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Chapter6卒業編♯43 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海

向日葵が教えてくれる、波には背かないで


Chapter6卒業編 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


登場人物


滅びかけた世界


ナツ 16歳女子

ビビリな面も多く言葉遣い荒い。勤勉家。母親が自殺してしまい、その後は一人で旅を続けていたがスズと出会い行動を共にするようになった。


スズ 15歳女子

マイペース、ナツと違い勉強に興味なし。常に腹ペコ。食べ物のことになると素早い動きを見せるが、それ以外の時はのんびりしている。

ナツと共に奇跡の海を目指してやって来た。


老人 男

ナツの放送を聞いて現れた謎の人物。元兵士の男。緋空浜の掃除を一人でしている。Narumi Kishiと彫られたドッグタグを身に付けているがその正体は・・・


中年期の明日香 女子

老人ともう一人の兵士を見送りに来た、中年期頃の明日香。


七海 女子

中年期の明日香と同じく、老人ともう一人の兵士を見送りに来た少女。年齢は15、16歳。


老人と同世代の男兵士1 男子

中年期の明日香、七海に見送られていた兵士。老人、レキ、男兵士2と同じ隊に所属していた。


レキ 女子

老人たちと同じグループの若い女兵士で、年齢は25歳前後。老人、男兵士1、男兵士2と同じ隊に所属していた。老人とは親しかった様子。


老人と同世代の男兵士2 男子

中年期の老人、男兵士1、レキと同じ隊に所属している兵士。






滅んでいない世界


貴志 鳴海(なるみ) 18歳男子

波音高校三年三組、運動は得意だが勉強は苦手。無鉄砲な性格。両親を交通事故で失っている。歳の離れた姉、風夏がいるが仕事で忙しいため実質一人暮らし状態である。文芸部副部長。 Chapter4の終盤に菜摘と付き合い始めた。


早乙女 菜摘(なつみ) 18歳女子

波音高校三年三組、病弱で体調を崩しやすい、明るく優しい性格。文芸部部長。鳴海と付き合っている。生徒会選挙の直後に原因不明の病に襲われ、現在は入院中。


白石 嶺二(れいじ) 18歳男子

波音高校三年三組、鳴海の悪友、不真面目なところもあるが良い奴。文芸部のいじられキャラである。高校卒業後は上京してゲームの専門学校に通うことを考えている。


天城 明日香(あすか) 18歳女子

波音高校三年三組。成績も良くスポーツ万能、中学生の時は女子ソフトボール部に所属していた。ダラダラばかりしている鳴海と嶺二を何かと気にかけては叱る。文芸部部員。夢は保育士になること。最近は受験前のせいでストレスが溜まっている。なんだかんだで響紀とは良い関係。


南 汐莉(しおり)15歳女子

波音高校に通っている一年生、文芸部と軽音楽部の掛け持ちをしている。バンド”魔女っ子少女団”のメインボーカルで歌とギターが得意。20Years Diaryという日記帳で日々の行動を記録している。Chapter5の終盤に死んでしまう。


一条 雪音(ゆきね)18歳女子

波音高校三年三組、才色兼備な女生徒。元天文学部部長で、今は文芸部に所属。真面目な性格のように見えるが・・・


柊木 千春(ちはる)女子

Chapter2の終盤で消えてしまった少女で、嶺二の想い人。


三枝 響紀(ひびき)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のリーダー兼リードギター担当。クールで男前キャラ、同性愛者、 Chapter3で明日香に一目惚れして以来、彼女に夢中になっている。


永山 詩穂(しほ)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のベース担当。基本はマイペースだが、キツい物言いをする時もある。


奥野 真彩(まあや)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のドラム担当。バンドの賑やかし要員。


