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Chapter6卒業編♯41 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海

向日葵が教えてくれる、波には背かないで


Chapter6卒業編 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


登場人物


滅びかけた世界


ナツ 16歳女子

ビビリな面も多く言葉遣い荒い。勤勉家。母親が自殺してしまい、その後は一人で旅を続けていたがスズと出会い行動を共にするようになった。


スズ 15歳女子

マイペース、ナツと違い勉強に興味なし。常に腹ペコ。食べ物のことになると素早い動きを見せるが、それ以外の時はのんびりしている。

ナツと共に奇跡の海を目指してやって来た。


老人 男

ナツの放送を聞いて現れた謎の人物。元兵士の男。緋空浜の掃除を一人でしている。Narumi Kishiと彫られたドッグタグを身に付けているがその正体は・・・


中年期の明日香 女子

老人ともう一人の兵士を見送りに来た、中年期頃の明日香。


七海 女子

中年期の明日香と同じく、老人ともう一人の兵士を見送りに来た少女。年齢は15、16歳。


老人と同世代の男兵士1 男子

中年期の明日香、七海に見送られていた兵士。老人、レキ、男兵士2と同じ隊に所属していた。


レキ 女子

老人たちと同じグループの若い女兵士で、年齢は25歳前後。老人、男兵士1、男兵士2と同じ隊に所属していた。老人とは親しかった様子。


老人と同世代の男兵士2 男子

中年期の老人、男兵士1、レキと同じ隊に所属している兵士。






滅んでいない世界


貴志 鳴海(なるみ) 18歳男子

波音高校三年三組、運動は得意だが勉強は苦手。無鉄砲な性格。両親を交通事故で失っている。歳の離れた姉、風夏がいるが仕事で忙しいため実質一人暮らし状態である。文芸部副部長。 Chapter4の終盤に菜摘と付き合い始めた。


早乙女 菜摘(なつみ) 18歳女子

波音高校三年三組、病弱で体調を崩しやすい、明るく優しい性格。文芸部部長。鳴海と付き合っている。生徒会選挙の直後に原因不明の病に襲われ、現在は入院中。


白石 嶺二(れいじ) 18歳男子

波音高校三年三組、鳴海の悪友、不真面目なところもあるが良い奴。文芸部のいじられキャラである。高校卒業後は上京してゲームの専門学校に通うことを考えている。


天城 明日香(あすか) 18歳女子

波音高校三年三組。成績も良くスポーツ万能、中学生の時は女子ソフトボール部に所属していた。ダラダラばかりしている鳴海と嶺二を何かと気にかけては叱る。文芸部部員。夢は保育士になること。最近は受験前のせいでストレスが溜まっている。なんだかんだで響紀とは良い関係。


南 汐莉(しおり)15歳女子

波音高校に通っている一年生、文芸部と軽音楽部の掛け持ちをしている。バンド”魔女っ子少女団”のメインボーカルで歌とギターが得意。20Years Diaryという日記帳で日々の行動を記録している。Chapter5の終盤に死んでしまう。


一条 雪音(ゆきね)18歳女子

波音高校三年三組、才色兼備な女生徒。元天文学部部長で、今は文芸部に所属。真面目な性格のように見えるが・・・


柊木 千春(ちはる)女子

Chapter2の終盤で消えてしまった少女で、嶺二の想い人。


三枝 響紀(ひびき)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のリーダー兼リードギター担当。クールで男前キャラ、同性愛者、 Chapter3で明日香に一目惚れして以来、彼女に夢中になっている。


永山 詩穂(しほ)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のベース担当。基本はマイペースだが、キツい物言いをする時もある。


奥野 真彩(まあや)15歳女子

波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のドラム担当。バンドの賑やかし要員。


早乙女 すみれ45歳女子

菜摘の母、45歳には見えない若さ美しさを保つ。優しい、とにかく優しい。


早乙女 (じゅん)46歳男子

菜摘の父、菜摘とすみれを溺愛しており二人に手を出そうとすれば潤の拳が飛んでくる。自動車修理を自営業でやっている。永遠の厨二病。


神谷 志郎(しろう)43歳男子

波音高校三年の教師。鳴海、菜摘、嶺二、明日香、雪音の担任。担当教科は数学。文芸部顧問。Chapter5の終盤に死んでしまう。


荻原 早季(さき)15歳女子

Chapter5に登場した正体不明の少女。


貴志 風夏(ふうか)24歳女子

鳴海の6つ年上の姉、忙しいらしく家にはほとんど帰ってこない。智秋と同級生で親友関係。いつの間にか看護師の仕事を始めている。


一条 智秋(ちあき)24歳女子

雪音の姉。妹と同じく美人。謎の病に苦しんでいたがChapter3の終盤にドナーが見つかり一命を取り留めたものの、再び体調を崩し現在は入院中。


双葉 篤志(あつし)18歳男子

波音高校三年二組、天文学部副部長。雪音とは幼馴染み。


有馬 (いさむ)64歳男子

波音町にあるゲームセンター“ギャラクシーフィールド”の店主。千春が登場したゲーム、”ギャラクシーフィールドの新世界冒険”の開発者でもある。なお現在の”ギャラクシーフィールド”は儲かっている。


細田 周平(しゅうへい)15歳男子

野球部に所属している一年生。Chapter5では詩穂に恋をしていた。


貴志 (ひろ)

鳴海の父親、事故で亡くなっている。菜摘の父、潤と高校時代クラスメートだった。


貴志 由香里(ゆかり)

鳴海の母親、事故で亡くなっている。菜摘の母、すみれと高校時代クラスメートだった。


神谷 絵美(えみ)29歳女子

神谷の妻。Chapter5では妊娠していた。


波音物語に関連する人物






白瀬 波音(なみね)23歳女子

波音物語の主人公兼著者。妖術を使う家系『海人』の末裔、そして最後の生き残り。Chapter4の終盤、妖術を使い奈緒衛の魂を輪廻させ、自らの魂も輪廻出来るようにした。


佐田 奈緒衛(なおえ)17歳男子

波音の戦友であり恋仲。優れた剣術を持ち、波音とは数々の戦で戦果をあげた。Chapter4の終盤に死んでしまった人物。


(りん)21歳女子

波音、奈緒衛を慕う女中。緋空浜の力を持っており、遥か昔から輪廻を繰り返してきた。波音に輪廻を勧めた張本人。体が弱い。奈緒衛と同じくChapter4の終盤に死んでしまった人物。


明智 光秀(みつひで)55歳男子

織田信長と波音たちを追い込み凛を殺した。


織田 信長(のぶなが)48歳男子

天下を取るだろうと言われていた武将。


一世(いっせい) 年齢不明 男子

ある時波音が出会った横暴で態度の悪い男。

Chapter6卒業編♯41 √文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海


◯1474森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 話をしている波音、奈緒衛、凛

 波音たちの周りには明智軍の武士5人の死体が転がっている

 波音たちの近くには一頭の馬がいる

 馬には荷物が乗せてある 

 濃い霧が出ている


波音「奈緒衛、凛、二人とも無事か」

奈緒衛「おう、上手く切り抜けたぞ」

波音「良かった・・・二人とも見事な戦いであったぞ」


◯1475滅びかけた世界:道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451と同日

 ◯1427の続き

 スズは道路を走っている

 トイレを探しているスズ

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある


凛「(声)やっとお二人と共に戦うことが出来て私めは嬉しゅうございます!!」

波音「(声)凛は素晴らしい剣術を持っておるな、今後も修行を積めば私や奈緒衛よりも強くなるかもしれぬぞ」


◯1476波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473と同日

 ◯1472の続き

 体育館の中には全校生徒が集まっており、その中には三年の双葉や一年の細田周平もいる

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、明日香、汐莉、雪音のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 千春は体育館の後ろの方で鳴海たちの朗読を聞いている

 千春の位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春の姿は誰にも見えていない

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海たちが朗読している場面は、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474と完全に同じ


汐莉「(朗読劇用の波音物語を読みながら)わ、私めはただ受け流しただけですゆえ・・・」

雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)それでも良い動きをしているように見えたが・・・」


◯1477滅びかけた世界:波音高校に向かっている道中/道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475と同日

 ◯1447の続き

 老人が運転している荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校に向かっている

 老人の隣の助手席には老人のライフルが置いてある

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、時々車が大きく揺れる


鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら 声)おいおい波音、自らの戦いに夢中で俺たちのことなど見ていなかっただろ?」


 少しすると波音高校が見えて来る


◯1478波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476と同日

 ◯1476の続き

 体育館の中には全校生徒が集まっており、その中には三年の双葉や一年の細田周平もいる

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、明日香、汐莉、雪音のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 千春は体育館の後ろの方で鳴海たちの朗読を聞いている

 千春の位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春の姿は誰にも見えていない

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海たちが朗読している場面は、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474と完全に同じ


雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら)何を申すか奈緒衛、しっかりお主らの戦いを見ておったわ」


◯1479滅びかけた世界:道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477と同日

 ◯1451の続き

 ナツは道路を歩いている

 ナツはスズが向かった方へ目指している

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある


鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら 声)本当か?」

雪音「(朗読劇用の波音物語を読みながら 声)本当だ」


◯1480森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 話をしている波音、奈緒衛、凛

 波音たちの周りには明智軍の武士5人の死体が転がっている

 波音たちの近くには一頭の馬がいる

 馬には荷物が乗せてある 

 濃い霧が出ている


奈緒衛「嘘だろう?」

波音「私は嘘などつかない」

凛「(大きな声で)お二人様!!!お止め下さい!!!危険を三人で切り抜けたというのに争ってはなりませぬ!!!!このような些細な事でお二人が争う姿など見とうありません!!!!」

