊下には生活用品のゴミ、遺骨、かつて授業で使われていた道具など様々な物が散乱している

 人を探しながら廊下を歩いているナツとスズ


波音「(声 モノローグ)とてもつもなく広いこの世で・・・三人が巡り会えたのは運命と奇跡の導きがあってこそかもしれぬな・・・」


◯1627滅びかけた世界:波音高校特別教室の四/文芸部室(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、◯1624、◯1626、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1550の続き

 夕日が沈みかけている

 人を探して文芸部の部室にやって来た老人

 教室の中に半壊している旧式のパソコン六台と同じく半壊している旧式のプリンターが一台ある

 椅子や机、教室全体に小さなゴミが溜まっている

 教室の窓から夕日の光が差し込み、ほこりが浮かんで見えている

 教室の窓際には白骨化した遺体が二体並んで壁にもたれている

 老人の肩にはボルトアクションライフルがかけられている

 老人は波音博物から盗んだ日本刀、槍、薙刀を持っている

 老人が持っている日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 教室には老人から貰ったロシア兵の双眼鏡、読みかけの20Years Diary、ショッピングモールから盗んだ服、本、化粧品、拾ったサングラス、手鏡、ビー玉、ベレー帽、大きなぬいぐるみなどが置いてある

 

波音「(声 モノローグ)ただ・・・菜摘たちには申し訳ないことをしてしまった・・・運命さえ存在しておらねば、菜摘たちが呪縛に囚われることもなかったろうに・・・」


 老人は教室の隅の方に波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀を立て掛ける

波音「(声 モノローグ)私が彼らを輪廻に巻き込んだせいだ・・・」


◯1628波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、汐莉、雪音のことを青色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


波音「(声 モノローグ)罪無き若者を苦しませたくはない・・・」


◯1629◯1508の回想/森(500年前/夜)

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 波音は凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 鳴海は波音と凛の近くで座っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 話をしている鳴海と波音

 波音は涙を流している


波音「(声 モノローグ)菜摘・・・鳴海・・・汐莉を救うために・・・運命から解放するために・・・この命・・・喜んで捧げようではないか」


◯1630波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、汐莉、雪音、明日香のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


波音「(声 モノローグ)菜摘の文にあった通り・・・私の妖術が失敗するにしても・・・試す価値はある・・・可能性は不滅だ」


◯1631緋空寺/波音の部屋(500年前/朝)

 ◯1622の続き

 Chapter6◯739と同じシーン

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記が置いてある

 机に向かって畳に座っている波音


波音「(声 モノローグ)波音物語を読んだ時・・・魂の壁が破壊されて眠りから目覚めるようにせねば・・・」


 波音は机の上の書きかけの波音物語/波音の手記に手をかざす

 波音は目を瞑る

 

◯1632波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、雪音のことを青色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)緋空は・・・少しばかり・・・遠過ぎたかもしれぬ・・・」

雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)次に旅をする時は近場にするかのう・・・」

鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)それなら・・・・馬に乗って行きたいな・・・出来れば山以外のところで・・・」

雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)我らはもう木々を一生分見たか・・・」

鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)ああ・・・一生分歩いて・・・一生分の芋を食って・・・一生分の木々を見て・・・一生分の血を浴びて・・・疲れたよ・・・波音」

雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)頑張るのだ、奈緒衛。緋空はすぐそこなのだぞ」


 鳴海と雪音のことを照らしていた青色の照明が消え、白色の照明が明日香のことを照らし始める


明日香「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音は痩せ衰えた奈緒衛を支えながら、緋空浜に辿り着いたのだった。落ちゆく太陽が波音と奈緒衛を暖め、浜辺の砂が二人の手足を包み、波が歌うように揺れ動いている・・・」


 明日香のことを照らしていた白色の照明が消え、青色の照明が鳴海と雪音のことを照らし始める


◯1633緋空寺/波音の部屋(500年前/朝)

 ◯1631の続き

 Chapter6◯739と同じシーン

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記が置いてある

 机に向かって畳に座っている波音

 波音は目を瞑り、机の上の書きかけの波音物語/波音の手記に手をかざしている


鳴海「(声)俺たち・・・よく頑張ったよな・・・?』

波音「(声)うむ・・・凛も我らのことを誇りに思うだろう・・・」


 妖術を使う波音

 波音が妖術を使うと、机の上の書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)が宙にふわふわと浮かび始める


鳴海「(声)三人で来たかった・・・三人で・・・緋空に来たかったよ・・・」


 宙にふわふわと浮かんだ書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)が金色に光り輝き始める


雪音「(声)奈緒衛・・・?」

鳴海「(声)すまぬ波音・・・もう力が・・・入らぬのだ・・・」


◯1634波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、雪音のことを青色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 菜摘、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)しっかりしろ!!今薬師の元へ連れて・・・」

鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音・・・最後に・・・この美しい海を・・・愛する波音と見れて・・・良かっ・・・た・・・」


 ステージの照明が全て消える

 鳴海、明日香、雪音がステージの下手側の袖に行き、交代して響紀、詩穂、真彩がステージに出る

 汐莉、響紀、詩穂、真彩は朗読に使っていたマイクスタンドを後ろの楽器がある方に持って行く

 汐莉たちは楽器の準備を終える

 白色の照明が汐莉、響紀、詩穂、真彩のことを照らし始める

 汐莉たちが演奏を始める

 汐莉はリードギター、響紀はサイドギター、詩穂はベース、真彩はドラムを演奏している 

 ボーカルは汐莉が担当している


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら)雲眠り 行くしかなかれ我が運命 幽閉された戦で 一人 二人 三人が踊る 蛍が波まで 古の奇跡を導いて」


◯1635緋空寺/波音の部屋(500年前/朝)

 ◯1633の続き

 Chapter6◯739と同じシーン

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 机に向かって畳に座っている波音

 波音は目を瞑り、妖術を使ってい

 波音の目の前にはふわふわと宙に浮かぶ書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)がある

 波音の目の前で宙にふわふわと浮かんだ書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)は金色に光り輝いている


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)病と傷の不幸 死と血の不幸 孤独を跳ね除け 暗黒に落ちず 手を取り合おう」


 少しの間、金色に光り輝く書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)は波音の目の前で宙にふわふわと浮かび続ける


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)泣きそうな瞳に 未来が教える 大丈夫だよ 懸命に生きたあなたたちの時は 忘れないよと」


 突然、宙に浮かんでいた金色に光り輝く書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)が机の上に落ちる

 金色に金色に光り輝く書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)が机の上に落ちた瞬間、波音が意識を失いその場に倒れる

 机の上に落ちた書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)は弱々しく光っている


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)月照らし 辿り着くしかなかれ緋空 木々が香る森で 一人 二人 三人が笑う 星が私たちまで 時の果ての希望を導いて」


◯1636滅びかけた世界:道路(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、◯1624、◯1626、◯1627、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1624の続き

 夕日が沈みかけている 

 千春は一人道路を歩いている

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 千春は鳴海と菜摘を探している


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)刀と弾丸の不幸 裏切りと霧の不幸 謀反者を斬り上げ 悲劇に落ちず 手を差し出そう」


◯1637滅びかけた世界:波音高校特別教室の四/文芸部室(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、◯1624、◯1626、◯1627、◯1636、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1627の続き

 夕日が沈みかけている

 文芸部の部室にいる老人

 教室の中に半壊している旧式のパソコン六台と同じく半壊している旧式のプリンターが一台ある

 椅子や机、教室全体に小さなゴミが溜まっている

 教室の窓から夕日の光が差し込み、ほこりが浮かんで見えている

 教室の窓際には白骨化した遺体が二体並んで壁にもたれている

 老人の肩にはボルトアクションライフルがかけられている

 教室の隅の方には老人が波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀を立て掛けられてある

 教室の隅の方に立て掛けてある日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 教室には老人から貰ったロシア兵の双眼鏡、読みかけの20Years Diary、ショッピングモールから盗んだ服、本、化粧品、拾ったサングラス、手鏡、ビー玉、ベレー帽、大きなぬいぐるみなどが置いてある


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)無理をしてる瞳に 皆が教える 頑張り過ぎなくても良いんだよ あなたたちの想いは 未来が心に刻むよと」


 老人は20Years Diaryを手に取る


◯1638滅びかけた世界:波音高校廊下(夕方)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、◯1550、◯1624、◯1626、◯1627、◯1636、◯1637、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1626の続き

 夕日が沈みかけている

 波音高校の廊下にいるナツとスズ

 廊下はほこりっぽい

 廊下の窓から夕日の光が差し込み、ほこりが浮かんで見えている

 廊下には生活用品のゴミ、遺骨、かつて授業で使われていた道具など様々な物が散乱している

 人を探しながら廊下を歩いているナツとスズ


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら 声)あなたと私の幸福 古と時の果ての幸福 共に歩んで 手の温もりを ずっと残そう」


◯1639波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 汐莉、響紀、詩穂、真彩がライブを行っている

