Chapter6卒業編♯34√文芸部(波音物語)×√軽音部(ライブ)-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海
向日葵が教えてくれる、波には背かないで
Chapter6卒業編 √文芸部(波音物語)×√軽音部-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海
登場人物
滅びかけた世界
ナツ 16歳女子
ビビリな面も多く言葉遣い荒い。勤勉家。母親が自殺してしまい、その後は一人で旅を続けていたがスズと出会い行動を共にするようになった。
スズ 15歳女子
マイペース、ナツと違い勉強に興味なし。常に腹ペコ。食べ物のことになると素早い動きを見せるが、それ以外の時はのんびりしている。
ナツと共に奇跡の海を目指してやって来た。
老人 男
ナツの放送を聞いて現れた謎の人物。元兵士の男。緋空浜の掃除を一人でしている。Narumi Kishiと彫られたドッグタグを身に付けているがその正体は・・・
中年期の明日香 女子
老人ともう一人の兵士を見送りに来た、中年期頃の明日香。
七海 女子
中年期の明日香と同じく、老人ともう一人の兵士を見送りに来た少女。年齢は15、16歳。
老人と同世代の男兵士1 男子
中年期の明日香、七海に見送られていた兵士。老人、レキ、男兵士2と同じ隊に所属していた。
レキ 女子
老人たちと同じグループの若い女兵士で、年齢は25歳前後。老人、男兵士1、男兵士2と同じ隊に所属していた。老人とは親しかった様子。
老人と同世代の男兵士2 男子
中年期の老人、男兵士1、レキと同じ隊に所属している兵士。
滅んでいない世界
貴志 鳴海 18歳男子
波音高校三年三組、運動は得意だが勉強は苦手。無鉄砲な性格。両親を交通事故で失っている。歳の離れた姉、風夏がいるが仕事で忙しいため実質一人暮らし状態である。文芸部副部長。 Chapter4の終盤に菜摘と付き合い始めた。
早乙女 菜摘 18歳女子
波音高校三年三組、病弱で体調を崩しやすい、明るく優しい性格。文芸部部長。鳴海と付き合っている。生徒会選挙の直後に原因不明の病に襲われ、現在は入院中。
白石 嶺二 18歳男子
波音高校三年三組、鳴海の悪友、不真面目なところもあるが良い奴。文芸部のいじられキャラである。高校卒業後は上京してゲームの専門学校に通うことを考えている。
天城 明日香 18歳女子
波音高校三年三組。成績も良くスポーツ万能、中学生の時は女子ソフトボール部に所属していた。ダラダラばかりしている鳴海と嶺二を何かと気にかけては叱る。文芸部部員。夢は保育士になること。最近は受験前のせいでストレスが溜まっている。なんだかんだで響紀とは良い関係。
南 汐莉15歳女子
波音高校に通っている一年生、文芸部と軽音楽部の掛け持ちをしている。バンド”魔女っ子少女団”のメインボーカルで歌とギターが得意。20Years Diaryという日記帳で日々の行動を記録している。Chapter5の終盤に死んでしまう。
一条 雪音18歳女子
波音高校三年三組、才色兼備な女生徒。元天文学部部長で、今は文芸部に所属。真面目な性格のように見えるが・・・
柊木 千春女子
Chapter2の終盤で消えてしまった少女で、嶺二の想い人。
三枝 響紀15歳女子
波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のリーダー兼リードギター担当。クールで男前キャラ、同性愛者、 Chapter3で明日香に一目惚れして以来、彼女に夢中になっている。
永山 詩穂15歳女子
波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のベース担当。基本はマイペースだが、キツい物言いをする時もある。