波音「別に争ってなどおら・・・」


 突然大きなドォォォンという音が響き渡る


◯1481緋空寺/境内(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478と同日

 ◯1473の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 菜摘は目を瞑っている

 早季は右手に刀を持っており、左手を菜摘に差し出している

 早季は制服を着ている

 菜摘が目を開ける 

 菜摘が目を開けた途端、強い風が吹く

 早季は菜摘に差し出していた左手で顔を覆い、風を防ぐ 

 境内の外れの方の雑草が風で揺れている

 雑草の中に小さな墓石が二基ある

 墓石の一基には白瀬 波音と薄い文字で彫られており、もう一基には佐田 奈緒衛と薄い文字で彫られている

 少しすると風が止まる

 早季が左手で顔を覆うのをやめて、菜摘のことを見る

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 どこからか波の音が聞こえて来る


早季「菜摘・・・今何を・・」


◯1482波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481と同日

 ◯1478の続き

 体育館の中には全校生徒が集まっており、その中には三年の双葉や一年の細田周平もいる

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある 

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、明日香、汐莉、雪音のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 千春は体育館の後ろの方で鳴海たちの朗読を聞いている

 千春の位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春の姿は誰にも見えていない

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海たちが朗読している場面は、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480と完全に同じ


鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)何だ!?何の音だ!?」


 どこからか波の音が聞こえて来る

 千春が波の音に気付く


千春「(鳴海たちの朗読を聞きながら 声 モノローグ)波の音・・・?こんな演出はなかったはずですが・・・」


◯1483滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479と同日

 ◯1477の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まる

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 老人がライフルを肩にかけて車から降りて来る

 老人はポケットから車の鍵を取り出し、車の鍵のボタンを押して扉を閉める

 老人は荷台に積んでいた波音の日本刀、槍、薙刀を手に取ろうとする

 どこからか小さく波の音が聞こえて来る

 波の音に気付き、動きが止まる老人


老人「ば、馬鹿な・・・何故波の音が聞こえるんだ・・・(少し間を開けて)ナツかスズがやってるのか・・・?」


 老人は周囲を見るが、誰もいない


◯1484滅びかけた世界:道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483と同日

◯1479の続き

 道路の真ん中で立ち止まっているナツ

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 波の音が小さく聞こえている

 ナツの波の音を聞いている


ナツ「おかしいな・・・緋空浜はもっと向こうなのに・・・」


◯1485滅びかけた世界:道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484と同日

 ◯1475の続き

 スズは道路を走っている

 トイレを探しているスズ

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 波の音が小さく聞こえている

 波の音に気付き道路で立ち止まるスズ


スズ「げんちょーだ・・・我慢し過ぎて耳が壊れちゃったのかなぁ・・・」


 スズは耳を掻く


◯1486森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 濃い霧が出ている

 波音たちの周りには明智軍の武士5人の死体が転がっている

 波音たちの近くには一頭の馬がいる

 馬には荷物が乗せてある 

 波音が辺りを見ると一本の大きな木の幹に血のついた弾丸が刺さっていることに気が付く

 木の幹に突き刺さった弾丸からは煙が出ている

 波音は振り返る

 波音の振り返った先に凛が立っている

 霧のせいで凛の全身が見えなくなっている


凛「な、波音様・・・」


 霧が少しだけ消える

 凛の全身が見えるようになる

 弾丸は凛の胸元を貫通している

 凛に駆け寄る奈緒衛


奈緒衛「(大きな声で)凛!!!!しっかりしろ!!!!」


 凛の胸元からどんどん血が溢れてくる

 その場に倒れる凛

 凛に駆け寄る波音

 凛の手を穴の開いた胸元に置く波音


波音「(凛の手を胸元に強く押しつけ大きな声で)傷口を押さえろ!!!!」


 凛の手には力が入っていない

 凛の手はすぐに胸元から離れてしまう

 どこからか小さく波の音が聞こえて来る


凛「(小さな声で)な、波音・・・様と・・・波の音で・・・ございますね・・・」


 凛しか波の音に気付いていない


◯1487緋空寺/境内(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482と同日

 ◯1481の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 どこからか波の音が聞こえている

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 波の音は少しずつ大きくなる


早季「い、いけない・・・それでは人類が・・・」


 突然地震が起こる

 

◯1488波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487と同日

 ◯1482の続き

 体育館の中には全校生徒が集まっており、その中には三年の双葉や一年の細田周平もいる

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 一般生徒たちはテーブルに向かってパイプ椅子に座り、飲み食いをしながらステージを見ている

 どこからか波音の音が聞こえている

 朗読劇用の波音物語を持って体育館のステージの上に立っている鳴海、明日香、汐莉、雪音

 鳴海、明日香、汐莉、雪音は波音物語の朗読を行っている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の前にはマイクスタンドが置いてある

 鳴海、明日香、汐莉、雪音のことを白色の照明が照らしている

 鳴海、明日香、汐莉、雪音の後ろにはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材が置いてある 

 体育館の電気はステージの照明以外消えている

 下手側のステージの袖に響紀、詩穂、真彩がいる

 響紀、詩穂、真彩は袖からステージを見ている

 嶺二は体育館二階の調整室にいる

 千春は体育館の後ろの方で鳴海たちの朗読を聞いている

 千春の位置からはちょうど体育館二階の調節室の窓ガラスが見えている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春の姿は誰にも見えていない

 生徒会に所属している何人かの生徒たちと、神谷を含む教師たちが体育館の壁際に集まっている

 生徒会の生徒と、教師たちの何人かはマイクを持っている

 鳴海たちが朗読している場面は、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486と完全に同じ

 波の音が大きくなっており、生徒たちはざわついている


一年生男子生徒1「さっきからなんか聞こえてるよな」

一年生男子生徒2「SEってやつじゃねーの」


 鳴海たちはざわつく生徒たちと波の音を気にせずに朗読を続けている


鳴海「(朗読劇用の波音物語を読みながら)波音!!早く逃げ・・・」


 突然地震が起こる


千春「じ、地震!?」


 テーブルの上に置いてあったジュースが倒れ、お菓子が床に落ちる


一年女子生徒1「ねえこれやばくない!?めっちゃ揺れてんじゃん!!」

一年生女子生2「早く外に逃げた方が良いって!!」


 生徒たちは大騒ぎしている

 鳴海たちは一旦朗読を中断する

 鳴海は菜摘がいたはずの上手側の袖を見るが、そこには誰もいない


教師1「み、皆さん落ち着いてテーブルの下に隠れください!!」


 双葉、細田を含む大半の生徒たちがテーブルの下に隠れ始める

 響紀、詩穂、真彩が袖からステージに出て来る


真彩「う、うちらも早く隠れないと!!」


 詩穂、真彩はステージから急いで降りて、近くのテーブルの下に隠れる

 嶺二が体育館二階の調整室から急いで降りて来る

 生徒に続き教師たちも近くのテーブルの下に隠れ始める

 神谷は一人ボーッとしている

 嶺二が袖からステージに出て来る


嶺二「おい!!とっとと隠れるぞお前ら!!」

鳴海「ま、待ってくれ!!菜摘がいないんだ!!」

明日香「えっ・・・ど、どうすんのよ!?」

鳴海「さ、探すしかないだろ!!」

明日香「どこを!?」

雪音「体育館の中にいれば場所は限られるでしょ」

汐莉「な、鳴海先輩!!私たちで菜摘先輩を・・・」

鳴海「(汐莉の話を遮って大きな声で)ダメだ!!!!お前らは先に避難しろ!!!!」

汐莉「で、でも・・・」

鳴海「(大きな声で)俺のことを信じて汐莉は自分にしか出来ないことをするんだ!!!!良いな!?!?助けられる奴がいたらお前が手を差し出すんだぞ!!!!」


 鳴海は走って上手側の袖に向かう

 千春は鳴海が一人で菜摘を探しに行ったことを察し、ステージに向かって走り出す

 

響紀「汐莉!!今は鳴海くんの言った通りにして!!私もあの人のこと信頼してるから!!」

汐莉「う、うん!!」


 明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀はステージから急いで降りる

 神谷は変わらずボーッとしており、テーブルの下に隠れようとしていない

 汐莉は神谷の手を掴む


汐莉「(神谷の手を掴んでテーブルの下に連れ込み)何してるんですか神谷先生!!」


 汐莉は神谷と共に近くのテーブルの下に隠れる


神谷「(テーブルの下に隠れたまま)ああ・・・汐莉・・・さっきの君の歌は素晴らしかったよ・・・」

汐莉「(テーブルの下に隠れたまま)そ、そんなことよりも地震の時は逃げるか隠れるかしてください・・・」

神谷「(テーブルの下に隠れたまま)地震・・・そうか・・・君が先生を助けたのか・・・」

 

 明日香と響紀は隠れられるスペースがあるテーブルの下に急いで潜る

 嶺二と雪音は隠れられるテーブルを急いで探している

 嶺二と雪音はステージに向かって走っている千春とすれ違う 

 すれ違いざまに嶺二のことをチラッと見る千春

 千春の姿は変わらず誰にも見えていない

 嶺二と雪音は隠れられるテーブルを見つけ、急いで下に潜る

 千春はステージに登る


◯1489森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 濃い霧が出ている

 どこからか波の音が聞こえている

 凛の側にいる波音と奈緒衛

 波音が凛の手で凛の胸元を押さえようとしている

 凛の胸元からはたくさんの血が流れている

 波音たちの周りには明智軍の武士5人の死体が転がっている

 波音たちの少し離れたところには一頭の馬がいる

 馬には荷物が乗せてある 

 波の音が大きくなっている

 波音と奈緒衛にも波の音は聞こえているが、気にする余裕はない

 大きな銃声が響き渡る


奈緒衛「(大きな声で)波音!!!!逃げないと!!!」

波音「分かっておる!!!!」


 凛を抱き抱える波音

 近くの木に弾丸が当たる


◯1490波音高校体育館/三年生を送る会会場(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488と同日

 ◯1488の続き

 地震が起きている

 体育館には大きなテーブルとパイプ椅子が並べられており、テーブルの上にはお菓子やジュースが置いてある

 大きな波の音が聞こえている

 明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩、神谷、双葉、細田を含む全校生徒と教師たちがテーブルの下に隠れている

 テーブルの上に置いてあったジュースは倒れ、お菓子は床に落ちたり、テーブルで散乱していたりする

 体育館の電気はステージの白色の照明以外消えている

 ステージの上にはリードギター、サイドギター、ベース、ドラム、その他機材とマイクスタンドが4本置いてある 

 明日香は響紀の近くに、嶺二は雪音と双葉の近くに、汐莉は神谷の近くに、詩穂は真彩の近くに、細田は野球部員の近くにおり、それぞれテーブルの下に隠れている

 揺れが少しずつ収まる


二年生男子生徒1「(テーブルの下に隠れたまま)ちょっと落ち着いてきたんじゃね?」

二年生男子生徒2「(テーブルの下に隠れたまま)い、今のうちに逃げようぜ!!」


 二年生男子生徒1と2は恐る恐るテーブルの下から出る 

 二年生男子生徒1と2は周囲を確認した後、体育館の出口に向かって走り出す

 