早乙女 すみれ45歳女子

菜摘の母、45歳には見えない若さ美しさを保つ。優しい、とにかく優しい。


早乙女 (じゅん)46歳男子

菜摘の父、菜摘とすみれを溺愛しており二人に手を出そうとすれば潤の拳が飛んでくる。自動車修理を自営業でやっている。永遠の厨二病。


神谷 志郎(しろう)43歳男子

波音高校三年の教師。鳴海、菜摘、嶺二、明日香、雪音の担任。担当教科は数学。文芸部顧問。Chapter5の終盤に死んでしまう。


荻原 早季(さき)15歳女子

Chapter5に登場した正体不明の少女。


貴志 風夏(ふうか)24歳女子

鳴海の6つ年上の姉、忙しいらしく家にはほとんど帰ってこない。智秋と同級生で親友関係。いつの間にか看護師の仕事を始めている。


一条 智秋(ちあき)24歳女子

雪音の姉。妹と同じく美人。謎の病に苦しんでいたがChapter3の終盤にドナーが見つかり一命を取り留めたものの、再び体調を崩し現在は入院中。


双葉 篤志(あつし)18歳男子

波音高校三年二組、天文学部副部長。雪音とは幼馴染み。


有馬 (いさむ)64歳男子

波音町にあるゲームセンター“ギャラクシーフィールド”の店主。千春が登場したゲーム、”ギャラクシーフィールドの新世界冒険”の開発者でもある。なお現在の”ギャラクシーフィールド”は儲かっている。


細田 周平(しゅうへい)15歳男子

野球部に所属している一年生。Chapter5では詩穂に恋をしていた。


貴志 (ひろ)

鳴海の父親、事故で亡くなっている。菜摘の父、潤と高校時代クラスメートだった。


貴志 由香里(ゆかり)

鳴海の母親、事故で亡くなっている。菜摘の母、すみれと高校時代クラスメートだった。


神谷 絵美(えみ)29歳女子

神谷の妻。Chapter5では妊娠していた。


波音物語に関連する人物






白瀬 波音(なみね)23歳女子

波音物語の主人公兼著者。妖術を使う家系『海人』の末裔、そして最後の生き残り。Chapter4の終盤、妖術を使い奈緒衛の魂を輪廻させ、自らの魂も輪廻出来るようにした。


佐田 奈緒衛(なおえ)17歳男子

波音の戦友であり恋仲。優れた剣術を持ち、波音とは数々の戦で戦果をあげた。Chapter4の終盤に死んでしまった人物。


(りん)21歳女子

波音、奈緒衛を慕う女中。緋空浜の力を持っており、遥か昔から輪廻を繰り返してきた。波音に輪廻を勧めた張本人。体が弱い。奈緒衛と同じくChapter4の終盤に死んでしまった人物。


明智 光秀(みつひで)55歳男子

織田信長と波音たちを追い込み凛を殺した。


織田 信長(のぶなが)48歳男子

天下を取るだろうと言われていた武将。


一世(いっせい) 年齢不明 男子

ある時波音が出会った横暴で態度の悪い男。

Chapter6卒業編♯43 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


◯1545滅びかけた世界:スーパー内(昼過ぎ)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1542の続き

 スーパーの中を見て回っている千春

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 スーパーの中は暗いが僅かに太陽の光が入って来ている

 スーパーの中は荒れ果てている

 商品棚はほとんどが倒れており、食料は一切無い

 鳴海と菜摘を探している千春


千春「な、菜摘さん・・・?鳴海さん・・・?いませんか・・・?」


 千春は立ち止まり、深くため息を吐き出す


千春「(声 モノローグ)絶対におかしいのです・・・お店に入っても、道を歩いても、さっきから誰とも出会いません・・・建物から察するに、もう何年も人が住んでいないように見えます・・・ここは・・・まるで滅びかけた世界です・・・(少し間を開けて)鳴海さんがいるところに菜摘さんあり、菜摘さんがいるところに鳴海さんあり・・・と思って飛び込んで来ましたが・・・本当にこんなところにいるんでしょうか・・・・」


 千春はスーパーの出口に向かって歩き出す

 千春はスーパーを出る

 道路を歩いている千春

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている


◯1546◯1503の回想/波音高校体育館ステージ裏(昼)

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏はほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 千春の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、滅びかけた世界の道路(昼過ぎ)と繋がっている

 道路で立ち止まって、水の渦の中心から千春のことを見ているスズ

 滅びかけた世界の建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 滅びかけた世界の道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 水の渦の中心からスズのことを見ている千春