奥野 真彩15歳女子
波音高校一年生、軽音楽部所属。バンド魔女っ子少女団のドラム担当。バンドの賑やかし要員。
早乙女 すみれ45歳女子
菜摘の母、45歳には見えない若さ美しさを保つ。優しい、とにかく優しい。
早乙女 潤46歳男子
菜摘の父、菜摘とすみれを溺愛しており二人に手を出そうとすれば潤の拳が飛んでくる。自動車修理を自営業でやっている。永遠の厨二病。
神谷 志郎43歳男子
波音高校三年の教師。鳴海、菜摘、嶺二、明日香、雪音の担任。担当教科は数学。文芸部顧問。Chapter5の終盤に死んでしまう。
荻原 早季15歳女子
Chapter5に登場した正体不明の少女。
貴志 風夏24歳女子
鳴海の6つ年上の姉、忙しいらしく家にはほとんど帰ってこない。智秋と同級生で親友関係。いつの間にか看護師の仕事を始めている。
一条 智秋24歳女子
雪音の姉。妹と同じく美人。謎の病に苦しんでいたがChapter3の終盤にドナーが見つかり一命を取り留めたものの、再び体調を崩し現在は入院中。
双葉 篤志18歳男子
波音高校三年二組、天文学部副部長。雪音とは幼馴染み。
有馬 勇64歳男子
波音町にあるゲームセンター“ギャラクシーフィールド”の店主。千春が登場したゲーム、”ギャラクシーフィールドの新世界冒険”の開発者でもある。なお現在の”ギャラクシーフィールド”は儲かっている。
細田 周平15歳男子
野球部に所属している一年生。Chapter5では詩穂に恋をしていた。
貴志 紘
鳴海の父親、事故で亡くなっている。菜摘の父、潤と高校時代クラスメートだった。
貴志 由香里
鳴海の母親、事故で亡くなっている。菜摘の母、すみれと高校時代クラスメートだった。
神谷 絵美29歳女子
神谷の妻。Chapter5では妊娠していた。
波音物語に関連する人物
白瀬 波音23歳女子
波音物語の主人公兼著者。妖術を使う家系『海人』の末裔、そして最後の生き残り。Chapter4の終盤、妖術を使い奈緒衛の魂を輪廻させ、自らの魂も輪廻出来るようにした。
佐田 奈緒衛17歳男子
波音の戦友であり恋仲。優れた剣術を持ち、波音とは数々の戦で戦果をあげた。Chapter4の終盤に死んでしまった人物。
凛21歳女子
波音、奈緒衛を慕う女中。緋空浜の力を持っており、遥か昔から輪廻を繰り返してきた。波音に輪廻を勧めた張本人。体が弱い。奈緒衛と同じくChapter4の終盤に死んでしまった人物。
明智 光秀55歳男子
織田信長と波音たちを追い込み凛を殺した。
織田 信長48歳男子
天下を取るだろうと言われていた武将。
一世 年齢不明 男子
ある時波音が出会った横暴で態度の悪い男。
Chapter6卒業編♯34√文芸部(波音物語)×√軽音部-夏鈴ト老人ハ大掃除ニツキ=好きにしろ、決別する海
◯1365本能寺/信長の寝室(500年前/朝)
◯1347、◯1348、◯1350、◯1351、◯1352、◯1353、◯1354、◯1355、◯1356、◯1357、◯1358、◯1359、◯1360、◯1361と同日
信長の部屋にいる波音と奈緒衛
首を斬り落とされて死んだ信長がいる
信長の遺体は腹と首から血を流しながら倒れている
波音の足元には信長の生首が転がっている
信長の死体の腹には日本刀が突き刺さっている
部屋中に信長の血が飛び散っている
波音は俯いている
波音「(俯いたまま)私はそなたに死んで欲しくない・・・生きて欲しい」
◯1366河原(500年前/日替わり/昼)
◯1365の続き
本能寺から逃げて来た波音、奈緒衛、凛、織田軍の武士たちと馬たち
河原で休んでいる波音、奈緒衛、凛、織田軍の武士たちと馬たち
織田軍の武士たちは河原の水を飲んだり、傷の手当てをしたりして各々自由に過ごしている