 汐莉はリードギター、響紀はサイドギター、詩穂はベース、真彩はドラムを演奏している 

 ボーカルは汐莉が担当している

 汐莉たちの前にはマイクスタンドが置いてある

 白色の照明が汐莉、響紀、詩穂、真彩のことを照らしている

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に鳴海、明日香、雪音がいる

 鳴海、菜摘、明日香、雪音は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


汐莉「(朗読劇用のオリジナルソング3を歌いながら)泣きそうな瞳に 未来が教える 大丈夫だよ 懸命に生きたあなたたちの時は 忘れないよと 壊れそうな瞳に 過去が教える 恐れるなと」


 汐莉たちが演奏を終え、汐莉たちを照らしていた白色の照明が全て消える

 汐莉、響紀、詩穂、真彩がステージの下手側の袖に行き、交代して明日香がステージに出る

 明日香はライブに使っていたマイクスタンドを少し前の方へ持って行く

 白色の照明が明日香のことをが照らし始める

明日香「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音は故郷への帰還の道中で起こった出来事と、戦乱の中の愛おしい日常を一冊の手記に記した」


◯1640緋空寺/波音の部屋(500年前/朝)

 ◯1535の続き

 Chapter6◯739と同じシーン

 外では強い雨が降っている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 波音は意識を失い、倒れている

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)がある

 机の上の書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)は弱々しく光っている


明日香「(朗読劇用の波音物語を読みながら 声)手記は波音物語と呼ばれ、今なお多くの者に語り継がれている」


 机の上の書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)は徐々に光が消え、元の状態に戻る


◯1641波音高校体育館/三年生を送る会会場(午前中)

 体育館の中には全校生徒の1/5ほどの人が集まっている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている明日香

 明日香は波音物語の朗読を行っている

 明日香の前にはマイクスタンドが置いてある

 明日香のことを白色の照明が照らしている

 明日香の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 上手側のステージの袖に菜摘がいる 

 下手側のステージの袖に鳴海、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩がいる

 鳴海、菜摘、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 一般生徒たちの位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている


明日香「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音は亡くなるまで緋空寺で暮らし、村の者を助け続けた」


 明日香は朗読を終える

 明日香のことを照らしていた白色の照明が消える

 ステージの照明は全て消えている

 上手側の袖から菜摘がステージに出る

 下手側の袖から鳴海、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩がステージに出る

 白色の照明が鳴海、菜摘、明日香、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩のことを照らし始める

 嶺二は体育館二階の調整室を出て、ステージに向かう

 鳴海は右手で菜摘の左手を握る

 菜摘が右手で明日香の左手を握る

 明日香が右手で響紀の左手を握る

 響紀が右手で汐莉の左手を握る

 汐莉が右手で詩穂の左手を握る

 詩穂が右手で真彩の左手を握る

 真彩が右手で雪音の左手を握る

 嶺二が遅れてステージにやって来る

 雪音が右手で嶺二の左手を握る

 全員で手を繋ぎ合っている鳴海、菜摘、明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩

 鳴海たちは観客である一般生徒たちに深々と頭を下げる

 一般生徒、教師たちから拍手が起きる

 顔を上げる鳴海たち


菜摘「(鳴海、明日香と手を繋いだまま嬉しそうに笑顔で)やったね鳴海くん!!大成功だよ!!」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま嬉しそうに)ああ!!大成功だ!!」


◯1642緋空寺/波音の部屋(500年前/朝)

 Chapter6◯739、◯1640の続き

 外では強い雨が降り、遠くの方では落雷が起きている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀と装束が部屋の隅に置いてある

 波音は意識を失い、倒れている

 机の上には書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)が置いてある

 雷が落ちる音が聞こえている

 波音は意識を取り戻す


波音「(倒れたまま)おのれ・・・」


 波音は咳き込む


波音「(倒れたまま咳き込んで)ゲホッ・・・ゲホッ・・・私の力はこの程度では・・・ゲホッ・・・」


 波音は大量の血を吐き出す


波音「(倒れたまま咳き込んで)ゲホッ・・・ゲホッ・・・このようなところで・・・終われるものか・・・」


 波音は畳の上を這いながら移動する

 

波音「(畳の上を張って移動しながら)もう一度・・・妖術をかけて・・・」


 波音は机の上の書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)に手を伸ばすが、波音の手はギリギリ届かない


波音「(倒れたまま書きかけの波音物語/波音の手記に手を伸ばして)菜摘らを・・・・運命から救わねば・・・」


 波音は再び大量の血を吐き出す

 机の上の書きかけの波音物語/波音の手記(何十枚もの和紙)に伸ばしていた波音の手はゆっくり畳に落ちる


波音「(倒れたまま小さな声で)ダメだ・・・もう意識が・・・(少し間を開けて)私は・・・失敗して・・・しまった・・・」


 波音は命を落とす

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