 話をしているスズと千春


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)じ、ジジイとは・・・どんな人なのです・・・?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)んーと・・・ジジイはジジイで、強くて、物知りで、元兵士で、そーじが好きで、体育館で寝てて、大切な人を失ってて・・・あっ、ジジイの名前はね・・・牡蠣・・・鳴海・・・?って言うんだよ」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま驚いて)な、鳴海さん!?も、もしかしてその人の苗字は貴志じゃないですか!?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま大きな声で)寿司鳴海だったかも!!!!」


◯1547回想戻り/滅びかけた世界:道路(昼過ぎ)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1545の続き

 千春は一人道路を歩いている

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 千春は鳴海と菜摘を探している


千春「ほ、本当に牡蠣鳴海か・・・寿司鳴海っていう名前のお爺様があの子にいたら・・・(少し間を開けて)き、きっとそんな人間は存在してないですよね!!な、なんて言ったって人間というより魚貝類にいそうな名字ですから!!ま、まあ・・・そもそも魚貝類に名字はないんですけど・・・し、しかしなのです!!グッピーに寿司グピノ助と名付ける方がいても良いと思うのです!!はい!!わ、私は植物でも・・・数字でも・・季節でも・・・人間でもありませんが・・・柊木千春という植物か数字か季節か人間か分からないような立派な名前を持っています!!」


 千春は独り言を言いながら鳴海と菜摘を探し続ける


◯1548滅びかけた世界:波音高校近く(昼過ぎ)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1530の続き

 波音高校の近くでナツとスズを探している老人

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人は波音博物から盗んだ日本刀、槍、薙刀を持っている

 老人が持っている日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 少しするとスズが老人のところへ走ってやって来る


スズ「(走りながら)ジジイ!!私見た!!春巻きの妖精を!!」


 老人が走ってやって来たスズのことを止める

 老人はスズの肩を掴んでいる


老人「(スズの肩を掴んだまま)お前なのか?スズ」

スズ「(老人に肩を掴まれたまま)えっ・・・?何が・・・・?」

老人「(スズの肩を掴んだまま)少し前に波の音が聞こえただろう、あの音を作ったのがお前なのか聞いているんだ」

スズ「(老人に肩を掴まれたまま)あ、歩いてたらきゅーにざぶーんって鳴り始めたんだよ!!」

老人「(スズの肩を掴んだまま)スズじゃないんだな?」

スズ「(老人に肩を掴まれたまま)わ、私何もしてないもん!!」


 少しの沈黙が流れる

 老人はスズの肩を離す

 老人は歩き出す

 老人について行くスズ


スズ「あのねあのねジジイ!!私春巻きの妖精と会っちゃ・・・」

老人「(スズの話を遮って)話は後にしろ、スズ」

スズ「えー!!でも凄かったんだよ!!ジジイ!!」

老人「後にしろと言ったはずだ」


 スズと老人の正面からナツが歩いて来る

 スズと老人、ナツはお互いの存在に気が付く


スズ「あっ!!なっちゃん!!さっき夢で見た春巻きの妖精と・・・」

老人「(スズの話を遮って)俺の質問に正直に答えろナツ」

ナツ「な、何・・・?」

老人「力を使ったのか」

ナツ「ち、力って・・・?」


◯1549波音高校校庭(昼過ぎ)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528、◯1531、◯1533、◯1535、◯1536、◯1537、◯1538、◯1539、◯1540、◯1543、◯1544と同日

 ◯1536、◯1543の続き

 上履きのまま校庭に避難している明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩、神谷、双葉、細田を含む全校生徒と教師たち

 生徒たちはざわついている

 明日香は響紀と、嶺二は雪音、双葉と、汐莉は神谷と、詩穂は真彩と、細田は一年生男子生徒たちと話をしている

 少しすると手を繋いだ鳴海と菜摘が校庭にやって来る

 明日香と響紀が鳴海たちがやって来たことに気付く


明日香「な、菜摘!!どこに行ってたのよ!?」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)ごめんね、明日香ちゃん。逃げ遅れちゃったんだ」

明日香「逃げ遅れちゃったんだ・・・じゃ済まされないでしょ!!」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)うん・・・」


