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3『近衛騎士団長』

俺は今近衛騎士団長と手合わせしてる。

何故なら近衛騎士団長は騎士団より何倍も強く、騎士団を壊滅させた誘拐犯と同等の力量があるらしい。

因みに、誘拐犯のスキルを言っても信じてもらえなかった。


「さあ、来い!」


<<。。。>>


数時間前。。。


俺はなんか偉そうな人たちに王宮内に連れ込まれた。俺は報酬さもらえれば帰るって伝えても聞く耳持たない。

そして、無駄に大きい扉の前に待たされた。

「いいですか、この扉が開いたら王家の紋章の三歩手前で止まって、膝をついて頭をさげてください。それと、陛下の許可無く話さないでください」

扉が開いた。

俺は胸を張って歩き、王家の紋章の三歩手前で立って、王を見上げた。王の隣に救った王女ともう一人の王女もいた。聖女もまた、その隣にいた。その後、頭を下げた。

周りの貴族達がざわついた。

「なんたる不敬な平民だ」

「聞けば親は冒険者なんですって。野蛮ですわね」

「謁見の間を汚す平民め」

「ほう、この場でもこの態度か」

「肝は据わってるな」

最初に見上げたのは何か意味でもあるのだろうか?

すると王が口を開いた。

「静かにせよ!」

この場にいる貴族達が黙った。

「余はルシウス・ライ・プレテギール二十七代目国王だ。まずは娘と聖女を救ってくれたことに感謝する。だが、余の貴族たちがお前を疑っている。そこでだ近衛騎士団長と一騎討ちをやってくれないか。もし、近衛騎士団長がお主を認めたなら、お主に報奨金と名誉爵位を授けよう。これからも世に使えよ。お主の名は何と言う?」

「俺の名前はタカ。俺は爵位には興味ありませんし、この国に使える気もありません。それは傲慢だ」

この名前に何名かの貴族の子供が反応した。

横から貴族達が騒ぐ。

「王家は神に選ばれたんだぞ。王家の誘いを断るなどは神への冒涜だぞ!」

「これだから平民は」

それに俺は言い返す。

「物と地位と金で何でも自分の思い通りになると思うのは傲慢でしかないと思うが」

「静まれ!余はこの平民と話をしているのだぞ。それでお前はこの王を傲慢というのだな?ならば試してみよ!」


<<サイド・ルシウス>>


何だこの平民は!

余を傲慢と呼び、力無き傲慢と呼ぶ。

余は確かに傲慢だ。だが決して力無き傲慢ではない。我には近衛騎士団長がいる。金がある。貴族がいる。軍隊がいる。国がある。

如何なる手を使ってでもこの平民を殺す。

「静まれ!余はこの平民と話をしているのだぞ。それでお前はこの王を傲慢というのだな?ならば試してみよ!お主をしけー」

怒りを顕にした私に宰相が耳打ちして来た。

「陛下、一応このものは第二王女の恩人です。表向きに死刑は不味いかと」

「ならばどうしろと?」

「私に案があります」

「聞かせろ」

「実力を近衛騎士団長に見てもらう時に殺すのです」

「それであの平民を殺せるのか」

「そうです。しかも、騎士団長は武闘神の加護持ちでスキルを超えた男ですから負けるはずがありません。万が一にあの平民には殺すなと伝えておけば、平民は全力では行けないでしょう」

「それにしよう」

「コホン」

私が咳き込むと、再び話し始めた。

「お前が本当に誘拐犯を討ち取ったかは確かではない。我が国の精鋭の騎士団を壊滅させた犯人を討ち取ったのだからお前の実力相当なもののはずだ。お主には我が近衛騎士団長と手合わせしてもらう。もし近衛騎士団長が認めると言うならば、お前に報奨金を渡そう」


<<サイド・タカ>>


「お前が本当に誘拐犯を討ち取ったかは確かではない。我が国の精鋭の騎士団を壊滅させた犯人を討ち取ったのだからお前の実力相当なもののはずだ。お主には我が近衛騎士団長と手合わせしてもらう。もし近衛騎士団長が認めると言うならば、お前に報奨金を渡そう」