一年女子生徒1「(テーブルの下に隠れたまま大きな声で)ねえ私たちも逃げようよ!?ほとんど揺れてないじゃん!!!!」


 二年生男子生徒1と2は体育館から出て行く

 一年生女子生徒1の近くにいる生徒たちは頷き、一斉にテーブルの下から出る

 一年生女子生徒1を含む十数人生の生徒たちが体育館の出口に向かって走り出す

 一年生女子生徒1に続きたくさんの生徒たちがテーブルの下から出始める


三年生男子生徒1「(大きな声で)みんな校庭に避難するぞ!!!!」


 たくさんの生徒たちが体育館の出口に向かって走り出す


教師1「(テーブルの下に隠れたまま大きな声で)ま、待ちなさい!!!!まだ揺れは完全に・・・」


 教師1の声は、波の音と生徒たちの上履きの音と生徒たちのパニックに近い騒ぎでかき消される

 たくさんの生徒たちが体育館から逃げて行く

 響紀はテーブルの下に隠れたまま明日香に手を差し出す


響紀「(テーブルの下に隠れたまま明日香に手を差し出して)行こう、明日香ちゃん」

明日香「(テーブルの下に隠れたまま響紀の手を取り)うん」

 

 明日香と響紀は手を繋いだままテーブルの下から出る

 明日香と響紀は手を繋いだまま体育館の出口に向かって走り出す

 詩穂と真彩はテーブルの下に隠れたままお互いに顔を見合わせる

 テーブルの下に隠れたまま頷く詩穂と真彩

 詩穂と真彩はテーブルの下から出る

 体育館の出口に向かって走り出す詩穂と真彩


汐莉「(テーブルの下に隠れたまま)神谷先生!!私たちも校庭に避難しましょう!!」

神谷「(テーブルの下に隠れたまま)しかし・・・田中先生はここにいろと・・・」

汐莉「(テーブルの下に隠れたまま)こんなところに隠れてたって逃げ遅れたら終わりじゃないですか!!」


 少しの沈黙が流れる


神谷「(テーブルの下に隠れたまま)そうだね・・・先生と一緒に逃げよう汐莉」

汐莉「(テーブルの下に隠れたまま)はい!!」


 汐莉と神谷はテーブルの下から出る

 汐莉と神谷は体育館の出口に向かって走り出す


双葉「(テーブルの下に隠れたまま)雪音」

雪音「(テーブルの下に隠れたまま)うん」

嶺二「(テーブルの下に隠れたまま)何で俺までお前らに行動を合わせなきゃいけねーんだ」

雪音「(テーブルの下に隠れたまま)嫌なら嶺二一人だけテーブルの下で暮らし続けたら?」

嶺二「(テーブルの下に隠れたまま)そこまで言うなよ・・・」

雪音「(テーブルの下に隠れたまま)私のことをふったくせに」

嶺二「(テーブルの下から出て)ふったんじゃねえ。決別したんだ」


 雪音と双葉もテーブルの下から出る


双葉「意味は同じだろ」

嶺二「うっせえ明智光秀の子孫が」


 生徒たちのほとんどがテーブルの下から出ており、体育館から校庭へ逃げようとしている


◯1491森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486、◯1489と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 濃い霧が出ている

 波音は凛は抱き抱えている

 波音と凛の側にいる奈緒衛

 凛の胸元からはたくさんの血が流れている

 大きな波の音が聞こえている


波音「(凛を抱き抱えたまま大きな声で)走るぞ奈緒衛!!!!」

奈緒衛「(凛を抱き抱えたまま)ああ!!」


 波音は凛を抱えたまま立ち上がって走り出す

 奈緒衛も波音に合わせて走り出す

 波音と奈緒衛は濃い霧の中、夜の山の道を走っている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 山の道は険しく、太く大きな木の根が地面から盛り上がっている


波音「(凛を抱き抱えたまま走りながら大きな声で)死ぬな凛!!!!」


 銃声が響く

 地面に弾丸が刺さる

 土が弾け飛ぶ

 必死に走っている波音と奈緒衛


奈緒衛「(走りながら)クソッ!!明智の軍勢か!!」


◯1492緋空寺/境内(昼前)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490と同日

 ◯1487の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海が金色に光り始める

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 大きな波の音が聞こえている

 地震が起きている


早季「もうやめてください・・・菜摘・・・お願いです・・・こんなことはやめましょう・・・」


 突然地震の揺れが完全に収まる

 

菜摘「みんなが・・・奇跡と共にありますように・・・」


 菜摘の胸元から小さな白い光の玉がふわふわと浮かんで出て来る

 小さな白い光の玉は菜摘の目の前でふわふわ浮かんでいる

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮ぶ小さな白い光の玉を見ている


◯1493波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492と同日

 ◯1488の続き

 体育館ステージ裏にいる鳴海

 鳴海は体育館ステージ裏の通路を見て周り菜摘を探している

 ステージ裏は薄暗く、ほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 地震の揺れは収まっているが、波の音は変わらず大きく聞こえている

 鳴海の胸元から小さな白い光の玉のようなものがふわふわと浮かびどこかに飛んで行く

 鳴海には白い光の玉が見えておらず、飛んで行ったことにも気付いていない


鳴海「(周囲を見ながら大きな声で)菜摘!!!!いないのか!!!!菜摘!!!!」


 鳴海はステージ裏の扉を開ける

 ステージ裏の扉は裏庭に繋がっている

 鳴海は裏庭に出る

 裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 裏庭には鳴海しかいない


◯1494波音高校校庭(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493と同日

 ◯1488の続き

 上履きのまま校庭に避難して来た明日香、嶺二、汐莉、雪音、響紀、詩穂、真彩、神谷、双葉、細田、そしてたくさんの一般生徒たち

 教師の中で避難して来たのは神谷だけ 

 生徒たちはざわついている

 大きな波の音が聞こえている

 明日香は響紀と、嶺二は雪音、双葉と、詩穂は真彩と、細田は一年生男子生徒たちと話をしている

 汐莉と神谷が話をしている


神谷「改めて礼を言わないとな。汐莉、ありがとう。君は命の恩人だ」

汐莉「い、いえ・・・わ、私は・・・誰かの役に立ちたかっただけで・・・」

神谷「汐莉、君は先生が長年教師を勤めて来た中で、最も素晴らしい生徒だよ。その理由は何だと思う?」

汐莉「分かりません・・・」

神谷「汐莉は人が人にしてあげられる一番のことをしたんだ。(少し間を開けて)君はあの場で適切な判断を下し、俺の命を守ってくれた。役に立つ以上の功績を残したんだよ」

汐莉「あ、ありがとうございます・・・神谷先生・・・」


 汐莉の胸元から小さな白い光の玉のようなものがふわふわと浮かびどこかに飛んで行く

 汐莉、神谷には白い光の玉が見えておらず、飛んで行ったことにも気付いていない


◯1495緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494と同日

 ◯1492の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 大きな波の音が聞こえている

 菜摘の目の前には小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮ぶ小さな白い光の玉を見ている


菜摘「奇跡が・・・みんなのことを守りますように・・・」


◯1496波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495と同日

 ◯1488の続き

 体育館ステージ裏にいる千春

 千春は体育館ステージ裏の通路を見て周り菜摘を探している

 ステージ裏は薄暗く、ほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 大きな波の音が聞こえている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春が歩いているところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ


千春「(周囲を見ながら)どこにいるんですか・・・菜摘さん・・・」


 突然千春の体が金色に光り始める

 千春は自分の体を見て驚く 

 千春の光は体育館ステージ裏の通路を明るく照らしている


千春「(金色に光り輝く自分の体を見ながら)こ、これは奇跡の光では・・・?(少し間を開けて)まさか菜摘さんがまた代償を払ったんじゃ・・・」


◯1497緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496と同日

 ◯1495の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 大きな波の音が聞こえている

 菜摘の目の前には小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮ぶ小さな白い光の玉を見ている

 少しするとどこからか小さな白い光の玉が2つ菜摘の元へふわふわと浮かびながらやって来る

 菜摘の目の前には3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮ぶ3つの小さな白い光の玉を見ている


早季「(菜摘の目の前でふわふわ浮ぶ3つの小さな白い光の玉を見ながら)3つの・・・魂・・・」


 菜摘はその場で正座をする


菜摘「(正座をしたまま)私の命を代償に・・・みんなを導いてください・・・お願いします・・・」


◯1498森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486、◯1489、◯1491と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 濃い霧が出ている

 凛を抱き抱えたまま走っている波音

 奈緒衛も波音に合わせて走っている

 凛の胸元からはたくさんの血が流れている

 大きな波の音が聞こえている

 波音と奈緒衛は濃い霧の中、夜の山の道を走っている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 山の道は険しく、太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 銃声が響く

 弾丸が波音の首をかする

 波音の首から血が飛ぶ

 顔を歪める波音

 

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)波音様・・・血が・・・」


 凛はゆっくり手をあげ、波音の首を押さえようとする

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっている


波音「(凛を抱き抱えたまま走りながら怒鳴り声)押さえてろと言っただろう!!!!」


 再び銃声が響く

 波音の腰に弾丸がかする

 波音が転び、凛は投げ出される


◯1499波音高校裏庭(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497と同日

 ◯1493の続き

 裏庭に一人いる鳴海

 裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 大きな波の音が聞こえている


鳴海「よく考えるんだ・・・体育館と裏庭に菜摘はいない・・・だとしたら教室か・・・それとも部室か・・・クソッ・・・頭を使え・・・他に菜摘が行きそうな場所はどこだ・・・」


 少しすると花壇の中の肥料や花の茎から水が出て来る

 水は花壇を越えてゆっくり鳴海の方へ流れて行く

 鳴海の足元の少し後ろには水が溜まっている

 鳴海は足元の少し後ろに水が溜まっていることに気付いていない


◯1500森(500年前/夜)

 ◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486、◯1489、◯1491、◯1498と同日

 曇り空

 月が雲に隠れていて、周囲は薄暗い

 濃い霧が出ている

 大きな波の音が聞こえている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 森の中で倒れている波音と凛

 波音は首と腰から出血している

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 奈緒衛は波音と凛の元へ駆け寄る

 

奈緒衛「(波音と凛の元へ駆け寄り大きな声で)波音!!!!凛!!!!」


 波音はフラフラと立ち上がり、足を引きずりながら凛の元へ行く

 凛は変わらず倒れている

 凛の側で膝をつく波音

 凛を抱き抱える波音


凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)波音様・・・彼が・・・」

波音「(凛を抱き抱えたまま)な、何のことだ・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)つ、強い・・・奇跡を宿した・・・」


 たくさんの馬の蹄の音が聞こえてくる


奈緒衛「(波音と凛の元へ駆け寄り大きな声で)二人とも!!!!追手が来ているぞ!!!!」


 銃声が響く 

 奈緒衛の太ももに弾丸が当たる

 奈緒衛の太ももから肉片と弾丸が飛び出る

 転ぶ奈緒衛


波音「(凛を抱き抱えたまま大きな声で)奈緒衛!!!!」


 転んだ奈緒衛は何とか立ち上がろうとするが、立てない

 倒れている奈緒衛


奈緒衛「(倒れたまま)波音!!逃げろ!!」


 馬に乗って武装した明智光秀とその家臣が波音たちのことを囲む


光秀「残念だったな白瀬殿。早々と逃げていればこのようなことにはならなかったのに」


 100人近くの馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 

光秀「健闘をしたことは認めるぞ。敵ながらあっぱれとはそなたのような・・・」


 木々の葉っぱから水が溢れ、雫になって落ちて来る

 雫が喋りかけていた光秀の顔に落ちる

 光秀は手で雫を拭き取る


光秀「これが噂の妖術とやらか・・・波の音を奏でているのもそなただな」


 葉っぱからはポタポタと雫が落ちて来ている

 盛り上がった木々の根っこからも水が出て来る


波音「(凛を抱き抱えたまま)凛・・・もうよすのだ・・・水如きでは・・・状況は動かぬよ・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)な、波音様・・・こ、これはおそらく・・・我らの魂を持つ者の力でございます・・・」

波音「(凛を抱き抱えたまま)た、魂を持つ者の・・・力?」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)世のことわり・・・輪廻でございます・・・」


 葉っぱから落ちた雫と木々の根っこから出た水が混ざり、ゆっくり波音と凛の方へ流れて行く

 波音と凛の近くには水が溜まっている

 波音、奈緒衛、凛、光秀、明智軍の武士たちは水たまりを見ている

 波音と凛の近くに溜まった水は渦を作る

 波音と凛の近くに出来た水の渦はゆっくり宙に浮かび始める

 波音、奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちは驚いて宙に浮かんだ水の渦を見ている


◯1501滅びかけた世界:道路(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485と同日

 ◯1485の続き

 道路で立ち止まっているスズ

 大きな波の音が聞こえている

 建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 スズは波の音を聞いている


スズ「おーい!!誰かいんのー!!波の音が聞こえてるよー!!」


 スズの声は周囲に響き渡る

 亀裂が入った道路から水が出て来る

 水はゆっくりスズの方へ流れて行く


スズ「ん〜・・・波のお化けなのかな〜」


 スズの足元には水が溜まっている

 スズの足元に溜まった水は渦を作る

 スズは足元に水の渦が出来ていることに気付く


スズ「(足元に出来た水の渦を見て)うわっ!!何だこれ!!」


 スズの足元に出来た水の渦はゆっくり宙に浮かび始める


スズ「(宙に浮かんだ水の渦を見ながら驚いて)う、浮いたっ!!」


 スズの目の前には水の渦が浮かんでいる

 宙に浮かんだ水の渦は2mほどの大きさになっている


◯1502波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499と同日

 ◯1496の続き

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏はほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 大きな波の音が聞こえている

 千春の体が金色に光り輝いている

 千春は刃の欠けた剣を持っている

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春の光は体育館ステージ裏の通路を明るく照らしている

 少しするとステージ裏の床の隙間から水が出て来る

 水はゆっくり千春の方へ流れて行く

 千春の足元には水が溜まっている

 千春は足元に水たまりが出来ていることに気付く


千春「(足元に出来た水たまりを見て)また水の渦を通って移動ですか・・・(少し間を開けて)今度の目的地がどこであれ・・・」


 千春の足元に溜まった水は渦を作る

 千春の足元に出来た水の渦はゆっくり宙に浮かび始める

 千春の目の前には水の渦が浮かんでいる

 宙に浮かんだ水の渦は2mほどの大きさになっている

 千春は刃の欠けた剣を構える


千春「(宙に浮かんだ2mほどの水の渦に向かって剣を構えながら)戦う覚悟は出来ています!!」


◯1503滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501と同日

 ◯1483の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 大きな波の音が聞こえている

 老人は車の近くに立って波の音を聞いている

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている


老人「今から何が起きる・・・」


 波音高校のボロボロの壁から水が出て来る

 水は波音絵高校のボロボロの壁をつたって、ゆっくり老人の方へ流れて行く

 老人は水が自分の方へゆっくり流れて来ていることに気付く

 老人の足元には水が溜まっている

 

老人「(足元に出来た水たまりを見て)クソ・・・俺に何を見せる気だ・・・」


 老人の足元に溜まった水は渦を作る

 老人の足元に出来た水の渦はゆっくり宙に浮かび始める

 老人の目の前には水の渦が浮かんでいる

 宙に浮かんだ水の渦は2mほどの大きさになっている


老人「(宙に浮かんだ2mほどの水の渦を見ながら)冗談じゃ済まされないぞ、ナツ・・・」


 宙に浮かんだ2mほどの水の渦を見ながら深呼吸をする老人


◯1504波音高校裏庭(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502と同日

 ◯1499の続き

 裏庭に一人いる鳴海

 裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 大きな波の音が聞こえている

 鳴海の足元の少し後ろには水の渦が出来ている

 鳴海の足元の少し後ろに出来た水の渦はゆっくり宙に浮かび始める

 鳴海の後ろには水の渦が浮かんでいる

 宙に浮かんだ水の渦は2mほどの大きさになっている

 鳴海は振り返って後ろを見る

 鳴海は初めて水の渦の存在に気付く


鳴海「(宙に浮かんだ2mほどの水の渦を見て)な、何が起きてるんだ・・・」


 鳴海は呆然としながら宙に浮かんだ2mほどの水の渦を見ている

 少しすると宙に浮かんだ水の渦の中心が開く

 宙に浮かんだ水の渦の中心が開いた瞬間、鳴り響いていた波の音が止まる

 水の渦の中心は◯1500の森(500年前/夜)と繋がっている

 500年前の森でも波の音は止まっている

 500年前の森に波音、奈緒衛、凛、光秀、明智軍の武士たちがいる

 波音、奈緒衛、凛、光秀、明智軍の武士たちが水の渦の中心から鳴海のことを見ている

 波音は凛のことを抱き抱えている 

 波音は首と腰から出血している

 奈緒衛は太ももから大量の血を流しており、倒れたまま鳴海のことを見ている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した明智光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは100人近くいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 鳴海は水の渦の中心から波音たちのことを見ている

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている


奈緒衛「(水の渦の中心から鳴海のことを見て)ひ、人がいるぞ・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま水の渦の中心から鳴海のことを見て小さな声で)波音様・・・奈緒衛様・・・あの青年がそうでございます・・・」

鳴海「(水の渦の中心から波音たちのことを見て)な、波音・・・?あ、あなたが波音なのか?」

波音「(凛を抱き抱えたまま水の渦の中心から鳴海のことを見て)如何にも・・・私が白瀬波音・・・海人の末裔だ・・・(少し間を開けて)お主・・・近う寄ってくれぬか・・・?ここらでは顔がよく見えぬのだ・・・」


 少しの沈黙が流れる

 鳴海はゆっくり歩き出し、水の渦の中心を通って500年前の波音、奈緒衛、凛、光秀、明智軍の武士たちがいる森へ行く


◯1505波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504と同日

 ◯1502の続き

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏はほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 大きな波の音が聞こえている

 千春の体が金色に光り輝いている

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春の光は体育館ステージ裏の通路を明るく照らしている

 千春の目の前には2mほどの大きさの水の渦が浮かんでいる

 千春は刃の欠けた剣を宙に浮かんだ2mほどの水の渦に向かって構えている

 光り輝いていた千春の体が元に戻り、体育館ステージ裏の通路は再び薄暗くなる

 宙に浮かんだ水の渦の中心が開く

 宙に浮かんだ水の渦の中心が開いた瞬間、鳴り響いていた波の音が止まる

 千春の視界が水の渦の中心から放たれた眩しい光に遮られてぼやける

 千春は左手で目を擦り、水の渦の中心をよく見てみる

 水の渦の中心は◯1501の滅びかけた世界:道路(昼過ぎ)と繋がっている

 道路で立ち止まって、水の渦の中心から千春のことを見ているスズ

 滅びかけた世界の建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 滅びかけた世界の道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 滅びかけた世界の道路でも波の音は止まっている


スズ「(水の渦の中心から千春のことを見て大きな声で)お、お、お化けだ!!!!」

千春「(刃の欠けた剣を構えたまま水の渦の中心からスズのことを見て)お、お化けでは・・・(驚いて大きな声で)って私のことが見えてるんですか!?!?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見て大きな声で)見える!!!!お化けじゃないならお前は何だ!!!!」


 少しの沈黙が流れる

 千春は刃の欠けた剣を構えるのをやめる


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)わ、私は・・・その・・・キャラクターで・・・」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)きゃらくたあ〜?」


 俯く千春


千春「(俯いたまま)はい・・・ゲームセンターギャラクシーフィールドで作られた存在です・・・」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)ゲームセンターってジジイが言ってたやつかな・・・?」

 

 顔を上げる千春

 千春は水の渦の中心からスズのことを見る


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)ジジイ・・・?」


 スズはポケットからゲームセンターギャラクシーフィールドのコインを取り出す

 スズは一歩前に出て宙に浮かんだ水の渦に近づく

 スズは水の渦越しにギャラクシーフィールドのコインを千春に差し出す

 