 嶺二、汐莉、雪音、詩穂、真彩、神谷、双葉も鳴海と菜摘が戻って来たことに気付く

 汐莉は神谷のことを見る


汐莉「か、神谷先生・・・」

神谷「菜摘たちのところに行って良いよ、汐莉」


 汐莉は神谷の言葉を聞き鳴海と菜摘の元へ走り出す


汐莉「(大きな声で)菜摘先輩!!!」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)汐莉ちゃん・・・」

汐莉「先輩たちのことが心配だったんです・・・」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)先輩たちってことは・・・俺のことも心配だったのか」

汐莉「うざいし気持ち悪いので鳴海先輩は黙っててください」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま小声でボソッと)分かったよ・・・」

汐莉「菜摘先輩・・・怪我はありませんか・・・?」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)うん!!大丈夫!!」

汐莉「嘘じゃないですよね・・・?」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)嘘じゃないよ、汐莉ちゃん。私はこの通り、元気だもん」

汐莉「良かったです・・・先輩たちが無事で・・・」


 嶺二は変わらず雪音と双葉と話をしている


雪音「嶺二も行って来れば?」

嶺二「今はあの三人の時間だろーが」

雪音「三人?明日香や響紀も一緒にいるじゃん」

嶺二「こまけーことを気にすんなよ・・・」


 少しの沈黙が流れる


双葉「雪音、さっきの地震は早乙女の仕業か」

雪音「多分ね、地震が起きた時に消えてるなんておかしいし」

双葉「ならあの波の音も奴が・・・」

雪音「うん。目的は不明だけど・・・朗読劇のどさくさに紛れて妖術を使ったことは・・・」

嶺二「(雪音の話を遮って)おい」

雪音「何?嶺二も興味があるの?」

嶺二「あるわけねーだろ」

雪音「じゃあ何?」

嶺二「ここでそーゆー話をするんじゃねーよ」

双葉「君とは無関係なことを話して何がいけない?」

嶺二「あ?」

双葉「君とは無関係だろ。雪音と柊木千春から逃げた君とは」

 

 嶺二は双葉の胸ぐらを掴む


嶺二「(双葉の胸ぐらを掴んだまま)てめーはその名前を口にすんじゃねえ」

双葉「(嶺二に胸ぐらを掴まれたまま)良いのか?暴力を振るえば推薦が取り消しされるぞ」


 再び沈黙が流れる

 嶺二は双葉の胸ぐらを離す


嶺二「てめーの家系はゴミばっかだ。今度明智光秀の墓参りに行く時にはそー伝えやがれ」

双葉「ああ」


 嶺二は雪音と双葉から離れ、鳴海たちがいる方へ歩き出す

 鳴海、明日香、汐莉、響紀は話をしている

 鳴海と菜摘は変わらず手を繋いでいる


響紀「全員無傷で安心しました。鳴海くんはひょっとしてひょっとしたらって思っていましたが・・・」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)何を思っていたんだ・・・」

響紀「口にするのも恥ずかしいような・・・」

明日香「何よそれ・・・」

響紀「明日香ちゃん、何を思ってたか言っていい?」

明日香「お、お願いだからやめて響紀・・・」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)でも気になるよ、明日香ちゃん」

汐莉「そうですね、私も気になります」

 

 嶺二が鳴海たちのところにやって来る


嶺二「俺も気になるぜ」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)ヌルッと会話に入って来たな、嶺二」

嶺二「俺はところてんに似てるからな」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)スイートメロンパン意味が分からないんだが・・・」

明日香「(呆れて)鳴海のスイートメロンパン意味が分からないって文も、意味不明だけどね・・・」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)まあな・・・」

嶺二「いーかお前ら、俺はところてんのよーにヌルッと現れて、ヌルッと会話に参加して、ヌルッと去るんだよ」

響紀「ところてんラブですね」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)ラブではないだろ・・・」

汐莉「ところてんと言えば、鳴海先輩は食べられないんでしたっけ?」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)あ、ああ」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)あと椎茸とナスが苦手なんだよ、鳴海くんは」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)い、いちいち俺の食えない物の情報を開示しなくて良いからな・・・」

明日香「何であんなに美味しい物が食べられないわけ?」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)知るかよ・・・」