「そこまで俺は言ったんだ。やってやろうじゃねえか。その代わり、俺は誘拐犯を討ち取ったときの装備のまま決闘します」

すると、王が隣に立つ人に耳打ちし、その返答が聞こえた。

「ーええ、彼の装備は今見えてる物だけです」


まず訓練場に案内された。他の貴族達もついて来た。

俺は近衛騎士団長と手合わせすることになって、ギャラリーが増えた。

貴族の俺の歳ぐらいの子供達がいた。同級生だ。

俺は使い慣れた片手剣と暗器の投げ針を準備した。

そこに同級生らしき声が聞こえた。

「俺たちのチートでも倒せなかったこの近衛騎士団長をただが平民が倒すわけねえな。ま、暇だったから一方的な暴力はウェルカムだな」

「俺近衛騎士団長に一票」

「「俺も」」

「全員同じだったら賭けにならねえじゃねーか」

「そうだな」

下品な笑い声が聞こえた。


近衛騎士団長が完全武装でやって来た。

俺は皮鎧と片手剣。

向こうはフルプレートアーマーと両手剣。

見ると圧倒的に不利だ。


「青年、私は武闘神の加護も持ってる。もし、お前さんが嘘ついてたら今言った方がいいぞ。」

「事実なんで、結構。」

「私の名はジルクニフ。ただのジルクニフだ。この国最後の砦の近衛騎士団長をやってる。武闘大会でも優勝経験がある」

「俺はタカ。ただのタカ」


ジルクニフは息を吸って叫んだ。

「さあ、来い!」

だが、その叫び声を無視して俺は

「スキル<<居合斬り>>」

と叫んだ。そしてひたすら待つ。

ジルクニフからため息が聞こえる。

「まさかスキルだけであの者を倒したとは言うまいな」

俺は黙り込む。

「ではこちらから行くぞ」

小手調べに横薙ぎがきた。

その剣に反応して俺は剣を抜く。

キィイイイイン。

剣がぶつかり合うがジルクニフの方が圧倒的に力が強かった。

その時俺は叫んだ。

「スキル<<剣舞>>」

俺は舞った。ジルクニフの剣を踊るように捌いてた。

驚いたジルクニフは一旦引いた。

「流石にスキルなしでは無理か」

そして深く息を吸って、吐いたらー

「青年。待ってくれた事に感謝する。これで終わらせる」

ジルクニフのお動きが変わった。だがその動きは俺も知っていた。父さんの追撃と俺の連撃が組み合わさった状態だった。あんなの反則だろ。連撃なんてただでさえ早く手数が多いのに、それを二倍、もしくはそれ以上にする追撃はヤバイ。俺が実験して見たかったことを自分で体験できるのはありがたい。馬鹿正直に相手をすることはない。

俺は真面目に相手にせず剣をしまって投げ針を取り出した。

「ほう、暗器か。小細工で私を止められると思うなよ」

俺は十本の針をジルクニフに向けて投げるそぶりだけを見せた。

スキルでは無く、俺の技能で出した縮地で一気に距離をつめた。

「なっ」

そして、針を落とした。

フルプレートで踏んだら絶対転ぶ。しかも、足元はフルプレートだとよく見えない。

縮地で再び引いた。

周りからは卑怯だぞなどとふざけた事を言っていた奴もいた。

ジルクニフは連撃を止めて呟いた。

「中々やるな」


<<サイド・ジルクニフ>>


私は構えた。上からの超高速の振り下ろし。反応は不可能。

不可能のはずだった。

この大技は私が武闘大会決勝で編み出した最強最速の一撃。技能(スキル)の融合で<<一撃必殺>><<腕力倍増>><<剣速上昇>><<兜割>><<振り下ろし>>を合わせた最強最速の一撃。人の反応速度だと絶対に追いつかない。武人の加護持ち同士でもこの一撃は必殺だった。警戒されると予め予想して避けられることもあるが、初見では不可能だ。

なのに、この青年は初見殺しを初見で避けた。

「なっ」

この一撃は訓練場の地面を抉り、土埃が舞う。

その隣に身軽に避けた青年がいた。

そして私は上からかかと落しを食らった。

フルプレートのヘルメットが外れて、青年が剣を振り下ろす。

「参った。」


<<サイド・タカ>>


ジルクニフが剣を素早く上に構えた。俺は技能(スキル)の見切りで避ける。絶対スキルでは反応できないのを俺は技能で避ける。地面にジルクニフの剣がめり込んだ隙を逃さずかかと落としを頭に決める。

俺はかかと落としでヘルメットを外した後、すかさず剣をジルクニフの頭に振りかざす。

「参った。」

ジルクニフの降参で試合は終わった。王と貴族達、そしてその子供達は驚いてた。

ジルクニフの言うことが本当なら彼らは加護なしが加護ありの歴代最強の男を負かした。

「で、お前ー

俺は王を剣で指して言う

ー俺の金貨百枚とっとと持ってこい」


<<。。。>>


再び謁見の間に戻った俺はすごいスッキリした。

何せあの王の顔。悔しそうな顔。

俺は金貨百枚の入った袋を魔法袋に入れた。

「それは。。。魔法袋」

「お前それを余に献上しろ。お前のような平民よりは神に選ばれし貴族が所有した方がいい」

俺の魔法袋を見て貴族たちがそれを要求する。

「断る。それを傲慢と言うんだろ。神に選ばれた?それがどうした」

すると王が俺魔法袋を指しながらに伝えた。

「まず、余の傲慢に気付かせた事を感謝する。名誉爵位げ必要無いなら、王都学院に転入できるように手配しやろう。何せそこに入学金が入っているからな」

「断る」

「な、もうお主。。。すまなかった。理由を申せ」

「僭越ながら陛下」

ジルクニフが跪いて発言する

「なんだジルクよ」

「報奨金を与えたにも拘らす、それを取り上げるようなことは些か横暴だと思います。この青年には世界はまだ広いこと、そして慢心しないことを思い出させてくれた恩があります。それに少し暴走気味であった陛下を止めました。学院の方は私に免じてただにできますか?」

「わかった。タカと言ったか、お主の功績を考えて学院の入学費を免除してやろう」

俺はウンザリしながら返事をしようとした

「だからー」

「頼む、青年。私はお前のような後継者が必要なんだ。だから頼む。それに()()()()の事を学院や私から学べる」

俺は『この世界』に反応した。

「それは本当か?」

「約束する」

「わかった。学院に入学します」

「ありがとう」

そうして俺は学院に入る事になった。

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