スズ「(水の渦越しにギャラクシーフィールドのコインを千春に差し出したまま)ジジイがゲームセンターのお金をくれたんだ」


 千春は一歩前に出て宙に浮かんだ水の渦に近づく

 千春は水の渦越しにギャラクシーフィールドのコインをスズから受け取る

 ギャラクシーフィールドのコインを見る千春

 ギャラクシーフィールドのコインの面面には”Game Center”と文字が彫られている

 千春はギャラクシーフィールドのコインの裏面を見る

 ギャラクシーフィールドのコインの裏面には”Galaxy Field”と文字が彫られている


千春「(ギャラクシーフィールドのコインを見たまま)こ、これはギャラクシーフィールドのメダルじゃないですか!!」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)お宝ってこと・・・?」

千春「(ギャラクシーフィールドのコインを見たまま)私にとっては・・・はい・・・宝物です」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)ふーん・・・(少し間を開けて)お前、名前はないの?」

千春「(ギャラクシーフィールドのコインを見るのをやめて)あ、ありますよ!!ひ、柊木千春です!!」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)分かった!!昨日夢で見た春巻きの妖精だ!!」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)ち、違います!!わ、私は人間じゃないけど・・・妖精でもありません!!」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)じゃーお化け・・・?」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)それも違います!!」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま不思議そうに)千春ってどっかで聞いたことある名前なんだけどなぁ・・・」


◯1506森(500年前/夜)

 500年前の◯1424、◯1436、◯1438、◯1256、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471、◯1474、◯1480、◯1486、◯1489、◯1491、◯1498、◯1500、◯1504と同日

 ◯1504の続き

 宙に浮かんだ水の渦の中心を通って500年前の森にやって来た鳴海

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中には波音、奈緒衛、凛、明智光秀、明智軍の武士たちが100人近くいる

 波音は凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 波音、奈緒衛、凛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 鳴海はゆっくり歩いて、波音と凛の元へ行く


光秀「(鳴海のことを見たまま大きな声で)貴様!!!!この地になんの用があって・・・」


 鳴海のことを見るのをやめて光秀を睨む波音


波音「(凛を抱き抱えたまま光秀のことを睨みつけ)黙れ・・・」


 光秀は喋りかけていた口を閉じる

 波音は再び鳴海のことを見る


波音「(凛を抱き抱えたまま鳴海のことを見て)こちらへ来るのだ・・・」


 鳴海は波音と凛の近くに座る

 鳴海は血で真っ赤に染まった凛の胸元を見る

 凛の胸元の出血は止まっていない


鳴海「(血で真っ赤に染まった凛の胸元を見たまま)け、怪我が・・・」

凛「(波音に抱き抱えられ鳴海のことを見たまま小さな声で)名を・・・名を申してください・・・」

鳴海「(血で真っ赤に染まった凛の胸元を見るのをやめて)えっ?」

波音「(凛を抱き抱えたまま鳴海のことを見たまま)お主の名を教えて欲しい」

鳴海「お、俺は・・・貴志・・・鳴海だ」


 波音は涙を流す


波音「(凛を抱き抱え涙を流したまま)そうか・・・そなたが鳴海か・・・」


 波音は凛のことを見る

 凛も波音のことを見る


凛「(波音に抱き抱えられたまま波音のことを見て嬉しそうに小さな声で)お会い出来ましたね・・・波音様・・・」

波音「(涙を流しながら抱き抱えた凛のことを見て)ああ・・・凛よ・・・これはまるで祭り事のようだな・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま嬉しそうに小さな声で)はい・・・お祭りでございます・・・」


◯1507波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505と同日

 滅びかけた世界の◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503と同日

 ◯1505の続き

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏はほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 千春の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、滅びかけた世界の道路(昼過ぎ)と繋がっている

 滅びかけた世界の道路で立ち止まって、水の渦の中心から千春のことを見ているスズ

 滅びかけた世界の建物の多くは損壊していて、草木が生い茂っている

 滅びかけた世界の道路はガタガタで、亀裂が入っている場所もある

 水の渦の中心からスズのことを見ている千春

 話をしているスズと千春


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)ジジイがくれたって言ってましたよね・・・?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)うん!!」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)その人は・・・ゲームセンターギャラクシーフィールドのお客さんですか?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)ジジイに聞いてみないと分かんないよ〜・・・」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)じ、ジジイとは・・・どんな人なのです・・・?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)んーと・・・ジジイはジジイで、強くて、物知りで、元兵士で、そーじが好きで、体育館で寝てて、大切な人を失ってて・・・あっ、ジジイの名前はね・・・牡蠣・・・鳴海・・・?って言うんだよ」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま驚いて)な、鳴海さん!?も、もしかしてその人の名字は貴志じゃないですか!?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま大きな声で)寿司鳴海だったかも!!!!」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)た、多分ですが・・・寿司ではなく・・・貴志だと思います・・・」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)そっか〜」


 少しの沈黙が流れる


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)あ、あの・・・私人を探してるんです・・・」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)人?」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)はい・・・早乙女菜摘さんを知りませんか・・・?」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)それって菜摘先輩のことかなぁ・・・?」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)そ、そうです!!菜摘さんを探してるんです!!」

スズ「(水の渦の中心から千春のことを見たまま)ん〜・・・」

千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま)こ、心当たりはありませんか!?」


 スズは俯く 

 再び沈黙が流れる


スズ「(顔を上げ水の渦の中心から千春のことを見て)よく分かんないからおしっこした後にジジイに聞いてみる!!」


 スズは宙に浮かんだ水の渦に背を向け走り出して行く


千春「(水の渦の中心からスズのことを見たまま大きな声で)ま、待って!!!!」


 スズは千春の声を無視してどこかに走って行く

 千春は水の渦の中心から滅びかけた世界の道路を見ている


◯1508森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506と同日

 ◯1506の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 波音は凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 鳴海は波音と凛の近くで座っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 話をしている鳴海と波音

 波音は涙を流している


波音「(凛のことを抱き抱えて涙を流しながら)鳴海よ・・・我が友・・・我が家族をお主に紹介しよう・・・」


 倒れている奈緒衛のことを見る波音

 鳴海も倒れている奈緒衛のことを見る


波音「(凛を抱き抱えて涙を流しながら奈緒衛のことを見て)あやつは佐田奈緒衛は・・・私の想い人だ・・・」


 一瞬鳴海と奈緒衛の目が合う

 奈緒衛のことを見るのをやめる波音

 

波音「(凛のことを抱き抱えて涙を流しながら)この子は凛と申してな・・・お主のことを・・・予知で見ておった・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)鳴海様・・・あなた様にお会い出来て・・・私めは光栄でございます・・・」

鳴海「お、俺も・・・三人とはずっと会ってみたかった・・・」


 鳴海は涙を流す


凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)波音様・・・鳴海様・・・涙が・・・」

鳴海「(涙を流しながら)光栄なのは俺の方なんだ・・・波音・・・奈緒衛・・・凛・・・三人のことが知りたかった・・・一度で良いから話をしてみたかったんだ・・・」

奈緒衛「(倒れたまま)俺たちと同じ気持ちだったのだな・・・」

鳴海「(涙を流しながら)お、同じ気持ち・・・?」

奈緒衛「(倒れたまま)俺も、波音も、凛も、鳴海と会いたかったんだ」

鳴海「(涙を流しながら)そ、そうなのか・・・?」


 頷く波音


凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)この出会いは・・・波音様の魂を持つ者が・・・起こした・・・奇跡でございましょう・・・」

鳴海「(涙を拭って)菜摘が・・・」


 鳴海たちの上では一羽のスズメが飛んでいる

 スズメは金色に光り輝く手紙を咥えている

 鳴海たちはスズメの存在に気付いていない

 スズメは金色に光り輝く手紙を口から離す 

 金色に光り輝く手紙はふわふわと落ちて来る

 鳴海たちの上にいた一羽のスズメはどこかに飛んで行く

 金色に光り輝く手紙は菜摘が波音に宛てた物で、封筒には”波音さんへ”と書かれている

 金色に光り輝く手紙は◯905で菜摘が緋空浜に流した物と完全に同じ

 金色に光り輝く手紙はふわふわと波音の側に落ちる

 金色に光り輝く手紙を見る鳴海と波音

 

波音「(凛のことを抱き抱え涙を流しながら金色に光り輝く手紙を見て)これは・・・一体何だ・・・?」


 金色に光り輝く手紙の紙の質が変わり始める

 金色に光り輝く手紙の封筒に書かれていた”波音さんへ”という文字が動き出し、筆文字の古語に変わり始める

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちも金色に光り輝く手紙を見ている

 少しすると金色に光り輝く手紙の素材が和紙に変わり、封筒に書かれていた”波音さんへ”という文字も筆文字の古語になって鳴海には読めなくなる

 手紙の光は徐々に弱くなり、少しすると手紙からは完全に光が消える


◯1509緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507と同日

 ◯1497の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 波の音は止まっている

 正座をした菜摘の目の前には3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮かぶ3つの小さな白い光の玉を見ている

 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮かぶ3つの小さな白い光の玉に向かって刀を構える


菜摘「(正座をしたまま)無駄だよ・・・早季ちゃん・・・」


 早季は菜摘の言葉を無視して、菜摘の目の前でふわふわ浮かぶ3つの小さな白い光の玉を刀で斬り刻む

 菜摘の目の前でふわふわ浮かぶ3つの小さな白い光の玉は刀で斬られても変化がない


菜摘「(正座をしたまま)私一人では早季ちゃんに勝てないけど・・・この三人がいれば違う・・・(少し間を開けて)早季ちゃんは私たちには勝てないよ」


 早季は菜摘の目の前でふわふわ浮かぶ3つの小さな白い光の玉を刀で斬るのをやめる


早季「(刀を構えたまま)傷が付いても・・・あなたを連れて行きます・・・」


 早季は菜摘に向かって刀を勢いよく振り下ろす


早季「(菜摘に向かって勢いよく刀を振り下ろしながら)地球を元の水の惑星に戻すために!!」


 早季の刀は菜摘に振り下ろした瞬間何かに跳ね返され、早季は後ろに吹き飛き飛ぶ


菜摘「(正座をしたまま)私は・・・私はみんなの運命を背負ってるんだ!!鳴海くん、汐莉ちゃん、千春ちゃん、明日香ちゃん、嶺二くん、神谷先生、鳴海くんのお父さんとお母さん、波音さん、奈緒衛くん、凛ちゃん、早季ちゃんの運命を!!」