響紀「舌がぶち壊れてるのでは」

嶺二「多分それだな、舌がぶち壊れてるんだ」

明日香「なるほど、舌がぶち壊れてるのね」

汐莉「ぶち壊れた舌は苦手な物を克服しよう荒療治で良くなると思いますよ」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)じゃあ今度やってみなきゃ、鳴海くん。いつまでも鳴海くんの舌がぶち壊れたままでところてんと椎茸とナスが食べられないのは私困るし」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)お前ら凄い食いつきだな・・・というかただ嫌いな物を俺に食わせたいだけだろ・・・」

響紀「食べ物の話だけに食いつきですか、面白いです」


 少しの沈黙が流れる

 詩穂と真彩が鳴海たちのところにやって来る


真彩「食べ物の妖精がどうかしたんすか?」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)何だよ食べ物の妖精って・・・」

響紀「寝る前にヌルッと現れる三角帽にサングラスをかけた身長50cmくらいのおじさんです」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)ヌルッと現れるんだ」

響紀「はい」

明日香「嶺二と同じね」

嶺二「お、俺の身長は171.5cmだぞ」

詩穂「食べ物の妖精約3人とちょっとだ」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)そうだなっていつまでボケるんだよお前らは」

響紀「死ぬまで」

真彩「ぶち壊れたロボットみたいで怖いな・・・」

汐莉「ぶち壊れたと言えば鳴海先輩の舌ですけど・・・」

真彩「えっ!?ぶち壊れたんすか!?」

汐莉「うん」

明日香「鳴海は椎茸のバター醤油和えを食べたら気絶するし、ナスと豚肉の生姜焼きを食べたら発狂するし、ところてんの中華サラダを食べたら白目を剥いて通りかかった人に突然殴りかかるんだから」

真彩「そ、それは舌がぶち壊れてるっすね・・・ところてんは甘い味付けでも、食べたら白目を剥いて通りかかった人に突然殴りかかるんすか・・・?」


 再び沈黙が流れる


響紀「うちのバンドメンバーがお通夜みたいな空気にしてしまったので、ここは責任を取ってリーダーの私が軽い下ネタを言って・・・」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま響紀の話を遮って)お前は責任を取るな」

響紀「何で責任を取ったらいけないんですか」

鳴海「(菜摘と手を繋いだまま)響紀の軽い下ネタはそれこそ菜摘が白目を剥いて発狂し突然通りかかった人を殴った後に気絶しかねないだろ」

菜摘「(鳴海と手を繋いだまま)鳴海くん・・・私・・・18歳だよ・・・」


 少しの沈黙が流れる


嶺二「いやー、真面目な子でも実はエロいって・・・」


 汐莉が嶺二の足を踏みつける


汐莉「(嶺二の足を踏みつけたまま)変態アピールしないでください」

嶺二「(汐莉に足を踏みつけられたまま)し、してねーよ!!つかずっと菜摘ちゃんの手を握ってる鳴海の方が変態だろ!!」


 鳴海は慌てて菜摘の手を離す


汐莉「(嶺二の足を踏みつけたまま)鳴海先輩と菜摘先輩は付き合ってるから良いんです」

嶺二「(汐莉に足を踏みつけられたまま)知るかそんなこと!!」

鳴海「て、手を繋いでるだけで変態扱いするんじゃねえ!!」

菜摘「そ、そうだよ!!手なんて付き合い出して5秒で繋いだもん!!」


 再び沈黙が流れる

 菜摘の顔が赤くなっている

 汐莉は嶺二の足を踏みつけるのをやめる


響紀「またお通夜みたいな空気になりましたね。下ネタではありませんが、私も菜摘さんに対抗しましょう。私と明日香ちゃんは生徒会選挙の後日、カフェの女子トイレで・・・」 


 響紀の口を手で押さえる明日香


明日香「(響紀の口を手で押さえながら)な、何でもない!!何でもないから!!」


 少しの沈黙が流れる


真彩「ぶ、文芸部と軽音部って・・・変態が多いっすね・・・」

詩穂「うん・・・変態と変人が多い・・・」


 再び沈黙が流れる


嶺二「お、俺も波高を卒業したら東京の変態女とイチャイチャしてやるからな!!今に見てろよこんちくしょーが!!」

菜摘「が、頑張ってね・・・」

嶺二「りょ、りょーてに100人の女を連れて波音町を闊歩して・・・」


 嶺二は話を続ける


鳴海「(声 モノローグ)三年生を送る会は急遽中止になった」


◯1550滅びかけた世界:波音高校近く(昼過ぎ)