織田軍の武士たちは二百人ほどしかいない
波音の右腕は手当てがされている
波音は怪我をした武士たちのことを見ている
奈緒衛の頬に切り傷がある
川の近くで話をしている奈緒衛と凛
凛「奈緒衛様、大事な者はまだ残っておりますよ」
奈緒衛「自分の命とかな・・・」
凛「奈緒衛様!!」
奈緒衛「(驚いて)な、何だよ急に大きな声を出して・・・」
凛「奈緒衛様にはまだ波音様がいるではありませんか!!」
奈緒衛「あ、ああ・・・そうだな・・・」
凛「奈緒衛様と波音様は家族になって、互いを守り合うのです!!」
奈緒衛「か、家族に?」
凛「はい!!奈緒衛様は波音様をめとるか、もしくは奈緒衛様が波音様の婿になるのが良いでしょう!!」
奈緒衛「凛はどうするのだ?」
凛「私めは・・・女中として雇うか養子に向かい入れてください」
奈緒衛「なるほどな・・・それはそれでありだ」
時間経過
本能寺の方で黒い煙が上がっている
ざわついている織田軍の武士たち
波音は黒い煙を見ている
話をしている波音、奈緒衛、凛
波音「(黒い煙を見るのをやめて)社殿には私と凛が行こう、奈緒衛は皆を連れて近くの城に向かうのだ」
奈緒衛「二人だけで行くのか!?」
波音「城にいるような連中には、私のことを忌み嫌う者も少なくない。奴らは海人を恐れている。それに、社殿には女子しかおらぬ。幾らか気心が知れているだろう」
凛「では音羽川で落ち合いましょう、あの川に人は寄り付きません」
頷く奈緒衛
◯1367音羽川(500年前/夜)
◯1365、◯1366の続き
音羽川はとても長く自然が多い
音羽川の周囲は森になっている
音羽川の流れは穏やか
夜風で草木がなびいている
月が音羽川に反射している
音羽川で休んでいる波音と凛
波音と凛は音羽川の側の草原に座っている
夏の虫が鳴いている
一頭の馬の手綱が音羽川の近くの木に結ばれている
話をしている波音と凛
凛「時に波音様」
波音「何だ?」
凛「奈緒衛様とはいつ家族になられますか?」
波音「家族?」
凛「ご結婚のことです!」
波音「し、し、知らぬわそんなこと!!」
凛「とぼけてはなりませぬ!!早うご結婚しなければ、奈緒衛様が他の女に取られてしまいます!!」
波音「そ、その心配はなかろう!!(少し間を開けて大きな声で)や、や、奴は私に夢中だからな!!!!」
凛「惚気でございますか?」
波音「(大きな声で)違う!!!事実だ!!!!」
少しの沈黙が流れる
凛「波音様、絶対にお二人は結ばれてくださいね」
波音「う、うむ・・・」
波音の顔が赤くなっている
凛は笑顔を波音に見せる
時間経過
二頭の馬の手綱が音羽川の近くの木に結ばれている
一頭の馬にはたくさんの荷物が乗せてある
波音、奈緒衛、凛の三人が音羽川の側の草原で抱き合っている
奈緒衛「(三人で抱き合いながら)すまない ・・・本当にすまない ・・・みんな逃げ出してしまった・・・」
波音「(三人で抱き合いながら)良いのだ・・・奈緒衛が無事ならそれで良いのだ」
凛「(三人で抱き合いながら)このように三人で寄り添っていられるのなら・・・私めは幸せでございます」
時間経過
音羽川の側の草原に寝そべっている波音、奈緒衛、凛
星を見ながら話をしている波音たち
夜空にはたくさんの星が浮かんでいる
凛「(星を見ながら)緋空に行くのはいかがでしょうか?私めと波音様の故郷です」
波音「(星を見ながら)緋空か・・・もう長いこと訪ねておらぬわ」
奈緒衛「(星を見ながら)結構遠いよな?行き甲斐がありそうだけど」
凛「(星を見ながら)長旅になるでしょう。けれどその方が楽しいではございませぬか」
波音「(星を見ながら)良かろう。三人で何もかもやり直すのだ、あの地まで追手が来るとは思えぬからな」
凛が波音の左手を握る
波音は右手で奈緒衛の左手を握る
流れ星が通り過ぎる