 早季は立ち上がる


早季「聞き分けのない人ですね・・・菜摘・・・あなたほど地球を大切にしない生物は初めて見ました・・・」


 菜摘の目の前にいた3つの小さな白い光の玉は素早く飛び早季の方へ行く

 3つの小さな白い光の玉は早季の周りをふわふわと浮かんでいる


波音「(声)聞き分けがないのは貴様だろう」


 波音の声が早季の周りをふわふわと浮かぶ小さな白い光の玉の1つから聞こえてくる


早季「500年も眠っていた分際で私に楯突くんですか、白瀬波音」

凛「(声)波音様だけではございませぬ」

奈緒衛「(声)この500年の間に輪廻した魂たちがお前に抵抗するぞ」


 凛の声、奈緒衛の声が早季の周りをふわふわと浮かぶ小さな白い光の玉の2つから聞こえてくる


菜摘「(正座をしたまま)みんなの想いは同じなんだ、早季ちゃん。だから・・・争うのはやめようよ・・・」


 少しの沈黙が流れる


早季「あなた方にこうも抗わられるとは・・・私も落ちました・・・」


 早季の刀が赤黒く光り始める


◯1510滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1503の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 車の近くに立っている老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 大きな波の音が聞こえている

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人の目の前には2mほどの大きさの水の渦が浮かんでいる

 老人は宙に浮かんだ2mほどの水の渦を見ている

 少しすると宙に浮かんだ水の渦の中心が開く

 宙に浮かんだ水の渦の中心が開いた瞬間、鳴り響いていた波の音が止まる

 水の渦の中心は500年前の波音村と繋がっている

 500年前の波音村には火葬場が出来ている

 火葬場にはたくさんの村人、住持が集まっている

 500年前の人たちには老人の姿と宙に浮かんだ水の渦が見えていない

 村人は子供から年寄りまで集まっている

 村人の中には泣いている人もいる

 火葬場には遺体を燃やすための木材が積み重ねてあり、その上には木材で出来た棺が置いてある

 老人は水の渦の中心から500年前の波音村の火葬場を見ている


村人1「一世さん、波音様が大事にしていた文まで、本当に燃やしちまうんですか?」


 一世という男に村人1が声をかける

 一世は和紙を持っている


一世「燃やすのが本人の望みだ」


 老人は水の渦の中心から一世が持っている和紙を見ている

 

一世「おい!!まだ仕込みは終わらねえのか!!」

村人1「もう終わりますんで、少々お待ちを、一世さん」

一世「波音から聞いてるだろうが・・・俺の名はもう一世じゃねえ・・・」

村人1「は、はい!」


 老人は一世の持っている和紙がかつて菜摘が波音に宛てて書いた手紙だと気付く

 波音宛ての手紙は筆文字(古語)で書かれており、紙の素材が和紙になっている


老人「(水の渦の中心から一世の持っている菜摘が波音に宛てて書いた手紙を見たまま 声 モノローグ)一世・・・昔一条雪音が言っていた男か・・・(少し間を開けて)奴は何故菜摘の手紙を・・・」


◯1511森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506、◯1508と同日

 ◯1508の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 波音は凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 鳴海は波音と凛の近くで座っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流している

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 話をしている鳴海と波音

 波音は涙を流している

 波音の近くには菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)が落ちている

 波音は菜摘が書いた手紙(和紙)を手に取る


波音「(凛を抱き抱え涙を流したまま)お主が書いたのか?」

鳴海「いや・・・俺じゃない・・・多分・・・これを書いたのは・・・」

光秀「(刀を抜き鳴海に向けて話を遮り大きな声で)何者か知らぬがもう貴様らには付き合っておられぬわ!!!!皆殺しにしてやるぞ!!!!」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)鳴海様・・・早くお逃げに・・・」

鳴海「で、でも・・・凛たちが・・・」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)鳴海様には・・・大切な家族が・・・お待ちになっているでしょう・・・?だから我らのことは気にせず・・・お戻りください・・・」


 少しの沈黙が流れる

 鳴海は立ち上がる


光秀「(刀を鳴海に向けたまま大きな声で)逃げられると思っているのか!!!!」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)波音様・・・鳴海様を・・・お守りに・・・力を・・使って・・・」


 凛の声は更に小さくなる


波音「(凛を抱き抱え涙を流しながら大きな声で)凛!!!!しっかりするのだ!!!!」

凛「(波音に抱き抱えられたまま小さな声で)三人で・・・輪廻を・・・」


 凛は喋らなくなる


波音「(凛を抱き抱え涙を流しながら大きな声で)凛!!!!」


 凛は死んでいる


◯1512滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1510の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 車の近くに立っている老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の波音村と繋がっている

 500年前の波音村には火葬場が出来ている

 火葬場にはたくさんの村人、住持が集まっている

 一人の住持が松明を持っている

 500年前の人たちには老人の姿と宙に浮かんだ水の渦が見えていない

 村人は子供から年寄りまで集まっている

 村人の中には泣いている人もいる

 村人の中に一世という名の男がおり、かつて菜摘が波音に宛てて書いた手紙を持っている

 波音宛ての手紙は筆文字(古語)で書かれており、紙の素材が和紙になっている

 火葬場には遺体を燃やすための木材が積み重ねてあり、その上には木材で出来た棺が置いてある

 老人は水の渦の中心から500年前の波音村の火葬場を見ている

 少しすると白い装束を着た波音が運ばれて来る

 波音は畳の上に乗せて運ばれており、波音の周りには向日葵、和紙で出来た風車が置いてある

 数人の男たちが波音を乗せた畳を運んでいる

 波音は死んでいる

 

一世「座棺に入れろ」


 一世の指示に従い、波音を運んでいた男たちが一度波音を地面に下ろす

 波音を運んでいた男たちが慎重に波音の体を持ち上げ、木材の棺の中に入れる

 波音を運んでいた男たちは向日葵と和紙の風車も木材の棺の中に入れる

 一世は菜摘が波音に宛てて書いた手紙を木材の棺の中に入れる


◯1513緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509と同日

 ◯1509の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 早季の刀は赤黒く光っている

 早季の周りを3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる


菜摘「(正座をしたまま)早季ちゃんは・・・早季ちゃんは・・・人の運命を軽く見過ぎてる・・・」


 早季は赤黒く光る刀を菜摘に向けて構える


菜摘「(正座をしたまま)人は・・・あなたに束縛されて良い存在じゃない!!人生は自由なんだ!!早季ちゃんは・・・正義を押し付けて世界を変えようとしてるけど・・・そんなのは間違ってるよ!!」


◯1514森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506、◯1508、◯1511と同日

 ◯1511の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 波音は涙を流しながら死んだ凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 鳴海は波音と凛の近くで立っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 光秀は刀を鳴海に向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている


波音「(死んだ凛を抱き抱え涙を流しながら)行け・・・鳴海よ・・・ここはお主がいて良い場所ではない・・・」

光秀「(刀を鳴海に向けたまま大きな声で)逃さぬぞ!!!!」

波音「(死んだ凛を抱き抱え涙を流しながら)逃さぬだと・・・?この反逆者が・・・よくも凛の命を・・・よくも凛の命を奪ったな・・・」


 波音は目を瞑る


◯1515◯895の回想/社殿の外(500年前/昼)

 快晴

 馬に乗っている波音、奈緒衛、凛

 三頭の馬は大きな塀で囲まれた社殿の周りをゆっくり進んでいる

 所々に水たまりが出来ているが、馬は水たまりを避けて歩いている


◯1516◯1257の回想/社殿/稽古場(500年前/朝)

 武士たちが刀、槍、薙刀の稽古をするための広い和室にいる波音、奈緒衛、凛

 木刀を素振りしている波音と凛

 奈緒衛の前に木刀が置いてある

 波音と凛が素振りをしている木刀と奈緒衛の前に置いてある木刀は、◯1245、◯1248、◯1250、◯1252、◯1254、◯1256で鳴海、菜摘、汐莉が見ていた物であり、◯1246、◯1251、◯1253の滅びかけた世界のスズが素振りしていた物と完全に同じ

 凛は波音の指示に従って木刀を素振りしている

 奈緒衛は座って波音と凛の稽古の様子を見ている

 稽古場にはたくさんの木刀が壁にかけられている


◯1517◯1371の回想/音羽川(500年前/夕方)

 夕日が沈みかけている

 音羽川はとても長く自然が多い

 音羽川の周囲は森になっている

 音羽川の流れは穏やか

 音羽川の近くには一軒の民家がある

 二頭の馬の手綱が音羽川の近くの木に結ばれている

 音羽川で楽しそうに水遊びをしている波音、奈緒衛、凛

 波音、奈緒衛、凛がずぶ濡れになっている

 凛が川の水をすくい、奈緒衛の方へ水を投げる

 奈緒衛の顔面に水がかかる

 夕日が沈んでいく中、波音、奈緒衛、凛は水遊びを続ける


◯1518回想戻り/森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506、◯1508、◯1511、◯1514と同日

 ◯1514の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 波音は目を瞑ったまま死んだ凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 鳴海は波音と凛の近くで立っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 光秀は刀を鳴海に向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 目を開ける波音

 波音の瞳にはあるはずもない海が映っている

 波音の人に映った海は荒波が立っている


波音「(死んだ凛を抱き抱えたまま)許さぬぞ・・・(大きな声で)私は貴様らを許さぬぞ!!!!」


 地震が起こり始める

 

鳴海「ま、また地震か・・・?」


◯1519滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1512の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 車の近くに立っている老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の波音村と繋がっている