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、◯1530、◯1532、◯1534、◯1542、◯1545、◯1547、◯1548、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日 

 ◯1548の続き

 波音高校の近くにいるナツ、スズ、老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人は波音博物から盗んだ日本刀、槍、薙刀を持っている

 老人が持っている日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 話をしているナツ、スズ、老人


老人「とぼけたら許さないぞ、ナツ」

ナツ「と、とぼけてなんかない・・・力って何・・・?」


 少しの沈黙が流れる


老人「疑ってすまなかった・・・」


 再び沈黙が流れる


ナツ「鳴海、どうかしたの」

老人「いや、何でもないんだ」

スズ「ジジイのことはどーでも良いから聞いてよなっちゃん!!」

ナツ「う、うん」


 老人は歩き出す

 ナツとスズも老人に合わせて歩き出す


スズ「さっき春巻きの妖精を見たんだ!!」

ナツ「春巻き・・・の何・・・?」

スズ「春巻きの妖精を見たんだって!!」

ナツ「見たってどういうこと?」

スズ「水がね〜、ザザーンってなって・・・穴が開いたんだよ〜。そしたら水から春巻きの妖精が・・・」

老人「(立ち止まりスズの話を遮って)宙に浮かんだ渦を見たのか?」

スズ「(老人に合わせて立ち止まって)見た!!穴から春巻きの妖精と喋ったもん!!」


 ナツもスズと老人に合わせて立ち止まる


老人「スズ、そいつはどうなったんだ」

スズ「そいつって春巻きの妖精?」

老人「ああ」

スズ「人を探してるって言ってたから・・人を探してると思う!!」

ナツ「誰を探してるの?」

スズ「えっとね・・・しおりんの本に出て来る・・・菜摘先輩!!」


 老人は波音高校に向かって走り出す


老人「(波音高校に向かって走りながら大きな声で)この辺りに人がいるかもしれない!!!!君たちも探してくれ!!!!」


 老人の姿はすぐに見えなくなる

 ナツとスズは顔を見合わせる


ナツ「(スズと顔を見合わせたまま)説明してよ、スズ」

スズ「(ナツと顔を見合わせたまま)だから〜・・・菜摘先輩のことを春巻きの妖精が探してたんだって〜・・・」

ナツ「(スズと顔を見合わせたまま)春巻きの妖精って何なの・・・?」

スズ「(ナツと顔を見合わせたまま)分かんない!!けど人間じゃないって言ってたよ」

ナツ「(スズと顔を見合わせたまま)え・・・犬とか鳥ってこと・・・?」

スズ「(ナツと顔を見合わせたまま)見た目は私たちと同じだったかな〜・・・」


 少しの沈黙が流れる

 ナツはスズと顔を見合わせるのをやめる


ナツ「探してみよう、スズ」

スズ「うん!!」


 ナツとスズは歩き出す


◯1551早乙女家に向かう道中(放課後/夕方) 

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528、◯1531、◯1533、◯1535、◯1536、◯1537、◯1538、◯1539、◯1540、◯1543、◯1544、◯1549と同日