 500年前の波音村には火葬場が出来ている

 火葬場にはたくさんの村人、住持が集まっている

 一人の住持が松明を持っている

 500年前の人たちには老人の姿と宙に浮かんだ水の渦が見えていない

 村人は子供から年寄りまで集まっている

 村人の中には泣いている人もいる

 火葬場には遺体を燃やすための木材が積み重ねてあり、その上には木材で出来た棺が置いてある

 棺の中には波音の遺体、向日葵、和紙で出来た風車、かつて菜摘が波音に宛てて書いた手紙が入っている

 波音の遺体は白い装束を着ている

 村人たちの近くには波音を運ぶのに使った畳が地面に置いてある

 一世という男が波音の葬儀を行っている

 老人は水の渦の中心から500年前の波音村の火葬場を見ている


一世「火をつけるんだ」


 松明を持っている住持が木材で出来た棺に松明の火を近付ける

 

◯1520緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513と同日

 ◯1513の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ており、右手には刀を持っている

 早季の刀は赤黒く光っている

 早季は赤黒く光る刀を菜摘に向けて構えている

 早季の周りを3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる


早季「(赤黒く光る刀を菜摘に向けて構えたまま)地球の未来に比べれば・・・菜摘の周囲にいる人たちの運命は・・・取るに足らないことじゃないですか・・・」」

凛「(声)あなた様はこのような時にも人を見下すのですね」

早季「(赤黒く光る刀を菜摘に向けて構えたまま)人類は大昔から下賤な生き物でした・・・私はそれを正したいんです・・・人類が子供たちや自然に優しく接しられるように・・・」

奈緒衛「(声)お前は自分が偉いと勘違いしてるんだな、だから菜摘の想いも届かないんだ」


 凛の声、奈緒衛の声が早季の周りをふわふわと浮かぶ小さな白い光の玉の2つから聞こえてくる


波音「(声)人は傲慢だが、それはお主も同じだぞ、早季」


 波音の声が早季の周りをふわふわと浮かぶ小さな白い光の玉の1つから聞こえてくる


早季「(赤黒く光る刀を菜摘に向けて構えたまま)私を傲慢にしたのは人です・・・人がいたから私は・・・人さえいなければ私は・・・」

菜摘「(正座をしたまま)大丈夫だよ、早季ちゃん。早季ちゃんの運命は私が変えるからね・・・」


 早季は赤黒く光る刀を構えたまま菜摘に向かって走り出す

 早季の周りにいた3つの小さな白い光の玉は素早く飛び菜摘の方へ行く

 早季は菜摘に向かって赤黒く光る刀を勢いよく振り下ろす

 早季の赤黒く光る刀は見えない何かに邪魔をされて菜摘の顔のギリギリ手前で止まる

 3つの小さな白い光の玉は正座をした菜摘の周りをふわふわと浮かんでいる

 早季は赤黒く光る刀に力を入れ振り下ろそうとする


◯1521波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520と同日

 ◯1507の続き

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏は薄暗く、ほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 千春の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、滅びかけた世界の道路(昼過ぎ)と繋がっている

 千春は水の渦の中心から滅びかけた世界の道路を見ている


千春「(水の渦の中心から滅びかけた世界の道路を見たまま)この渦を通れば・・・きっと菜摘さん鳴海さんにに手を差し伸べられるはずです」


 千春は宙に浮かんだ水の渦に向かって一歩足を前に出す

 

◯1522森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506、◯1508、◯1511、◯1514、◯1518と同日

 ◯1518の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 波音は死んだ凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 鳴海は波音と凛の近くで立っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 馬に乗って武装した光秀と、同じく馬に乗って武装した明智軍の武士たちが波音、奈緒衛、凛のことを囲んでいる

 明智軍の武士たちは波音、奈緒衛、凛に日本刀、火縄銃、槍を向けている

 光秀は刀を鳴海に向けている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 奈緒衛、光秀、明智軍の武士たちが鳴海のことを見ている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 波音の瞳にはあるはずもない海が映っている

 波音の瞳に映った海は荒波が立っている

 地震が起きている

 揺れが徐々に激しくなり、明智軍の馬たちの落ち着きがなくなる

 奈緒衛は倒れたまま周囲を見る

 

奈緒衛「(倒れたまま周囲を見ながら)な、何事だ・・・」


 馬が制御出来なくなり、明智軍の武士たちは次々に落馬する


光秀「(刀を鳴海に向けたまま大きな声で)もしや妖術か!?!?」


 明智軍の武士の一人が落馬し、その際に持っていた火縄銃が暴発する

 暴発して放たれた弾丸が光秀の近くにいた明智軍の武士に当たる


光秀「(刀を鳴海に向けたまま大きな声で)三人とも殺してしまえ!!!!」


 光秀の馬が走り、光秀は刀で鳴海の首を狙う


奈緒衛「(大きな声で)早く逃げろ鳴海!!!!」

鳴海「(大きな声で)クソッ!!!!」


 鳴海は宙に浮かんだ水の渦に向かって走り出す


◯1523緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521と同日

 ◯1520の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ている

 早季は刀を菜摘に向かって振り下ろしているが、早季の刀は見えない何かに邪魔をされて菜摘の顔のギリギリ手前で止まっている

 早季の刀は赤黒く光っている

 正座をした菜摘の周りを3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は赤黒く光る刀に力を入れている


菜摘「(正座をしたまま)早季ちゃんも助ける・・・」


 菜摘は咳き込む


菜摘「(正座をしたまま咳き込みながら)ゲホッ・・・ゲホッ・・・早季ちゃんも・・・運命に囚われた鳥だから・・・絶対に助ける・・・ゲホッ・・・」


 早季は赤黒く光る刀に力に更に力を入れる

 菜摘は激しく咳き込んでいる


◯1524森(500年前/夜)

 500年前の◯1420、◯1432、◯1434、◯1252、◯1455、◯1458、◯1461、◯1463、◯1465、◯1467、◯1470、◯1476、◯1482、◯1485、◯1487、◯1494、◯1496、◯1500、1504、◯1506、◯1508、◯1511、◯1514、◯1518、◯1522と同日

 ◯1522の続き

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 地震が起きている

 森の中にいる鳴海、波音、奈緒衛、凛、明智光秀、100人近くの明智軍の武士たち

 森の中には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、波音高校の裏庭(昼)と繋がっている

 波音高校の裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 鳴海は宙に浮かんだ水の渦に向かって走っている

 波音は死んだ凛を抱き抱えている

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 波音の瞳にはあるはずもない海が映っている

 波音の瞳に映った海は荒波が立っている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 明智軍の武士たちは馬に乗って武装していたが、突如襲った地震の影響で落馬している者が大勢いる

 馬に乗った光秀が鳴海のことを追いかけている

 光秀は刀を構え鳴海の首を狙っている


光秀「(鳴海の首を狙って刀を振り下ろしながら)まずは貴様の命を貰った!!!!」


 鳴海は光秀の刀を寸でのところで避け宙に浮かんだ水の渦の中心に飛び込む


◯1525波音高校体育館ステージ裏(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523と同日

 ◯1521の続き

 体育館ステージ裏の通路にいる千春

 ステージ裏は薄暗く、ほこりっぽい

 ステージ裏にはバレーボール、コート、吹奏楽部の楽器、譜面台、跳び箱、ロイター版、体操用のマットなどがあちこちに置いてある

 千春がいるところは、◯1493の鳴海が歩いていたところと完全に同じ

 千春は刃の欠けた剣と、ギャラクシーフィールドのコインを持っている

 千春の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、滅びかけた世界の道路(昼過ぎ)と繋がっている

 千春は宙に浮かんだ水の渦に向かって歩いている


千春「(宙に浮かんだ水の渦に向かって歩きながら)学園祭の時は足手まといだったけど・・・あれから私は変わりました。今度こそ必ず皆さんに手を差し伸べてみませす」


 千春は水の渦の中心を通って滅びかけた世界の道路に行く


◯1526緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525と同日

 ◯1523の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ている

 早季は刀を菜摘に向かって振り下ろしているが、早季の刀は見えない何かに邪魔をされて菜摘の顔のギリギリ手前で止まっている

 早季の刀は赤黒く光っている

 正座をした菜摘の周りを3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 早季は赤黒く光る刀に強く力を入れている

 菜摘は正座をしたまま激しく咳き込んでいる


早季「(菜摘に向かって赤黒く光る刀を振り下ろしたまま)あなたの好きにはさせない!!」

菜摘「(正座をしたまま激しく咳き込みながら)ゲホッ・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・嫌だ・・・私はみんなを救うんだ・・・」


 菜摘は血を吐き出す


波音「(大きな声)菜摘!!!!」


 波音の声が正座をした菜摘の周りをふわふわと浮かぶ小さな白い光の玉の1つから聞こえてくる


菜摘「(正座をしたまま血を吐き出しながら)奇跡を起こすために・・・(大きな声で)みんなで私の命に飛び乗って!!!!」


 早季の目が瞳以外も黒く染まる

 早季の目は両目とも真っ黒になっている

 早季の赤黒く光る刀から煙が出ている

 早季の赤黒く光っている刀は発熱している

 早季の赤黒く光っている刀の刃の先が菜摘の顔に触れそうになっている


◯1527滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1519の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 車の近くに立っている老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の波音村と繋がっている

 500年前の波音村には火葬場が出来ている

 火葬場にはたくさんの村人、住持が集まっている

 一人の住持が松明を持っている

 500年前の人たちには老人の姿と宙に浮かんだ水の渦が見えていない

 村人は子供から年寄りまで集まっている

 村人の中には泣いている人もいる

 火葬場には遺体を燃やすための木材が積み重ねてあり、その上には木材で出来た棺が置いてある

 棺の中には波音の遺体、向日葵、和紙で出来た風車、かつて菜摘が波音に宛てて書いた手紙が入っている

 波音の遺体は白い装束を着ている

 村人たちの近くには波音を運ぶのに使った畳が地面に置いてある

 一世という男が波音の葬儀を行っている

 老人は水の渦の中心から500年前の波音村の火葬場を見ている

 松明を持っている住持が木材で出来た棺に松明の火をつけようとしている


老人「(水の渦の中心から火葬場の棺を見て大きな声で)何故だ!!!!何故俺にこれを見せる!!!!波音!!!!ナツに力を使わせるな!!!!」

 

 村人たちには老人の声は聞こえていない

 住持は松明の火を木材で出来た棺につける


◯1528波音高校裏庭(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526と同日

 500年前の◯1524の続き

 宙に浮かんだ水の渦の中心に飛び込んで波音高校の裏庭に戻って来た鳴海

 鳴海は息を切らしている

 裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の森(夜)と繋がっている

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 森では地震が起きている

 森には死んだ凛を抱き抱えている波音、足に怪我を負って倒れた奈緒衛、鳴海の首を刀で狙っていた光秀、落馬した明智軍の武士たち、暴れている明智軍の馬たち、火縄銃の暴発に巻き込まれて死んだ明智軍の武士がいる

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 波音の瞳にはあるはずもない海が映っている

 波音の瞳に映った海は荒波が立っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流し倒れている

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 明智軍の武士たちは皆武装している

 

鳴海「(息を切らしながら)ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・危なかった・・・」


 後ろから明智軍の武士たちの悲鳴が聞こえる 

 呼吸を整え振り返って、水の渦の中心から500年前の森を見る鳴海

 森の中では大木が倒れ明智軍の武士を下敷きにしている

 地震の影響で大きな音を立てて森の地面が割れる

 光秀の馬が地割れに足を巻き込む

 光秀は落馬する

 波音や奈緒衛に明智軍の武士が近づこうとすると、馬が明智軍の武士を襲ったり、倒木が起きたりする

 波音は死んだ凛を抱き抱えた状態から一歩も動いていない

 明智軍の武士たちは血を上げながら次々に死んでいく

 森の中では強い風が吹き荒れ、石、木の枝、木の葉が飛び交っている

 奈緒衛はほふく前進をして波音の元へ向かっている

 鳴海は呆然と水の渦の中心から500年前の森を見ている

 明智軍の武士たちは波音と奈緒衛を殺そうとしているが、一太刀も浴びせることが出来ていない

 波音の元に辿り着いた奈緒衛は座り直し、波音を後ろから抱きしめる

 波音のことを後ろから抱きしめている奈緒衛と鳴海の目が水の渦越しに合う

 奈緒衛は波音のことを後ろから抱きしめたまま、目が合った鳴海に対して頷く

 鳴海も奈緒衛と同じように頷く


◯1529緋空寺/境内(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528と同日

 ◯1526の続き

 緋空寺の境内にいる菜摘と早季

 寺は人の手入れが全くされていない

 寺の屋根の一部分は壊れている

 雑草が生い茂り、かつて舗装されていたであろう道は砂利で荒れ果てている

 手水舎に水は入っていない

 寺の賽銭箱はひっくり返っている

 正座をしている菜摘

 菜摘の瞳にはあるはずもない海が映っている

 菜摘の瞳に映った海は荒波が立っている

 菜摘の瞳に映っている海は金色に光り輝いている

 早季は制服を着ている

 早季は刀を菜摘に向かって振り下ろしているが、早季の刀は見えない何かに邪魔をされて菜摘の顔のギリギリ手前で止まっている

 早季の刀は赤黒く光っている

 菜摘は正座をしたまま激しく咳き込んでいる

 早季の早季の目は両目とも真っ黒になっている

 早季の赤黒く光る刀から煙が出ている

 早季の赤黒く光っている刀は発熱している

 早季の赤黒く光っている刀の刃の先が菜摘の顔に触れそうになっている

 正座をした菜摘の周りを3つの小さな白い光の玉がふわふわと浮かんでいる

 菜摘の前には吐き出した大量の血がある


菜摘「(正座をしたまま激しく咳き込みながら)ゲホッ・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・(大きな声で)絶対に負けるもんかぁああああああああああああああああああ!!!!」


 早季の赤黒く光っていた刀が真っ二つに折れ、早季の体は後ろに吹き飛ばされる

 菜摘は再び血を吐き、意識を失ってその場に倒れる


◯1530滅びかけた世界:波音高校前(昼過ぎ) 

 ◯1208、◯1209、◯1211、◯1220、◯1221、◯1226、◯1233、◯1235、◯1239、◯1241、◯1243、◯1246、◯1251、◯1253、◯1255、◯1259、◯1261、◯1263、◯1265、◯1275、◯1277、◯1290、◯1294、◯1296、◯1297、◯1298、◯1299、◯1415、◯1419、◯1425、◯1427、◯1433、◯1435、◯1447、◯1451、◯1475、◯1477、◯1479、◯1483、◯1484、◯1485、◯1501、◯1503、◯1510、◯1512、◯1519、◯1527、そしてスズと千春が出会った◯1505、◯1507と同日

 ◯1527の続き

 荷台のある黒くて大きなピックアップトラック型の車が波音高校の前に止まっている

 車の近くに立っている老人

 波音高校の校舎は古く、ボロボロになっている

 車の荷台にはショッピングモールから盗んだ楽器、スポーツ用品、様々な電化製品、映画のDVD、海で遊ぶ道具、スケートボードと、波音博物館から盗んだ日本刀、槍、薙刀などが山のように積まれている

 車の荷台に積まれた日本刀は、◯1248、◯1250、◯1252で千春が見ていた物であり、◯1393、◯1456、◯1459、◯1462、◯1465、◯1467、◯1469、◯1471で波音が使用していた日本刀と同じ物

 老人は肩にボルトアクションライフルをかけている

 老人の目の前には宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の波音村と繋がっている

 500年前の波音村には火葬場が出来ている

 火葬場にはたくさんの村人、住持が集まっている

 一人の住持が松明を持っている

 500年前の人たちには老人の姿と宙に浮かんだ水の渦が見えていない

 村人は子供から年寄りまで集まっている

 村人の中には泣いている人もいる

 火葬場には遺体を燃やすための木材が積み重ねてあり、その上には木材で出来た棺が置いてある

 棺の中には波音の遺体、向日葵、和紙で出来た風車、かつて菜摘が波音に宛てて書いた手紙が入っている

 波音の遺体は白い装束を着ている

 村人たちの近くには波音を運ぶのに使った畳が地面に置いてある

 一世という男が波音の葬儀を行っている

 老人は水の渦の中心から500年前の波音村の火葬場を見ている

 木材で出来た棺が燃え上がっている


老人「(水の渦の中心から火葬場の棺を見て大きな声で)波音と凛の魂を持つ者は長生き出来ない運命だと知っているはずだ!!!!」


 村人たちには老人の声は聞こえていない


一世「これより俺の名は一世ではなく・・・」


 突然宙に浮かんだ水の渦の中心が閉じる

 宙に浮かんだ水の渦は500年前の波音村との繋がりが途絶えている

 宙に浮かんだ水の渦は徐々に小さくなり、ゆっくり老人の足元へ流れ降りる


老人「(徐々に小さくなる宙に浮かんだ水の渦を見ながら)ナツの奇跡の力がやったのか・・・」


 老人の足元には水たまりが出来ている

 老人は車の荷台に積んでいた日本刀、槍、薙刀を手に取る

 老人の足元に出来た水たまりは流れて行き、波音高校の校舎の壁へ吸い込まれて消える

 老人はナツとスズを探しに行く


◯1531波音高校裏庭(昼)

 ◯1420、◯1421、◯1422、◯1423、◯1426、◯1428、◯1430、◯1432、◯1434、◯1437、◯1439、◯1440、◯1441、 ◯1442、◯1443、◯1444、◯1445、◯1446、◯1448、◯1449、◯1450、◯1452、◯1453、◯1454、◯1455、◯1457、◯1458、◯1460、◯1461、◯1463、◯1464、◯1466、◯1468、◯1470、◯1472、◯1473、◯1476、◯1478、◯1481、◯1482、◯1487、◯1488、◯1490、◯1492、◯1493、◯1494、◯1495、◯1496、◯1497、◯1499、◯1502、◯1504、◯1505、◯1507、◯1509、◯1513、◯1520、◯1521、◯1523、◯1525、◯1526、◯1528と同日

 ◯1528、そして500年前の◯1524の続き

 波音高校の裏庭にいる鳴海

 裏庭には花壇があり、さまざまな花が育ち始めている

 鳴海の後ろには、宙に浮かんだ2mほどの大きさの水の渦がある

 水の渦の中心は開いており、500年前の森(夜)と繋がっている

 森の中は月が雲に隠れていて薄暗い

 森の中は濃い霧が出ている

 森の中にはたくさんの大きな木が育っている

 太く大きな木の根が地面から盛り上がっている

 森では地震が起きている

 森には死んだ凛を抱き抱えた波音、波音のことを後ろから抱きしめている奈緒衛、落馬した光秀、暴れている明智軍の馬たち、倒木や馬に踏まれて死んだ明智軍の武士たちが大勢いる 

 波音は首と腰から出血している

 波音は菜摘が波音に宛てて書いた筆文字(古語)の手紙(和紙)を持っている

 波音の瞳にはあるはずもない海が映っている

 波音の瞳に映った海は荒波が立っている

 奈緒衛は太ももから大量の血を流している

 凛の胸元は血で真っ赤に染まっており、口からも血を垂れ流したまま死んでいる

 明智軍の武士たちは皆武装している

 森の地面は地震の影響で割れている

 森の中では強い風が吹き荒れ、石、木の枝、木の葉が飛び交っている

 明智軍の武士たちが波音と奈緒衛のことを殺そうとしているが、二人に近づこうとすると事故が起こる

 次々に明智軍の武士たちが血を上げながら死んでいく

 鳴海は振り返ったまま、水の渦の中心から500年前の森を見ている

 水の渦越し鳴海と奈緒衛の目が合っている

 鳴海は口を開きに奈緒衛に何か言おうとするが、突然宙に浮かんだ水の渦の中心が閉じる

 鳴海は呆然としている

 宙に浮かんだ水の渦は500年前の森との繋がりが途絶えている


鳴海「(呆然としながら宙に浮かんだ水の渦を見て)な、波音と奈緒衛は・・・どうなったんだ・・・」


 宙に浮かんだ水の渦は徐々に小さくなり、ゆっくり鳴海の足元へ流れ降りる

 鳴海の足元には水たまりが出来ている

 鳴海は呆然としながら水たまりを見ている

 少しの沈黙が流れる

 鳴海の足元に出来た水たまりは流れて行き、花壇の中に戻る

 花壇の中に戻った水は肥料や花の茎に吸い込まれて消える


鳴海「(花壇を見るのをやめて)菜摘を探そう・・・」


 鳴海は菜摘を探すために裏庭にある扉を開けて体育館ステージ裏に行く

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