 ◯1549の続き

 夕日が沈みかけている

 菜摘を家に送っている鳴海

 学校帰りの学生がたくさんいる

 鳴海と菜摘は話をしている


鳴海「終わっちゃったな・・・」

菜摘「そうだね・・・」


 少しの沈黙が流れる


鳴海「な、菜摘・・・俺さ・・・」

菜摘「何?」

鳴海「い、いや・・・その・・・」


 再び沈黙が流れる


菜摘「鳴海くん、どうかしたの?」

鳴海「な、何でもない・・・(少し間を開けて)ま、まだ感情の整理が出来てないみたいだ」

菜摘「夏休み前から準備して来た企画だもんね・・・私も・・・胸にぽっかり穴が空いちゃったみたいだよ」


 少しの沈黙が流れる


菜摘「失敗は次の可能性に変化を遂げ・・・可能性は成功となる・・・」

鳴海「い、良い言葉だな・・・」

菜摘「鳴海くん」

鳴海「ん?」

菜摘「延期になるかもしれないから、朗読劇はまだ完全に終わったわけじゃないよ」

鳴海「そ、そうだな・・・延期するってこともあり得るのか・・・」

菜摘「うん!!だからもう一度自分たちと・・・未来を信じて練習をしよう!!鳴海くん!!」

鳴海「あ、ああ」

菜摘「学園祭の時や今日よりも良い朗読劇を絶対作ろうね!!」

鳴海「今度こそ絶対だな」


 菜摘は頷く


鳴海「(声 モノローグ)卒業式まで・・・残り11日しかなかった・・・」


◯1552貴志家鳴海の自室(深夜)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528、◯1531、◯1533、◯1535、◯1536、◯1537、◯1538、◯1539、◯1540、◯1543、◯1544、◯1549、◯1551と同日

 ◯1551の続き

 片付いている鳴海の部屋 

 鳴海の部屋は物が少なく、ベッドと勉強机くらいしか目立つ物はない

 机の上にはパソコン、菜摘とのツーショット写真、原作の波音物語、朗読劇用の波音物語、菜摘から貰った一眼レフカメラが置いてある

 机に向かって椅子に座っている鳴海

 カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる

 鳴海は原作の波音物語を読んでいる


鳴海「(原作の波音物語を読みながら 声 モノローグ)菜摘に今日目で見て来た物事を話すべきだっただろうか・・・あの非現実的な体験を・・・」


◯1553◯1508の回想/森(500年前/夜)

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 波音は凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 鳴海は波音と凛の近くで座っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 話をしている鳴海と波音

 波音は涙を流している


鳴海「(声 モノローグ)波音・・・奈緒衛・・・凛・・・彼らが本当に実在していたことは間違いない」


◯1554貴志家鳴海の自室(深夜)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528、◯1531、◯1533、◯1535、◯1536、◯1537、◯1538、◯1539、◯1540、◯1543、◯1544、◯1549、◯1551、◯1552と同日

 ◯1552の続き

 片付いている鳴海の部屋 

 鳴海の部屋は物が少なく、ベッドと勉強机くらいしか目立つ物はない

 机の上にはパソコン、菜摘とのツーショット写真、原作の波音物語、朗読劇用の波音物語、菜摘から貰った一眼レフカメラが置いてある

 机に向かって椅子に座っている鳴海

 カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる

 鳴海は原作の波音物語を読んでいる


鳴海「(原作の波音物語を読みながら 声 モノローグ)波音と奈緒衛があの後どうなったのか・・・それは波音物語を読めばすぐに分かることだ」


◯1555森(500年前/朝)

 ◯1541の続き

 快晴

 山の道を進んでいる波音と奈緒衛

 地面には木漏れ日が出来ている 

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 山の道は険しく、太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流している

 奈緒衛は日本刀を杖代わりにしてゆっくり歩いている

 奈緒衛に合わせて歩いている波音

 波音は一頭の馬を連れている

 馬には凛の遺体が乗せてある


鳴海「(声 モノローグ)波音たちは明智光秀と家臣を殺し・・・」


◯1556山の頂上(500年前/昼)

 ◯1555の続き

 山の頂上にいる波音と奈緒衛

 山の頂上は草原になっている

 一頭の馬が波音と奈緒衛の近くにいる

 凛の遺体を草原に埋葬し終えた波音と奈緒衛

 波音と奈緒衛の前には凛の小さなお墓がある

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流している

 風で草原が揺れている

 頂上からは山の木々がよく見える


鳴海「(声 モノローグ)凛を弔って・・・」


◯1557森(500年前/日替わり/昼)

 ◯1556の続き

 快晴

 山の道を進んでいる波音と奈緒衛

 地面には木漏れ日が出来ている 

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 山の道は険しく、太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 波音の首と腰の傷は手当てされている

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 奈緒衛の太ももの傷は手当てされている

 奈緒衛は日本刀を杖代わりにしてゆっくり歩いている

 奈緒衛に合わせて歩いている波音

 波音は一頭の馬を連れている


鳴海「(声 モノローグ)二人だけで緋空浜を目指した・・・」


◯1558森(500年前/日替わり/夜)

 ◯1557の続き

 満月が出ている

 森の中にいる波音と奈緒衛

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 大木にもたれている波音と奈緒衛

 波音たちはたくさんの大きな木に囲まれている

 一頭の馬の手綱が波音たちの近くの木に結ばれている

 奈緒衛は顔がやつれ、痩せている

 話をしている波音と奈緒衛


鳴海「(声 モノローグ)奈緒衛は・・・」


◯1559緋空浜(500年前/日替わり/夕方)

 ◯1558の続き

 夕日が沈みかけている

 緋空浜の浜辺にいる波音と奈緒衛

 一頭の馬が波音と奈緒衛の近くにいる

 海に夕日が反射し、波がキラキラと光っている

 奈緒衛のことを抱きしめている波音

 波音と奈緒衛は泣いている


鳴海「(声 モノローグ)緋空浜で死んでしまう・・・」


 波音が泣きながら奈緒衛のことを揺さぶっている

 奈緒衛は涙を流したまま死んでいる


 時間経過


 夜になっている

 波音は変わらず涙を流したまま死んだ奈緒衛のことを抱きしめている

 波に月の光が反射しキラキラと光っている


鳴海「(声 モノローグ)行く当てのない波音は緋空寺に住み込み・・・」


 少しすると一人の住持が波音に近づいて来る

 住持は波音に声をかける


◯1560緋空寺/波音の部屋(500年前/日替わり/昼過ぎ)

 ◯1559の続き

 外は晴れている

 狭い和室にいる波音

 波音が使っていた日本刀、装束、畳まれた布団が部屋の隅に置いてある

 机に向かって畳に座っている波音

 机の上には菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)、新しい和紙、墨、筆が置いてある

 波音は筆を手に取り、筆先に墨をつける

 新しい和紙に手記を書き始める波音

 波音は手記に”波音物語”という題をつける


鳴海「(声 モノローグ)波音物語を書いた」


◯1561緋空寺付近の田んぼ道(500年前/日替わり/昼過ぎ)

 Chapter6◯234と同じシーン

 ◯1560の続き

 快晴

 田んぼ道に立っている波音、住持、カゴを背負い小さな鎌を持った数十人の農民たち

 小さな田んぼが四枚ある

 田んぼの稲はほとんどが枯れている

 農民たちが波音と住持に何か頼んでいる

 了承する波音

 住持と農民たちが波音から離れる

 田んぼの上に右手を出し、目を瞑る波音

 波音は妖術を使う

 少しすると枯れていた稲が緑色になり始める


波音「(声 モノローグ)波音のその後の人生に大きな出来事はない」


 農民たちが驚いて田んぼの稲を見ている

 稲は収穫出来る頃合いのものになる

 目を開ける波音

 農民たちは波音に感謝をし、稲の収穫を始める

 小さな鎌で稲を刈り、背負っているカゴに入れる農民たち

波音「(声 モノローグ)波音は緋空寺の周囲に住む人々を助け続け、余生を過ごしたと言われている」


◯1562貴志家鳴海の自室(深夜)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528、◯1531、◯1533、◯1535、◯1536、◯1537、◯1538、◯1539、◯1540、◯1543、◯1544、◯1549、◯1551、◯1552、◯1554と同日

 ◯1554の続き

 片付いている鳴海の部屋 

 鳴海の部屋は物が少なく、ベッドと勉強机くらいしか目立つ物はない

 机の上にはパソコン、菜摘とのツーショット写真、原作の波音物語、朗読劇用の波音物語、菜摘から貰った一眼レフカメラが置いてある

 机に向かって椅子に座っている鳴海

 カーテンの隙間から月の光が差し込んでいる

 鳴海は原作の波音物語を閉じる


鳴海「今日俺は・・・奇跡を通して無慈悲な歴史を見たんだ・・・過去を学んだわけでも・・・知ったわけでもない・・・ただ歴史の一瞬を見たんだ・・・そして巡り会った・・・波音・・・奈緒衛・・・凛の三人と・・・」

明けましておめでとうございます!!

今年も定期的に「向日葵が教えてくれる、波には背かないで」を投稿していきますので、応援よろしくお願いします!!

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